忘年会のコントは、会議・引き継ぎ・電話応対のような「毎日見ている場面」で作ると、短くても笑いが起きやすくなります。見ている人が、自分の職場を思い浮かべながら笑えるからです。
この記事では、そのまま使えるショートコントの台本を3本紹介します。1本は約2分で、3本続けると約5分です。役の分け方と小道具もまとめたので、配役から当日まで、この記事で準備できます。
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3本のショートコントと演じる順番
ショートコントは、短いコントをいくつか続けて見せる形です。1本ずつが短いので、セリフを覚える量が少なく、練習も分けて進められます。
| 台本 | 人数 | 時間 | 笑いの中心 |
|---|---|---|---|
| 1 終わらない会議 | 4人 | 約2分 | 同じ質問のくり返し |
| 2 引き継ぎが終わらない | 2人 | 約2分 | 仕事以外の「係」が次々に出てくる |
| 3 新人の電話応対 | 2〜3人 | 約1分半 | 長すぎる名乗りと、短すぎる名乗り |
3本続けるときは、会議、引き継ぎ、電話の順がおすすめです。人数の多い会議で始めると舞台がにぎやかになり、短い電話応対で終えると、すっきり締まります。1本だけ演じても成り立つように書いています。
コントとコントの間は、全員で「ショートコント、引き継ぎ」のようにタイトルを言ってから始めると、場面の切りかえが伝わります。
台本1「終わらない会議」(約2分)
会議を短くするための会議が、いつまでも終わらないコントです。Cの「そもそもなんですけど」が何度も出てくるのが笑いどころです。同じボケを何度もくり返して笑いを大きくする技を「天丼」といいます。
- 時間
- 約2分
- 人数
- 4人(進行、A、B、C)
- 準備物
- 長机、いす4脚、紙の資料(白紙をクリップで留めたもの)
- 難しさ
- ★★
台本終わらない会議(約2分)
(長机に4人が座っている。進行が立ち上がる)
進行では、本日の議題です。「会議の時間を短くするには」。
Aいいですね。最近、会議が長いですから。
進行結論から行きましょう。会議は30分以内にする。よろしいですか。
B賛成です。
Cあの、そもそもなんですけど。
(全員がCを見る)
C30分って、どこから数えます? 部屋に入ったときですか、資料を配ったときですか。
A……確かに、そこは大事ですね。
進行では、その決め方から話し合いましょう。
(全員が腕を組んで考えこむ)
B部屋に入ったときからでいいんじゃないですか。
Aでも、パソコンがつながるまでの時間は?
B画面が映らなかったときは?
進行それは……別の会議で決めましょう。
Bその会議は何分にします?
進行……30分以内で。
Cあの、そもそもなんですけど。
(全員がゆっくりCを見る)
Cその30分は、どこから数えます?
A戻った。
B最初に戻った。
進行落ち着いてください。ここまでをまとめます。
Aお願いします。
進行「会議を短くするための会議」を決めるための会議を、来週開きます。
B増えてる。
進行所要時間は、30分以内です。
Cあの、そもそもなんですけど。
進行(さえぎって)本日はここまで。お疲れさまでした。
(全員が立ち上がり、一礼)
演じるときのコツ
Cの「そもそもなんですけど」は、3回とも同じ言い方、同じ間で言います。言い方を変えないほうが、会場は「また来た」と待ちかまえて笑ってくれます。くり返しの使い方は「天丼のやり方」で詳しく説明しています。
台本2「引き継ぎが終わらない」(約2分)
異動する先輩が、後輩に仕事を引き継ぐコントです。書類の引き継ぎはすぐ終わるのに、職場の「謎の係」の引き継ぎが止まりません。最後は少し温かい終わり方にしています。
- 時間
- 約2分
- 人数
- 2人(先輩、後輩)
- 準備物
- 段ボール箱、ファイル2〜3冊、小さな観葉植物(造花でもよい)
- 難しさ
- ★★
台本引き継ぎが終わらない(約2分)
(先輩が段ボール箱を抱えて登場。後輩がメモ帳を持って待っている)
先輩来月から異動だから、引き継ぎをしよう。
後輩はい、よろしくお願いします。
先輩まず書類。この棚の青いファイルが今年の分。以上。
後輩早いですね。
先輩ここからが本番。まず、観葉植物の水やり係。
(先輩が観葉植物を渡す)
先輩水は月曜と木曜。名前は「みどりさん」。
後輩名前があるんですか。
先輩話しかけると、ちょっと元気になる。
後輩たぶん気のせいです。
先輩次。コピー機の「ご機嫌取り係」。
後輩ご機嫌取り?
先輩紙が詰まったら、横を2回、やさしくたたく。強くたたくと、すねる。
後輩コピー機がすねるんですか。
先輩次。給湯室の「最後のひとり係」。
後輩最後のひとり?
先輩ポットのお湯を最後に使った人が、水を足す係。だいたい私だった。
後輩それは、みんなでやりましょうよ。
先輩次。金曜の夕方に誰かが「今週も早かったね」と言うので、「本当ですね」と返す係。
後輩それも係なんですか。
先輩返す人がいないと、その一言が宙に浮くんだよ。
後輩……なんか、大事な気がしてきました。
先輩最後に、いちばん大事な引き継ぎ。
後輩はい。
先輩この部署のみんなを、よろしく。
後輩……先輩。
(少し間をおく)
後輩ところで、異動先はどちらなんですか?
先輩同じフロアの、となりの島。
後輩近い。
先輩だから、困ったらいつでも声をかけて。
後輩毎日かけます。
(2人で一礼)
自分の職場用に直すコツ
「謎の係」は、職場の人に聞くといくらでも出てきます。ただし、特定の人の失敗やくせを係にするのは避けましょう。ポットのお湯やコピー機のように、物や場所にまつわる係にすると、全員が笑えます。
台本3「新人の電話応対」(約1分半)
電話応対を練習してきた新人と、教える先輩のコントです。名乗りが長すぎたり短すぎたりするくり返しで笑わせ、最後に先輩が同じことをして終わります。電話の相手の声を3人目が舞台の外から言うと、さらに分かりやすくなります。
- 時間
- 約1分半
- 人数
- 2〜3人(新人、先輩、電話の声)
- 準備物
- 机、いす、電話に見立てる物(受話器の絵を貼った箱など)
- 難しさ
- ★★
台本新人の電話応対(約1分半)
(新人が机の前に座り、先輩が横に立つ)
先輩じゃあ今日から、電話を取ってみようか。
新人はい、練習してきました。
(電話の声が、口で「プルルル」と鳴らす)
新人お電話ありがとうございます。〇〇株式会社、〇〇部、〇〇課、窓ぎわの島の、入口から3番目の席の、新人の〇〇でございます。
電話の声……あの、もしもし?(口で「ツー、ツー」と切れる音)
先輩長い長い。席の場所まで言わなくていいから。
新人来ていただくときに、迷わないかと思いまして。
先輩電話だから、来ないよ。もっと短くていい。
新人短く、ですね。
(「プルルル」)
新人はい。
先輩……短すぎる。せめて会社名は言おう。
新人はい、〇〇です。
先輩それ、あなたの名字ね。
新人あ。
(「プルルル」)
新人お電話ありがとうございます。〇〇株式会社の〇〇でございます。……はい、少々お待ちください。
先輩完璧。今のでいいんだよ。
(「プルルル」。今度は先輩が電話を取る)
先輩お電話ありがとうございます。〇〇株式会社、〇〇部、〇〇課、窓ぎわの島の、入口から4番目の席の……
新人先輩も長い。
先輩……うちの課の伝統なんだよ。
(2人で一礼)
3人目がいないときは
電話の音は、先輩役が口で鳴らせば2人でも演じられます。そのときは「あの、もしもし?」のセリフを省き、先輩が「ほら、切れちゃった」と言いかえてください。
役の分け方と小道具
役は向き・不向きで決める
役は、セリフの量よりも「どんな動きが求められるか」で決めると、本番で無理がありません。
| 役 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 進行、先輩(話を進める役) | 声がよく通り、落ち着いて話せる人 | 早口にならないよう、ひと呼吸おく |
| C、後輩、新人(ボケる役) | 照れずに大きく演じられる人 | 笑いが起きたら、収まるまで待つ |
| A、B(反応する役) | 人前が少し苦手な人 | セリフが短いので、表情と動きで参加する |
| 電話の声(舞台の外) | 顔を出したくない人 | マイクを使うなら、音量を事前に確かめる |
上司に出てもらうなら、進行役か先輩役をお願いしましょう。しっかりした人の役なので、上司を笑い者にせずに済み、本人も引き受けやすくなります。
小道具は職場にあるもので足りる
小道具のチェックリスト
- 長机といす(会議の台本)
- 紙の資料:白紙を数枚クリップで留めたもの
- 段ボール箱とファイル(引き継ぎの台本)
- 小さな観葉植物:造花や、緑の画用紙で作った物でもよい
- 電話に見立てる物:受話器の絵を貼った箱や、使っていない電話機
- 名札:役の名前を書くと、見ている人に役が伝わる
自分たちで台本を書くときは
この記事の台本を土台にして、自分の職場のコントを書くこともできます。3本の台本は、どれも次の順番で作っています。
- 職場の「いつもの場面」を1つ選ぶ(朝礼、会議、来客、昼休みなど)
- その場面で「少しだけおかしなこと」を1つ決める
- おかしなことを3回くり返し、回を追うごとに大きくする
- 最後に、立場や向きをひっくり返して終わる
たとえば電話応対の台本は、3の「名乗りの長さ」をくり返し、4で「教えていた先輩も長かった」とひっくり返しています。設定の決め方から詳しく知りたいときは、「コントの台本の書き方」を読んでみてください。
よくある質問
セリフを覚えきれません。
会議の台本なら、資料を読んでいるふりをして、台本を手元に置けます。電話応対でも、メモを見ながら電話を取るのは自然な動きです。小道具に台本を隠すと、覚える量を減らせます。
笑いが起きなかったらどうしますか?
そのまま次のセリフに進めば大丈夫です。ショートコントは1本が短いので、1つのボケで笑いが起きなくても、次の場面で取り返せます。止まらずに最後の一礼まで演じきることが大切です。
上司が出てくる場面を入れてもいいですか?
本人に台本を見せて、了解をもらってから入れましょう。上司を笑い者にするのではなく、まとめ役のような役で登場してもらうと、本人も会場も気持ちよく笑えます。
まとめ
- 忘年会のコントは、会議・引き継ぎ・電話応対のような毎日の場面で作る
- 3本続けて約5分。会議、引き継ぎ、電話の順にすると、すっきり終わる
- 同じボケを3回くり返し、最後にひっくり返すと笑いが大きくなる
- 特定の人の失敗やくせではなく、物や仕組みを笑いの中心にする
2人で出るなら、「忘年会の漫才ネタ」も参考にしてください。






