忘年会の漫才ネタは、「年末に職場の全員がやっていること」から作るのがいちばんです。大掃除や仕事納めのように、会場の誰もが思い当たる話題なら、職場の2人でも十分に笑いが取れます。
この記事では、年末の大掃除をテーマにした3分の台本を、そのまま使える形で紹介します。上司や同僚を傷つけない会社ネタの選び方と、自分たちで台本を作る手順もまとめました。
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忘年会の漫才に向いているネタ
職場の漫才は、大きな話の展開よりも、「あるある」の共感で笑いを取るほうが向いています。会場の人が「うちもそう」と思った瞬間に、笑いが起きるからです。
- 年末の行事:大掃除、仕事納め、年賀状、来年の手帳
- 毎日の仕事の道具:コピー機、付箋、会議室の予約、社内の連絡
- 会社でよく聞く言葉:「念のため」「お手すきの際に」のような言い回し
漫才は、話を広げてボケる人(ボケ)と、それを正す人(ツッコミ)の掛け合いです。職場の2人なら、普段から話し好きな人がボケ、落ち着いて話せる人がツッコミになると自然です。
そのまま使える3分の台本「年末の大掃除」
Aがボケ、Bがツッコミです。〇〇には、部署名と2人の名前を入れてください。途中から、Aが大掃除を「やってみる」形になります。この形を、コント漫才といいます。
- 時間
- 約3分
- 人数
- 2人
- 準備物
- なし(マイクがあれば1本をはさんで立つ)
- 難しさ
- ★★★
台本年末の大掃除(約3分)
(2人でマイクの前に出る)
A・Bどうも、〇〇部の〇〇と〇〇です。
A今年も1年、お疲れさまでした。
Bお疲れさまでした。こうして全員そろうと、にぎやかですね。
A年末といえば、やっぱり大掃除ですよ。
B会社の大掃除ね。
Aぼく、机の大掃除が得意なんです。ちょっとやってみるんで、見ててください。
Bじゃあ、見せてもらいましょう。
(Aが引き出しを開けるしぐさ)
Aまずは一番上の引き出し。お、ボールペンが出てきた。
Bありますね。
A1本、2本、3本……14本。
B多い多い。なんでそんなにあるの。
A会議のたびに誰かのペンを借りて、そのまま持って帰ってきてるから。
B返して。それ、みんなのペン。
A続いて、付箋の束。「至急」と書いてある。
B何が至急なの。
A分からない。日付を見ると、去年の春。
Bもう至急じゃないね。たぶん、誰かがすごく困ってたね。
A2段目の引き出し。お、のど飴が出てきた。いつのか分からないから、元に戻す。
B戻さないで。捨てて。
A3段目は……開かない。
B開かない引き出し、ありますね。
A毎年開かないから、大掃除のたびに「来年こそ開けよう」って決めてる。
Bそれ、何年目?
A今年で5年目。
B5年も開けてないの? 中に何が入ってるのよ。
A今年こそ開けてみよう。せーの。(力を入れるしぐさ)
Bお、開いた。
A……「来年こそ開けよう」と書いた付箋が、5枚。
B開かないのに、どうやって入れたの。
Aそれが今年いちばんの謎です。
B謎のまま年を越さないで。
Aじゃあ次は、パソコンの中の大掃除。
Bそれも大事ですね。
Aファイル名が「最新」「最新2」「本当の最新」「これで最後」。
Bどれが最新なの。
Aいちばん新しいのは、「これで最後(2)」。
B最後じゃなかったんだね。
A大掃除って、心もすっきりしますね。
Bあなたはすっきりしたかもしれないけど、見てたこっちはハラハラしたよ。
A最後に、いちばん大事なところを掃除します。今年1年分の「ありがとう」を、まだちゃんと言えていなかったので。
B……急にいい話。
A皆さん、今年も1年、本当にありがとうございました。
Bペンを借りた皆さんには、明日ちゃんと返させます。
A来年もよろしくお願いします。
A・Bどうも、ありがとうございました。
(2人で一礼)
演じるときのコツ
引き出しを開けるしぐさは、毎回同じ高さ・同じ向きで行います。見えない机の場所が変わらないと、会場の人にも机が「見えて」きます。Bは、Aが物を取り出すたびにその物を目で追うと、2人の息が合って見えます。
上司や同僚を傷つけない会社ネタの選び方
職場の漫才でいちばん大事なのは、終わったあとに誰も気まずくならないことです。次の表を目安に、ネタを選びましょう。
| 使いやすいネタ | 避けたいネタ |
|---|---|
| 全員がやっていること(ペンを借りる、付箋をためる) | 特定の人の失敗やミス |
| 物や仕組み(コピー機、会議室の予約、社内の言葉) | 容姿・年齢・性別・出身にふれること |
| 年末の行事(大掃除、仕事納め、来年の手帳) | 人事や評価、給料の話 |
| 上司のよいところを、大げさにほめる | 上司の口ぐせを、悪口のようにまねる |
| 本人が自分から笑い話にしている出来事 | 退職・異動・体調など、事情のある話 |
迷ったら、「その人が会場の真ん中で聞いていて、いちばん笑えるか」を考えます。少しでも迷うネタは、自分たちの話に置きかえると安全です。台本の「ペンを借りたまま」も、A自身の話にしてあります。自分を下げる笑いの上手な使い方は、「自虐ネタの例と使い方」で紹介しています。
上司の名前を出すときは
上司の名前を出すなら、事前に台本を見せて了解をもらいましょう。本人がよいと言っても、ほかの人が笑いにくい内容なら外します。
忘年会の漫才の作り方5ステップ
台本を自分たちで作るときは、次の5つの順番で進めます。2人で集まるのは1回、1時間ほどで下書きまでできます。
- テーマを1つ決める:年末らしく、会場の全員が知っている話題にする
- あるあるを10個書き出す:2人で3分ずつ、思いつくままにメモする
- あるあるを大げさにする:数を増やす、年数を延ばす、順番を逆にすると、ボケになる
- ツッコミを一言で決める:「多い」「返して」のように、短いほど伝わる
- 始めと終わりを決める:最初にあいさつし、最後は前に出た話をもう一度出して締める
台本の「年末の大掃除」は、2と3を次のように作りました。
| 書き出したあるある | 大げさにしたボケ |
|---|---|
| ボールペンが引き出しにたまる | 数えたら14本あった |
| 「至急」の付箋が残っている | 日付を見たら去年の春 |
| 開かない引き出しがある | 5年間「来年こそ」と言い続けている |
| ファイル名が「最新」だらけ | 「これで最後(2)」がいちばん新しい |
5の始めの一言は「つかみ」と呼ばれ、ここで会場が笑うと、あとのネタが聞いてもらいやすくなります。忘年会なら、次のような自分たちの話が使えます。
今日のために、昼休みを3回使って練習してきました。
今年1年、会議で発言できなかった分を、ここで全部しゃべります。
幹事の〇〇さんから「3分で」と言われているので、2分59秒で終わらせます。
5の「前に出た話をもう一度出す」ことを、伏線回収といいます。台本では、最初のペンの話を最後のあいさつで出して締めています。くわしいやり方は「ネタの伏線回収のやり方」が参考になります。
大掃除のほかに使えるネタ案
テーマを変えたいときは、次の案から選んで、同じ手順でふくらませてください。
| テーマ | ボケの例 | ツッコミの例 |
|---|---|---|
| 仕事納め | 「今年の仕事は今年のうちに」と言いながら、全部を来年の予定表に書きこむ | 全部来年に回してる |
| 年賀状 | 社内の人に年賀状を出そうとして、誰の住所も知らないことに気づく | 1年一緒にいたのに |
| 来年の手帳 | 新しい手帳がうれしくて、1月の予定を「手帳を開く」で埋める | 予定それだけ? |
| 忘年会の幹事 | 幹事に備えて、乾杯のあいさつを10通り用意してくる | 1回でいいよ |
| 来年の目標 | 去年の目標を見返したら、「去年の目標を達成する」と書いてある | 何年持ち越してるの |
台本の長さを確かめる
台本ができたら、声に出して読み、時間を計りましょう。漫才は1分あたり300字ほどが目安なので、3分なら900字前後です。
本番までの練習と、演じるときのコツ
2人で集まる練習は、3回あれば仕上がります。
- 1回目(読み合わせ):座って台本を読み、言いにくいセリフを言いやすく直す
- 2回目(立って通す):マイクの位置に立ち、しぐさをつけて通す。スマホで撮って見直す
- 3回目(本番と同じ服で通す):時間を計り、3分を大きく超えるならボケを1つ減らす
本番では、笑いが起きたら、その笑いが小さくなるまで次のセリフを待ちます。これを「笑い待ち」といい、待たないと次のセリフが笑い声に消されてしまいます。マイクが1本なら、2人の顔の真ん中にマイクが来るように、体を少し内側に向けて立ちましょう。
台本を書く時間がないときは
2人とも仕事が忙しく、ネタを考える時間が取れないこともあります。その場合は、台本づくりだけを人に任せて、練習に時間を使う方法もあります。
よくある質問
漫才をしたことがなくてもできますか?
できます。台本のように、途中から「やってみる」形のコント漫才がおすすめです。場面を演じればよいので、会話だけで進める漫才より作りやすく、演じやすくなります。
台本を見ながらやってもいいですか?
できれば覚えたいところですが、心配なら、流れだけを書いた小さなメモをマイクの近くに置きましょう。「ペン、付箋、飴、引き出し、パソコン、ありがとう」のように、ネタの順番だけ書くのがコツです。
関西弁で話したほうが面白くなりますか?
いつもの話し方がいちばんです。慣れない言葉で話すと、セリフに気を取られて間が崩れます。普段の2人の会話に近いほど、職場の人には面白く聞こえます。
まとめ
- 忘年会の漫才は、年末に全員がやっていることをテーマにする
- 特定の人の失敗や見た目ではなく、物や仕組み、自分たちの話で笑わせる
- あるあるを10個書き出し、大げさにしてボケにする
- 最後は前に出た話をもう一度出し、お礼のあいさつで締める
3人以上で出るなら、「忘年会のコント台本」も参考にしてください。






