余興ムービーの作り方|笑いが起きる構成とスマホだけで作る手順

パソコンの編集画面で、2人が映る動画を仕上げている女性

余興ムービーで笑いを起こすには、編集を始める前に「つかみ→意外な展開→お祝い」の流れで構成を決めておくことが大切です。最初の20秒で一度笑わせ、中盤で予想を裏切り、結びはまじめなお祝いで締めます。構成さえ決まれば、スマホ1台と編集アプリで作れます。

この記事では、笑いを入れた3分30秒の構成表と、つかみ・意外な展開の例を先に紹介します。そのあとで、素材集めから編集、書き出し、会場での確認まで、どのアプリでも共通の手順を説明します。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 笑いが起きる構成は「つかみ→意外な展開→お祝い」
  2. 笑いを入れた3分30秒の構成表
  3. スマホで作る5つの工程と、最初に会場へ聞くこと
  4. 写真と動画を集めるときのコツ
  5. 編集の手順は、どのアプリでも同じ
  6. 書き出しの設定と、会場で流す前の確認
  7. よくある質問
  8. まとめ

笑いが起きる構成は「つかみ→意外な展開→お祝い」

ムービーは、会場の反応を見ながら止めたり言い直したりできません。どこで笑ってもらうかを、作る前に決めておく必要があります。笑いの場所は、次の3つの部分に分けて考えると決めやすくなります。

部分長さの目安役目例
つかみ最初の20〜30秒画面に目を向けてもらい、一度笑わせる2人の歩みを紹介すると言って、新郎の誕生までさかのぼる
意外な展開中盤の1分半〜2分予想を1〜2回裏切って、笑いを増やすほめ言葉が続いたあとに、小さな本当の話が出る
お祝い結びの1分ほど笑いを入れず、まっすぐ気持ちを届ける友人のメッセージと、2人の写真に「おめでとう」

「つかみ」は、最初に見ている人の心をつかむ笑いのことです。披露宴の会場では、ムービーが始まっても歓談を続けている人がいます。最初に1つ笑いが起きると、会場の目が画面に集まります。

つかみは「まじめに始めて、1枚目でずらす」

いちばん作りやすいのは、まじめな字幕で始めて、1枚目の写真で期待をずらす形です。写真と字幕だけで作れるので、撮影の手間もかかりません。

例文つかみの字幕の例(約20秒)

(黒い画面)
〇〇くん&〇〇さん ご結婚おめでとうございます
本日は、2人の歩みを紹介します
まずは、新郎の誕生から
(生まれたばかりの新郎の写真)
……さかのぼりすぎました
(写真を早送りのようにめくっていく)
あらためて、2人が出会った〇年前から

笑いが起きるのは、「さかのぼりすぎました」の字幕です。赤ちゃんの写真が出た瞬間に「そこから?」と思わせておき、字幕で認めると笑いになります。番組や映画の予告編のような始め方にしたいときは、「余興ムービーのパロディの作り方」の型が使えます。

意外な展開は「ほめ言葉の最後に、小さな本当の話」

中盤では、見ている人が予想する流れを1〜2回裏切ります。友人のインタビューなら、ほめ言葉を続けたあとに、本人らしい小さな話を1つ入れるだけで笑いになります。

台本新郎のいいところインタビュー(約45秒)

(字幕「新郎のいいところを、友人に聞きました」)

友人1とにかく優しいです。

友人2頼りになります。困ったら、まず〇〇に電話します。

友人3優しくて、頼りになって……あと、カラオケでは毎回同じ曲を歌います。

(字幕「新婦は、その曲を3番まで覚えたそうです」)

(3人がそろってカメラのほうを向く)

友人1〜3〇〇、おめでとう。

この場面の笑いは、友人3の「あと」からの一言と、そのあとの字幕です。字幕で新婦の話につなげると、からかいではなく、2人の仲のよさが伝わる笑いになります。小さな本当の話は、本人が笑って聞ける話かどうかを、2人をよく知る友人に確かめてから使いましょう。

壮大な曲に小さな出来事を合わせて笑わせる方法は、「余興ムービーの曲の選び方」で紹介しています。

お祝いは、笑いを入れずにまっすぐ

結びの1分ほどは、友人のメッセージと2人の写真で、まじめにお祝いを伝えます。笑いのあとのまじめな言葉は、会場によく届きます。ここで笑いの字幕を足すと、せっかくのお祝いが軽く見えてしまいます。

結びの画面は「おめでとう」で締める

映画のように「おわり」「END」と出すと、結婚式では避けたい「終わり」という言葉になってしまいます。結びの画面は「おめでとうございます」や、2人の名前で締めましょう。

笑いを入れた3分30秒の構成表

尺(動画の長さ)は3〜5分が目安で、迷ったら3分30秒前後にすると、飽きずに見てもらえます。尺が決まったら、場面ごとの秒数と、笑いの場所を書いた構成表を作ります。

時間
3〜4分(下の構成表の例は3分30秒)
人数
作る人1〜2人(写真やメッセージは友人みんなから集める)
準備物
スマホ、編集アプリ、写真20〜30枚、インタビューとメッセージの動画7人分
難しさ
★★
場面秒数映すもの字幕・音笑い
1. つかみ20秒タイトルと、新郎の赤ちゃんの写真上の「さかのぼりすぎました」の字幕。曲が始まる大
2. 2人の紹介30秒新郎と新婦の子どものころの写真を2枚ずつ名前と、今も変わらないところを一言小
3. 意外な展開45秒友人3人のインタビュー上の「いいところインタビュー」大
4. 思い出の写真45秒友人と写った写真9枚(1枚5秒)1枚に1つ、出来事のおかしさを拾う一言小
5. 友人のメッセージ50秒4人の動画(1人12秒ほど)名前と関係。曲は小さくなし
6. お祝い20秒最近の2人の写真と、友人の集合写真「ご結婚 おめでとうございます」なし

秒数を足すと、ちょうど3分30秒になります。笑いの場面を前半に集め、メッセージから先には笑いを入れないのがコツです。構成表があると、集める写真の枚数や、動画を頼む人数も先に分かります。

ほかの形のムービーにしたいときは、「結婚式の余興ムービーのアイデア15選」から選んでください。どの形でも、同じ3つの部分に分けると構成が決まります。

スマホで作る5つの工程と、最初に会場へ聞くこと

構成が決まったら、作業は次の5つの工程で進めます。時間がかかるのは編集よりも、友人から写真や動画を集める工程です。

工程やること時間の目安
1. 構成を決める尺を決め、構成表を作る1〜2日
2. 素材を集める・撮る写真と動画を集め、足りない分を撮る1〜2週間
3. 編集する並べる、切る、字幕と曲を入れる合わせて6〜10時間
4. 書き出す1本の動画ファイルにまとめる30分〜1時間
5. 会場で試す大きな画面で見て、会場に渡す本番の1〜2週間前

会場で流せる形を、作り始める前に聞く

いちばん困るのは、完成してから「この形では流せません」と言われることです。会場によって、受け付ける渡し方や動画の形式が違います。新郎新婦か会場の担当者(プランナー)に、作り始める前に聞いておきましょう。

会場への渡し方気をつけること
動画ファイルをUSBメモリなどで渡すファイルの形式(MP4が多い)と、画面の縦横の比率を聞く
DVDに入れて渡す「DVDビデオ」の形式が要ることが多い。スマホだけでは作れない
パソコンを持ち込んでつなぐつなぐ端子の種類と、音を会場のスピーカーから出せるかを聞く

作り始める前に会場に聞くこと

  • 渡し方(動画ファイル、DVD、パソコンの持ち込み)
  • 動画の形式と、画面の比率(横長の16:9が多い)
  • 渡す期限と、前もって試しに流せるか
  • 流せる長さに決まりがあるか、持ち込みの料金がかかるか
  • 市販の曲を入れてよいか、手続きが要るか

DVDを指定されたときは、パソコンとディスクに書き込める機械を使うか、動画をDVDにしてくれるお店のサービスを使います。DVDにすると画質が少し下がるので、字幕はふだんより大きめにしておきましょう。

写真と動画を集めるときのコツ

構成表ができたら、必要な写真と動画を友人に頼みます。画質の悪い素材が集まると、編集で直すのは難しくなります。頼むときに、次のことを一緒に伝えておきましょう。

写真は「元の画質のまま」送ってもらう

メッセージアプリで写真を送ると、自動で小さくされて、画質が落ちることがあります。共有フォルダに入れてもらうか、元の画質のまま送る設定を使ってもらいましょう。紙の写真は、明るい窓ぎわで、真上からスマホで撮ります。

会場のスクリーンは横長が多いので、縦の写真は2枚を横に並べるか、同じ写真をぼかして背景に敷くと、すっきり見えます。

動画は「横向き・明るい・静か」で撮ってもらう

インタビューやメッセージの動画を頼むときは、撮り方を3つだけ伝えます。スマホを横向きにすること、窓のほうを向いて顔を明るくすること、テレビや音楽を止めた静かな場所で撮ることです。撮り始めてから2秒ほど待って話し始めてもらうと、編集でつなぎやすくなります。

インタビューのように笑いを取る動画は、顔が大きく映るように撮ってもらいましょう。スクリーンでは、小さな表情の変化が伝わりにくいからです。メッセージの例文や頼むときの連絡文は、「余興ムービーのメッセージ例文30」にまとめています。

使わない写真を先に決めておく

新郎新婦の昔の恋人が写っている写真や、本人が見せたくない時期の写真は使いません。会場には家族や職場の人もいます。迷う写真は、2人をよく知る友人にも見てもらいましょう。

編集の手順は、どのアプリでも同じ

編集アプリは、スマホ用でもパソコン用でも、基本の作業は変わりません。次の順番で進めると、途中で迷いません。

  1. 新しい作品(プロジェクト)を作り、画面の比率を16:9(横長)にする
  2. 構成表の順番に、写真と動画を並べる
  3. 動画の前後のいらない部分を切り落とす
  4. 写真を映す長さを、4〜5秒にそろえる
  5. 字幕を入れる
  6. 曲を入れ、声が入る場面では曲の音を小さくする
  7. 笑いの場面の「間」を整える
  8. 頭から通して見て、尺が構成表どおりか確かめる

場面の切りかわりに入れる動き(つなぎの効果)は、種類を1〜2つにしぼります。毎回ちがう効果を入れると、見ている人の目が疲れてしまいます。

笑いの場面は、編集で「間」を作る

ムービーの笑いは、映す長さと字幕を出すタイミングで決まります。オチになる写真は、ほかの写真より1〜2秒長く映し、会場が笑う時間を取りましょう。この、笑いが静まるのを待つ時間を「笑い待ち」といいます。

オチの字幕は、写真と同時に出さず、写真が映ってから0.5秒ほど遅らせて出します。先に写真を見てもらい、そのあとに字幕で答えを出すと、笑いがはっきり起きます。家で見て「少し長いかな」と感じるくらいが、会場ではちょうどよい長さです。

字幕は「人」ではなく「出来事」を笑う

字幕(画面に出す文字。テロップともいいます)は、1行15文字前後、2行までにします。白い文字に黒い縁取りを付け、画面の端から少し内側に置くと、会場のスクリーンでも読みやすくなります。

写真に添える一言は、人をからかうより、出来事のおかしさを拾う言葉にします。そのほうが、会場の誰もが安心して笑えます。

写真人をからかう字幕(使わない)出来事を拾う字幕
寝ぐせのまま写る新郎この頭で外に出られるのがすごいこの日の集合は、朝6時でした
量の多い手料理新婦の料理は、いつも大ざっぱレシピの3倍の量ができあがりました
サークルの合宿の夜この夜の新郎の失敗は、まだ秘密何を語り合ったのか、誰も覚えていません
例文思い出の写真に入れる字幕の例

(子どものころ、誕生日ケーキの前で笑う新郎)主役の席に座るのは、この日以来です
(2人の旅行の写真)旅の計画は新婦、写真係は新郎
(2人で組み立てた本棚の写真)完成まで3時間。説明書を読んだのは新婦だけでした
(友人みんなの集合写真)そして今日、この仲間が全員そろいました

文字数や出すタイミングのくわしい決め方は、「動画編集で字幕を入れるコツ」で紹介しています。字幕を入れ終えたら、「別れる」「切れる」のような、結婚式で避けたい言葉が入っていないかも読み直しておきましょう。

書き出しの設定と、会場で流す前の確認

書き出しとは、並べた写真や動画、字幕、曲を、1本の動画ファイルにまとめることです。会場の指定があればそれに合わせ、指定がなければ次の設定にしておくと、多くの機械で再生できます。

項目おすすめの設定理由
画面の比率16:9(横長)会場のスクリーンやテレビは横長が多い
画質(解像度)1080p(フルHD)4Kはファイルが大きく、会場の機械で再生できないことがある
ファイルの形式MP4多くの機械やパソコンで再生できる
圧縮の方式選べるならH.264容量を節約する方式(HEVC、H.265)は、古い機械で再生できないことがある

書き出したら、スマホの小さな画面ではなく、テレビやパソコンの大きな画面で通して見ます。字幕の読みにくさや、笑い待ちの長さは、大きく映して初めて気づくことが多いからです。

会場に渡す前に確かめること

  • 書き出したファイルを、別の機械(パソコンやテレビ)で再生できたか
  • 字幕が読める大きさで、画面の端で欠けていないか
  • 曲と声の音量が、頭から結びまでそろっているか
  • 名前の漢字や、字幕の誤字がないか
  • 結婚式で避けたい言葉が、字幕に入っていないか
  • データを2か所(USBメモリとパソコンなど)に保存したか

会場に渡したら、できれば会場の機械で一度流させてもらいましょう。当日は誰が、どの合図で再生するのかも、司会の人と決めておきます。

よくある質問

パソコンがなくても作れますか?

動画ファイルで渡せる会場なら、スマホだけで作り上げられます。DVDを指定されたときだけは、パソコンとディスクに書き込める機械が要ります。どちらもないときは、動画をDVDにしてくれるお店のサービスを使いましょう。

無料の編集アプリでも大丈夫ですか?

並べる、切る、字幕と曲を入れるといった作業は、無料のアプリでも十分にできることが多いです。ただ、書き出した動画の隅に、アプリの名前やロゴが入るものもあります。本番用に書き出す前に、短い動画で試しておきましょう。

会場で笑いが起きなかったら、どうなりますか?

ムービーは止まらずに次の場面へ進むので、余興が止まってしまうことはありません。笑い待ちを1〜2秒にしておけば、笑いが小さくても間延びしません。結びのお祝いをまじめに作っておけば、ムービー全体の印象は温かく残ります。

まとめ

  • 構成は「つかみ→意外な展開→お祝い」。笑いは前半に集め、結びはまじめに締める
  • つかみは、まじめな字幕で始めて1枚目の写真でずらすと作りやすい
  • 字幕は人ではなく出来事を笑い、オチの写真は1〜2秒長く映して笑い待ちを取る
  • 作り始める前に、会場に渡し方・形式・期限と、曲の扱いを聞いておく
  • 書き出したら大きな画面で通して見て、データを2か所に保存する
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