動画の字幕は、1行を横の動画で16文字、縦の動画で12文字くらいまでにし、2行以内に収めるのが目安です。出すのはセリフの始まりと同時、消すのは言い終わりに合わせると、自然に読めます。
コントの字幕では、もう1つ大事なことがあります。オチ(笑いどころの最後の一言)を、言う前に字幕で見せないことです。この記事では、文字数とタイミング、色と大きさの決め方、笑いを強める字幕の例を紹介します。
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字幕とテロップの種類を知っておく
話した言葉をそのまま文字にしたものを字幕、画面に出す文字全体をテロップと呼びます。コント動画では、セリフの字幕に加えて、作り手からの一言を足すテロップもよく使います。
| 種類 | 中身 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| セリフの字幕 | 話した言葉 | ほぼすべてのセリフ | ねえ 聞いてる? |
| 説明のテロップ | 時間や場所、人物の説明 | 場面が変わったとき | 〜3時間後〜 |
| 心の声のテロップ | 口に出さない気持ち | 本音と言葉がずれる場面 | (本当は帰りたい) |
| ツッコミのテロップ | 作り手からの一言 | ボケのあとの間 | いや 気づいて |
字幕は、文の終わりの「。」を付けず、「、」の代わりに空白を入れる書き方が多く使われます。どちらにするにしても、1本の動画の中では書き方をそろえましょう。
1行の文字数と、表示する長さの目安
字幕が長すぎると、読み終わる前に消えてしまいます。次の表を目安に、短く区切りましょう。
| 項目 | 横の動画 | 縦の動画 |
|---|---|---|
| 1行の文字数 | 16文字くらいまで | 12文字くらいまで |
| 行数 | 2行まで | できれば1行、多くても2行 |
| 表示する長さ | 最低でも1秒ほど | 最低でも1秒ほど |
| 位置 | 画面の下の真ん中 | 真ん中より少し下(下の端は避ける) |
読む速さは、映画の字幕では「1秒に4文字」が目安とされることが多いです。ただ、コントの会話はそれより速いので、セリフをそのまま全部文字にすると読み切れないことがあります。そのときは、意味を変えずに短くします。
| 話したセリフ | 短くした字幕 |
|---|---|
| ちょっと待ってくださいよ、それは話が違うじゃないですか | 待って それは話が違う |
| いや、だからね、さっきから何回も言ってるんだけどね | さっきから何回も言ってる |
| えーっと、たぶん、明日の朝には届くと思います | 明日の朝には届くと思います |
ただし、口ぐせや言い間違いそのものが笑いどころのときは、削らずにそのまま残します。どこを残すかは、台本の段階で決めておくと迷いません。台本にテロップの欄を作る書き方は「動画の台本の書き方」で紹介しています。
意味のまとまりで区切る
2行に分けるときや、2つの字幕に分けるときは、意味のまとまりで区切ります。言葉の途中で切ると、とたんに読みにくくなります。下の表の「/」は、区切る位置です。
| 区切り方 | 字幕 |
|---|---|
| 読みにくい | 冷蔵庫に入れておいたプリ/ンを食べたの誰? |
| 読みにくい | 冷蔵庫に入れて/おいたプリンを食べたの誰? |
| 読みやすい | 冷蔵庫に入れておいた/プリンを食べたの誰? |
1つの字幕に、2人のセリフを入れるのも避けましょう。誰が話しているのかが分からなくなります。
出すタイミングは「言い始め」と「言い終わり」
字幕は、セリフを言い始めると同時に出し、言い終わりに合わせて消すのが基本です。少しだけ残して消すと、最後まで読みやすくなります。ただし、次の人のセリフの字幕と重ならないようにしましょう。
オチの一言は、別の字幕に分ける
コントで気をつけたいのは、オチの言葉を早く見せてしまうことです。長いセリフを1つの字幕で出すと、見る人は声より先に最後まで読んでしまいます。オチの一言だけを別の字幕に分け、言う瞬間に出すと、笑いどころが守れます。
間には、字幕を出さない
間(ま)とは、セリフとセリフのあいだの、わざと黙る時間のことです。間に字幕が残っていると、見る人の目が文字に向き、表情を見てもらえません。黙っている場面では、字幕を消すか、「……」だけを出します。
10秒ほどの短いコントで、字幕を出す時間の例を見てみましょう。
| 時間 | 音声 | 字幕 |
|---|---|---|
| 0.0〜2.0秒 | A「今日の晩ごはん、何がいい?」 | 今日の晩ごはん 何がいい? |
| 2.0〜3.5秒 | B「なんでもいい」 | なんでもいい |
| 3.5〜5.5秒 | A「じゃあ、カレーにしよう」 | じゃあ カレーにしよう |
| 5.5〜6.5秒 | B「カレー以外で」 | カレー以外で |
| 6.5〜8.0秒 | (Aが黙ってBを見る) | (出さない) |
| 8.0〜10.0秒 | (ツッコミのテロップ) | 「なんでもいい」とは |
最後のテロップは、Aが黙っている間のあとに出します。間で笑いがふくらんだところに、見る人の気持ちを代わりに言う一言を置くイメージです。
色と大きさ、文字の形の決め方
字幕の色や大きさは、凝るよりも「どんな背景でも読める」ことを大事にします。基本は、白い文字に黒い縁取りです。背景が白っぽい場面でも暗い場面でも、文字が埋もれません。
文字の形は、線の太さがそろったゴシック体が読みやすくなります。線の細い明朝体は、スマホの小さな画面では読みにくいので、まじめなナレーションなど、特別な場面だけに使いましょう。
| 字幕の種類 | 色の例 | 大きさ |
|---|---|---|
| Aのセリフ | 白に黒い縁取り | ふつう |
| Bのセリフ | うすい黄色に黒い縁取り | ふつう |
| 心の声 | 白にかっこを付ける | 少し小さく |
| ツッコミのテロップ | 黄色に黒い縁取り | 大きく |
| 説明のテロップ | 黒い文字を白い帯の上に | ふつう |
話す人ごとに色を分けると、誰のセリフかが分かりやすくなります。ただ、色の見え方は人によって違うので、色だけに頼らず、字幕を話す人の近くに置くなどの工夫も足しましょう。強調の色は、1本の動画で数か所にとどめると、ここぞというときに目立ちます。
大きさは、パソコンの画面ではなく、スマホで実際に見て決めます。編集中に大きく見えていても、スマホで見ると小さすぎることがよくあります。
笑いを強めるテロップの例
セリフの字幕のほかに、作り手からの一言を足すと、笑いどころが伝わりやすくなります。次の表は、コント動画でよく使われる型と、その例です。
| 使い方 | 場面 | テロップの例 |
|---|---|---|
| ツッコミを足す | ボケに誰もつっこまない | いや 気づいて |
| 本音を見せる | 笑顔で「大丈夫です」と答える | (大丈夫ではない) |
| 回数を数える | 同じ失敗を何度もくり返す | 本日3回目 |
| 時間を飛ばす | 「5分で終わる」と言った直後 | 〜2時間後〜 |
| 大げさな見出し | 靴下を片方探しているだけ | 緊急事態 |
| 小さな注意書き | 自信満々で料理を始める | ※このあと焦がします |
「本日3回目」のように回数を出すと、同じボケをくり返す天丼(てんどん)の笑いがはっきりします。くり返しの組み立て方は「天丼のやり方」で紹介しています。ツッコミのテロップの言い回しに迷ったら、「ツッコミのワード一覧」から場面に合うものを探してみてください。
テロップで人をからかわない
ツッコミのテロップは強く目立つぶん、きつい言葉に見えやすくなります。見た目や年齢、体型をからかう言葉は使いません。からかう相手は「人」ではなく、「その場面のおかしさ」にしましょう。
テロップを足しすぎると、見る人が読むことに追われて、表情や間を楽しめなくなります。1本の動画で、いちばん笑ってほしい数か所にしぼるのがコツです。
字幕を入れる手順
最後に、字幕を入れる流れをまとめます。多くの編集アプリには、声から字幕を作る自動の文字起こしの機能があり、うまく使うと時間を減らせます。
- 台本のセリフを、1行ずつに分けて書き出しておく(自動の文字起こしを使ってもよい)
- 自動で作った字幕は、聞き間違いや変換の間違いを1つずつ直す
- 1行の文字数を見て、意味のまとまりで区切る
- セリフの言い始めと言い終わりに、字幕の出る時間を合わせる
- オチの一言を別の字幕に分け、言う瞬間に出す
- 色と大きさ、位置をそろえる(1つ作ってコピーして使う)
- 音を消して通して見て、字幕だけで話が分かるか確かめる
- スマホで実際の大きさで見て、読めるか確かめる
字幕と一緒に効果音を入れると、笑いどころがさらに伝わります。入れる場所と音量は「動画の効果音の使い方」にまとめています。
よくある質問
全部のセリフに字幕を付けたほうがいいですか?
ショート動画は、電車の中など、音を出さずに見る人もいるので、全部のセリフに付けておくと安心です。長い動画で全部は大変なら、聞き取りにくいところと笑いどころだけでも付けましょう。
自動の字幕機能だけで足りますか?
時間を減らすには便利ですが、そのままでは使えないことがほとんどです。早口のツッコミや作った言葉、言い間違いのボケは、聞き間違えられやすいところです。必ず全部を見直して直しましょう。
字幕の位置は、上と下のどちらがいいですか?
基本は画面の下の真ん中です。縦の動画では、下の端に説明の文字やボタンが重なることが多いので、真ん中より少し下に置きます。手元の小道具を見せる場面など、下に大事なものがあるときだけ上に動かしましょう。
まとめ
- 1行は横の動画で16文字、縦の動画で12文字くらいまでにし、2行以内に収める
- セリフの言い始めと同時に出し、言い終わりに合わせて消す
- オチの一言は別の字幕に分け、言う瞬間に出す
- 白い文字に黒い縁取りを基本にし、強調の色は数か所にとどめる
- ツッコミや心の声のテロップは、人をからかわない内容にしぼる






