友人代表スピーチのエピソードの選び方|笑いが起きる話の見つけ方と書き方

ノートのページをめくる手元と、机に置かれた赤いペン

友人代表スピーチで笑いが起きるエピソードは、「意外な一面」「具体的な場面」「本人も笑える話」の3つがそろった話です。思い出をいくつも並べるより、この3つに当てはまる場面を1つだけ選ぶほうが、会場は笑い、本人の人柄もよく伝わります。

この記事では、笑いが起きる話の条件と避ける話、思い出のメモから候補を探す手順を紹介します。選んだ話を笑いの型に当てはめる書き方も、直す前・直したあとの例で説明します。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 笑いが起きるエピソードの3つの条件
  2. 笑いにしない話と、代わりにできる話
  3. 思い出のメモから候補を探す手順
  4. エピソードを笑いの型に当てはめる(直す前・直したあと)
  5. 1分半のエピソードの段落にまとめる
  6. 選んだ話でスベりたくないときは
  7. よくある質問
  8. まとめ

笑いが起きるエピソードの3つの条件

結婚式の会場には、本人をよく知る友人から、初めて会う親族まで、いろいろな人がいます。誰が聞いても笑えて、人柄も伝わる話には、次の3つの共通点があります。

条件確かめ方例
意外な一面「周りからは〇〇と思われているけど、実は〇〇」と1文で言えるか会議では穏やかなのに、実家の猫と話すときだけ声が高くなる
具体的な場面いつ・どこで・本人が何と言ったかまで思い出せるか説明書を読む理由が「書いた人に悪いから」
本人も笑える話本人が自分から人に話したことがあるか年賀状の1枚は、毎年自分あて

意外な一面:会場が知っている顔とのずれ

笑いは「思っていたのと違う」ときに起きます。会場の多くの人が知っている本人の顔と、友人だけが知っている顔の差が、そのまま笑いになります。意外な一面を伝える言い方の例は、「面白い友人代表スピーチの作り方」でも紹介しています。

具体的な場面:セリフと数字まで思い出せる話

「面白い人です」と言っても、会場は笑えません。いつ、どこで、本人が何と言ったかまで話せると、聞く人の頭に場面が浮かび、そこで笑いが起きます。本人のセリフか数字を1つ入れられる話を選びましょう。

本人も笑える話:本人が自分から話している話

いちばん大事なのが、本人が会場で聞いて、一緒に笑える話かどうかです。本人が飲み会などで自分から話している話なら、まず安心です。笑いのあとに「だから、こんな良いところがある」とつなげられる話なら、ほめ言葉にもなります。

2つしかそろわないときは

意外な一面がない話でも、本人のセリフや数字を使えば笑いは作れます(あとで紹介する型2と型3)。具体的な場面が思い出せない話は、共通の友人に「あのとき、何て言ってたっけ」と聞いてみましょう。本人が笑えない話だけは、ほかの2つがそろっていても使いません。

笑いにしない話と、代わりにできる話

仲間内では鉄板の話でも、結婚式では笑いにしないほうがよい話があります。避けたい話は、次のように「代わりにできる話」に置きかえると、思い出を生かせます。

避けたい話避けたい理由代わりにできる話
昔の恋愛の話本人や親族が気まずくなる結婚相手を紹介されたときの話
お酒での失敗親族や上司の前で印象が下がる一緒に食事をしたときの本人の気づかい
見た目や体型の話本人も家族も傷つく服や持ち物へのこだわり
本人がまだ気にしている失敗本人が笑えない二人で一緒にした、小さな失敗
仲間内のあだ名や合言葉多くの人に意味が伝わらない誰にでも分かる言葉に直した出来事

迷う話は、入れないのがいちばん安全です。お祝いの席で避けたい話題と言葉は「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉の言い換え」でも確かめられます。

思い出のメモから候補を探す手順

いきなり原稿を書き始めると、最初に浮かんだ話で決めてしまいがちです。先に思い出を書き出し、3つの条件でしぼると、笑いの起きる話が見つかります。

  1. 10分で、思い出を10個書き出す(1行で、いつ・どこで・何があったか)
  2. 浮かばないときは、下の5つの質問の答えをメモする
  3. 1つずつ、3つの条件に○か×をつける
  4. ○が3つそろった話から1つ選び、本人に題名だけ確かめる
  5. 使わなかった話は、自己紹介の一言に回す

思い出が浮かばないときは、次の質問が手がかりになります。

  • 本人の口ぐせや、よくやることは何か
  • 周りの印象と、あなたが知っている顔が違うところはどこか
  • 本人がこだわっていること、むきになったことは何か
  • 一緒に笑った出来事で、今思い出しても笑えるのは何か
  • 結婚相手と一緒にいるとき、本人はどんな顔をしているか

メモの例:新婦の大学の友人の場合

書き出した思い出に○×をつけると、次のようになります。3つの条件がそろったのは2つで、セリフまで思い出せる3を選びました。

思い出意外な一面具体的な場面本人も笑える使うか
1. 試験前、ノートを人数分コピーして配っていた×○○人柄の話として、短く使う
2. 旅行の宿で、浴衣のたたみ方を調べてから片づけていた○○○候補
3. 電動歯ブラシの説明書を、付箋を貼りながら読んでいた○○○これに決める
4. 学生時代の恋人との話―○×使わない
5. 卒業旅行で寝坊して、飛行機に乗りそこねた○○まだ気にしている本人に聞いてから

本人には「題名」だけ確かめる

話してよいかは、前もって本人に確かめておきます。中身まで話すと当日の笑いが減るので、題名だけ伝えるのがコツです。

例文本人に確かめるメッセージの例

スピーチで、大学のときの「説明書の話」をしてもいい?
恥ずかしい話ではないから安心してね。中身は当日のお楽しみで。

本人が少しでも迷ったら、その話はやめて、次の候補に移りましょう。子どもの頃からの付き合いなら、親族も知っている思い出が強い候補になります。幼なじみならではの選び方は「幼なじみの友人代表スピーチ例文」にまとめています。

エピソードを笑いの型に当てはめる(直す前・直したあと)

選んだ話は、そのまま書くと「いい話」で終わりがちです。次の3つの型のどれかに当てはめると、笑いの場所がはっきりします。どの型が合うかは、話の種類で決まります。

話の種類合う型
周りの評価と違う顔を見た話型1:いつもの顔を先に言う
本人が少しずれたことを言った話型2:本人のセリフで場面を終える
回数や量が多い話型3:数字を1つだけ使う

型1:意外な一面は、先に「いつもの顔」を言う

例文直す前(説明で終わっている)

〇〇くんは、会社ではとても穏やかな人です。でも、家族思いのかわいい一面もあります。

例文直したあと(いつもの顔のあとに、意外な顔を出す)

〇〇くんは、会議ではどんな質問にも、穏やかに答える人です。声の高さも、ずっと同じです。
(半拍おく)
その〇〇くんの声が、2段階高くなる相手がいます。実家の猫です。
大切なものには、声まで変わるほどやさしくなれる人です。

いつもの顔を先に言うのが、笑いのための前フリ(前置き)です。前フリがあるから、意外な顔との差で笑いが起きます。

型2:本人のセリフで場面を終える

例文直す前(セリフがなく、場面が浮かばない)

〇〇さんは、何でもていねいな人です。説明書もきちんと読みます。

例文直したあと(本人のセリフで終える)

新しく買った電動歯ブラシの説明書を、〇〇さんは付箋を貼りながら読んでいました。
理由を聞くと、真顔でひと言。
(半拍おく)
「説明書を書いた人に、悪いから」。

セリフのあとに説明を足さないのがコツです。「真顔で」のように、言ったときの様子をひと言添えると、笑いが大きくなります。

型3:数字を1つだけ使う

例文直す前(「たくさん」で、様子が伝わらない)

〇〇くんは昔から筆まめで、年賀状をたくさん書く人です。

例文直したあと(数字と、そのあとのずれ)

〇〇くんは、年賀状を毎年120枚、手書きで書きます。
そのうち1枚は、毎年、自分の家に届きます。
(半拍おく)
自分あての1枚には、来年の目標が書いてあるそうです。

数字は、聞いた人が驚く大きさのものを1つだけ使います。数字が続くと、計算の話に聞こえてしまいます。

笑いのあとは、人柄で締める

笑いだけで終えると、「面白い人」という印象で止まってしまいます。笑いの一文のあとに「〇〇な人です」と人柄を言い、はなむけの言葉につなげましょう。型1の「声まで変わるほどやさしくなれる人です」が、その形です。

1分半のエピソードの段落にまとめる

3分のスピーチなら、エピソードは全体の半分、1分半(450字ほど)が目安です。次の順に並べると、笑いから人柄まで1つの段落にまとまります。

  1. 場面を1文で言う(いつ・どこで)
  2. 本人の言葉や行動を書く
  3. 型に当てはめた笑いの一文を置く
  4. 「今思うと」「だから」で、人柄につなぐ
  5. はなむけにつながる一文で終える
例文エピソードの段落の例(新婦の大学の友人として・約1分半)

〇〇さんは、大学のころから、何をするにもていねいな人でした。
2年生の春、〇〇さんの部屋に遊びに行くと、〇〇さんが机に向かって、何かを熱心に読んでいました。
新しく買った、電動歯ブラシの説明書です。
しかも、付箋を貼りながら読んでいました。
理由を聞くと、〇〇さんは真顔でひと言。
「説明書を書いた人に、悪いから」。
(笑いが静まるのを待つ)
そのときは二人で大笑いしましたが、今思うと、あれが〇〇さんらしさでした。
人がかけた手間に、ちゃんと気づける人なんです。
お弁当を作ってくれたお母さんにも、資料を用意してくれた先輩にも、〇〇さんは毎回、ひと言お礼を伝えていました。
新郎の〇〇さん、〇〇さんはきっと、〇〇さんの毎日のちょっとした手間にも、気づいてくれる人です。

書いてみて長くなったときは、1の場面の説明を短くし、3の笑いの一文と4の人柄は残します。この段落の前後に、お祝い・自己紹介と、はなむけ・結びをつなげれば、3分のスピーチになります。全体の組み立てと全文の例文は「友人代表スピーチの例文」で、笑いの量ごとに紹介しています。

選んだ話でスベりたくないときは

候補は出たけれど、どれなら会場で笑ってもらえるか判断できない、という人もいるはずです。そんなときは、思い出のメモを人に見てもらう方法もあります。

よくある質問

面白い思い出が1つも浮かびません。

笑いは、本人のひと言1つで足ります。大きな事件を探すより、「本人がよく言うこと」「こだわっていること」を書き出してみましょう。結婚相手に「〇〇のどんなところが好き?」と聞くと、友人も知らない意外な一面が出てくることもあります。

話したいエピソードが2つあって選べません。

人柄がよく伝わるほうを1つ選び、もう1つは自己紹介の一言に回しましょう。「毎年、同じ花火大会に出かけていた仲です」のように1文に縮めれば、両方の思い出を入れられます。

少し話を盛ってもいいですか?

数字を丸めたり、言い方を少し大げさにしたりする程度なら大丈夫です。ただし、なかった出来事は作らないようにしましょう。本人や会場の友人が「そんなことあった?」という顔をすると、笑いが止まってしまいます。

まとめ

  • 笑いが起きるエピソードは、「意外な一面」「具体的な場面」「本人も笑える話」の3つがそろった話
  • 昔の恋愛・お酒の失敗・見た目の話・内輪の話は、笑いにしない
  • 思い出を10個書き出し、3つの条件で○×をつけてしぼる
  • 選んだ話は「いつもの顔」「本人のセリフ」「数字」の型に当てはめて書く
  • 笑いのあとは人柄で締め、はなむけにつなげる
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