送別会の出し物は、「笑い→感謝」の順に並べるのが基本です。前半に思い出クイズなどの笑えるネタ、後半にメッセージや寄せ書きの発表を置きます。最後は送られる人の挨拶と花束で締めると、自然に温かい空気で終われます。
この記事では、送別会で使える出し物を10個と、笑いから感謝で終わる20分の構成例、そのまま使える司会のセリフを紹介します。
出し物を決める前に確かめること
送別会の出し物は、送られる人のための時間です。準備を始める前に、本人に近い人を通して、次のことを確かめておきましょう。
- 前に出て目立つのが好きか、苦手か
- 退職や異動の理由を、どこまで話してよいか
- サプライズは大丈夫か(泣くのが苦手な人もいる)
- 花束や記念品を持ち帰れるか(当日の帰り道や荷物)
本人が話していないことは話さない
転職先や結婚、家庭の事情など、本人がみんなの前で話していないことは、出し物の中で触れません。「おめでたい話だから」と思っても、本人が自分の口で伝えたいこともあります。
送られる人に合わせて選ぶ
同じ送別会でも、誰を送るかで合う出し物が変わります。迷ったときは、次の表を目安にしてください。番号は、下の「10選」の番号です。
| 送られる人 | 向いている出し物 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 定年退職する上司や先輩 | 8 ヒストリー年表、5 〇〇さん大賞 | 年齢をからかう言葉は使わない |
| 異動・転勤する同僚 | 1 思い出3択クイズ、6 メッセージ動画 | 「また一緒に働きましょう」と前向きに締める |
| 退職する後輩 | 2 〇〇さん語録、7 寄せ書きの読み上げリレー | 退職の理由や次の仕事には触れない |
| 前に出るのが苦手な人 | 6 メッセージ動画、10 花道での見送り | 本人が前に立つ時間を短くする |
送別会の出し物10選
前半の5つは笑いが起きる出し物、後半の5つは感謝が伝わる出し物です。両方から1〜2個ずつ選ぶと、構成が組みやすくなります。難しさは★の数で表し、★1つがいちばん簡単です。
1. 思い出3択クイズ
送られる人にまつわる出来事を3択の問題にして、会場の全員で答えます。答え合わせのたびに本人が一言話すので、主役が自然に目立ちます。
Q1 〇〇さんが、この職場でいちばん通ったお昼のお店は?
A 駅前のそば屋 B 2階の社員食堂 C 公園のキッチンカー
Q2 〇〇さんの机に、いつも置いてあった物は?
A のど飴 B 卓上カレンダー C 小さなサボテン
Q3 〇〇さんが、新人のころにいちばん緊張した仕事は?
A 初めての電話応対 B 初めての会議の司会 C 初めての出張
- 時間
- 5〜8分
- 人数
- 司会1〜2人と、答える全員
- 準備物
- 問題を書いたフリップかスライド(問題は本人に近い人と作る)
- 難しさ
- ★
2. 〇〇さん語録
送られる人がよく口にしていた言葉を、フリップで紹介します。「とりあえず、お茶にしよう」「それ、いいね」のように、聞くとその人の顔が浮かぶ言葉を選びます。会場から「言ってた」と声が上がりやすくなります。言われてうれしかった言葉や、場をなごませてくれた言葉を中心にしましょう。
- 時間
- 3分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 言葉を書いたフリップ5〜8枚
- 難しさ
- ★
3. 数字で見る〇〇さん
勤めた年数や担当した仕事の数などを、大きな数字で紹介します。計算して出した数字は迫力があり、笑いと感心が同時に起きます。
この職場で過ごした日数 およそ2,500日
担当したお客さまの数 120社
後輩から受けた相談の数 数えきれません
- 時間
- 3分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 数字を書いたフリップかスライド(数字は本人に近い人と確かめる)
- 難しさ
- ★
4. 名場面の再現寸劇
送られる人の「職場での名場面」を、後輩たちが短い寸劇で再現します。大きな仕事をまとめた日や、トラブルを笑顔で乗りきった日など、本人がかっこよく見える場面を選びます。失敗の場面を使うなら、本人がいつも笑って話している話だけにしましょう。
- 時間
- 3分
- 人数
- 2〜4人
- 準備物
- 場面に合う小道具(書類、電話の受話器など)
- 難しさ
- ★★
5. 〇〇さん大賞の表彰
送られる人のためだけの賞を作り、表彰状を読み上げて渡します。賞の名前でくすっと笑わせて、本文で感謝を伝えると、笑いと感動の両方が起きます。賞の名前のアイデアは「面白い社内表彰の賞の名前一覧」が参考になります。
表彰状 〇〇さん殿
「職場の天気予報で賞」
あなたは在職中、誰よりも早く職場の空気の変化に気づき、
「今日は早めに帰ったほうがいいよ」と声をかけ続けてくれました。
その予報は、ほぼ毎回当たりました。
ここに感謝をこめて、これを表彰します。
〇〇部一同
- 時間
- 3分
- 人数
- 読み上げる人1人
- 準備物
- 表彰状(賞状用の紙に印刷する)、筒か額
- 難しさ
- ★
6. メッセージ動画
職場の全員から1人10秒ずつメッセージを撮ってもらい、つないで流します。遠くの支店の人や、当日来られない人も参加できるのが良いところです。撮影の段取りや尺の決め方は「忘年会の動画の作り方」が参考になります。
- 時間
- 3〜4分
- 人数
- 作る人1〜2人(出る人は12〜20人ほど)
- 準備物
- スマホ、編集アプリ、会場で流す機材
- 難しさ
- ★★
7. 寄せ書きの読み上げリレー
寄せ書きのメッセージの中から何人分かを選び、書いた本人が順番に読み上げます。最後の1人が読み終わったら、色紙を手渡します。声に出して読むと、色紙を渡すだけより気持ちが伝わります。
- 時間
- 3〜5分
- 人数
- 読む人3〜6人
- 準備物
- 寄せ書きの色紙
- 難しさ
- ★
8. 〇〇さんヒストリー年表
入社から今日までの出来事を、年表と写真で紹介します。年表の最後に「次の場所でも、〇〇さんらしく」と、これからの一行を入れておくと、前向きに締められます。
- 時間
- 3〜4分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 年表を書いた模造紙かスライド、写真
- 難しさ
- ★★
9. 主役への公開インタビュー
司会が、送られる人にインタビューをします。「いちばん思い出に残っている仕事は?」「後輩に1つだけ伝えるなら?」のように、質問は3〜4問にしぼります。話すのが好きな人を送るときに向いています。
- 時間
- 5分
- 人数
- 司会1人と、送られる人
- 準備物
- 質問を書いたメモ、マイク
- 難しさ
- ★
10. 花道での見送り
会の最後に、参加者全員で2列に並んで花道を作り、拍手で送り出します。準備がいらず誰でも参加できて、最後の場面が写真にも残ります。お店の出口が狭いときは、会場の中で花道を作りましょう。
- 時間
- 3分
- 人数
- 全員
- 準備物
- なし(クラッカーなどを使うなら、お店に確認する)
- 難しさ
- ★
笑いから感謝で終わる20分の構成例
10個を全部やる必要はありません。笑いの出し物を2つ、感謝の出し物を2つ選び、次の順に並べると、20分ほどで温かく締められます。
| 順番 | 内容 | 時間 | 会場の空気 |
|---|---|---|---|
| 1 | 思い出3択クイズ | 6分 | 笑い |
| 2 | 〇〇さん大賞の表彰 | 3分 | 笑い |
| 3 | メッセージ動画 | 3分 | 笑いから感動へ |
| 4 | 寄せ書きの読み上げリレー | 3分 | 感謝 |
| 5 | 送られる人の挨拶 | 3分 | 感謝 |
| 6 | 花束と記念品の贈呈 | 2分 | 感謝 |
いちばん大事なのは、3番目の「切り替え」です。メッセージ動画の前半に面白いメッセージ、後半にまじめなメッセージを並べると、会場の空気が自然に感謝のほうへ移っていきます。
笑いから感謝へ切り替える司会のセリフ
台本クイズから動画へ(約1分)
司会思い出クイズは以上です。皆さん、〇〇さんのことを思った以上によくご存じでしたね。
(会場の笑いを待つ)
司会ここまでたくさん笑っていただきましたが、ここからは少しだけ、まじめな時間にさせてください。
司会〇〇さんに伝えたいことがある、という人たちから、メッセージを預かってきました。
司会今日ここに来られなかった人の声も入っています。どうぞご覧ください。
(照明を少し落として、動画を流す)
送られる人の挨拶や花束を渡す順番は、「歓送迎会の進行表と挨拶の順番」にまとめています。送る側の代表が話す挨拶の文例は、「送別会の挨拶(送る側)例文」が参考になります。
送別会で避けたい出し物と言葉
送る側は盛り上げるつもりでも、送られる人を困らせてしまう出し物があります。次のようなものは避けましょう。
- 退職や異動の理由をさぐる、ネタにする
- 「裏切り者」「見捨てるのか」など、冗談でも責める言葉
- 本人が隠したい失敗や、昔の恋愛の話
- 泣かせることを目的にした、しつこい演出
- 定年退職の人に、年齢をからかうような言葉
送られる人が、最後に笑顔で帰れるかを、出し物を選ぶときの基準にしてください。
準備の時間が取れないときは
送別会は、異動や退職が決まってから日が浅いうちに開かれることが多く、準備の時間が限られます。メッセージ動画の編集や、出し物の台本づくりまで手が回らないときは、外に頼む方法もあります。
よくある質問
送られる人が複数いるときは?
1人ずつの時間が同じくらいになるように組みます。クイズなら1人2問ずつ、表彰状なら全員に1枚ずつ用意すると、不公平になりません。動画は、1人ずつのパートに分けるか、全員あてのメッセージにまとめましょう。
急な退職で、準備が1週間しかありません。
思い出3択クイズと寄せ書きの読み上げリレーなら、1週間でも間に合います。動画は、無理に作らなくても大丈夫です。代わりに、来られない人からのメッセージを司会が読み上げると、気持ちは十分に伝わります。
送られる人が、泣くのが苦手だと言っています。
感謝の出し物を短めにして、最後は笑いで締める構成にしましょう。花束を渡したあとに「最後に、全員で拍手を」と明るく切り上げれば、湿っぽくならずに終われます。
まとめ
- 送別会の出し物は「笑い→感謝」の順に並べる
- 笑いの出し物2つ、感謝の出し物2つで、20分ほどにまとめる
- 空気の切り替えは、メッセージ動画と司会の一言で作る
- 退職の理由や、本人が話していないことはネタにしない
- 最後は送られる人の挨拶と花束、花道で締める






