友人代表スピーチで笑いを取るコツは、笑いを話の中の2〜3か所にしぼり、最後はまじめなお祝いで締めることです。笑いの型は、「自虐」「意外な一面」「言い間違えの仕込み」の3つを覚えておけば十分です。
この記事では、3つの型の作り方と、そのまま使える面白い例文を2本紹介します。結婚式で入れてはいけない笑いもまとめたので、原稿を仕上げる前に確かめてください。
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笑いを入れる場所は決まっている
友人代表スピーチは「お祝い・自己紹介・エピソード・はなむけ・結び」の順で話します。笑いを入れやすいのは、自己紹介とエピソードの2つです。
| パート | 笑い | 理由 |
|---|---|---|
| お祝い | 入れない | 最初はきちんとした印象をつくる |
| 自己紹介 | 入れてもよい | 自虐の一言で、会場の緊張がほぐれる |
| エピソード | 1〜2か所 | 笑いのあとに、本人の人柄を伝える |
| はなむけ | 軽く1つまで | 新郎新婦に向けた明るい一言にする |
| 結び | 入れない | まじめに締めると、話全体が引き締まる |
自己紹介で入れる笑いは、お笑いでいう「ツカミ」です。話の最初に聞き手の気持ちをつかむ一言のことで、ここで小さな笑いが起きると、そのあとの話を聞いてもらいやすくなります。
笑いを取る3つの型
型1:自虐で会場をほぐす
自虐は、自分を少し下げて笑いを取る方法です。新郎新婦を傷つける心配がないので、いちばん安全な型です。ツカミに使うと、聞く人の肩の力がぬけます。
マイクの前に立つのは、小学校の学芸会で「木の役」をして以来です。今日はセリフがあるので、少し緊張しています。
今日のために、原稿を10回書きました。〇〇くんの結婚が決まってから、たぶん私がいちばん勉強しています。
自虐は1回で十分です。何度も続けると、会場が笑っていいのか迷ってしまいます。下の例文1では、友人代表に選ばれた理由を使った自虐で話を始めています。好かれる自虐の言い方は「自虐ネタの例と使い方」でもくわしく紹介しています。
型2:意外な一面で笑わせる
周りが知っている本人の顔と、友人だけが知っている顔の差で笑いを取る方法です。ポイントは、本人が自分でも笑って話している一面だけを使うことです。
| 周りの印象 | 友人だけが知る一面 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 仕事の判断が早い | 食事のメニューが決められない | 「仕事の判断は早い〇〇さんですが、ランチのメニューだけは、10分かけても決まりません」 |
| 物静かで大人っぽい | カラオケが大好き | 「静かな〇〇くんですが、マイクを持つと、誰よりも先に立ち上がります」 |
| しっかり者 | 甘いものに目がない | 「しっかり者の〇〇さんですが、ケーキ屋さんの前だけは、素通りできません」 |
意外な一面は、そのあとに「だからこそ、こんないいところがある」とつなげると、笑いがほめ言葉に変わります。下の例文1が、その形です。
型3:言い間違えを仕込む
わざと言い間違えて、すぐに言い直す方法です。間違えた言葉は本人の軽いくせ、言い直した言葉はほめ言葉にします。その差に、会場がくすっと笑います。
〇〇さんは、高校時代から、本当にせっかち……失礼しました、行動力のある人でした。
〇〇くんは、昔から心配性……いえ、とても慎重な人です。
言い間違える言葉は、悪口に聞こえない軽いものを選びます。「失礼しました」の前に半拍おくと、わざと言ったことが伝わりやすくなります。使うのは1つのスピーチで1回だけにしましょう。
面白い例文1:新郎の友人(自虐と意外な一面・約3分)
自虐のツカミで始めて、新郎の意外な一面で笑いを取る例文です。〇〇は新郎新婦の名前、△△は自分の名前に入れかえてください。
〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
新郎の〇〇くんの大学時代の友人で、△△と申します。
友人代表のお話をいただいたとき、私は「話のうまい友人は、ほかにたくさんいるのに」と思いました。
理由を聞くと、〇〇くんは「おまえは、頼んだら断らないから」と言いました。
どうやら、話のうまさでは選ばれていないようです。
今日は、断らなかった者として、精いっぱいお祝いを述べさせていただきます。
〇〇くんは、会社では、いつも穏やかで頼りになる先輩だと聞いています。
口数が少なく、大勢の集まりでも、静かにうなずいていることが多い男です。
ところが、そんな〇〇くんが、誰よりも熱くなるものがあります。
それは、ギョーザです。
大学時代、友人の家に集まると、〇〇くんは必ず台所に立って、ギョーザを包んで焼いてくれました。
しかも〇〇くんは、1冊のノートに、ギョーザの研究を記録していたんです。
ひき肉と野菜の割合、にんにくの量、焼く時間。
ノートには、「第23回、白菜を増やす。みんなの反応、上々」と書いてありました。
卒業するころには、そのノートは3冊目に入っていました。
私はそのノートを見て、〇〇くんのことが、少し分かった気がしました。
〇〇くんは、人に喜んでもらうためなら、何度でも工夫できる人なんです。
先日、〇〇さんに、ギョーザのことを聞いてみました。
すると〇〇さんは、「今は私の好みに合わせて、にんにくを少なめにしてくれています」と教えてくれました。
ノートは、どうやら新しいページに入ったようです。
〇〇さん、〇〇くんのギョーザは、これから少しずつ、〇〇さんの好きな味になっていくはずです。
ときには「おいしい」の一言を、〇〇くんに贈ってあげてください。
それが、〇〇くんにとって、いちばんの隠し味だと思います。
お二人で、笑い声とおいしい匂いのあふれる、あたたかい家庭を築いてください。
本日は、誠におめでとうございます。
笑いが起きやすいのは、「それは、ギョーザです」と「第23回」の2か所です。どちらも言う前に少し間をおき、言ったあとは笑いが静まるまで待ちます。
面白い例文2:新婦の友人(言い間違えの仕込み・約3分)
言い間違えの仕込みで始めて、新婦の行動力を笑いと一緒に伝える例文です。( )の中は話し方の指示なので、読まずに動きだけ行います。
新郎の〇〇さん、新婦の〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
新婦の〇〇さんの高校時代からの友人で、△△と申します。
〇〇さんは、高校時代から、本当にせっかち……
(半拍おいて、会場を見る)
失礼しました、行動力のある人でした。
高校2年の秋、クラスで「卒業までに、みんなで旅行に行きたいね」という話が出たことがあります。
その5分後、〇〇さんは、手書きの日程表を配っていました。
行き先も宿も、〇〇さんがその週のうちに決めてくれました。
おかげで私たちは、卒業前に、クラスの半分のメンバーで旅行に行くことができました。
大学の合格を確かめた日も、10分後には、入学式に着る服を選びに出かけていました。
入学式は、まだ3か月も先でした。
そんな〇〇さんが、新郎の〇〇さんと出会ったのは、3年前のことです。
初めて会った次の日、〇〇さんは私の顔を見るなり、「結婚したい人に会った」と言いました。
(少し間をおく)
正直に申し上げます。
このときばかりは、さすがに気が早すぎると思いました。
私は思わず、「まずは、次に会う日を決めてからね」と言いました。
でも今日、こうしてお二人が並んでいる姿を見て、〇〇さんの見る目は確かだったと分かりました。
〇〇さんの行動力は、大事な場面では、いつも正しい方向を向いているんです。
新郎の〇〇さんと出会ってからの〇〇さんは、その行動力に、やわらかさが加わったように見えます。
新郎の〇〇さん、〇〇さんは、決めたらすぐに動く人です。
ときには、新郎の〇〇さんが追いつけないほどの速さで、進んでいくかもしれません。
そのときは「ちょっと待って」と声をかけて、2人で歩く速さをそろえてあげてください。
〇〇さん、これからは新郎の〇〇さんと、同じ歩幅で進んでいってね。
お二人の末永いお幸せを、心よりお祈りしています。
本日は、誠におめでとうございます。
この例文で笑いが起きやすいのは、冒頭の言い間違えと「まだ3か月も先」「気が早すぎる」の3か所です。新婦の言葉を紹介するエピソードは、話してよいかを前もって本人に確かめておきましょう。
笑いを生かす話し方
同じ原稿でも、話し方しだいで笑いの大きさは変わります。次の4つを意識して練習しましょう。
- 笑わせる一言の前に、半拍の「間」(話の途中の短い沈黙)をおく
- 笑いが起きたら、笑い声が小さくなるまで待ってから次へ進む
- 自分で先に笑わない(笑いをこらえるくらいでちょうどいい)
- 笑いが起きなくても、言い直さずに、そのまま次の文へ進む
笑いが起きなかったときの立て直し方は「滑ったときの返し方」に例があります。スピーチ全般で笑いを入れるコツは「スピーチで笑いを取るコツ」も参考にしてください。
入れてはいけない笑い
結婚式には、新郎新婦の家族や親族、上司、子どもまで、さまざまな人が集まります。仲間内では盛り上がる話でも、次のような笑いは入れません。
| 入れてはいけない笑い | 理由 |
|---|---|
| 昔の恋愛の話 | 新郎新婦や親族が気まずくなる |
| 容姿・体型・年齢・出身をからかう話 | 本人だけでなく、家族も傷つける |
| 下ネタや、夜の話を連想させる冗談 | 親族や子どもも聞いている |
| お酒の失敗や、だらしない話 | 親族や上司の前で印象が下がる |
| 新郎新婦のどちらかを下げる冗談 | 冗談でも、相手側の家族は複雑な気持ちになる |
| 仲間内でしか通じない話 | 多くの人が置いてきぼりになる |
迷ったら入れない
「これは笑ってもらえるかな」と迷う話は、入れないのがいちばん安全です。気になるエピソードは、式の前に新郎新婦に「この話をしてもいい?」と聞いておきましょう。
笑いの加減に自信がないときは
どこまで笑いを入れていいのか分からない、書いてみたけれど面白いのか判断できない、という人もいるはずです。そんなときは、人に原稿を読んでもらうのも1つの方法です。
よくある質問
笑いがまったく起きなかったら、どうすればいいですか?
気にせず、そのまま次の文へ進みましょう。友人代表スピーチの目的は、笑わせることではなく、お祝いを伝えることです。エピソードで本人の人柄が伝われば、笑いが起きなくてもスピーチは成り立ちます。
新郎新婦に「とにかく笑わせて」と頼まれました。
笑いの数を増やすより、1つの笑いを大きくするほうがうまくいきます。同じ流れを3回くり返す「天丼」を使うと、3回目で大きな笑いが起きやすくなります。天丼を使った全文は「友人代表スピーチの例文」の例文3で紹介しています。
面白い話が思いつきません。
共通の友人に「〇〇のことで、意外だと思ったことある?」と聞いてみてください。型2の意外な一面が見つかりやすくなります。それでも見つからなければ、自虐のツカミだけ入れて、あとはまじめに話せば十分です。
まとめ
- 笑いは自己紹介とエピソードの中の2〜3か所にしぼり、結びはまじめに締める
- 笑いの型は「自虐」「意外な一面」「言い間違えの仕込み」の3つ
- 笑わせる一言の前に間をおき、笑いが起きたら静まるまで待つ
- 昔の恋愛、容姿や年齢、お酒の失敗、下ネタは、どんなにウケそうでも入れない






