締めの挨拶で笑いを取るなら、手締めの説明に入る前に、軽い一言を1つだけ入れるのがコツです。笑いが静まってから「それでは」と声の調子を変えて打ち方を伝えれば、笑ったあとでも全員の手がきれいにそろいます。一本締めは「いよーっ」のあとに、パパパンを3回と最後にパンの10回です。
この記事では、締めの挨拶に使える面白い一言の例と、笑いを入れても手締めがそろう言い方、そのまま読める音頭のセリフを紹介します。一本締め・三本締めの違いも短くまとめました。
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締めの挨拶に笑いを入れるなら「手締めの前」に1つ
締めの挨拶は、1分ほどで次の順番に話すのが基本です。笑いの一言は、お礼のあと、手締めの説明の前に置きます。
| 順番 | 話すこと | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 1. お礼 | 集まってくれたことへのお礼 | 皆さん、今日は遅くまでありがとうございました |
| 2. 笑いの一言 | 会やお店、締めにちなんだ軽い一言 | 今日いちばん大きな拍手が起きたのは、デザートが来たときでした |
| 3. 前向きな一言 | 明日からのことや、主役へのはなむけ | 明日からも、この調子でいきましょう |
| 4. 手締めの説明 | 種類と打ち方 | 一本締めでまいります。パパパンを3回、最後にパンです |
| 5. 手締め | 音頭を取る | お手を拝借。いよーっ |
| 6. お開き | お礼と案内 | ありがとうございました |
笑いを手締めの直前に入れると、笑い声が残ったまま「いよーっ」を言うことになり、手がばらばらになりがちです。笑いのあとに前向きな一言を1つはさむと、会場が自然に落ち着き、手締めに向けて気持ちがそろいます。
締めの挨拶は、みんなが帰りの支度を気にし始めるころに話します。笑いは1つにして、長くても1分で切り上げるのが、聞く人へのいちばんの気づかいです。
締めの挨拶で笑いを取る一言の例
締めの笑いは、大笑いでなくてかまいません。「ふふっ」と笑って、いい気分で手を打てれば十分です。使いやすいのは、次の3つの型です。
会やお店のことを言う型
その日の会で、全員が見ていたことを題材にします。誰かの失敗ではなく、料理やお店、会の流れのような「みんなのこと」を選ぶと安心です。
| 題材 | 一言の例 |
|---|---|
| 料理 | 今日いちばん大きな拍手が起きたのは、デザートが来たときでした |
| お店の時間 | お店の方が、さきほどから時計を気にしていらっしゃいます |
| 会の盛り上がり | 2時間で、ふだんの1か月分くらい笑ったと思います |
| 季節 | 外は寒いですが、この部屋の中だけは、ずっと夏のようでした |
決まり文句に一言足す型
締めの挨拶には、「宴(うたげ)もたけなわではございますが」のような決まり文句があります。決まり文句をまじめに言いかけて、後ろに小さな一言を足すと、改まった言い方とのずれで笑いが起きます。
| 決まり文句(意味) | 一言足した例 |
|---|---|
| 宴もたけなわではございますが(盛り上がっている最中ですが) | 宴もたけなわ、唐揚げも残りわずかではございますが |
| 名残惜しいところではございますが(終わるのがさびしいのですが) | 名残惜しいところではございますが、明日も朝9時から会議がございます |
| 〇〇を祈念いたしまして(〇〇がかなうように願って) | 皆さまのご健康と、明日の朝の目覚めのよさを祈念いたしまして |
| お開きにいたします(会を終わりにします) | これにてお開きにいたします。会は締まりましたが、帰り道の気だけはゆるめずにお帰りください |
決まり文句は、1回の挨拶に1つか2つで十分です。全部を入れると堅くなりすぎるので、残りはふだんの言葉で話しましょう。
手締めそのものを使う型
締めの挨拶でしか使えない、手締めにちなんだ一言です。打ち方の説明とつながっているので、笑いのあとにそのまま手締めへ進めます。
一本締めは、全部で10回です。11回目を打った方には、次の飲み会のお店選びをお願いします。
一本締めの3・3・3・1は、「九」に点を足して「丸」になると言われています。今年の仕事も、これで丸く収めましょう。
ふだん私が締めているのはネクタイくらいですが、今日はしっかり締めさせていただきます。
1つ目は回数、2つ目は一本締めの意味、3つ目は「締める」という言葉にかけた一言です。どれか1つを選んで使ってください。
笑いのあとでも手締めがそろう言い方
笑いを入れた締めでよくある失敗は、笑い声が残ったまま音頭を取り、手がそろわないことです。次の順番で進めれば、笑いから手締めへの切りかえがうまくいきます。
- 笑いが起きたら、静かになるまで2〜3秒待つ
- 「それでは」と、声の調子を少し低く、ゆっくりに変える
- 立つか、座ったままかを伝える
- 手締めの種類と打ち方を、言葉で短く伝える
- 「お手を拝借(はいしゃく)」と言い、両手を胸の前に構えて見せる
- 「いよーっ」を長めに伸ばし、語尾の「っ」で一拍おいてから打つ
「お手を拝借」は、手を貸してください、という意味です。「お手を拝借」から先は、冗談を入れずに一息で言い切ると決めておきましょう。
それでは、お手を拝借。
あ、その前に、11回目を打った方は次の幹事です。
では、いよーっ。
一本締めは、全部で10回です。11回目を打った方には、次の幹事をお願いします。
(笑いが静まるのを待つ)
それでは、パパパンを3回、最後にパン、の一本締めです。
お手を拝借。いよーっ。
直す前の例は、構えた手を一度下ろさせてしまうので、そのあとの手締めがばらばらになります。笑いは「お手を拝借」の前に置き、構えてからは一気に進めます。
一本締め・一丁締め・三本締めの違い
手締めは、会が無事に終わったことを祝って、全員で手を打つことです。代表的な3つは、次のように使い分けます。
| 種類 | 手の打ち方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一丁締め | 「いよーっ」のあと、パンと1回 | 中締め、ほかのお客さんがいるお店、少人数の会 |
| 一本締め | 「いよーっ」のあと、パパパンを3回、最後にパン(10回) | 飲み会全般、歓送迎会、忘年会 |
| 三本締め | 一本締めを3回くり返す | 大きな宴会、記念の会、新年会 |
地域や職場によっては、1回だけ打つ一丁締めを「一本締め」と呼ぶこともあります。音頭を取るときは、種類の名前だけでなく、打ち方まで言葉で伝えましょう。
関西でよく見る「大阪締め」
「打ちまーしょ」「もひとつせ」「祝うて三度」と声をかけ、それぞれのあとに手を打つ手締めです。関西の会社や地域の行事で見かけたら、まわりに合わせて手を打てば大丈夫です。
音頭のセリフ(笑いの一言つき)
そのまま読めるセリフです。「締め役」が音頭を取る人です。〇〇は会の名前や自分の名前に入れかえてください。どちらも、笑いの一言を手締めの説明より前に置いています。
台本一本締めの音頭(約40秒)
締め役皆さん、そろそろお時間となりましたので、ここで締めさせていただきます。
締め役〇〇課の△△です。ふだん締めているのはネクタイくらいですが、今日は手締めで、しっかり締めさせていただきます。
(笑いが静まるのを待つ)
締め役それでは、恐れ入りますが、ご起立をお願いいたします。
締め役一本締めでまいります。「いよーっ」のあとに、パパパンを3回、最後にパン、です。
締め役皆さま、お手を拝借。
締め役いよーっ。
(全員で手を打つ。パパパン、パパパン、パパパン、パン)
締め役ありがとうございました。
(全員で拍手)
台本三本締めの音頭(約50秒)
締め役本日は〇〇の成功を祝いまして、三本締めで締めたいと思います。
締め役一本締めを3回くり返します。2回目で手が疲れた方も、3回目まではおつきあいください。
(笑いが静まるのを待つ)
締め役2回目と3回目の前に、私が「よっ」と声をかけます。
締め役それでは、お手を拝借。いよーっ。
(パパパン、パパパン、パパパン、パン)
締め役よっ。
(パパパン、パパパン、パパパン、パン)
締め役よっ。
(パパパン、パパパン、パパパン、パン)
締め役ありがとうございました。
(全員で拍手)
三本締めは、1回目が終わったらすぐに「よっ」と続けます。間があくと、手が下がってしまうからです。一丁締めなら、「一丁締めでまいります。お手を拝借。いよーっ」と言い、全員でパンと1回打って「ありがとうございました」で終わります。
場面別・笑って終われる締めの挨拶の例文
部長が締めるとき(約1分)
皆さん、今日は遅くまでありがとうございました。
宴もたけなわ、唐揚げも残りわずかではございますが、このあたりで締めたいと思います。
久しぶりにゆっくり話せて、ふだんは聞けない話をたくさん聞けました。
明日からも、今日のように声をかけ合いながら進めていきましょう。
では、一本締めでまいります。パパパンを3回、最後にパン、です。
皆さま、お手を拝借。いよーっ。
(一本締め)
ありがとうございました。
笑いは「唐揚げも残りわずか」の一言です。役職のある人が決まり文句を少し崩すと、それだけで場がやわらかくなります。
若手が締めを任されたとき(約30秒)
締めの音頭を任されました、入社〇年目の△△です。
大役に緊張していますが、手を打つ回数だけは、昨日の夜しっかり数えて練習してきました。
皆さんの今後のご活躍を願いまして、一本締めでまいります。
パパパンを3回、最後にパン、です。お手を拝借。いよーっ。
(一本締め)
ありがとうございました。
若手は、自分の緊張を正直に言う一言がいちばん笑いになります。目上の人をいじる冗談は、若手が言うと失礼に聞こえやすいので避けましょう。
送別会を締めるとき(約1分)
皆さん、本日はありがとうございました。
〇〇さん、長い間、本当にお世話になりました。
〇〇さんの机の観葉植物は、私たちで責任を持って育てます。水やりの当番表は、もう3人分できています。
〇〇さんに教わった「迷ったら、まず電話」は、これからも私たちの合言葉です。
新しい職場でも、〇〇さんらしく元気に過ごしてください。
それでは、〇〇さんの新たな門出を祝しまして、三本締めで締めたいと思います。
お手を拝借。いよーっ。
(三本締め)
ありがとうございました。
笑いは「観葉植物の当番表」です。主役が残していく物を題材にすると、主役も笑えて、そのあとのはなむけの言葉が温かく聞こえます。送る側の挨拶全体は「送別会の挨拶(送る側)例文」にまとめています。
ほかのお客さんがいるお店で(約30秒)
皆さん、今日はありがとうございました。
ほかのお客さまもいらっしゃるので、今日は一丁締めで、1回だけ打ちます。
1回しかありませんので、皆さん、気持ちは10回分こめてください。
お手を拝借。いよーっ。
(全員でパンと1回)
ありがとうございました。
手締めの音は、思ったより大きく響きます。個室でないお店では、一丁締めにするか、拍手で締めると気づかいが伝わります。忘年会の中締めの例文は「忘年会の挨拶の面白い例文」で紹介しています。
避けたい笑いと、手締めが乱れたときの一言
締めの挨拶は、全員が聞いている最後の場面です。次のような笑いは、会の終わりの気分を悪くしてしまうので避けましょう。
| 避けたい一言 | 理由 | 言いかえ |
|---|---|---|
| 「二次会に来ない人は、明日の仕事が増えます」 | 冗談でも、参加やお酒の強要に聞こえる | 「二次会に参加される方は、入口にお集まりください」 |
| 「〇〇さんの長いお話のおかげで、時間が押しました」 | 名前を出された人が恥をかく | 「たくさんのお話で、あっという間の2時間でした」 |
| 先に帰った人をネタにする | その場にいない人は言い返せない | 会に来た全員へのお礼 |
| 長い冗談やものまね | お店の時間が延び、片づけが遅れる | 笑いは1文で済ませる |
手締めがそろわなかったときも、笑いに変えて終われます。
(手がばらばらになったとき)「今のは練習です。本番、いきます」
(1回多く打った人がいたとき)「今の1回は、来年のぶんとして取っておきます」
(「いよーっ」の前に打ち始めた人がいたとき)「気持ちが先に出てしまいました。もう一度お願いします」
締めの音頭を頼まれたら確かめること
- 締めの時刻(お店を出る時間の10分前が目安)
- 手締めの種類と、その職場での呼び方
- 立って締めるか、座ったままか
- 個室かどうか(大きな音を出してよいか)
- 締めのあとに、幹事からお知らせがあるか
よくある質問
締めの挨拶は、誰に頼むものですか?
開会や乾杯を頼んだ人の次に役職が高い人に頼むのが一般的です。送別会では、送られる人と縁の深い人に頼むこともあります。挨拶の順番の決め方は、「歓送迎会の進行表と幹事のセリフ」で紹介しています。
笑いを入れるのが苦手です。入れなくてもいいですか?
入れなくても大丈夫です。締めの挨拶は、お礼と手締めがきちんとできれば十分です。笑いを入れるなら、決まり文句に一言足す型が、話すのが苦手な人でもいちばん言いやすい形です。
中締めと締めは、何が違いますか?
中締めは、会の途中でいったん区切りをつけることで、そのあとも残って話を続けられます。締めは、会そのものを終えることです。中締めは一丁締めや一本締めで軽く、会の終わりは一本締めや三本締めでしっかり、と使い分けると分かりやすくなります。乾杯で使える面白い一言は「乾杯の挨拶の面白い例文」にまとめています。
まとめ
- 締めの笑いは、お礼のあと、手締めの説明の前に1つだけ入れる
- 笑いが静まってから「それでは」と声を変え、打ち方を言葉で伝える
- 「お手を拝借」から先は、冗談を入れずに一息で言い切る
- 一丁締めは1回、一本締めは3・3・3・1の10回、三本締めは一本締めを3回
- 手締めが乱れたら、「今のは練習です」と笑いに変えてやり直す





