結婚式の余興は、本番の1か月前に準備を始めるのが目安です。ウケる余興に仕上げるには、ネタと台本を3週間前までに決め、残りの2週間を「笑いを確かめて直す時間」にするのがコツです。余興ムービーは素材集めに時間がかかるので、1か月半前から動き出しましょう。
この記事では、ネタ決め・台本・人に見てもらう確認・録画での見直し・前日の持ち物までを、時期ごとの予定表にしました。本番の日付を書きこみながら読めば、そのまま自分たちの準備表になります。
目次目次を閉じる目次を開く
余興の準備は1か月前から。笑いを直す2週間を残す
準備の期間は、「作る期間」と「笑いを直す期間」に分けて考えると失敗しにくくなります。台本ができた時点では、どこで笑いが起きるかはまだ分かりません。人に見せたり、録画を見返したりして、初めてウケない所が見えてきます。
つまり、ネタと台本は3週間前までに決め、残りの2週間で笑いを直すのが理想の流れです。余興の種類ごとの始める時期と、直す期間に確かめることは次のとおりです。
| 余興の種類 | 始める時期の目安 | 笑いを直す期間に確かめること |
|---|---|---|
| 漫才・コント | 1か月前 | ボケが伝わるか、笑い待ちができているか |
| 余興ムービー | 1か月半前 | 字幕のツッコミが読めるか、笑う所に間があるか |
| ダンス・歌 | 1か月前 | 途中の小ネタ(決めポーズや一言)が目立つか |
| フリップ・紙芝居 | 3週間前 | めくる速さと、一言の言い方 |
| クイズ・ゲーム | 3週間前 | 選択肢に、笑える答えが1つ入っているか |
| 手紙 | 2週間前 | 笑いから感動への切りかえが自然か |
5人を超える余興は、日程を合わせるだけで時間がかかります。表の時期より1週間早く動き始めると安心です。
生でやる余興のスケジュール表(1か月前〜当日)
漫才やコント、寸劇など、会場で演じる余興の予定表です。右の「笑いの準備」の列が、ウケる余興に仕上げるための作業です。
| 時期 | やること | 笑いの準備 |
|---|---|---|
| 1か月前 | 出し物の形と持ち時間を決める。全員で集まる日を2〜3回分押さえる | 新郎新婦の「笑える材料」を全員で書き出す |
| 3週間前 | 台本の1回目を書き上げ、全員に送る | 笑いどころに印をつけ、印のない所を探す |
| 2週間前 | 1回目の全員練習。読み合わせをして、立ち位置を決める | 新郎新婦を知らない人に、台本を聞いてもらう |
| 10日前 | 伝わらなかった所を書き直す。小道具や衣装をそろえ始める | 弱いボケを差しかえるか、思い切って削る |
| 1週間前 | 本番と同じ流れで通し練習をし、スマホで録画する | 録画を見て、笑い待ちと声の大きさを直す |
| 前日 | 持ち物をそろえ、台本の最終版を全員で共有する | つかみ(最初に笑いを取る一言)と結びの一言だけ口に出す |
| 当日 | 会場で立ち位置とマイクを確かめる | 司会の人に、紹介で言ってほしい一言を伝える |
台本を書き直すのは10日前までにして、最後の1週間は新しいセリフを足さないのがおすすめです。直前にセリフが変わると、覚え直しに気を取られて、間が崩れやすくなるからです。
1か月前にいちばん大事なのは、練習日を先に押さえることです。中身が決まっていなくても、日にちだけは決めておきましょう。集まれない人がいるときの練習や、笑い待ちを全員で合わせる練習は「余興の練習の進め方」で詳しく紹介しています。
余興ムービーのスケジュール表(1か月半前〜当日)
ムービーは、会場での再生テストまで含めて準備です。笑いの確認は、仮につないだ段階で人に見てもらうのがいちばん効きます。
| 時期 | やること | 笑いの準備 |
|---|---|---|
| 1か月半前 | 構成と長さを決め、参加者に写真やメッセージ動画をお願いする | 笑いの山を2〜3か所決め、そこで使う素材を指定する |
| 1か月前 | 会場に、動画の形式と提出の期限を聞く | 字幕でツッコミを入れる写真を選ぶ |
| 2週間前 | 素材を締め切り、仮につないで長さを確かめる | 仮の動画を、新郎新婦を知らない人に見てもらう |
| 10日前 | 曲を決め、完成版を作る | 笑わせたい字幕は、ほかより1〜2秒長く出す |
| 1週間前 | 会場に提出するか、再生テストをする | テレビやパソコンの大きな画面で、字幕が読めるか見る |
| 前日 | データを2か所に保存する | 流れたあとに話す一言を決める |
| 当日 | 会場の担当者と、データと流す順番を確かめる | ― |
字幕の笑いは、読み終わってから起きます。笑わせたい字幕を短く出すと、読み終わる前に次の場面に変わってしまうので、少し長めに出しておきましょう。
会場によっては、1〜2週間前までに動画の提出を求められることがあります。その場合は、表の予定を1週間ずつ前にずらしてください。曲を使うときの確かめ方は「余興ムービーの曲の選び方」にまとめています。
素材の締め切りは早めに伝える
写真やメッセージ動画は、締め切りを過ぎてから届くことがよくあります。参加者に伝える締め切りは、本当の締め切りより3〜4日早くしておきましょう。
ネタ決めと台本は3週間前までに仕上げる
準備でいちばん時間を取られやすいのが、ネタ決めで迷う時間です。1か月前の最初の打ち合わせで、次の順番で決めてしまいましょう。オンライン通話でも30分ほどで決まります。
- 新郎新婦の「笑える材料」を、全員で10個以上書き出す
- 人数と、集まれる練習の回数から、出し物の形を選ぶ
- 材料の中から、会場の誰が聞いても分かるものを3〜4個に絞る
- まとめ役と台本係を決め、台本の締め切りを決める
笑える材料とは、本人の口ぐせや、みんなが知っている小さなこだわり、本人も笑って話せる失敗のことです。本人が隠したい話や、容姿をからかう話は、どんなに盛り上がっても材料に入れません。
・新郎の口ぐせは「念のため」。晴れの日も、折りたたみ傘を2本持っている
・新郎は旅行の行き先を決める前に、持ち物リストを作る
・新婦は、家の観葉植物に名前をつけている。いちばん大きい鉢の名前は「部長」
・新婦がカレーを作ると、なぜか毎回5人分できる
・2人とも、写真を撮るときは必ず同じピースになる
→ 会場の誰が聞いても分かる「念のため」「植物の部長」「カレー5人分」の3つを使う
台本の1回目は、3週間前までに書き上げて全員に送ります。書けたら、笑いどころ(ボケや、笑ってほしい一言)に印をつけてみましょう。印のない部分が30秒以上続く所は、説明が長くなっている所です。
印のない所は、あとで人に聞いてもらうときに、最初に確かめる場所になります。持ち時間に合う台本の長さと削り方は「結婚式の余興は何分がいい?」を参考にしてください。
笑いの確認は2回。人に見てもらい、録画で見直す
台本がおもしろいかどうかは、作った自分たちには分かりにくいものです。何度も読むうちに慣れてしまい、どこもおもしろく感じなくなるからです。確認は、時期を分けて2回行います。
2週間前:新郎新婦を知らない人に聞いてもらう
家族や職場の人など、新郎新婦を知らない人に、台本を読んで聞かせます。披露宴には、2人の友人ではない親族や上司も大勢出席します。知らない人に伝わるかどうかが、そのまま会場の反応の目安になります。
聞いてもらったら、感想を広く聞くより、次の3つだけを質問すると答えてもらいやすくなります。
- どこで笑ったか(くすっとした所も含めて)
- 意味が分からなかった所はどこか
- 聞いていて、気まずくなった所はないか
3つ目で挙がった所は、笑いが取れていても削ります。2つ目で挙がった所は、内輪の言葉を、知らない人にも分かる言い方に直しましょう。
直す前:新郎といえば、例の「念のため事件」ですよね。
直したあと:新郎の口ぐせは「念のため」。晴れの日でも、折りたたみ傘を2本持ってきます。1本は、念のための念のためだそうです。
直す前の一行は、事件を知っている友人しか笑えません。直したあとは、口ぐせを先に伝えてから「念のための念のため」で落とすので、初めて聞く人にも笑いどころが分かります。
1週間前:通し練習を録画して見直す
1週間前の通し練習は、スマホで録画しておきます。客席のいちばん後ろの席から見る高さで撮ると、本番の見え方に近くなります。
録画で確かめること
- 笑いどころの前で、セリフが早口になっていないか
- 笑いが起きたあと、次のセリフを待つ間(笑い待ち)を取っているか
- 内輪の話や、説明だけが続く所がないか
- いちばん後ろの席まで、語尾が聞こえるか
- 持ち時間に収まっているか
直したい所がたくさん見つかったら、笑いどころの前後から先に直します。ウケない原因の分け方と、録画の見直し方は「ネタがウケない原因と直し方」で詳しく説明しています。
前日にそろえる持ち物
前日は新しいことを足さず、持ち物とつかみの一言を確かめる日にします。小道具の順番が違うだけで、フリップのオチが先に見えてしまうこともあります。並べた順番まで確かめておきましょう。
前日にそろえる持ち物
- 台本(人数分と予備1部。司会の人に渡す進行メモも)
- フリップや小道具(めくる順に重ね、裏に番号をふる)
- 衣装と、着替えを入れる袋
- 音源や動画のデータ(USBメモリとスマホの2か所に)
- 安全ピン、セロハンテープ、黒の太いペン
- ご祝儀や招待状など、ゲストとしての持ち物
持ち物は1つの袋にまとめ、誰が会場に持っていくかを決めておきます。全員が「誰かが持ってくるだろう」と思っていると、当日に小道具がそろわないことがあるからです。
遅れているとき・1か月を切って頼まれたとき
準備が予定どおりに進まないときは、笑いの量より「本番で無理なくできるか」を先に考えます。遅れているときの立て直し方は次のとおりです。
| 時期 | こうなっていたら | 笑いを残す立て直し方 |
|---|---|---|
| 2週間前 | 台本ができていない | クイズや取扱説明書など、型の決まった出し物に切りかえる |
| 2週間前 | ムービーの素材が半分も集まっていない | 集まった写真に、字幕でツッコミを入れる構成に変える |
| 1週間前 | 通しで読むと持ち時間を超える | 笑いの少ない説明の場面から削る |
| 1週間前 | 録画を見ても、笑いどころが少ない | いちばんウケた一言を、結びの前にもう一度使う |
| 前日 | 出られない人が出た | その人のセリフをほかの人に分け、電話で1回読み合わせる |
いちばんウケた一言をもう一度使うのは、天丼(同じボケをくり返して笑いを大きくすること)という方法です。新しいボケを足すより、練習の負担が少なくて済みます。
1か月を切ってから頼まれたときは、次のように作業をまとめれば間に合います。
- 残り3週間なら、ネタ決めと台本の1回目を最初の1週間で済ませる
- 人に聞いてもらう確認と録画の見直しは、1週間前の通し練習でまとめて行う
- ムービーなら、参加者に伝える素材の締め切りを5日後にする
- 残りが2週間を切っていたら、出し物そのものを準備の軽いものに変える
残りが2週間を切っているときのネタ選びは、「準備が間に合わないときのネタと進め方」を見てください。
よくある質問
2〜3か月前に頼まれたら、すぐに始めるべきですか?
出し物の形と役割だけ先に決め、本格的な作業は1か月前からで十分です。早く始めすぎると、途中で中だるみしやすくなります。笑える材料のメモだけは早めに始めておくと、本人たちと話したときに良い材料が見つかります。
準備は、新郎新婦に内緒で進めたほうがいいですか?
中身は当日まで内緒でかまいません。ただ、持ち時間や会場の設備、触れないでほしい話題は、本人に聞かないと分かりません。まとめ役から1回でまとめて聞くようにしましょう。
台本を聞いてもらえる人がいません。
台本を読んだ声を録音し、1日あけてから聞き直してみてください。時間をあけると作ったときの思いこみが薄れ、説明が長い所や、伝わりにくい言葉に気づきやすくなります。
まとめ
- 余興の準備は本番の1か月前、ムービーは1か月半前から始める
- ネタと台本は3週間前までに決め、残りの2週間で笑いを直す
- 2週間前は知らない人に聞いてもらい、1週間前は録画で見直す
- 最後の1週間は新しいセリフを足さず、前日は持ち物とつかみの一言を確かめる
- 遅れたときは、笑いの少ない説明から削るか、型の決まった出し物に切りかえる






