感動する余興を作るなら、最初から泣かせにいくより、前半で笑わせて、最後の30秒でまじめな言葉を届ける構成がおすすめです。笑ったあとの会場は気持ちがほどけているので、まじめな一言がまっすぐ届きます。
この記事では、笑いから感動に変える構成の作り方と、手紙・写真・花束リレーなどの組み合わせ方を紹介します。最後の30秒にそのまま使える例文も3つ用意しました。
感動する余興は「笑い→思い出→お祝い」で作る
感動する余興は、3つの段に分けて組み立てます。4分の余興なら、時間の配分は次のくらいが目安です。
| 段 | 時間の目安(4分の場合) | すること |
|---|---|---|
| 笑い | 1分30秒 | なれそめや本人のくせの話で、会場をほぐす |
| 思い出 | 1分30秒 | 2人の人柄が分かるエピソードを1〜2つ話す |
| お祝い | 1分 | 手紙や最後の一言で、気持ちを伝える |
「思い出」の段で、前半の笑いを裏返す
思い出の段は、笑いと感動をつなぐ橋です。前半で笑わせた話を、ここで「実はこういう人なんです」と裏返すと、空気が自然に変わります。
たとえば前半で「〇〇は時間にうるさくて、待ち合わせの30分前に着いている」と笑わせたとします。思い出の段で「だから私の誕生日も、一度も忘れたことがありません」とつなげれば、同じ話が温かい話に変わります。前半の話を最後にもう一度生かすこのやり方を、伏線回収といいます。
切りかえの一言を決めておく
笑いから感動へ移るときは、はっきりした「切りかえの一言」を入れます。会場に「ここから空気が変わる」と伝わるので、笑いを引きずりません。
・「……と、ここまで好き放題言ってきましたが、ここで少しだけ、まじめな話をさせてください」
・「ここからは、台本を置いて話します」
・「〇〇くんに、ずっと内緒にしていたことが一つあります」
・「この写真だけは、笑わずに見てください」
切りかえの一言の前には、2秒ほど間を取りましょう。声を少し低く、ゆっくりにするだけで、会場の空気が変わります。
構成の例(新郎の友人2人・4分)
- 笑い:「〇〇は写真が好きすぎる」話。旅行に行くと、景色を見ている時間より、撮っている時間のほうが長い
- 思い出:「だから、僕たちの大事な日の写真は、ほとんど〇〇が撮ってくれていた」と、同じくせを良い話に裏返す
- お祝い:「今日は、〇〇がカメラを置いて、写真に写る番です。本当におめでとう」と締める
感動を生む組み合わせ4つ
笑いの部分と感動の部分を、別々の素材で作ると組み立てやすくなります。よく合う組み合わせは次の4つです。
| 組み合わせ | 笑いの部分 | 感動の部分 |
|---|---|---|
| 掛け合い+手紙 | なれそめの掛け合い | 1人が読む手紙 |
| 写真+白いページ | 昔の写真に一言 | 「ここから先は2人で」 |
| 花束リレー+本物の花束 | 友人たちの登場のしかた | 会場で花束を手渡す |
| クイズ+サプライズの声 | 新郎新婦クイズ | 恩師や家族からのメッセージ |
1. 掛け合い+手紙
前半は2人の掛け合いで笑わせ、最後に1人が手紙を取り出して読みます。笑っていた会場が、手紙を開く音で静かになる瞬間が見せ場です。
- 時間
- 4分
- 人数
- 2人
- 準備物
- 便せん、封筒
- 難しさ
- ★★
手紙の書き方は「余興で手紙を読むなら」で詳しく紹介しています。
2. 思い出の写真+最後の白いページ
昔の写真をフリップやスライドで見せながら、一言ずつ笑いを取ります。最後のページだけは何も貼らずに白いまま見せ、「ここから先は、2人で埋めていってください」と締めます。
- 時間
- 3〜4分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 写真を貼った画用紙(またはスライド)、白い画用紙1枚
- 難しさ
- ★
3. 花束リレー+本物の花束
友人が手から手へ花束を渡していく動画を流し、最後に映った友人が、本物の花束を持って会場に入ってきます。画面と会場がつながる瞬間に、大きな拍手が起きます。
- 時間
- 動画3分+手渡し1分
- 人数
- 6人以上(動画に出る人)
- 準備物
- 花束、スマホ、会場で動画を流せるかの確認
- 難しさ
- ★★★
撮影の順番や参加者への連絡のしかたは、「花束リレーの余興ムービーの作り方」にまとめています。
4. クイズ+サプライズの声
新郎新婦クイズで盛り上げたあと、最後の問題を「この声は誰でしょう?」にして、2人の恩師や遠くに住む家族のメッセージを流します。答えが分かった瞬間に、笑いが感動に変わります。
- 時間
- 5分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 問題のフリップ、録音したメッセージ
- 難しさ
- ★★
メッセージを頼む相手には、1か月ほど前までに連絡しておきましょう。音声を流せるかどうかは、会場にも確かめておきます。
最後の30秒の例文3つ
余興の最後の30秒に、そのまま使える例文です。〇〇には名前を入れ、エピソードは本当にあったことに入れかえてください。30秒で話せる長さは、120〜150字ほどが目安です。
(それまでの笑いが落ち着いたら、ポケットから手紙を出す)
ここからは、手紙を読ませてください。
〇〇へ。大学から駅までの道で、毎日くだらない話をしたね。〇〇が誰かと家族になる日が、こんなに早く来るとは思っていませんでした。
〇〇さん、〇〇の笑い声は少し大きいけれど、まわりの人をみんな元気にします。その笑い声がずっと続く家庭を、2人で作ってください。
本当におめでとう。
台本例文2 掛け合いから切りかえる(2人・約30秒)
A……と、ここまでさんざん笑わせてもらいましたが。
Bここで少しだけ、まじめな話をさせてください。
A〇〇くんは、僕たちが困っているとき、いつもいちばんに電話をくれる人でした。
B〇〇さんと出会ってから、その電話の声が、前よりずっと明るくなりました。
A2人なら、これから何があっても大丈夫です。
A・B〇〇くん、〇〇さん、本当におめでとう。
台本例文3 花束を手渡すとき(花束リレーの最後・約30秒)
(ムービーが終わり、最後に映った友人が花束を持って入ってくる)
友人この花束は、〇〇人の友人の手を通って、ここまで来ました。
友人一人ひとりの「おめでとう」が、1本ずつ入っています。
(新郎新婦に花束を渡す)
友人今日ここに来られなかった友人の分まで、心からおめでとうございます。
最後の一文は短くする
最後の一文は「本当におめでとう」のように短くしましょう。長い文で終わると、拍手のタイミングが分かりにくくなります。締めの言い方は「余興の最後の締めの言葉」にも例文があります。
感動させようとして失敗しやすいこと
思い出を詰め込みすぎて長くなる
伝えたいことが多いほど、話は長くなります。思い出の段で話すエピソードは1〜2つにしぼり、ほかは手紙に書いて、あとで渡しましょう。
読む人が泣いて止まってしまう
本番で泣いてしまうのは、悪いことではありません。ただ、話が止まると会場も心配になります。練習で5回は声に出して読んでおき、言葉が出なくなったら、隣の人が続きを読むと決めておくと安心です。
本人が触れてほしくない話に触れる
苦労した時期の話や、亡くなった家族の話は、強く心を動かす一方で、本人や家族がつらくなることもあります。本人と家族の了解がない限り、入れないようにしましょう。
結婚式で避けたい言葉をうっかり使う
気持ちのこもった手紙ほど、「終わり」「別れ」「切れる」のような、結婚式では避けたい言葉が入りやすくなります。書き終えたら、「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉」の言い換えの一覧と見比べておきましょう。
音楽が大きすぎて言葉が聞こえない
感動的な曲を流すと、つい音量を上げたくなります。話している間の曲は小さくし、最後の一言の前には止めると、言葉がはっきり届きます。
よくある質問
笑いを入れずに、最初から感動系にしてもいいですか?
もちろんかまいません。ただ、5分ずっとしんみりした話が続くと、会場の空気が重くなりがちです。最初に1つだけ軽い話を入れておくと、最後の言葉がより引き立ちます。
感動系の余興には、どんな曲が合いますか?
歌詞の内容が2人の今に合っていることと、会場の多くの人が知っている曲であることが目安です。市販の曲を会場で流すときは、手続きが必要なこともあります。「余興ムービーの曲の選び方と著作権」を見て、会場に確かめておきましょう。
新郎新婦が泣かなかったら、失敗ですか?
失敗ではありません。泣くかどうかは人によって違い、笑顔で聞いている2人も、心にはちゃんと届いています。涙を目標にせず、気持ちを伝えることを目標にしましょう。
まとめ
- 感動する余興は「笑い→思い出→お祝い」の3段で作る
- 前半の笑いの話を、思い出の段で温かい話に裏返す
- 切りかえの一言の前に2秒の間を取り、声を落とす
- 最後の30秒は120〜150字にまとめ、最後の一文は短くする
- 本人が触れてほしくない話は、感動を狙うためでも入れない






