飲み会の乾杯の挨拶で笑いを取るなら、「名乗り → 笑いの一言 → 乾杯」の15〜30秒にするのがいちばん使いやすい形です。乾杯の挨拶は、最後に「乾杯」と言えば、笑いが起きなくてもそのまま終われます。気軽に笑いを試せる、数少ない挨拶です。
この記事では、15秒と30秒の例文を、歓迎会・送別会・打ち上げなどの場面別に紹介します。結婚式の乾杯は、「結婚式の乾杯の挨拶の例文」で別にまとめています。
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面白い乾杯の挨拶の組み立て方
飲み会の乾杯は、みんながグラスを持って待っている時間です。笑いを入れるのは、名乗りと乾杯の間の1〜2文だけにします。お笑いでは、笑いのための前置きを「フリ」と呼びます。乾杯の挨拶では、このフリを短くするほど、乾杯の声がそろいやすくなります。
笑いの一言は、次の4つの型のどれかで作ると、考えやすくなります。
| 型 | しくみ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 3つのポイント型 | 「3つにまとめました」と言って、同じ言葉をくり返す | どの飲み会でも |
| 期待を外す型 | 長い話をしそうに見せて、すぐに乾杯する | 上司が多い会、話が続いたあと |
| 主役を立てる型 | 主役の好きなものや、主役との思い出を入れる | 歓迎会、送別会、お祝いの会 |
| みんなを巻き込む型 | グラスの上げ方や声の大きさを、全員にお願いする | 人数が多い会、にぎやかな会 |
どの型も、最後は「乾杯」で終わります。笑いの一言を、乾杯の直前に置くのがこつです。笑いが起きても起きなくても、すぐに「乾杯」で区切れるからです。
15秒で言える乾杯の一言ネタ
15秒は、文字にすると70〜80字ほどです。名乗りを省いても失礼にならない、気心の知れた飲み会で使いやすい長さです。
乾杯の前に、今日のお話を3つのポイントにまとめてきました。
1つ目、お疲れさまでした。2つ目、お疲れさまでした。
3つ目は、皆さんご一緒に。乾杯。
乾杯の前に、今期の数字を振り返ろうと思い、資料を用意してきました。
……が、皆さんの顔を見て、資料はそっとしまいます。
お疲れさまでした。乾杯。
乾杯の前に、1つだけお願いがあります。
グラスを、今より5センチだけ高く上げてください。
……はい、皆さんの手がそろったところで、乾杯。
今日の試合は、見事な完敗でした。
ですが、ここから先は「かんぱい」違いです。
次の試合に向けて、乾杯。
「期待を外す型」は、資料を本当に手に持って言うと、笑いが大きくなります。「みんなを巻き込む型」は、言われたとおりにグラスが上がる様子そのものが笑いになるので、声が小さめの人にも向いています。
30秒の乾杯の例文(場面別)
30秒は、文字にすると150字ほどです。場面に合わせて、主役や会の理由を一言入れると、その会のための挨拶になります。
歓迎会の乾杯
歓迎会では、主役の好きなものを幹事や本人に聞いておくと、それだけでネタになります。主役の名前を最後の「乾杯」の直前にもう一度呼ぶと、迎える気持ちがはっきり伝わります。
〇〇課の△△です。乾杯の発声をさせていただきます。
〇〇さん、ようこそ〇〇課へ。
今日は〇〇さんの好きなものを、前もって調べてきました。だし巻き卵だそうです。
お店の方にお願いして、だし巻き卵は多めにしてもらいました。
それでは、〇〇さんと、だし巻き卵に、乾杯。
送別会の乾杯
送別会の乾杯は、しんみりしすぎないことが大事です。泣きそうになる自分を笑いにして、「お別れ」ではなく「門出」として乾杯すると、会の空気が明るくなります。
〇〇さん、〇年間、本当にお世話になりました。
今日は泣かないと決めてきましたが、すでに少し危ないので、早めに乾杯させてください。
この乾杯は、お別れの乾杯ではありません。
〇〇さんの新しい職場での1日目に向けた、前祝いの乾杯です。
〇〇さんのこれからのご活躍を願いまして、乾杯。
打ち上げの乾杯
プロジェクトやイベントの打ち上げでは、みんなで乗り越えたことを数字で並べると、全員が「あったあった」とうなずけます。2つ苦労を並べ、3つ目で良いことを言う「3つ目で外す」形にすると、笑いのあとに気持ちよく乾杯できます。
プロジェクトの打ち上げということで、乾杯の前に一言だけ。
この3か月、仕様の変更が4回、締め切りの延長が1回。
そして徹夜は……ゼロ回でした。
ゼロ回で終われたのは、皆さんが早め早めに動いてくれたおかげです。
本当にお疲れさまでした。乾杯。
特に理由のない飲み会の乾杯
送別でも歓迎でもない、いつもの飲み会で乾杯を振られることもあります。そのときは、「理由がない」こと自体をネタにすると、温かい笑いになります。
今日は、特に何のお祝いでもない飲み会です。
送別でも歓迎でもなく、ただ集まっただけです。
でも、理由がなくても集まれるのが、このチームのいちばんいいところだと思っています。
それでは、理由のない今日に、乾杯。
忘年会や新年会の乾杯は、「忘年会の挨拶の例文」で、季節に合わせた一言と一緒に紹介しています。
立場別・名乗りに足す一言
乾杯を頼まれた立場によって、名乗りのあとの一言を変えると、それだけで笑いが生まれます。名乗りに1文足すだけなので、上の例文と組み合わせても長くなりません。
| 立場 | 名乗りに足す一言 |
|---|---|
| 若手 | 先輩方を差し置いて、乾杯の発声をいただきました。差し置いたぶん、短くまとめます |
| 中堅・リーダー | 上と下にはさまれる立場ですので、グラスも上と下の真ん中の高さで失礼します |
| 上司 | 乾杯の前に、上司として一つだけ指示を出します。今日は仕事の話は禁止です |
| 幹事 | 幹事として今日いちばん緊張しているのは、この乾杯と、最後のお会計です |
| 来たばかりの人 | 来て2週間ですが、このお店の場所だけは、誰よりも早く覚えました |
上司の一言は、部下が笑いやすいように、指示の中身をやわらかいものにするのがポイントです。若手の一言は、謙虚さと笑いが一度に伝わるので、目上の人が多い会でも使えます。
自分だけの乾杯ネタを5分で作る手順
例文をそのまま使うのが不安なら、自分の職場に合わせた一言を作りましょう。次の手順なら、5分ほどで1つできます。
- 今日の会の理由を一言で書く(歓迎、送別、打ち上げ、特になし)
- その場の全員が知っている、最近の出来事を3つ書き出す
- 3つのうち、誰も困らない話を選ぶ(失敗談なら自分の失敗だけ)
- 4つの型のどれかに当てはめて、1〜2文にする
- 声に出して読み、15秒をこえたら削る
会の理由:〇〇さんの歓迎
全員が知っている出来事:コーヒーマシンが新しくなった、会議室の椅子が変わった、〇〇さんが来た
使う型:主役を立てる型(3つ並べて、最後に主役)
できた一言:
今月、うちの部署に新しく来たものが3つあります。
新しいコーヒーマシン、新しい椅子、そして〇〇さんです。
いちばんうれしいのは、もちろん3つ目です。それでは、乾杯。
3つ並べて最後だけ変える形は、「三段オチ」と呼ばれる笑いの型です。1つ目と2つ目で流れを作り、3つ目でその流れを外すと笑いが起きます。15秒の「3つのポイント型」のように、同じ言葉をくり返して笑いを取る形は「天丼(てんどん)」と呼ばれます。くり返しのこつは、「天丼(くり返しのボケ)のやり方」で詳しく紹介しています。
スベりにくくするコツ
乾杯の挨拶の笑いは、言い方しだいで伝わり方が大きく変わります。次の5つを守ると、笑いが起きやすくなり、起きなかったときの気まずさも小さくなります。
- 笑いの一言は1つだけにする。2つ目を足すと、グラスを持つ手が疲れてくる
- フリのあとは、一拍おいてから笑いの部分を言う(例文の「……」の場所)
- 材料は、その場の全員が知っていることだけにする
- 15秒の挨拶なら、原稿を見ずに顔を上げて言う
- 笑いが起きなくても言い訳をせず、そのまま大きな声で「乾杯」と言い切る
5つ目が、いちばん大事です。乾杯の声がきれいにそろえば、それだけで場は盛り上がります。冗談がウケなかったときの返し方は、「滑ったときの返し方」で場面別に紹介しています。
乾杯の挨拶に入れないこと
- 「一気にいきましょう」「飲み干しましょう」など、お酒をすすめる言葉
- 主役の昔の失敗や恋愛など、本人が人前で言われたくない話
- 見た目や年齢をからかう冗談
- 内輪の人しか分からない話
グラスの中身は、お茶やジュースの人もいます。「グラスをお持ちください」とだけ言えば、誰も気をつかわずに乾杯できます。
よくある質問
飲み会では、グラスを合わせてもいいですか?
飲み会では、近くの人とグラスを軽く合わせることが多いです。目上の人と合わせるときは、相手のグラスより少し低い位置で合わせると、ていねいな印象になります。遠くの席の人とは、無理に合わせずに、グラスを軽く上げて目を合わせれば十分です。
急に乾杯を頼まれたら、どうすればいいですか?
この記事の15秒の型を1つだけ覚えておくと安心です。どれも会の種類を選ばないので、急に振られてもそのまま使えます。迷ったら「3つのポイント型」がいちばん覚えやすく、言い間違えても笑いになります。
乾杯のあと、すぐに座ってもいいですか?
「乾杯」のあとにひと口飲み、拍手が落ち着いたら「ありがとうございました」と言って座ります。乾杯のすぐあとは、全体がまだ自分のほうを見ています。お礼の一言で区切ると、幹事も次へ進めやすくなります。
まとめ
- 面白い乾杯は「名乗り → 笑いの一言 → 乾杯」の15〜30秒にする
- 笑いの一言は、乾杯の直前に1つだけ置く
- 3つのポイント型、期待を外す型、主役を立てる型、みんなを巻き込む型から選ぶ
- 笑いが起きなくても、言い訳せずに「乾杯」と言い切る
- お酒をすすめる言葉や、主役が言われたくない話は入れない





