余興ムービーの曲の選び方|笑いを生むBGMの使い方と著作権の確認

音響ミキサーに指を添えて、音量を整えている手元

余興ムービーで笑いを取るなら、曲は映像に合わせるより「わざとずらす」使い方が効きます。壮大な曲に小さな出来事を合わせ、いちばん盛り上がる瞬間に曲を止めると、それだけで会場に笑いが起きます。市販の曲をムービーに入れるときは、会場で流すだけのときとは別の手続きが要ることが多いです。作り始める前に、会場に確かめましょう。

この記事では、曲と映像のずれで笑わせる組み合わせと、曲を切りかえるタイミング、場面ごとの曲の選び方を紹介します。後半では、著作権の考え方と会場への確認の手順を、聞き方の文例つきでまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 笑いを生むBGMは「わざとずらす」
  2. 壮大な曲で小さな出来事を見せる場面の作り方
  3. 曲を切りかえるタイミング
  4. 場面ごとの曲の選び方と、曲の数
  5. 市販の曲を使うときの著作権の考え方
  6. 会場への確認の手順
  7. よくある質問
  8. まとめ

笑いを生むBGMは「わざとずらす」

曲を聞くと、見ている人は「これから何が起きるか」を自然に想像します。壮大な曲なら大事件を、緊張感のある曲なら怖い場面を待ちます。その想像と違う映像が出てくると、ずれが笑いになります。

ムービーで使いやすい組み合わせを5つ並べました。どの曲も、雰囲気が近い著作権フリーの曲で作れます。

曲の雰囲気合わせる映像笑いが起きる理由
映画の予告編のような壮大な曲新郎が初めてアイロンをかける小さな出来事が、大事件のように見える
サスペンスドラマのような緊張感のある曲新婦が新郎の背後にそっと近づく。手には新郎の好物のおにぎり怖い場面かと思わせて、優しい場面になる
感動の名場面のような静かな曲新郎が、残り1個の唐揚げを新婦にゆずる小さな優しさが、歴史に残る名場面に見える
運動会のような速い曲休日の朝、ゆっくり起きてくる新郎曲の速さと、動きの遅さが合わない
時代劇のような和風の曲2人が新居のカーテンの色を決める話し合い今の暮らしが、大げさな歴史の一場面になる

笑いの場面の曲は、歌のないものを選ぶ

笑いの場面では、字幕を読んでもらうことが多くなります。歌が入っていると、言葉と字幕がぶつかって、どちらも頭に入りません。曲の雰囲気だけで想像させるほうが、ずれがはっきり伝わります。

曲のずれは「出来事」に向ける

笑わせる相手は、出来事の大げささや小ささです。新郎が映るたびに間の抜けた曲を流すような使い方は、本人をからかうことになります。新郎新婦が見て「自分たちらしい」と笑える出来事を選びましょう。

壮大な曲で小さな出来事を見せる場面の作り方

いちばん使いやすいのが、壮大な曲で小さな出来事を見せる場面です。30秒ほどの短い場面でも、ムービーの中に1つ入れると、会場の空気が一気にやわらぎます。

時間
30〜40秒
人数
作る人1人(写真は新郎新婦や友人から集める)
準備物
写真か短い動画5〜6つ、歌のない著作権フリーの曲2つ
難しさ
★★
  1. 新郎新婦に聞いて、2人の小さな出来事を1つ選ぶ(初めての手料理、家具選びなど)
  2. 出来事の流れが分かる写真か動画を、5〜6つ集める
  3. 映画の予告編のような字幕を3〜4枚考える
  4. 曲がいちばん盛り上がる瞬間に、オチの写真を合わせる
  5. オチの写真で曲を止め、1〜2秒の無音を入れる
  6. 種明かしの字幕を出し、明るい曲に切りかえる

次の表は、「新郎、はじめてのカレー」という場面の例です。秒数と字幕を、2人の出来事に合わせて書きかえて使ってください。

秒数映像曲字幕
0〜5秒黒い画面壮大な曲が静かに始まる〇年前、秋
5〜10秒台所に立つ新郎の後ろ姿少しずつ大きくなるその日、新郎は決意した
10〜16秒にんじんを手に、真剣な顔の新郎さらに大きくなる目的は、ただ1つ
16〜22秒鍋をのぞきこむ新郎盛り上がる直前新婦に、カレーを作る
22〜26秒完成したカレー(具がとても大きい)いちばん盛り上がる完成
26〜28秒同じ写真のままぴたりと止める(無音)なし
28〜34秒カレーを食べて笑う新婦明るい曲に切りかえる味は、とてもおいしかったそうです

笑いが起きるのは、具の大きなカレーが映る瞬間と、曲が止まった無音のところです。同じ写真を明るい曲で並べただけでは、「仲がいいね」と思われて次の場面に進みます。曲で大事件のように見せておくから、写真のずれが笑いになります。

曲を切りかえるタイミング

笑いの大きさは、曲をどこで、どう切りかえるかで変わります。切りかえ方は、次の4つを使い分けます。

切りかえ方使うところ長さの目安
ぴたりと止めるオチの写真が出た瞬間一瞬
無音の間を空ける止めたあと、種明かしの字幕の前1〜2秒
別の曲に急に変える雰囲気をがらりと変えたいとき一瞬
だんだん小さくする笑いから、お祝いの場面へ移るとき2〜3秒

オチは曲のいちばん盛り上がる瞬間に合わせる

曲には、音がいちばん大きく、にぎやかになる瞬間があります。そこにオチの写真を合わせると、ずれがいちばん大きくなります。編集アプリで音の波の形を表示できるなら、山が大きくなる所を探すと見つけやすくなります。

オチが1秒遅れるだけで、笑いは小さくなります。 合わせたら、何度か通して見て、写真が出る瞬間と曲の山がそろっているか確かめましょう。

会場の笑い声のぶん、無音を長めに取る

会場で笑いが起きると、その声で次の字幕や音が聞こえにくくなります。オチのあとの無音は、家で見て「少し長いかな」と感じる1〜2秒がちょうどよい長さです。笑いが起きてすぐ次の曲が始まると、笑い声がしぼんでしまいます。

笑いからお祝いへは、ゆっくり切りかえる

ムービーの後半は、温かい曲でお祝いを伝える場面になります。笑いの曲から移るときは、音をだんだん小さくし、黒い画面を1秒はさんでから温かい曲を始めます。空気が変わったことが伝わり、笑いのあとのお祝いの言葉が、会場によく届きます。

場面のつなぎ方や音量の下げ方など、編集の手順は「余興ムービーの作り方」で紹介しています。短い音で笑いを足したいときは、「効果音の使い方」のタイミングの考え方も使えます。

場面ごとの曲の選び方と、曲の数

ムービー全体では、場面ごとに曲の役目が変わります。笑いの場面以外は、映像に合う曲を選ぶのが基本です。

場面合う曲の雰囲気選ぶときのポイント
オープニング明るく元気な曲か、予告編風の壮大な曲前奏が長すぎず、最初の15秒で雰囲気が伝わる
笑いの場面映像とずれる曲(壮大、緊張感、和風など)歌のない曲にして、字幕を読みやすくする
思い出の写真中くらいの速さで、なじみのある曲写真の切りかえを、曲の拍に合わせやすい
友人のメッセージ歌の入っていない、静かな曲声をじゃましない。音を小さくしても雰囲気が残る
エンディング温かい曲、だんだん盛り上がる曲結びの字幕と、曲の盛り上がる部分を重ねる

市販の曲は、1曲ごとに手続きが要ることが多いので、1本に1〜2曲までにしぼります。笑いの場面の短い曲は、著作権フリーの曲で十分です。予告編風やサスペンス風、時代劇風の曲は、フリーの曲の中にも多く見つかります。

笑いの場面は、1本のムービーに1〜2か所までにしましょう。曲が何度も変わると、見ている人が落ち着かず、お祝いの場面まで軽く見えてしまいます。

曲を決める前に確かめること

  • 歌詞に、別れや失恋、さよならを思わせる言葉が出てこないか
  • 年配の親族や上司が聞いても、心地よい曲か
  • 歌の入った曲が、メッセージの声や字幕とぶつからないか
  • 入場や乾杯など、披露宴のほかの場面で使う曲とかぶらないか
  • 笑いの曲が、人をからかう使い方になっていないか

明るい曲調でも、歌詞をよく読むと別れの歌だったということがあります。曲名だけで決めず、歌詞も確かめておきましょう。

市販の曲を使うときの著作権の考え方

市販の曲には、2つの権利があります。作詞や作曲をした人の権利(著作権)と、CDなどの音源を作った会社や、歌った人・演奏した人の権利(著作隣接権)です。ムービーに曲を入れるには、原則として、この両方の許可が要ります。

ここで紹介するのは一般的な考え方で、扱いは会場や曲によって違います。決める前に、必ず会場に確かめてください。

曲の使い方手続きの考え方まずすること
会場で市販のCDを流すだけ会場が権利を管理する団体と契約していて、自分たちの手続きは要らないことが多い流してよいかを会場に聞く
市販の曲をムービーに入れる曲を動画に入れる(複製する)ための許可が要る。まとめて代行する団体を通す方法がある手続きの窓口を会場に聞く
ムービーには曲を入れず、会場で別に流す会場の扱いによる。引き受けてくれない会場もある引き受けてもらえるかを会場に聞く
著作権フリーの曲を使う利用規約の範囲なら、手続きは要らないことが多い曲を配っているサイトの規約を読む

手続きを代行する団体がある

結婚式で流す映像に市販の曲を入れる手続きを、権利を持つ人たちに代わって受け付ける団体があります。会場がその団体に登録していれば、会場を通して申し込めることがあります。

ただし、手続きできるのは決められた曲だけで、1曲ごとに費用がかかることが多いです。正規に購入した音源を用意するよう求められることもあります。どの曲が使えるか、いくらかかるかは、会場の担当者に聞くのがいちばん確かです。

古い曲や「フリー」の曲で気をつけること

作曲した人の権利が切れた古いクラシックの曲でも、CDなどの音源には別の権利が残っていることが多いです。演奏した人や、音源を作った会社の権利です。壮大な曲を使いたいときは、著作権フリーとして配られている音源を選ぶと安心です。

「フリー」でも、使い方に条件があることが多いです。結婚式で流す動画に使ってよいか、曲名や作った人の名前を出す必要があるかを、規約で確かめます。

使えないと考えておきたい音

音楽配信サービスで聞ける曲や、動画サイトの動画から録音した音は、規約で個人の利用に限られていることが多いです。ムービーに入れて会場で流す使い方はできない、と考えておきましょう。

会場で自分たちが歌ったり、CDに合わせて踊ったりする余興は、ムービーとは扱いが変わることがあります。くわしくは「結婚式の余興で歌うなら」を見てください。

会場への確認の手順

曲の確認は、ムービーを作り始める前に済ませておくのが理想です。笑いの場面は、曲の山に合わせて写真を並べるので、あとから曲を変えると、合わせ直しに時間がかかります。

  1. 使いたい市販の曲を、候補も含めて2〜3曲にしぼり、曲名と歌っている人を書き出す
  2. 新郎新婦か会場の担当者に、市販の曲をムービーに入れてよいかを聞く
  3. 手続きが要るなら、窓口、費用、締め切り、用意するものを聞く
  4. 手続きできない曲だったら、別の曲か著作権フリーの曲に変える
  5. 手続きが済んだのを確かめてから、本番用に書き出す
  6. 二次会でも流すなら、二次会の会場にも別に聞く

余興の中身を新郎新婦に内緒にしている場合も、曲名を伝えるだけなら、ムービーの内容までは分かりません。会場の担当者と直接やりとりしてよいかも、あわせて聞いておくと楽になります。

例文会場の担当者に曲のことを聞くメッセージ

〇月〇日に披露宴を予定している、〇〇・〇〇の友人の〇〇です。余興のムービーを担当しています。
ムービーに使う曲について、3点教えてください。

1. 市販の曲を入れたムービーを、会場で流すことはできますか。
2. 手続きが必要な場合、申し込みの窓口と費用、締め切りを教えてください。
3. 曲を入れずに作り、当日に会場で曲を流していただくことはできますか。

使いたい曲は、次の2曲です。
・(曲名)/(歌っている人) オープニングに約1分
・(曲名)/(歌っている人) エンディングに約30秒
笑いの場面には、著作権フリーの曲を使う予定です。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

答えは、あとで見返せるように、メッセージや紙に残しておきましょう。マイクやスクリーンなど、ほかの設備もまとめて聞くなら、「結婚式の余興の打ち合わせ」のチェックリストが使えます。

よくある質問

笑いの場面だけ、有名な曲のさわりを使ってもいいですか?

短い部分でも、市販の曲をムービーに入れるなら、手続きが要ることが多いです。会場に聞いて手続きできない曲なら、雰囲気の近い著作権フリーの曲を探しましょう。笑いは曲そのものより、映像とのずれで生まれるので、知らない曲でも十分に伝わります。

新郎新婦の思い出の曲を使いたいのですが、手続きできない曲でした。

ムービーには入れずに、会場で別に流してもらえないか相談してみましょう。それも難しい場合は、結びの画面に曲名だけを字幕で出し、「この曲は、ぜひ2人で聞いてください」と添える方法もあります。

当日のムービーを、あとでSNSに載せてもいいですか?

会場で流すための手続きは、ネットに載せることまでは含まれていないことが多いです。載せるなら、曲を外すか、ネットでの公開も認められた著作権フリーの曲に差しかえます。映っている友人にも、載せてよいか一言聞いておきましょう。

まとめ

  • 笑いの場面の曲は、映像とわざとずらす。壮大な曲に小さな出来事を合わせると伝わりやすい
  • オチは曲のいちばん盛り上がる瞬間に合わせ、曲を止めて1〜2秒の無音を取る
  • 笑いからお祝いへは、音をだんだん小さくして、ゆっくり切りかえる
  • 市販の曲は1〜2曲にしぼり、笑いの場面の短い曲は著作権フリーの曲で作る
  • 作り始める前に曲名を書き出し、会場の担当者に手続きを確かめる
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