笑いを取るスピーチのカンペの作り方|笑い待ちと間の書きこみ方

開いた原稿の読み返したいところに、付箋を貼っている手元

スピーチで笑いを取りたいときも、カンペ(手元に持つ原稿やメモ)を見ながら話して大丈夫です。大事なのは、笑いどころに印をつけ、笑いを待つ間を書きこみ、オチの一文だけは顔を上げて言うことです。カンペを「どこで笑わせ、どこで待つか」が分かる地図にしておけば、緊張していても笑いを外しにくくなります。

この記事では、笑いどころの印のつけ方と、笑い待ちの間の書きこみ方を、印入りのカンペの見本と一緒に紹介します。紙・カード・スマホの比べ方と、カンペを見ながら笑いを取る話し方もまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. カンペを見ながらでも、笑いは取れる
  2. 紙・カード・スマホ、笑いを入れるならどれ?
  3. 笑いどころに印をつける
  4. 笑い待ちの間を書きこむ
  5. 笑いを取るカンペの見本
  6. カンペを見ながら笑いを取る話し方
  7. よくある質問
  8. まとめ

カンペを見ながらでも、笑いは取れる

結婚式の友人代表スピーチや送別会の挨拶では、カンペを手に話す人がたくさんいます。カンペを見ること自体は、笑いのじゃまになりません。笑いが外れるのは、たいてい次の3つのどれかが起きたときです。

笑いが外れる原因起きることカンペでの対策
オチの瞬間に下を向いている笑わせる一言が、会場に届かないオチの一文に印をつけ、顔を上げて言う
笑いの最中に次の文を読む笑い声で次の文が聞こえず、笑いも早く止まる笑いどころのあとに「(待つ)」と書く
オチの直前にめくるめくる間で、フリ(笑いの前置き)が冷めるフリとオチを同じページに置く

オチは、笑いを起こす決めの一言のことです。どれもカンペの作り方で防げるので、書く段階で手を打っておきましょう。どこに笑いを入れるかは「スピーチで笑いを取るコツ」で紹介しています。

紙・カード・スマホ、笑いを入れるならどれ?

カンペの形は、便せんや紙、カード、スマホの3つです。笑いを入れるスピーチでは、「顔を上げやすいか」「めくる動きが笑いのじゃまにならないか」で選びます。

比べること便せん・紙カードスマホ
笑いどころの見つけやすさ印を大きく書ける1枚に笑いを1つ置ける印が小さくなりやすい
顔の上げやすさ全文だと読みこみがちキーワードだけなら上げやすい画面の光で顔が下を向きがち
めくる・送る動き2〜3枚ならめくりは少ない枚数が多いと、めくりが増える送る操作が笑いの間とぶつかる
向いている場披露宴、改まった挨拶乾杯、送別会、披露宴二次会、職場の飲み会

迷ったら、紙かカードにしておくと安心です。スマホは手軽ですが、画面が消えたり通知が出たりすると、笑いの流れが止まってしまいます。年配の人が多い披露宴では、スマホを見ながら話す姿が気になる人もいます。

読みやすさの基本

本番は緊張していて、会場の照明も暗めのことがあります。ふだんより、ひとまわり大きく、すき間の多いカンペにしましょう。

  • 1文ごとに改行し、長い文は読点(、)のところで改行する
  • 印刷するなら、A4・A5の紙は16〜20ポイント、カードは14〜16ポイントが目安
  • 1行は15字ほどまでにし、段落の間は1行あける
  • 名前や読みにくい言葉には、かっこでふりがなをつける
  • ページの右下に番号を書き、光沢のない少し厚めの紙を使う

笑いどころに印をつける

カンペに書く印は、自分が分かれば何でもかまいません。ただ、種類を決めておくと、本番で迷わずに済みます。この記事では、次の5つを使います。

印意味書く場所
★笑いどころ(オチの一文)オチの行の頭
◎顔を上げて会場を見るお祝い・名乗り・オチ・結びの行の頭
/息つぎ、または半拍の間文の切れ目
(間)オチの前に2秒ほどためるフリの最後の行のうしろ
(待つ)笑いが小さくなるまで待つオチの次の行に1行で

★と◎は、オチの行で必ずセットにします。★のついた一文は、カンペを見ずに言うと決めておきましょう。

フリとオチは同じページに置く

フリを言い終えてからページをめくると、めくる間でフリが冷め、オチの笑いが小さくなります。紙なら、オチの行がページのいちばん下に来ないように、改ページの位置を調整しましょう。カードなら、1枚に笑いを1つだけ置き、フリからオチまでを同じカードに書きます。

めくるのは、(待つ)のあとです。笑い声が続いている間にめくれば、紙の音も気になりません。

オチの一文は、書き出しを大きく書く

オチの一文は顔を上げて言うので、全部を読み直す時間はありません。書き出しの数文字だけ大きく書いておくと、ちらっと見ただけで言葉が出てきます。全文はその下に小さく書いておけば、言葉が飛んだときの助けになります。

ウケなかったときの一文は、余白に小さく

笑いが起きなかったときに言う一文を、オチの横の余白に小さく書いておくと安心です。言うかどうかは、その場で決めればかまいません。書いてあるだけで、オチを言う勇気が出ます。

笑い待ちの間を書きこむ

笑い待ちは、笑いが起きたあと、笑い声が小さくなるまで次の言葉を待つことです。緊張すると、この間をとばして次の文を読んでしまいがちです。カンペには、オチの次の行に(待つ)と1行で書き、いやでも目に入るようにしておきます。

待つ長さは、笑い声が大きくなって、下がり始めるまでが目安です。2秒待っても笑いが起きなければ、何も言わずに次の文へ進みます。笑い待ちの長さの決め方は「漫才の間とテンポの取り方」でくわしく説明しています。

(待つ)の次の行は、書き出しを少し大きくしておくと便利です。笑いのあとに会場から目を戻したとき、どこから話せばいいかがすぐ分かります。

本番は、待つ時間のぶん長くなる

笑いが起きるたびに、話は数秒ずつ長くなります。時間を測るときは、スピーチ時間の計算ツールで出た目安に、待つ時間を足して考えましょう。

笑いを取るカンペの見本

新婦の高校時代の友人が話す、友人代表スピーチのエピソード部分です。まず、印をつける前の原稿を見てください。

例文印をつける前の原稿(エピソード部分・約40秒)

〇〇さんは、高校のころから、計画を立てるのが大好きな人でした。修学旅行のときも、先生が作ったしおりとは別に、自分で作ったしおりを持ってきました。先生のしおりは8ページでしたが、〇〇さんのしおりは24ページありました。その24ページ目には、「みんなが楽しめたか確かめる」と書いてありました。

このままでも話せますが、どこでためて、どこで笑いを待てばよいかが分かりません。「24ページ」をオチにして印をつけると、次のようになります。

例文印をつけたカンペ(同じ部分)

〇〇さんは、高校のころから/
計画を立てるのが大好きな人でした。

修学旅行のときも、/
先生が作ったしおりとは別に、/
自分で作ったしおりを持ってきました。

先生のしおりは、8ページ。(間)
★◎〇〇さんのしおりは、24ページでした。
(待つ)
→静かなら「今も、ご実家の本棚にあるそうです」

その24ページ目には、/
「みんなが楽しめたか確かめる」と
書いてありました。

◎〇〇さんは、今もそういう人です。

フリの「先生のしおりは、8ページ」で比べる数字を先に聞かせ、(間)でためてからオチを言います。オチのあとは(待つ)で笑いを待ち、静かなときの一文を小さく添えています。結びの「今もそういう人です」は、笑いのあとに本当に伝えたいことを、顔を上げて言う一文です。

カードで作るなら、1枚に笑いは1つ

カードの場合は、キーワードとオチだけを書きます。オチの一文は、書き出しを大きく書き、全文はそのあとに続けます。

例文キーワードで書いたカードの例(エピソードの1枚)

③しおり
・修学旅行、自分で作ったしおり
・先生のしおりは8ページ(間)
★◎「〇〇さんのしおりは……」24ページ
(待つ)
・24ページ目「みんなが楽しめたか確かめる」
◎今もそういう人

カードの右上には大きく番号を書き、角に穴をあけてリングでとめておくと、順番がばらばらになりません。名前と結びの一文は、省かずに全文で書いておきましょう。

カンペを見ながら笑いを取る話し方

カンペができたら、次の順で話す練習をします。オチの前後だけは、カンペから目を離すのがコツです。

  1. フリの最後の文を言いながら、★の一文を目で読んでおく
  2. (間)で一度止まり、顔を上げる
  3. 会場を見たまま、オチの一文を言い切る
  4. 親指をカンペの次の行に置き、会場を見たまま笑いを待つ
  5. 笑いが下がり始めたら、カンペに目を戻して次の文へ進む

よくある失敗は、オチを言った直後にカンペへ目を落とすことです。目を落とすと「次へ進みます」という合図になり、笑いが小さくなります。オチのあとの2秒は、会場の誰かと目を合わせているつもりで待ちましょう。★の一文を見ずに言えるようにする覚え方は「スピーチの覚え方」で紹介しています。

本番の前に確かめること

  • ★の一文を、カンペを見ずに言えるか
  • フリとオチが、同じページ(同じカード)にあるか
  • オチの次の行に(待つ)と書いたか
  • めくる場所が、笑い待ちのあとになっているか
  • 本番と同じカンペで、3回以上声に出して練習したか

スマホのときは、画面送りを笑いのあとに

スマホをカンペにするなら、通知と着信が出ない設定にし、画面が自動で消えるまでの時間をいちばん長くしておきます。笑いどころの一文は画面の中ほどに来るように改行を調整し、画面を送るのは(待つ)のあとにしましょう。充電を十分にし、紙の予備もポケットに入れておくと安心です。

よくある質問

カンペを見ながら話すと、笑いが起きにくくなりませんか?

オチの一文で顔を上げていれば、笑いの大きさはほとんど変わりません。むしろ、カンペがあることで安心して間を取れるので、笑いを待つ余裕が生まれます。全部を覚えようとして、オチで言葉につまるほうが笑いは外れます。

笑いが起きなかったとき、カンペを見て次へ進むのは不自然ですか?

不自然ではありません。2秒待って静かなら、目をカンペに戻して次の文へ進みましょう。くだけた場なら、「……カンペには、ここで笑いが起きると書いてありました」と添えるのも手です。カンペそのものをネタにすると、静かな空気が小さな笑いに変わります。

緊張して、カンペを持つ手がふるえます。

薄い紙は、ふるえが音や動きになって伝わります。少し厚めの紙かカードにして、両手で胸の高さに持ちましょう。ふるえそのものを笑いに変える一言は「スピーチの緊張を笑いに変えるには」で紹介しています。

まとめ

  • カンペを見ながらでも、オチの一文で顔を上げれば笑いは取れる
  • 笑いどころに★と◎、オチの前に(間)、オチの次の行に(待つ)を書く
  • フリとオチは同じページに置き、めくるのは笑い待ちのあとにする
  • オチを言ったら、カンペに目を落とさず、会場を見たまま待つ
  • 紙かカードが安心。スマホは通知と画面の消える時間を設定し、紙の予備も持つ
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