友人代表スピーチは、「お祝い → 自己紹介 → エピソード → はなむけ → 結び」の順に、3分ほどで話すのが基本です。笑いを入れるなら、自己紹介とエピソードの中に1〜3か所。結びはまじめに締めると、お祝いの場から浮きません。
この記事では、笑いの量(少し・ふつう・多め)で選べる全文の例文を3本のせています。笑いが起きやすい場所も書いたので、名前と思い出を入れかえれば、そのまま本番で読めます。
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友人代表スピーチの基本の型と笑いの入れどころ
3本の例文は、どれも次の5つのパートでできています。この順番で話すと、新郎新婦をよく知らない人でも、話の流れについていけます。
| パート | 話すこと | 長さの目安 | 笑い |
|---|---|---|---|
| 1. お祝い | 新郎新婦と両家へのお祝いの言葉 | 1〜2文 | 入れない |
| 2. 自己紹介 | 自分の名前と、新郎(新婦)との関係 | 2〜3文 | 軽く1つ |
| 3. エピソード | 人柄が伝わる思い出を1つ | 全体の半分ほど | 1〜3か所 |
| 4. はなむけ | 2人への願いや応援の言葉 | 2〜4文 | 軽く1つまで |
| 5. 結び | もう一度お祝いを言って締める | 1〜2文 | 入れない |
いちばん長く話すのは、3のエピソードです。思い出をいくつも並べるより、1つの場面をくわしく話すほうが、人柄も笑いも伝わります。4の「はなむけ」は、門出を祝って贈る言葉のことです。原稿の文字数は、900字前後が3分の目安です。
笑いの量で例文を選ぶ
3本の例文は、笑いの量を変えてあります。会場の顔ぶれと、人前で話すことに慣れているかどうかで選んでください。
| 例文 | 笑いの量 | 笑いの場所 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 例文1(新郎の大学の友人) | 少し | 2か所 | 親族や上司が多い式、笑いに自信がない人 |
| 例文2(新婦の高校の同級生) | ふつう | 3か所 | 友人と親族が半々くらいの式 |
| 例文3(新郎の高校の友人) | 多め | 6か所 | 友人が多い式、新郎新婦に「笑わせて」と頼まれた人 |
どの量でも、結びはまじめに締めます。笑いの多い原稿ほど、結びの2〜3文のていねいなお祝いが、会場によく届きます。話すエピソードがまだ決まらない人は、「友人代表スピーチのエピソードの選び方」から読むと、例文を直す作業が早く進みます。
例文1:笑い少しめ|新郎の友人として(大学の友人・約3分)
大学のサークルで知り合った友人が、新郎の人柄を話す例文です。笑いは2か所だけで、あとは落ち着いて話せます。〇〇は新郎新婦の名前、△△は自分の名前に置きかえてください。
〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
ただいまご紹介にあずかりました、△△と申します。
新郎の〇〇くんとは、大学の同じサークルで出会いました。
合宿の買い出し係を、なぜかいつも2人で引き受けていた仲です。
今日は、学生時代からの友人として、お祝いの言葉を贈らせていただきます。
〇〇くんを一言で表すと、「人の誕生日を忘れない男」です。
サークルには30人ほどのメンバーがいましたが、〇〇くんは全員の誕生日を手帳に書いていました。
そしてその日になると、必ず本人に「おめでとう」と声をかけていました。
私の誕生日は、ちょうど夏休みの真ん中にあります。
大学2年の夏、今年は誰にも気づかれないだろうと思っていた夜に、部屋のチャイムが鳴りました。
ドアを開けると、〇〇くんが、コンビニのショートケーキを1つ持って立っていました。
第一声は、「ごめん、ろうそくは売ってなかった」。
(半拍おく)
6畳の部屋で、ろうそくのないケーキを2人で食べた夜のことは、今でもよく覚えています。
〇〇くんは、人にしてもらったことを、ずっと覚えている人です。
その代わり、自分が人にしてあげたことは、すぐに忘れてしまいます。
そんな〇〇くんから、「大切な人ができた」と〇〇さんを紹介されたのは、3年前のことでした。
〇〇さんの話をするときの〇〇くんは、誰かの誕生日を祝うときより、ずっとうれしそうな顔をしていました。
今日、並んで座るお二人を見て、その理由がよく分かりました。
〇〇さん、〇〇くんはきっと、お二人の記念日を一度も忘れないと思います。
ただ、自分の誕生日は、うっかり忘れていることがあります。
そのときは、〇〇さんが一番に「おめでとう」を言ってあげてください。
お二人の記念日には、今度は私たち友人がお祝いに伺います。
ろうそくも、ちゃんと用意していきます。
お二人で、人の喜ぶ顔を大切にする、あたたかい家庭を築いていってください。
結びになりますが、お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄をお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、誠におめでとうございます。
笑いが起きやすいのは、「ろうそくは売ってなかった」と「ろうそくも、ちゃんと用意していきます」の2か所です。1つ目の笑いが2つ目の前フリ(あとの笑いのための前置き)になっているので、2つ目は少しゆっくり言いましょう。
例文2:笑いふつう|新婦の友人として(高校の同級生・約3分)
高校時代からの女性の友人が、新婦の優しさを伝える例文です。前半に笑いを3か所入れ、後半は気持ちを伝える話に切りかえます。新郎新婦を「新郎の〇〇さん」「新婦の〇〇さん」と呼び分けると、聞いている人が混乱しません。
新郎の〇〇さん、新婦の〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家、ご親族のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
新婦の〇〇さんの高校の同級生で、△△と申します。
〇〇さんとは、高校1年生で同じクラスになってから、12年の付き合いになります。
本日は、お祝いの言葉を述べる機会をいただき、本当にうれしく思っています。
高校3年の冬、受験を前にして、教室の空気は少し張りつめていました。
そんなある朝、教室に入ると、全員の机の上に、小さなお守りが置いてありました。
フェルトで作った手のひらほどのお守りで、1つずつ名前が刺しゅうしてありました。
作ったのは、〇〇さんです。
クラスの30人分を、1か月かけて、毎晩少しずつ縫ってくれていたんです。
担任の先生の机にも1つあって、刺しゅうは「先生も大丈夫」でした。
私のお守りの裏には、小さな字で、こう書いてありました。
「あなたなら大丈夫。あしたの朝ごはん、ちゃんと食べてね」。
合格よりも朝ごはんの心配をしてくれるところが、〇〇さんらしいなと思いました。
そのお守りは今も、私のかばんの内ポケットに入っています。
おかげで朝ごはんは、今も毎日しっかり食べています。
新郎の〇〇さんに初めてお会いしたのは、3人で食事をした日のことです。
〇〇さんが席を立ったとき、新郎の〇〇さんがうれしそうに、かばんにつけたお守りを見せてくれました。
フェルトに刺しゅうされていたのは、新郎の〇〇さんの名前でした。
(半拍おく)
私たちのお守りより、ひと回り大きかったです。
〇〇さんの優しさは、もう新郎の〇〇さんにも届いているんだと分かって、私までうれしくなりました。
〇〇さんは、人が不安なときにすぐ気づいて、そっと支えてくれる人です。
新郎の〇〇さん、これからも一番近くで、その優しさを受け取ってください。
そしてこれからは、新郎の〇〇さんが、〇〇さんのお守りになってあげてください。
お二人が支え合いながら、笑顔あふれる家庭を築いていかれることを、心から願っています。
〇〇さん、本当におめでとう。
これからも、私の大切な友だちでいてね。
本日は、誠におめでとうございます。
笑いが起きやすいのは、「先生も大丈夫」「今も毎日しっかり食べています」「ひと回り大きかったです」の3か所です。そのあとは声の調子を落ち着かせ、結びの直前だけ、ふだんの話し方で新婦に呼びかけます。
例文3:笑い多め|新郎の友人として(高校の友人・約3分)
新郎の口ぐせを3回くり返して、笑いを取る例文です。同じ流れをくり返して笑いを大きくする方法を、お笑いでは「天丼」と呼びます。1回目と2回目で笑ってもらい、3回目で心温まる話に切りかえる形です。
〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
新郎の高校時代の友人で、△△と申します。
〇〇くんとは、高校の3年間、同じクラスで過ごしました。
〇〇くんには、高校のころからの口ぐせがあります。
それは、「おれに任せとけ」です。
文化祭で看板の係が決まらなかったとき、〇〇くんは「おれに任せとけ」と手を挙げました。
3日後、教室の前に、それは見事な看板が立ちました。
ただ、クラスの名前の漢字が、1文字だけ違っていました。
修学旅行の自由行動では、「道案内はおれに任せとけ」と言って、地図を広げてくれました。
1時間歩いたあと、私たちの目の前にあったのは、朝ごはんを食べたホテルでした。
〇〇くんは地図を見つめて、「この地図、ちょっと古いな」と言っていました。
ここまで聞くと、少し心配になった方もいるかもしれません。
でも、〇〇くんの「任せとけ」には、続きがあります。
高校3年の冬、私は大学の面接の練習相手が見つからず、困っていました。
すると〇〇くんが、「面接官の役はおれに任せとけ」と言ってくれたんです。
それから2週間、毎晩夕ごはんのあとに電話が鳴り、「では、志望の理由をどうぞ」という声が聞こえてきました。
面接官の〇〇くんがあまりに厳しくて、本番の面接官がとても優しく見えたほどです。
おかげで私は、第一志望の大学に合格できました。
〇〇くんの「任せとけ」は、細かいところが少しずれることもあります。
でも、人が本当に困っているときの「任せとけ」は、いつも100点でした。
〇〇さん、これから〇〇くんが「任せとけ」と言ったら、地図だけは〇〇さんが持ってあげてください。
それ以外のことは、きっと安心して任せられるはずです。
実は今日のスピーチを頼まれたとき、今度は私が「任せとけ」と言いました。
原稿の漢字だけは、3回確かめてきました。
(半拍おく)
少しは〇〇くんのように、期待に応えられていたらうれしいです。
お二人で力を合わせて、笑い声の聞こえる家庭を築いてください。
本日は、誠におめでとうございます。
笑いが起きたら、すぐに次の文へ進まず、笑い声が小さくなるまで待ちましょう。「ここまで聞くと、少し心配になった方も」の一文が、笑いからまじめな話への切りかえの合図です。くり返しの笑いの作り方は「お笑いの天丼のやり方」に、ほかの笑いの型は「面白い友人代表スピーチの作り方」にまとめています。
例文を自分用に直す手順
例文を使うときは、次の順番で直していきます。上から順に進めれば、迷わずに自分の原稿ができあがります。
- 笑いの量で例文を1本選び、〇〇と△△を本当の名前に入れかえる
- エピソードの段落を、自分の思い出に書きかえる
- 笑いの場所を、自分のエピソードの中の「意外なひと言」や「ずれ」に入れかえる
- はなむけの言葉を、エピソードとつながる内容に直す
- 声に出して読み、言いにくい言葉を、ふだんの話し方に直す
- 時間を測り、3分を大きく超える部分を削る
- 忌み言葉(お祝いの席で避ける言葉)が入っていないか確かめる
エピソードは3つの要素で書きかえる
いちばん手間がかかるのは、2のエピソードです。次の3つを順番に埋めると、例文と同じ形の段落が書けます。
| 書くこと | 例文1では | 思い出すときの質問 |
|---|---|---|
| 場面 | 大学2年の夏、夜のアパート | いつ、どこにいたときの話か |
| 本人の言葉や行動 | 「ろうそくは売ってなかった」 | そのとき本人は何と言ったか、何をしたか |
| 今につながる人柄 | 人の記念日を大切にする | その人柄は、結婚してからどう生きるか |
本人のセリフを1つ入れると、その場の様子が目に浮かぶ話になります。言葉が正確に思い出せなくても、本人が言いそうな言い方で書けば十分です。
笑いの場所を自分のエピソードに入れかえる
例文の笑いを、そのまま自分の原稿に残すのはやめましょう。本人の思い出でない笑いは、友人席にすぐ気づかれます。例文の笑いが「どんな型か」を見て、同じ型の場面を自分の思い出から探します。
| 例文の笑い | 笑いの型 | 自分の思い出で探すもの |
|---|---|---|
| 「ろうそくは売ってなかった」 | 本人の意外なひと言 | 本人が真顔で言った、少しずれたセリフ |
| 「ひと回り大きかったです」 | 軽いやきもち | 新郎新婦の仲のよさが見えた場面 |
| 「この地図、ちょっと古いな」 | 口ぐせのくり返し | 本人が何度も言う口ぐせと、その結果 |
ドアを開けると、〇〇くんが、ケーキを持って立っていました。
第一声は、「ごめん、ろうそくは売ってなかった」。
私の引っ越しの日、〇〇くんは朝7時に、軍手をはめて現れました。
第一声は、「段ボールは任せて。ガムテープは持ってない」。
型が同じなら、笑いの場所も例文と同じところに置けます。セリフの前後に半拍おく話し方も、そのまま使えます。
時間を測って、長ければ削る
例文は3本とも、ゆっくり読んで3分前後です。笑いが起きるとそのぶん待つ時間が増えるので、笑いの多い原稿ほど短めに仕上げます。時間の測り方と削る順番は「友人代表スピーチは何分?」にまとめています。
言いかえておきたい言葉の例
「最後に」は「結びに」、「いろいろ」は「たくさんの」、「お忙しい中」は「ご多用の中」と言いかえます。別れや再婚を連想させる言葉は、笑いの一言の中でも避けるのが一般的です。一覧は「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉の言い換え」で確かめられます。
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書く時間がないとき・スベりたくないときは
思い出はたくさんあるのに文章にまとまらない、笑いを入れてみたけれど面白いのか分からない、という人もいるはずです。そんなときは、エピソードだけを箇条書きにしておき、原稿にまとめる作業を人に頼む方法もあります。
よくある質問
例文をそのまま使っても失礼になりませんか?
失礼にはなりません。ただし、エピソードと笑いの部分は、自分の思い出に書きかえましょう。同じ例文を読む人がほかにいても、思い出が本人のものなら、あなたの言葉として届きます。
新郎とも新婦とも友人の場合は、どちらの話をすればいいですか?
頼まれた側の話を中心にするのが基本です。そのうえで、はなむけの部分でもう一方に話しかけると、2人に向けたスピーチになります。例文1の「〇〇さん、〇〇くんはきっと……」のような一文が、その形です。
笑いの量は、どれくらいがちょうどいいですか?
迷ったら、例文2の「ふつう」(3か所ほど)にしておくと安心です。親族や会社の上司が多い式なら「少し」に、友人が中心のくだけた式なら「多め」にしても浮きません。新郎新婦に「どんな雰囲気の式にしたい?」と聞いておくと、選びやすくなります。
まとめ
- 友人代表スピーチは「お祝い・自己紹介・エピソード・はなむけ・結び」の順で、3分(900字前後)が目安
- 笑いは自己紹介とエピソードに入れ、結びはまじめに締める
- 例文は笑いの量(少し・ふつう・多め)で選び、会場の顔ぶれに合わせる
- 名前・思い出・笑いの場所を自分のものに入れかえ、声に出して直す
- 笑いにするのは、本人が笑って聞ける話だけにする






