結婚式の余興でコントをするなら、「新郎の職場」や「2人が出会った日」など、誰もが思い浮かべられる設定を選びましょう。長さは3分、場面は2つまでにすると、練習も本番もまとまります。最後に役をやめて自分の言葉でお祝いを言えば、笑いのあとに温かい空気で終われます。
コントとは、役になりきって短い劇を演じ、その中で笑いを取る出し物です。この記事では、設定の選び方、小道具が少なくても演じられる3分の台本、場面の切りかえ方、本番での演じ方を順番に紹介します。
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結婚式のコントは「誰でも分かる設定」を選ぶ
コントの面白さは、設定で大きく決まります。設定とは「どこで、誰が、何をしている場面か」のことです。結婚式では、友人だけが分かる内輪の場面より、親族や上司も一度聞けば分かる場面を選びましょう。
結婚式に向いている設定5つ
次の5つは、どれも新郎新婦の話につなげやすい設定です。出る人の立場に合うものを選んでください。
| 設定 | 向いている人 | 笑いどころの例 |
|---|---|---|
| 新郎(新婦)の職場 | 職場の同僚 | 仕事中も、つい結婚式の準備の話をしてしまう |
| 2人が出会った日 | 共通の友人 | 出会いの場面を、少しだけ大げさに再現する |
| プロポーズの作戦会議 | 新郎の友人 | 友人がプロポーズの言葉を練習させるが、うまくいかない |
| 結婚式の打ち合わせ | どちらの友人でも | 新郎が張り切りすぎて、演出の希望がどんどん増える |
| 新居に遊びに行った日 | 2人と親しい友人 | 2人らしすぎるおもてなしに、友人が振り回される |
職場の設定を選ぶときは、仕事の中身より「新郎の人柄が出る場面」を中心にします。社内の話をどこまで出してよいかは「職場の同僚で結婚式の余興をするなら」にまとめています。
避けたほうがいい設定
笑いが取れそうでも、会場の誰かが気まずくなる設定は選びません。次のような場面は、台本を書く前に外しておきましょう。
こんな設定は避ける
- 元恋人や、昔の恋愛が出てくる場面
- けんかや浮気など、2人の仲を心配させる場面
- 病院や事故など、お祝いの席にそぐわない場面
- 会社や上司の悪口に聞こえる場面
- 新郎新婦の見た目や年齢をまねして笑う場面
迷ったときは、その場面を新郎新婦の親が見ている様子を思い浮かべてください。一緒に笑えそうなら大丈夫です。勘違いや立場の逆転など、設定の型をもっと知りたい人は「コントの設定の作り方」も参考になります。
3分のコントは「2場面+お祝い」で組み立てる
3分のコントに場面を3つ以上入れると、説明だけで時間がなくなります。場面は2つまでにして、最後の30秒は役をやめてお祝いを言う形にしましょう。台本の長さは、セリフだけで600〜750字が目安です。動きの多い台本ほど、セリフは少なめにします。
| 時間 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 0:00〜0:20 | 登場して、設定を一言で伝える | 「ここは駅前のカフェです」とナレーションで言ってよい |
| 0:20〜1:30 | 場面1:小さなずれを3回くり返す | 同じ形のボケを重ねると、会場が笑う準備をしてくれる |
| 1:30〜2:30 | 場面2:場面1のフリを回収する | いちばん大きな笑いをここに置く |
| 2:30〜3:00 | 役をやめて、自分の言葉でお祝い | 2人の名前を呼び、まじめに締める |
ボケとは、わざと普通からずれたことを言ったりしたりすることです。フリは、あとの笑いのために先に見せておく前置きをいいます。場面1で見せたものが場面2で思わぬ形で出てくると、会場は「あれがここで」と笑ってくれます。
そのまま使える3分の台本「プロポーズ作戦会議」
新郎の友人3人で演じる台本です。新郎役、作戦を立てる友人、ナレーションに分かれ、ナレーションは場面2で新婦役も受け持ちます。〇〇は新郎新婦の名前に書きかえてください。
- 時間
- 約3分
- 人数
- 3人(2人・4人にも直せます)
- 準備物
- 椅子2脚(会場で借りる)、「新婦(仮)」と書いた紙、小さな空き箱、メモ用紙
- 難しさ
- ★★
台本プロポーズ作戦会議(約3分)
(椅子を2脚、横に並べておく。新郎役と友人は椅子に座り、ナレーションはマイクの前に立つ)
ナレーション〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。新郎の大学の友人です。
ナレーション今日は、お二人が結婚を決めるまでのお話を、コントでお届けします。
ナレーションここは駅前のカフェ。プロポーズを決意した新郎が、友人を呼び出しました。
新郎役来てくれてありがとう。今度の週末、プロポーズしようと思うんだ。
友人いいね。じゃあ言葉の練習をしよう。俺を彼女だと思って言ってみて。
新郎役(立ち上がって一礼)このたびの結婚の件、前向きにご検討いただけますと幸いです。
友人取引先か。
新郎役ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
友人問い合わせないよ。もっと気持ちを込めて。
新郎役……結婚。
友人それだけ? 電報か。
新郎役じゃあ長めに。僕が生まれたのは、〇年前の春のことでした。
友人生まれたところから始めるな。週末に間に合わない。
新郎役だめだ、緊張して全部忘れそう。
友人じゃあ、言うことをメモに書いておこう。
(新郎役がメモを書き、小さな箱に入れてポケットにしまう)
友人ただし本番では、メモは見ないこと。
新郎役大丈夫。この箱に入れておけば安心だから。
(3人がその場で2秒止まる)
ナレーションそして迎えた週末。ここから先は、本人たちに聞いても教えてくれなかったので、私たちの想像です。
(ナレーションが「新婦(仮)」の紙を首にかけて椅子に座り、新婦役になる。友人は横に下がって見守る)
新郎役〇〇さん、大事な話があります。
新婦役はい。
(新郎役が片ひざをつき、箱を開ける)
新郎役僕と……(箱の中を見て固まる)……メモが入ってる。
友人(小声で)指輪は?
新郎役(小声で)反対のポケット。
友人(小声で)なんで分けたの。
新郎役(メモを読みながら)このたびの結婚の件、前向きに……
友人それはいちばんだめなやつ。
(新郎役がメモをしまい、大きく深呼吸する)
新郎役〇〇さん。これからもずっと、僕の隣で笑っていてください。
新婦役……はい。
友人言えた。自分の言葉で言えた。
(3人が前に並び、新婦役は首の紙を外す)
ナレーション本当のプロポーズの言葉は、2人だけの秘密です。
友人でも、その答えは、今日のこの会場を見れば分かります。
新郎役〇〇、〇〇さん、本当におめでとう。
3人どうぞ、お幸せに。
(3人で一礼して下がる)
自分たち用に直すときは
新郎役が仕事の言葉でプロポーズしてしまう部分は、新郎の仕事に合わせて変えると、ぐっと2人らしくなります。営業の仕事なら「お見積もり」、先生なら「出席をとります」のように、ふだんよく使う言葉を1つ入れてみてください。
出る人数が違うときは、配役を次のように変えると、台本の流れをそのまま使えます。
| 人数 | 配役の変え方 |
|---|---|
| 2人 | ナレーションは友人役が兼ねる。新婦役は置かず、空いた椅子に「新婦(仮)」の紙を貼って見立てる。「はい」の返事は、友人役が「新婦は、うなずきました」と言いかえる |
| 3人 | 台本のまま |
| 4人 | カフェの店員役を足し、新郎役が言い直すたびに水を注ぎに来て、話の腰を折る |
場面を切りかえる4つの方法
劇の舞台なら、照明を消して場面を変えられます。でも披露宴の会場では、照明を自由に消せないことが多いものです。明るいままでも場面が変わったと伝わるように、次の方法を組み合わせましょう。
- ナレーションで「いつ」と「どこ」を言う(「そして迎えた週末」「ここは2人の新居」)
- 全員がその場で2秒止まってから、次の場面を始める
- 札や帽子など、小物を1つだけ変える(首にかける紙、エプロンなど)
- 立ち位置や椅子の向きを変える(向かい合わせから横並びへ、など)
台本の「プロポーズ作戦会議」では、1・2・3を使っています。どの方法でも、切りかえは5秒以内に終わらせるのがコツです。会話が止まる時間が長いと、会場の集中が切れてしまいます。
札は大きく、字は少なく
場所や役を伝える札は、画用紙を半分に切ったくらいの大きさで十分です。字は3〜5文字にして、太いペンで書くと、後ろの席からも読めます。
本番で笑いが伝わる演じ方
コントは、台本が面白くても、声や向きで笑いが届かないことがあります。次の4つを練習のときから意識しておきましょう。
マイクの位置を先に決める
コントは動きのある出し物なので、マイクの扱いがいちばんの悩みどころです。演じる人が2〜3人なら、スタンドマイクを2本借りて、その前で演じる形が楽です。歩き回るより、立ち位置を決めて上半身で演じるほうが、声も表情も届きます。
マイクの本数や、スタンドを借りられるかは会場によって違います。「余興の前に会場と確かめること」を見ながら、早めに聞いておきましょう。
本人役は「口ぐせ1つ」で似せる
新郎役や新婦役を、見た目まで似せる必要はありません。本人がよく言う一言を1つ入れるだけで、会場は「似てる」と笑ってくれます。顔や体つきのまねは、からかっているように見えるので避けましょう。
笑いが起きたら、次のセリフを待つ
笑い声が起きている間に次のセリフを言うと、会場に届きません。笑い声が小さくなり始めたところで、次のセリフに入ります。これを「笑い待ち」といい、練習のときから1〜2秒の間を空けておくと、本番であわてずに済みます。
体は半分だけ相手に向ける
役どうしで向かい合うと、会場に横顔しか見えなくなります。体は相手と客席の間くらいに向け、顔だけ相手を見るようにしましょう。新郎新婦の席から表情が見えるかどうかも、立ち位置を決めるときに確かめておきます。
前日までに確かめること
- マイクの本数と、スタンドを借りられるか
- 椅子を余興に使ってよいか、誰が並べるか
- 台本に出てくる思い出を、話してよいか(本人か、共通の友人に)
- 札や箱など、小道具をまとめて持っていく人
- 出番の順番と、前に出る合図
台本を書く時間がないときは
設定は決まったのに台本が進まない、3人とも忙しくて書く人がいない、ということもあります。そんなときは、台本づくりだけを人に任せて、練習に時間を回す方法もあります。
よくある質問
セリフを全部覚えきれません。
ナレーション役は、台本を持っていても不自然に見えません。覚えるのが苦手な人をナレーションに回し、役を演じる人の負担を減らしましょう。役の人も、手帳やメニュー表などの小道具に、セリフの流れだけ書いておくと安心です。
コントの内容は、新郎新婦に伝えておくべきですか?
内容は当日まで内緒でもかまいません。ただ、台本に出てくる思い出が本当か、話してよいかは、本人か共通の友人に確かめておきましょう。プロポーズのように2人だけの話は、台本のように「ここからは想像です」と前置きすると安心です。
漫才とコントは、どちらが向いていますか?
自分のままで話す漫才は、マイクの前から動かないので準備が軽く、2人に向いています。役になりきるコントは、3人以上でも見せ場を分けやすい形です。漫才の作り方は「結婚式の余興で漫才をするなら」で紹介しています。
まとめ
- 設定は「新郎の職場」「出会いの場面」など、会場の誰もが分かるものを選ぶ
- 3分のコントは「2場面+お祝い」で組み立て、場面1のフリを場面2で回収する
- 場面の切りかえは、ナレーション・2秒止まる・小物の3つで、5秒以内に済ませる
- 本人役は口ぐせ1つで似せ、見た目のまねはしない
- 最後は役をやめて、自分の言葉でお祝いを言う






