忘年会の動画は、「1年の振り返りムービー」か「社員インタビュー動画」のどちらかにしぼり、3〜5分にまとめるのがおすすめです。写真をつなぐだけでも形になり、最後に「来年もよろしくお願いします」で締めれば、会の流れにも自然になじみます。
この記事では、2種類の動画の構成表と、撮影から当日までの段取り、インタビューの質問例を紹介します。BGMの著作権で気をつけることや、会場で流す前の確認もまとめたので、初めて動画係になった人も順番に進められます。
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忘年会の動画は2種類から選ぶ
忘年会でよく流されるのは、写真で1年をたどる「振り返りムービー」と、社員の声を集める「インタビュー動画」です。編集の手間は同じくらいなので、集めやすい素材で選びましょう。
| 比べること | 振り返りムービー | 社員インタビュー動画 |
|---|---|---|
| 中身 | 1年の写真を季節の順に並べる | 同じ質問への答えをつないでいく |
| 集める素材 | 行事や職場の写真 | 1人1分ほどの動画 |
| 向いている会 | 部署や会社全体の忘年会 | 人数が多く、普段話さない人がいる会 |
| 笑いの起き方 | 字幕のひと言で笑わせる | 答えの違いやずれで笑いが起きる |
振り返りムービー
写真が集まりやすい職場なら、こちらが作りやすいです。行事が少ない年でも、職場のホワイトボードや差し入れのお菓子など、何気ない写真で1年をたどれます。
- 時間
- 3〜5分
- 人数
- 作る人1〜2人(写真は全員から集める)
- 準備物
- 写真50〜80枚、スマホかパソコン
- 難しさ
- ★★
社員インタビュー動画
全員に同じ質問をして、答えを質問ごとにつなぐ動画です。普段あまり話さない人の意外な一面が見えるので、人数の多い会ほど盛り上がります。
- 時間
- 4〜6分
- 人数
- 聞き手と撮影で1〜2人、出る人10〜15人
- 準備物
- スマホ、スマホを立てるスタンド
- 難しさ
- ★★
振り返りムービーの構成と、笑いを入れるネタ
振り返りムービーは、季節の順に並べるだけで1本の話になります。下の構成表は、4分ほどの動画にする場合の目安です。会社の年度が4月始まりなら、4月から並べると「1年」の感じが出ます。
| 場面 | 中身 | 長さの目安 |
|---|---|---|
| オープニング | 「〇〇部の1年」とタイトルを出す | 10秒 |
| 春 | 入社や異動、歓迎会の写真 | 40秒 |
| 夏 | 忙しかった時期、暑気払い | 40秒 |
| 秋 | 行事や大きな仕事のひと区切り | 40秒 |
| 冬 | 最近の出来事、大掃除の前の様子 | 30秒 |
| 数字で見る1年 | 会議の数や来客の数などを3つほど | 30秒 |
| ひと言メッセージ | 数人の「来年の目標」 | 40秒 |
| エンディング | 全員の写真と「来年もよろしくお願いします」 | 20秒 |
笑いは「字幕のひと言」で入れる
写真を流すだけだと、途中で会場が静かになりがちです。写真に短い字幕(テロップ)を1つ添えると、そこで笑いが起きます。笑いのネタにするのは、人ではなく物や出来事にすると、誰も傷つきません。
(コピー機の写真)今年いちばん働いたのは、たぶんこの人です。
(ホワイトボードの写真)消し忘れの「至急」、まだ至急ですか。
(差し入れのお菓子の写真)この箱が空になるまで、およそ15分。
(大掃除の前の書庫の写真)この棚の奥に、まだ見ぬ書類が眠っている。
(集合写真)そして来年も、このメンバーでいきます。
字幕は1枚に1行、15字前後に収めると読みやすくなります。文字の大きさや出しておく長さは「動画の字幕の入れ方のコツ」が参考になります。
「数字で見る1年」は総務に聞くだけ
「今年の会議室の予約:〇〇回」「届いた段ボール:〇〇箱」のように、会社の数字を大きく出す場面です。総務や経理の人に3つほど数字を聞くだけで作れて、見ている人から「そんなに」と声が上がります。売上や個人の成績など、社外に出せない数字や人と比べる数字は使いません。
社員インタビュー動画の構成と質問の例
インタビュー動画は、1人ずつ順番に流すより、質問ごとに5〜6人の答えをつなぐほうが笑いが起きます。同じ質問なのに答えがばらばらだったり、なぜか全員同じだったりするところが見どころになるからです。
構成は「オープニング → 質問1 → 質問2 → 質問3 → 全員の来年の目標 → エンディング」が基本です。質問を3〜4個にしぼると、5分ほどに収まります。
そのまま使える質問の例
- 今年の自分に、100点満点で点数をつけると?
- 今年の仕事を、漢字1文字で表すと?
- 今年、同僚に言われていちばん助かったひと言は?
- この部署の自慢を、10秒で教えてください。
- 職場に1つだけ増やせるなら、何がほしいですか?
- 来年の目標を、意気込みと一緒にどうぞ。
恋愛や家族、体型、給料のことは、冗談のつもりでも聞きません。答えにくい質問が1つあるだけで、出てくれる人が減ってしまいます。
撮影のときの聞き手のセリフ
カメラを向けられると、多くの人は緊張して答えが長くなります。聞き手が次のように進めると、短くて表情のいい答えが撮れます。
台本インタビューの撮影(1人あたり約1分)
聞き手お疲れさまです。忘年会の動画用に、質問を3つだけさせてください。
社員え、緊張するな。
聞き手大丈夫です。使うのは一部だけですし、言い直しもできます。
聞き手では1つ目。今年の自分に点数をつけると、何点ですか?
社員うーん……72点。
聞き手残りの28点はどこへ?
社員それは来年、取りに行きます。
聞き手いいですね。2つ目、今年の仕事を漢字1文字で言うと?
社員「走」です。ずっと走ってました。
聞き手最後に、来年の目標をカメラに向かってどうぞ。
社員来年は、もう少し歩きます。
聞き手ありがとうございました。完成を楽しみにしていてください。
撮るときは、スマホを横向きにして、窓を背にしない場所を選びます。会議室など静かな場所なら、声も聞き取りやすくなります。
撮影から当日までの段取り
動画係は、ふだんの仕事と並行して進めることになります。4週間前から始めれば、無理なく間に合います。
- 4週間前:幹事と、上映する時間と長さを決める
- 3週間前:写真の募集と、インタビューのお願いを全員に送る
- 3〜2週間前:インタビューを撮る(昼休みなどに1日3〜4人)
- 2週間前:写真の締め切り。構成表に合わせて並べる
- 10日前:BGMと字幕を入れて、仮の完成にする
- 1週間前:幹事か上司に見てもらい、映ってはいけない物がないか確かめる
- 3日前:できれば会場の機材で、試しに流してみる
- 当日:動画のデータを2か所に入れて持っていく
お疲れさまです。忘年会で流す「〇〇部の1年」の動画を作っています。
今年撮った職場や行事の写真があれば、〇月〇日までに共有フォルダへ入れてください。
仕事中の何気ない写真も大歓迎です。
なお、顔が写っている写真は、写っている人に使ってよいか確かめてからお願いします。
写真やインタビューで気をつけたいのは、仕事の情報の映り込みです。パソコンの画面、ホワイトボード、書類、お客さまの名前などが写っていないか、1枚ずつ確かめましょう。
BGMと著作権で気をつけること
市販の曲や音楽配信の曲を動画に入れるときは、著作権などの手続きが必要になることがあります。家庭の中のような私的な使い方を超えて曲を動画に入れるには、権利を持つ人の許可が要るのが原則です。会社の行事で流す動画は、私的な使い方には当たらないと考えておくほうが安全です。
迷ったときは、著作権フリー(ロイヤリティフリー)として配られているBGMを使うのがいちばん安心です。ただし「フリー」でも、使い方に条件がついていることが多いので、次の点を確かめます。
著作権フリーのBGMを使う前に確かめること
- 利用規約で、会社の行事や仕事での利用が認められているか
- 動画の最後などに、曲名や作者名を出す必要があるか
- 曲を短く切ったり、つなげたりしてもよいか
- 社内の動画共有や、社外への公開もしてよいか
音楽配信サービスの曲は、規約で個人の利用に限られていることが多いです。動画に入れて会場で流す使い方はできないと考えておきましょう。結婚式向けの記事ですが、曲の選び方や手続きの考え方は「余興ムービーの曲の選び方と著作権」でも説明しています。
尺の目安と、会場で流す前の確認
宴会の場では、動画が5分を超えると、食事や会話に戻る人が出てきやすくなります。長くなりそうなときは、似た写真を1枚にまとめると、テンポを落とさずに短くできます。
| 動画の種類 | 尺の目安 | 素材の量の目安 |
|---|---|---|
| 振り返りムービー | 3〜5分 | 写真50〜80枚(1枚3〜4秒) |
| 社員インタビュー動画 | 4〜6分 | 10〜15人(1人20〜30秒) |
| 開会前のオープニング映像 | 1分ほど | 写真10〜15枚 |
| 送別会などのメッセージ動画 | 2〜4分 | 12〜20人(1人10秒) |
編集は、スマホの編集アプリでも十分にできます。撮影から書き出しまでの手順は「余興ムービーの作り方」にまとめています。
会場で流す前に確かめること
- プロジェクターかテレビがあるか、画面の大きさはどれくらいか
- スマホやパソコンをつなぐ端子と、変換アダプタがあるか
- 音が会場のスピーカーから出るか
- 会場のパソコンを使う場合、そのパソコンで動画が再生できるか
- 動画のデータの予備(USBメモリとスマホなど2か所)
- 誰が、どの合図で再生ボタンを押すか
動画を作る時間がないときは
年末は仕事が立て込むので、動画係が編集の時間を取れないこともあります。その場合は、写真を選んで並べるところまでを社内でやり、編集だけを外に頼む方法があります。
よくある質問
編集はスマホだけでもできますか?
できます。写真を並べる、字幕を入れる、BGMをつけるといった作業は、スマホの編集アプリでも十分です。長い動画を細かく直したいときだけ、パソコンを使うと楽になります。
顔を出したくない人がいます。
無理に出てもらう必要はありません。手元だけ、後ろ姿だけ、声だけで出てもらうか、似顔絵のイラストに字幕をつける方法もあります。写真を使うときも、顔が写っている人には一言断ってから使いましょう。
当日、動画が流れなかったらどうしますか?
まずは予備のデータで、別の機材から流せないか試します。それでも難しいときは、「動画は後日、社内で共有します」と伝えて次の進行に移りましょう。流れなかったときの段取りを、幹事と前もって決めておくと安心です。
まとめ
- 忘年会の動画は、振り返りムービーかインタビュー動画のどちらかにしぼる
- 尺は3〜5分が目安。インタビューは質問ごとに答えをつなぐ
- 笑いは、人ではなく物や出来事に向けた字幕で入れる
- BGMは、規約を確かめた著作権フリーの音源を使うと安心
- 仕事の情報の映り込みと、会場の機材は前もって確かめる
送別会で流すメッセージ動画を作るときは、「送別会の出し物」も参考にしてください。






