幼なじみの友人代表スピーチで笑いを取るなら、子どもの頃に本人が本気でやっていたことを1つ選びましょう。それを「今もまったく同じです」と大人の姿につなげるのがいちばんです。昔の話が前フリ(あとの笑いのための前置き)になり、今の話でくすっと笑いが起きます。
思い出は、新郎新婦の親や親族も知っている話から選ぶと、会場全体で笑えます。この記事では、子どもの頃の話を笑いに変える5つの言い方と、直す前・直したあとの比べ、笑いどころがわかる3分の例文を2本紹介します。
目次目次を閉じる目次を開く
幼なじみの笑いは「親族席も笑える」のが強み
学生時代や職場の友人の話は、笑いが友人席だけで起きることがよくあります。幼なじみは、運動会や町内のお祭りなど、親や祖父母も一緒に覚えている場面を話せます。親族席から「あったね」という笑い声が上がるのは、幼なじみのスピーチならではです。
親族席が笑うと、会場全体に「ここは笑っていいんだ」という空気が広がります。年配の人が多い披露宴でも、子どもの頃のほほえましい話なら受け入れられやすいものです。友人席だけでなく、親族席も一緒に笑える話を選ぶのが、幼なじみのスピーチの目標です。
もう1つの強みは、子どもの頃から今までを知っていることです。「昔からずっと変わらない」ところを話せば、それが笑いになり、そのまま新郎新婦へのほめ言葉にもなります。
笑いになる思い出・笑いにしてはいけない思い出
思い出が多いぶん、選ぶ段階で迷いやすいのが幼なじみです。目安は、本人が今、自分から笑って話せる思い出かどうかです。次の表で候補をしぼってください。
| 笑いになる思い出 | 笑いにしてはいけない思い出 |
|---|---|
| 本気で取り組んでいた自由研究や、行事の練習 | おねしょや泣き顔など、本人が今も恥ずかしがる話 |
| 子どもならではの思いこみ(「〇〇だと信じていた」) | 初恋や昔の恋人の話(子どもの頃でも) |
| 二人で一緒に叱られた、かわいいいたずら | 成績や受験、家庭の事情に関わる話 |
| 昔から変わらないくせや口ぐせ | 体つきや見た目の変化の話 |
| 親も覚えている、家族ぐるみの行事の場面 | 地元の人にしか分からない話 |
候補が決まったら、本人に「保育園のお遊戯会の話をしてもいい?」と題名だけ確かめておくと安心です。中身まで伝えなくてよいので、当日の笑いは残せます。幼なじみ以外の思い出も含めた探し方は「友人代表スピーチのエピソードの選び方」でくわしく紹介しています。
地元の言葉は、会場に伝わる言い方に直す
幼なじみの話は、地名や先生の名前など、地元の人にしか分からない言葉が入りがちです。説明なしで出すと、笑いどころが会場の多くの人に届きません。
| そのままだと伝わらない | 会場に伝わる言い方 |
|---|---|
| 「〇〇公園で毎日…」 | 「近所の大きな公園で毎日…」 |
| 「〇〇先生に怒られて」 | 「担任の先生に、二人そろって叱られて」 |
| 「ヤマちゃんたちと」 | 「近所の友だちと」 |
| 「あの夏の事件のとき」 | 「小学4年の夏休みに」 |
組み立ては「昔 → 今 → これから」、笑いは前半に
3分のスピーチなら、次の流れにすると、話が年表のように長くなりません。エピソードは、子どもの頃から1つ、大人になってから1つにしぼります。笑いは前半に集め、結びはまじめに締めます。
| パート | 話すこと | 笑い | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| お祝いと自己紹介 | 二人の距離をひと言で | 軽く1つ | 20秒 |
| 昔の話 | 子どもの頃のエピソードを1つ | いちばん大きな笑い | 60秒 |
| 今の話 | 大人になっても変わらないところ | 「今も同じ」で1つ | 40秒 |
| パートナーへ | ひと言のお願いや、感謝 | 軽く1つまで | 20秒 |
| これからと結び | はなむけの言葉と、結びの挨拶 | 入れない | 30秒 |
自己紹介は「幼なじみです」だけで済ませず、二人の距離が見える言い方にしましょう。それだけで、最初の小さな笑いになります。
〇〇くんとは、保育園の入園式で隣に座って以来の付き合いです。うちのアルバムには、私より〇〇くんの写真のほうが多いページもあります。
〇〇さんとは、母親同士が先に友だちでした。私たちは、気がついたら同じ砂場にいた二人です。
笑いを入れる場所の考え方や、笑いを生かす間の取り方は「面白い友人代表スピーチの作り方」にまとめています。
子どもの頃の話を笑いに変える5つの言い方
子どもの頃の話は、それだけでほほえましいものです。次の5つを意識すると、本人を傷つけずに笑いが生まれます。
- 当時のセリフをそのまま入れる。子どもの本気のひと言は、それだけで笑いになる
- 数字で具体的にする。「たくさん」より「2週間で32匹」のほうが、本気の度合いが伝わる
- 「昔から → 今も同じ」でつなぐ。今の話につながると、ただの昔話が「オチ」になる
- 自分も一緒に登場する。本人だけを笑い者にせず、「二人で叱られた」話にする
- 親族席に目を向ける。「お母さん、覚えていらっしゃいますか」で、親族席も笑いに加わる
直す前・直したあと
同じ思い出でも、5つの言い方を入れると、笑いの起きる話に変わります。遠足のおやつの思い出で比べてみましょう。
〇〇くんは、子どもの頃から計画を立てるのが好きでした。
遠足のおやつも、いつもきちんと計算していました。
今も、とても計画的な人です。
小学2年の遠足の前の日、〇〇くんから電話がかかってきました。
「おやつ、300円まであと1円あるんだけど。1円で買えるもの、知らない?」
(半拍おく)
その日は二人で、駄菓子屋さんを3軒回りました。
あれから20年。新居の家具をそろえるときも、〇〇くんは表を作って、1円単位で予算を管理していたそうです。
(半拍おく)
〇〇さん、このお宅の会計係は、小学2年から現役です。
直したあとの例には、当時のセリフ(1)、数字(2)、今の姿へのつなぎ(3)、二人で駄菓子屋さんを回った話(4)が入っています。笑いが起きやすいのは、電話のセリフのあとと、「小学2年から現役です」のあとです。
言い方を変えると「かわいい話」になる
恥ずかしい思い出も、言い方を変えれば笑える話になります。悪口に聞こえる言い方を避け、本人の良さが見える言い方に直しましょう。
| 思い出 | 避けたい言い方 | 笑いになる言い方 |
|---|---|---|
| 迷子になりやすかった | 「よく迷子になっていました」 | 「探検が好きで、お祭りに行くと、たいてい放送で名前を呼ばれていました」 |
| テスト前に勉強しない | 「勉強が苦手で、成績は…」 | 「テストの前になると、なぜか部屋の大掃除を始める人でした」 |
| ピーマンが食べられなかった | 「好き嫌いが多くて」 | 「給食のピーマンを、毎回そっと私のお皿に引っ越しさせていました」 |
| いたずらをして叱られた | 「いたずらばかりしていました」 | 「二人で叱られたとき、〇〇くんは私の前に立ってくれました」 |
親族席に話しかけるときは、答えがなくても笑える形に
親族席に話しかけるのは、幼なじみにしかできない笑いの取り方です。ただし、相手がうなずいてくれるとは限りません。どちらになっても笑いになる続け方を、先に用意しておきましょう。
(新郎のお母さまのほうを見て)
お母さん、あの地図、まだリビングに飾ってありますよね。
うなずいてもらえたら:ありがとうございます。今日の話の裏が取れました。
反応がなかったら:……飾ってあると信じて、先に進みます。
幼なじみの友人代表スピーチ例文2本
どちらも約3分の例文です。〇〇を名前に、エピソードを二人のものに書きかえて使ってください。( )の中は動きの説明なので、読みません。
例文1:新郎の幼なじみ(同じ団地で育った男性)
〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家の皆さま、心よりお祝い申し上げます。
新郎〇〇くんの幼なじみの、△△と申します。
〇〇くんとは、同じ団地の3階と4階で育ちました。
ベランダから名前を呼ぶと、本人より先に、お母さんが返事をしてくれる距離です。
子どもの頃の〇〇くんは、とにかく人に話しかけるのが好きな少年でした。
小学4年の夏休み、〇〇くんの自由研究は「町内の犬の名前を全部調べる」でした。
私は助手として、毎朝ついて行きました。
一軒ずつ呼び鈴を押して「お宅の犬の名前を教えてください」とお願いし、2週間で32匹の名前を集めました。
ちなみに〇〇くんは、犬が少し苦手です。
(半拍おく)
好きだったのは、犬ではなく、飼い主さんとのおしゃべりだったんです。
完成した「〇〇町いぬ地図」は、今もご実家のリビングに飾ってあると聞いています。
(新郎のお母さまのほうを見て)
お母さん、まだ飾ってありますよね。
大人になった〇〇くんは今、営業の仕事をしています。
先日話を聞いたら、取引先の方のお子さんの名前まで、全部覚えているそうです。
犬の名前が人の名前に変わっただけで、やっていることは、あの夏休みと同じでした。
人のことを知ろうとして、自分から話しかけにいく。
それが、私がずっと隣で見てきた〇〇くんです。
〇〇さん。
〇〇くんはきっと、〇〇さんのご家族やご友人の名前も、もう全部覚えていると思います。
もし覚えていない人がいたら、それは今、本人が大急ぎで覚えているところです。
どうか、そんな〇〇くんの隣で、たくさん笑ってあげてください。
〇〇くん。
今度は、二人の地図を作っていってください。
行きたい場所に印をつけて、一つずつ、二人で訪ねてください。
お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄をお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、本当におめでとうございます。
笑いが起きやすいのは、「返事をしてくれる距離です」「犬が少し苦手です」「まだ飾ってありますよね」「大急ぎで覚えているところです」の4か所です。言う前に半拍おき、笑いが静まってから次の文に進みます。
例文2:新婦の幼なじみ(保育園から一緒の女性)
〇〇さん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
新婦〇〇さんの幼なじみの、△△と申します。
〇〇さんとは同じ保育園に通い、母同士も仲が良かったので、家族ぐるみでお付き合いしてきました。
いつもの呼び方のほうが私も話しやすいので、ここからは「〇〇ちゃん」と呼ばせてください。
〇〇ちゃんとのいちばん古い思い出は、保育園のお遊戯会です。
演目は「大きなかぶ」で、〇〇ちゃんの役は、かぶでした。
セリフはひと言もなく、みんなに引っぱってもらうのを待つ役です。
それなのに〇〇ちゃんは、本番の前の日まで、毎日練習をしていました。
「かぶだって、すぐに抜けたら、引っぱる人ががっかりするでしょう」と言って、踏んばる練習をしていたそうです。
これは、あとで〇〇ちゃんのお母さんから聞いた話です。
(半拍おく)
当日の〇〇ちゃんは、会場でいちばん、抜けないかぶでした。
(笑いが静まるのを待つ)
先生が少しあせっていたのを、今でも覚えています。
その性格は、大人になっても変わりません。
今の仕事でも、任されたことは、自分が納得するまでやりとげる人だと聞いています。
誰も見ていないようなところまで、ていねいに。
あのお遊戯会のかぶと同じだなと、私はひそかに思っています。
中学生のころ、私が部活のことで元気がなかった時期がありました。
そのとき〇〇ちゃんは、何も聞かずに、毎朝私の家の前で待っていてくれました。
学校まで並んで歩いて、好きな音楽の話だけをする。
あの毎朝の時間に、私はずいぶん助けられました。
〇〇さん。
〇〇ちゃんは、がんばっていることを人に見せない人です。
そのがんばりに気づいたときは、「ありがとう」と声をかけてあげてください。
〇〇ちゃん。
今度は、セリフのある役です。
「大きなかぶ」は、みんなで力を合わせる話だったよね。
これからは〇〇さんと二人で力を合わせて、大きな幸せを育ててください。
(新婦のご両親のほうを向いて)
〇〇ちゃんのお父さん、お母さん。
小さい頃から、私のことも娘のようにかわいがっていただき、ありがとうございました。
夕ごはんは、自分の家と同じくらい、ごちそうになりました。
今日の〇〇ちゃんは、これまででいちばん幸せそうな顔をしています。
お二人の末永いお幸せを、心からお祈りしています。
本日は、本当におめでとうございます。
この例文で笑いが起きやすいのは、「役は、かぶでした」「抜けないかぶでした」「自分の家と同じくらい」の3か所です。中学生の思い出から先はまじめに話し、笑いからお祝いへの切りかえをはっきりさせます。
例文を自分用に直すときは
例文1の「いぬ地図」や、例文2の「大きなかぶ」のように、話の芯になる言葉を1つ決めましょう。昔の話と今の話がつながり、結びまで1本の話になります。結びでその言葉をもう一度使うと、笑いのあとがきれいにまとまります。
ほかの立場の例文や、笑いの量で選べる例文は「友人代表スピーチの例文」にまとめています。
親族の前でスベりたくないときは
子どもの頃の話は、書き出すと止まらなくなるものです。思い出が多すぎて選べない、笑いの量がこれでよいのか分からない、というときは、原稿を人に整えてもらう方法もあります。
よくある質問
幼なじみですが、最近はあまり会っていません。
大丈夫です。子どもの頃の話を中心にして、「今の話」は結婚の報告を受けたときのやりとりなど、最近の短い場面でつなぎましょう。「報告の電話で、昔と同じ笑い方をしていました」のひと言でも、「今も同じ」の笑いになります。
スピーチの中で、あだ名で呼んでもいいですか?
最初は「〇〇さん」と呼び、「いつもの呼び方で呼ばせてください」と断ってから使えば自然です。ただし、本人が人前では恥ずかしがるあだ名や、由来を説明しないと分からないあだ名は避けましょう。
笑いが起きなかったら、どうすればいいですか?
気にせず、そのまま次の文へ進みましょう。子どもの頃の話は、笑いが起きなくても、ほほえましさは会場に伝わっています。言い直したり、笑うところだと説明したりすると、かえって空気が重くなります。
新郎新婦の親にも話しかけていいですか?
家族ぐるみの付き合いなら、ひと言お礼を伝えるのは自然です。例文2のように、結びの前に短く入れる程度にしましょう。お祝いの席で避けたい言葉は「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉の言い換え」で確かめておくと安心です。
まとめ
- 幼なじみの強みは、親族席も一緒に笑える思い出を話せること
- 子どもの頃に本気だった話を1つ選び、「今も同じ」でオチにする
- 当時のセリフ・数字・自分も登場・親族席への一言で、やさしい笑いにする
- 恥ずかしい話・昔の恋愛・成績や家庭の事情・見た目の話は入れない
- 笑いは前半に集め、結びはまじめに締める






