結婚式の余興で歌うなら?笑いも取れる演出と選曲のコツ

手拍子をする女性と、木の打楽器を鳴らして踊る男性

結婚式の余興で歌うなら、歌そのものはまじめに歌い、笑いは歌の前後と間奏に足すのがいちばん失敗しにくい方法です。笑いの場所を、歌う前の寸劇や間奏の合いの手など2〜3か所に決めておけば、歌が得意でなくても会場が沸きます。

曲は、お祝いに合う歌詞で、2〜3分に縮められ、会場の多くが知っているものを選びます。この記事では、歌に笑いを足す演出のアイデアと、そのまま使える寸劇の台本を紹介します。選曲のコツと、替え歌や音響で気をつけることもまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 歌の余興は「笑いの場所」を先に決める
  2. 歌に笑いを足す演出アイデア6つ
  3. そのまま使える台本「歌う前の記者会見」
  4. 曲の選び方と、替え歌にしたいときの注意
  5. 練習と音響で、笑いの場所を外さない
  6. 歌のうしろでムービーを流したいときは
  7. よくある質問
  8. まとめ

歌の余興は「笑いの場所」を先に決める

歌の余興は、歌い始めると、会場はただ聞くだけになりがちです。かといって歌の途中でずっとふざけると、歌も笑いも中途半端になります。先に「どこで笑わせて、どこでまじめに歌うか」を決めておきましょう。

場所笑いの入れ方ねらい
歌う前30秒〜1分の寸劇、ひと言のつかみ会場の緊張をほぐし、歌を聞く空気を作る
歌の途中(間奏・サビ)合いの手、フリップ、衣装の早替え聞くだけの時間に、見て笑う場面を足す
歌のあと寸劇のオチ、全員でのひと言笑いで締めてから、まじめにお祝いを言う

寸劇は、短いお芝居のことです。つかみは最初に会場の心をつかむ笑い、オチは最後の笑いを指します。

笑いは、この中の2〜3か所にしぼります。歌そのものは、まじめに、楽しそうに歌うのがコツです。歌声がまっすぐなほど、前後の笑いとの差が大きくなり、会場の印象に残ります。

わざと下手に歌う笑いは避ける

音程をわざと外す、ふざけた声で歌う、といった笑いは、会場によってはふざけすぎに見えます。新郎新婦の親族や上司も聞いているので、歌はまっすぐに歌い、笑いは演出のほうで取りましょう。

歌に笑いを足す演出アイデア6つ

どれも、大がかりな準備は要りません。難しさは★の数で表しています(★1つがいちばん簡単です)。

1. 歌う前の「記者会見」

代表が記者会見のような口調で、これから歌う歌について大まじめに発表してから歌に入ります。歌が苦手なメンバーがいることを、先に笑いに変えてしまう形です。台本は下で紹介しています。

時間
寸劇1分+歌2〜3分
人数
3人以上
準備物
代表が持つメモ、記者役のメモ帳とペン
難しさ
★★

2. 会場に合いの手をお願いする

合いの手は、歌の合間に入れる短いかけ声のことです。歌う前に、代表が「〇〇くん!」と呼んだら会場が「おめでとう!」と返す、という形を一度だけ練習してもらいます。間奏やサビの終わりで2〜3回くり返し、3回目だけは、前もって頼んでおいた新郎が「ありがとう!」と返すと笑いが起きます。

時間
練習30秒+歌の中で2〜3回
人数
何人でも(会場の全員が参加)
準備物
合いの手の言葉を書いたフリップ(あれば)
難しさ
★

合いの手は、歌詞とは別の、自分たちの言葉にします。名前と「おめでとう」なら、初めて聞く人でもすぐに言えます。

3. 1人だけ本気の指揮者

歌わないメンバーが1人、指揮者として横に立ちます。最初は上品に指揮をしているのに、サビに向かってだんだん動きが大きくなり、最後は全身で指揮をします。1人だけ温度が違うおかしさで笑わせる形で、歌が苦手な人の役にぴったりです。

時間
歌の長さと同じ
人数
歌う人2人以上+指揮者1人
準備物
指揮棒の代わりになる物(菜箸に色紙を巻くなど)
難しさ
★★

4. 間奏の「なれそめ早送り劇」

20秒ほどの間奏のあいだに、2人が新郎新婦の役で、出会いからプロポーズまでを早送りのような動きで演じます。セリフはなしで、場面の名前を書いたフリップを横で出すと伝わります。間奏が明けたら、何ごともなかったように全員で歌い始めます。

時間
間奏の長さ(20秒前後)
人数
演じる2人+歌う人
準備物
場面の名前を書いたフリップ3枚
難しさ
★★

本人がよくやるしぐさを1つ入れると、会場から「似てる」と笑いが起きます。本人たちが恥ずかしがりそうな場面は入れません。

5. サビで衣装が変わる

歌い出しはスーツやドレスのまま、まじめな顔で歌います。サビに入る瞬間、全員が背中に隠していたたすきや帽子を一斉に身につけると、会場から笑いと拍手が起きます。

時間
早替え3秒ほど
人数
3人以上
準備物
名前入りのたすき、おそろいの帽子など、すぐ身につけられる小物
難しさ
★★

早替えは、全員がそろうほど笑いが大きくなります。「サビの1拍前に代表がうなずく」など、合図を決めて練習しましょう。たすきの作り方は「余興の衣装の選び方」で紹介しています。

6. 間奏でツッコミのフリップ

間奏のあいだに、2人の思い出を書いたフリップを順にめくります。1枚目で大げさに言い、2枚目で本当のことを言う「ツッコミ」を入れると笑いになります。

時間
間奏の長さ(20秒前後)
人数
2人以上
準備物
画用紙のフリップ6枚、太いペン
難しさ
★
例文間奏で出すフリップの文例(6枚)

1枚目:2人の出会いは、運命の日
2枚目:……と、新郎は言っています
3枚目:新婦の記憶では、ふつうの月曜日
4枚目:初デートは、おしゃれなお店
5枚目:……の、となりの定食屋
6枚目:末永く、お幸せに

1枚に書くのは10〜15文字ほどまでにします。めくり方のコツは「余興のフリップ芸のやり方」が参考になります。

そのまま使える台本「歌う前の記者会見」

アイデア1の台本です。代表、記者役、歌が少し不安な役(C)の3人が話し、ほかのメンバーは横に並びます。〇〇は新郎新婦の名前に、セリフの中の「C」はその人の名前に置きかえ、話の中身も自分たちに合わせて書きかえてください。

台本歌う前の記者会見(約1分)

(メンバーが横一列に並ぶ。代表が一歩前に出て、メモを手に深く一礼する)

代表本日はお集まりいただき、ありがとうございます。新郎の会社の同期です。

代表これより、〇〇くんと〇〇さんに贈る歌について、記者会見を開きます。

記者(列の端から手を挙げて)質問です。練習は十分にされましたか。

代表はい。全員で2回集まり、それぞれ毎日、通勤の電車で心の中で歌ってまいりました。

記者一部のメンバーの音程が心配だという声もありますが。

代表……その点につきましては、本人から説明させていただきます。

C(一歩前に出て、深く頭を下げる)わたくしの音程は、少しだけ自由です。

代表自由ですが、気持ちは誰よりもこもっております。

記者会場の皆さんへのお願いはありますか。

代表サビでは、ぜひ手拍子をお願いします。Cの声が、手拍子にうまく溶けこむ予定です。

Cよろしくお願いいたします。

代表それでは、聞いてください。

(伴奏が始まり、全員で歌う)

(歌い終えたら、全員で一礼。代表が一歩前へ)

代表ありがとうございました。おかげさまで、Cの音程も無事に溶けこみました。

C皆さんの手拍子のおかげです。

代表〇〇くん、〇〇さん。これからも2人で声を合わせて、楽しい毎日を歌っていってください。

全員ご結婚、おめでとうございます。

(全員で一礼して、席に向かう)

笑いどころは、Cの「少しだけ自由です」と、歌のあとの「無事に溶けこみました」です。歌の前に言ったことを歌のあとでもう一度使うと、歌の前後がひとつながりの笑いになります。結びの2行だけは、ふざけずにまっすぐお祝いを言いましょう。

Cの役は、本当に歌が苦手な人でなくてもかまいません。本人が笑って引き受けられる人に頼み、嫌がる人に無理に押しつけないようにします。

曲の選び方と、替え歌にしたいときの注意

歌の余興は、歌のうまさより曲選びで印象が決まります。候補が2〜3曲にしぼれたら、次の点で比べてみてください。

歌詞と、会場の何人が知っているかで選ぶ

明るい曲でも、歌詞をよく読むと別れや失恋の歌だった、ということがあります。候補の曲は、歌詞を最初から最後まで読み、結婚式で避けられる言葉が目立たないかも確かめましょう。避けたい言葉は「結婚式のスピーチの忌み言葉と言い換え」で確かめられます。

会場には、友人のほかに親族や上司もいます。曲のタイプごとに、合う笑いの演出も違います。

曲のタイプよいところ合う笑いの演出
2人の思い出の曲新郎新婦がいちばん喜ぶ記者会見で「選んだ理由」を話す
幅広い世代が知るお祝いの定番曲手拍子や口ずさむ人が出やすい会場の合いの手
テンポのよい流行の曲若い友人が盛り上がるサビの早替え、本気の指揮者
学校で習う合唱曲年配の人も聞きなじみがあるまじめな合唱に、本気の指揮者

迷ったら、「新郎新婦の親が知っていそうか」で考えると、会場全体で楽しめる曲になりやすいです。

長さは2〜3分に縮め、間奏を残す

1曲をまるごと歌うと、4〜5分かかる曲が多いものです。寸劇を入れると、持ち時間を超えてしまいます。歌の部分は2〜3分を目安に、次のように縮めましょう。

  1. 前奏が長い曲は、歌い出しの少し前から始める
  2. 1番を歌ったら、2番を飛ばして最後のサビにつなぐ
  3. サビをくり返す部分は、1回にする

間奏に演出を入れるときは、縮めたあとも間奏が残るようにします。間奏が短い曲なら、笑いは歌う前と歌のあとに移しましょう。

替え歌は、歌詞の権利に気をつける

替え歌は、元の歌詞を変えて歌うので、曲を作った人の権利にかかわります。会場が済ませている曲の手続きは、歌詞を変えずに歌うことを前提にしていることが多いです。歌詞を変えるには作った人の許可が要ることが多いので、自分たちだけで判断しないようにしましょう。

2人の話を入れたいときは、歌詞は変えずに歌い、話は寸劇やフリップ、合いの手で伝えるのが安心です。歌う様子を撮ってムービーに入れる場合の考え方は、「余興ムービーの曲の選び方と著作権」を見てください。

練習と音響で、笑いの場所を外さない

練習は「歌い出し」と「笑いの合図」をそろえる

歌の練習は、全員がそろわなくても進められます。次の順番なら、集まって練習するのは2回ほどで済みます。

  1. 曲と歌う部分を決め、伴奏の音源を全員に送る
  2. 各自で伴奏に合わせて歌い、声が出しにくい高さの部分がないか確かめる
  3. 1回目に集まったら、歌い出しのそろえ方と、寸劇・合いの手・早替えの合図を決める
  4. それぞれ1日1回、伴奏に合わせて歌い、寸劇のセリフも声に出す
  5. 2回目に集まったら、寸劇から結びのひと言まで通し、スマホで撮って見直す

男女で一緒に歌うときに高さが合わない人は、同じメロディーを1オクターブ下(または上)で歌いましょう。歌い出しがばらばらになるときは、前奏の最後の4拍を代表が小さく指で数えて合図します。

音響は、会場の人と前もって確かめる

歌の余興で多いトラブルは、音が出ない、寸劇から歌に入るきっかけがずれる、といった音響のことです。持ち込む音源と流し方は、遅くとも2週間前までに会場の担当者に確かめましょう。会場と確かめることの全体は「余興の打ち合わせで確かめること」にまとめています。

会場に確かめること

  • 音源を何で渡すか(CD、USBメモリー、スマホなど)と、渡す期限
  • 伴奏を始めるきっかけのセリフ(例:「それでは、聞いてください」)
  • 曲を止める場所の伝え方(2分40秒で音を小さくする、など)
  • マイクの本数と、寸劇で使うマイクを手渡しするか
  • 当日、歌う前に音の大きさを試せる時間があるか

伴奏が流れなかったときのひと言

当日に備えて、伴奏なしで歌う練習も1回しておきましょう。「ここからは、会場の皆さんの手拍子が伴奏です」と言って手拍子をお願いすれば、それも笑いと一体感のある場面に変わります。

歌のうしろでムービーを流したいときは

歌に合わせて2人の写真をスクリーンに流すと、歌が苦手でも会場の目が写真に向き、気持ちが楽になります。写真の合間に、寸劇の練習風景など笑える1枚を入れると、映像でも笑いが取れます。ただ、写真を集めて曲の長さに合わせて並べる作業は、思った以上に時間がかかります。

よくある質問

歌が上手ではありません。それでも歌の余興にしていいですか?

大丈夫です。会場の人が見ているのは、うまさより、2人のために練習してきた気持ちです。記者会見の台本のように、自信のなさを先に笑いに変えてしまえば、歌う側の気持ちも楽になります。

歌詞を見ながら歌ってもいいですか?

見ながら歌ってもかまいません。手に持つなら、歌詞を書いた紙より、小さなカードのほうが顔が隠れません。歌い出しとサビだけでも覚えておくと、顔を上げる時間が増え、早替えや合いの手の合図も見やすくなります。

1人で歌ってもいいですか?

1人で歌う場合は、歌う前のひと言で笑いを取り、合いの手で会場に参加してもらうと、1人でも場がもちます。1人だと歌の時間が長く感じられやすいので、歌の部分は2分ほどに縮めましょう。

まとめ

  • 歌はまじめに歌い、笑いは歌の前後と間奏の2〜3か所に足す
  • 寸劇・合いの手・早替え・フリップなど、歌詞を変えずに笑いを取る
  • 曲は「歌詞がお祝いに合う・2〜3分に収まる・会場の多くが知っている」で選ぶ
  • 替え歌は歌詞の権利にかかわるので、自分たちだけで判断しない
  • 伴奏のきっかけと音源の渡し方は、会場と前もって確かめる
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