手紙形式の友人代表スピーチで笑いを取るには?書き方と読み方・例文

開いた原稿の端に、直したい場所の目印の付箋を貼る手

手紙形式の友人代表スピーチでも、笑いは取れます。紙を見ながら読む形なので、セリフを忘れる心配が少なく、笑いの前後に「間」(話の途中の短い沈黙)を作りやすいのが強みです。笑いは書き出し・思い出・追伸の2〜3か所にしぼり、手紙を閉じたあとの会場への挨拶はまじめに締めましょう。

この記事では、手紙ならではの笑いの入れ方4つと、笑いどころがわかる3分の例文、笑いを生かす読み方を紹介します。便せんや句読点、読み終えた手紙の渡し方の注意も、短くまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 手紙形式は、笑いの「間」を作りやすい
  2. 構成と笑いの入れどころ(全体で900字が目安)
  3. 手紙ならではの笑いの入れ方4つ
  4. 笑いどころがわかる手紙形式の例文(約3分)
  5. 笑いを生かす読み方
  6. 便せん・句読点・渡し方の注意
  7. 手紙のスピーチで失敗したくないときは
  8. よくある質問
  9. まとめ

手紙形式は、笑いの「間」を作りやすい

手紙形式のスピーチは、新郎新婦のどちらか(多くは自分の友人)に宛てた手紙を、会場で読み上げる形です。ふつうのスピーチと比べると、笑いを入れるうえで次のような良さがあります。

  • 段落の終わりで顔を上げる動きが、そのまま笑いを待つ間になる
  • 「〇〇へ」と本人に語りかけるので、ふだんの口調との差が笑いになる
  • 便せんそのものを、小道具として使える
  • 結びのあとに「追伸」という、もう一言足せる場所がある

気をつけたいのは、手紙の中身だけを読むと、会場の人には「2人だけの話」に聞こえてしまうことです。そこで、手紙を開く前と閉じたあとに、会場への挨拶を入れます。外側では改まった言葉、内側ではふだんの言葉と使い分けると、その切りかえも小さな笑いになります。

笑いを多めにした手紙を余興として読む場合は、「結婚式の余興で手紙を読むなら?」で笑いの型と3人で読む例文を紹介しています。友人代表のスピーチは余興より改まった出番なので、くすっと笑える程度にとどめるのが目安です。

構成と笑いの入れどころ(全体で900字が目安)

友人代表スピーチの持ち時間は、3分前後のことが多いです。読み上げる速さは1分あたり300字前後が目安なので、全体を900字ほどに収めます。笑いが起きると待つ時間が増えるため、笑いを入れるなら少し短めに仕上げましょう。

順番話すこと文字数の目安笑い
1会場への挨拶と自己紹介(手紙を開く前)100字入れないか、軽く1つ
2呼びかけと書き出し(「〇〇へ」)80字小さく1つ
3出会いと思い出のエピソード350字1〜2か所
4パートナーへのひと言120字入れない
5これからへの言葉(はなむけ)と結び150字入れない
6追伸50字1つ
7手紙を閉じて、会場への締めの挨拶50字入れない

手紙形式ならではの決まりごとは、次の3つです。

  • 自己紹介は、手紙を開く前に済ませる(手紙の中で名乗ると不自然になる)
  • パートナーへのひと言は、呼びかけを「〇〇さん」に切りかえ、体の向きも少し変える
  • 日付は読まなくてよい(渡す手紙に書いておくと、記念として残る)

話す思い出がまだ決まらない人は、「友人代表スピーチのエピソードの選び方」で、笑いが起きる話の見つけ方を紹介しています。

手紙ならではの笑いの入れ方4つ

手紙形式の笑いは、大きなボケより、聞いている人がくすっと笑える一文が向いています。次の4つから、2〜3個を選んで入れてください。スピーチ全体で使える笑いの型は「面白い友人代表スピーチの作り方」にまとめています。

1. 手紙の決まり文句と、今の二人のずれ

「お元気ですか」「この手紙を読むころには」のような手紙らしい言い回しは、目の前の本人に読むと少しずれます。そのずれが、書き出しの小さな笑いになります。

例文直す前(ずれがなく、笑いが起きにくい)

〇〇へ
結婚おめでとう。
今日は〇〇に伝えたいことがあって、手紙を書いてきました。

例文直したあと(決まり文句のずれで笑いを取る)

〇〇へ
この手紙を読むころには、あなたは結婚していることでしょう。
(半拍おいて、新婦を見る)
……今、目の前でしていますね。結婚おめでとう。

「お元気ですか。……昨日も電話で話しましたね」のように、決まり文句のあとに本当のことを足すだけでも使えます。

2. 改まった言葉から、ふだんの口調への切りかえ

会場への挨拶はていねいな言葉で話し、「〇〇へ」と読んだところから、ふだんの口調に変わります。この差を先にひと言で笑いにしておくと、会場も手紙の中に入ってきやすくなります。

例文口調が切りかわる前の一言

今日は〇〇さんに宛てて、手紙を書いてきました。
ここから先はふだんの話し方になりますが、友人の特権としてお許しください。

3. 便せんを小道具にする

紙を見ながら読む形なので、便せんそのものが笑いの道具になります。枚数や、めくる動きを使いましょう。

例文便せんを使う一言

(便せんを取り出して、会場に見せる)
便せんは3枚あります。……ご安心ください、3枚目は半分だけです。

(1枚めくって)
ここから2枚目です。字が少しずつ小さくなるのは、書きたいことが多かったからです。

4. 結びのあとの「追伸」で、もう一度笑わせる

手紙形式でいちばん笑いが起きやすいのは、追伸です。結びのまじめな言葉で会場が少し静かになったあとなので、軽い一言がよく効きます。張りつめた空気がゆるむと笑いが起きる、お笑いでいう「緊張と緩和」の形です。

追伸は1〜2文にし、手紙の前半に出てきた話をもう一度使うと、笑いが大きくなります。前に出した話をあとで生かすことを「伏線回収」と呼びます。

追伸の型例
前半の話をもう一度使う「あめは今日も、ポケットに入っています。あとで高砂に届けます」
パートナーにひと言「〇〇さんへ。〇〇の『あと5分』は、だいたい15分です」
自分を少し下げる「この手紙を書くのに、便せんを1冊使いました。残っているのは、表紙だけです」

改まった式では「追伸」と読まない

お祝いの手紙では、追伸は「重ねる」ことを連想させるとして、避ける考え方もあります。親族や年配の方が多い式では、「追伸」と読まずに「それから、もうひと言だけ」と言いかえましょう。笑いの効き目は変わりません。

笑いどころがわかる手紙形式の例文(約3分)

新婦の高校時代の友人が読む例文です。〇〇を名前に、思い出の場面を2人のものに書きかえて使ってください。( )の中は動きの説明なので、読みません。

例文新婦の高校時代の友人から(約3分)

(会場へ向けて)
〇〇さん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。
新婦の〇〇さんとは高校時代からの友人で、△△と申します。
今日は〇〇さんに宛てて、手紙を書いてきました。
ここから先はふだんの話し方になりますが、友人の特権としてお許しください。

(便せんを開いて)
〇〇へ
結婚おめでとう。
〇〇に手紙を書くのは、高校の卒業式の日以来です。
あの日、交換した手紙を電車の中で読んで、二人で泣いたのを覚えていますか。
今日は泣かずに読めるように、ハンカチを2枚持ってきました。

〇〇と出会ったのは、高校1年の春でした。
席が前と後ろになって、最初に話しかけてくれたのが〇〇でした。
「あめ、好き?」
初対面で、あめを差し出してくれる人に、私は初めて会いました。
あの日から今日まで、〇〇はたくさんのものを私にくれました。
お菓子と、ノートのコピーと、何よりたくさんの笑顔です。

〇〇は、とにかく準備をする人です。
二人で旅行に行ったときは、手作りのしおりを用意してくれましたね。
表紙も持ち物の一覧もあって、1日目の予定には「15時 少し迷う」と書いてありました。
(半拍おく)
そして本当に、15時に少し迷いました。
地図を見ながら「予定どおりだね」と笑う〇〇を見て、この人と一緒なら、迷う時間も楽しいんだなと思いました。

(新郎のほうを向いて)
〇〇さん。
〇〇は、自分のことより人のことを先に考える人です。
がんばりすぎてしまうときは、隣で「少し休もう」と声をかけてあげてください。
そして、〇〇のしおりにある「少し迷う」の時間も、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

(新婦のほうを向いて)
〇〇。
これからは、二人で新しいしおりを作っていくんだね。
どんな予定が書かれていても、〇〇なら大丈夫。
新しいお家にも、あめを持って遊びに行かせてね。
本当におめでとう。
△△より

(便せんをたたみかけて、手を止める)
それから、もうひと言だけ。
この手紙も、〇〇を見習って、予定を立ててから書きました。
予定表には「2分50秒 少し照れる」と書いてあります。
(半拍おいて、会場を見る)
……今、予定どおりです。

(便せんをたたんで、会場へ)
〇〇さん、〇〇さん、どうぞ末永くお幸せに。
本日は、本当におめでとうございます。

この例文で笑いが起きやすいのは、次の4か所です。どれも小さな笑いなので、大きく笑わせようとせず、言ったあとに顔を上げて待つだけで十分です。

場所笑いの一文使っている入れ方
手紙を開く前友人の特権としてお許しください口調の切りかえ
書き出しハンカチを2枚持ってきました自分を少し下げる一言
思い出そして本当に、15時に少し迷いました前フリと答え合わせ
追伸……今、予定どおりです追伸と伏線回収

思い出は「そのときのひと言」で書く

「優しい人です」と説明するより、「あめ、好き?」のように、その場で言われたひと言を書くほうが、情景が会場に浮かびます。本人のひと言は、それだけで小さな笑いにもなります。

笑いを生かす読み方

手紙は語りかけるものなので、ふだん話すより少しゆっくり読みます。笑いの一文は、次の順番で読むと、間がきれいに取れます。

  1. 笑いの一文の直前で、半拍だけ間をおく
  2. 笑いの一文は、便せんを見たまま、さらっと読む
  3. 読み終えたら顔を上げ、本人か会場を見る
  4. 笑い声が小さくなってから、便せんに目を戻して次へ進む

自分で先に笑ってしまうと、会場は笑いにくくなります。笑いが起きなくても、顔を上げて一拍待てば、ほほえましい間として受け取ってもらえます。

便せんは胸の高さで持ち、読み終えた紙はいちばん後ろに回します。手持ちのマイクの場合は、便せんを全部開いて重ねておくと、片手でもめくりやすくなります。練習のときは、スピーチ時間の計算ツールに文面を貼ると、読み上げにかかる時間の目安が分かります。

笑いの一文には印をつける

読む用の便せんには、笑いの一文の前に「/」(半拍おく)、あとに「↑」(顔を上げる)と小さく書きこんでおきましょう。緊張していても、間を忘れずに済みます。

便せん・句読点・渡し方の注意

便せんは、読みやすさをいちばんに選びます。会場は照明が落ち着いていることがあり、緊張すると手元の文字も追いにくくなるからです。

選ぶものおすすめ避けたいもの
便せん白や淡い色で、行の間が広めの罫線入り濃い色、全面に柄があるもの
書く道具黒か濃い青のペン鉛筆、こすると消えるペン
封筒便せんとそろいのものか、白の封筒茶封筒(事務用に見える)

3分のスピーチなら、便せんは2〜3枚が目安です。めくる順番を間違えないように、右下に小さくページの数字を書いておきます。印を書きこみたいときは、同じ便せんで「読む用」と「渡す用(清書)」の2通を作ると安心です。

結婚式の招待状やお祝いの手紙では、句読点(、や。)を使わない書き方が見られます。決まりではないので、読む用は息つぎの目印として句読点を使い、渡す用だけ1字空けや改行で区切ると、両方の良さを生かせます。

読み終えた手紙は、その場で本人に手渡すことが多いです。ただ、進行によっては高砂(新郎新婦の席)まで行けないこともあるので、前もって司会者か会場の担当者に確かめておきましょう。手渡すときは封筒に入れ、宛名が相手から読める向きにして両手で差し出します。

前日までに確かめること

  • 読み終えたあと、高砂まで行って渡してよいか(司会者か会場の担当者に)
  • マイクはスタンドか、手持ちか
  • 便せんの右下に、ページの数字を書いたか
  • 読む用の便せんに、笑いの一文の印を書きこんだか
  • 渡す用を封筒に入れ、表に宛名、裏に自分の名前を書いたか

手紙のスピーチで失敗したくないときは

書きたい思い出はたくさんあるのに、手紙の形にまとまらない、笑いの入れ方がこれでよいのか分からない、ということもあります。そんなときは、文面づくりだけを人に頼む方法もあります。

よくある質問

手紙形式で笑いを入れると、くだけすぎになりませんか?

手紙を開く前と閉じたあとに、会場への改まった挨拶を入れれば、くだけすぎにはなりにくい形です。笑いは手紙の中の2〜3か所にしぼりましょう。お祝いの席で避けたい言葉は、笑いの一文の中も含めて「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉の言い換え」で確かめておくと安心です。

途中で泣いて読めなくなったら?

いったん便せんから目を離し、ゆっくり息を吐いてから続けます。「予定より早く、泣いてしまいました」とひと言はさむと、会場の空気もやわらぎます。泣いてしまうのは、それだけ思いが深いということなので、会場も温かく待ってくれます。

新郎新婦の2人に宛ててもいいですか?

大丈夫です。2人とも親しい場合は「〇〇くん、〇〇さんへ」と、2人に宛てて書きます。片方とだけ親しい場合は、その人に宛てて書き、途中でパートナーにひと言かける形のほうが書きやすいです。

まとめ

  • 手紙形式は、紙を見ながら読むので、笑いの間を作りやすい
  • 笑いは書き出し・思い出・追伸の2〜3か所にしぼり、会場への挨拶はまじめに締める
  • 決まり文句のずれ、口調の切りかえ、便せん、追伸の4つが手紙ならではの笑い
  • 改まった式では、「追伸」を「それから、もうひと言だけ」と言いかえる
  • 便せんは読みやすさで選び、渡し方は前もって司会者か会場に確かめる
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