歓迎会で迎える側が面白い挨拶をするなら、笑いの題材は新しく来た人ではなく、自分自身か自分たちの職場にします。笑いで新人の緊張をほぐしてから、「分からないことは何でも聞いてください」と安心させる言葉を伝え、乾杯へつなげるのが基本の形です。長さは1分半ほどが目安です。
この記事では、幹事の開会の一言、上司の歓迎の挨拶(新入社員・中途入社・異動者)、乾杯の発声までの例文を、笑いの一言入りで紹介します。新人をいじらずに笑いを取る言い方と、緊張させない言い方もまとめました。
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迎える側の挨拶は「歓迎→紹介→職場の一言→安心させる言葉」で組み立てる
歓迎会では、幹事が会を開き、上司が歓迎の挨拶をして、そのまま乾杯へ進むのがよくある流れです。迎える側が話すのは、会の最初の数分に集中します。
| 順番 | 場面 | 話す人 | 長さの目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 開会の挨拶 | 幹事 | 30秒 |
| 2 | 歓迎の挨拶 | 部署の上司 | 1分〜1分半 |
| 3 | 乾杯 | 上司、または次の役職の人 | 20〜30秒 |
| 4 | 新しく来た人の挨拶 | 本人 | 1分ほど |
| 5 | 締めの挨拶 | 幹事、または上司 | 30秒〜1分 |
新しく来た人の挨拶は、乾杯のあと、少し場がなごんでから入れると、本人が話しやすくなります。本人が話す挨拶の例文は「歓迎会の挨拶(本人)面白い例文」にあります。会全体の進行表は「歓送迎会の進行表と幹事のセリフ」で確かめられます。
上司の歓迎の挨拶は、次の4つのパートで組み立てます。笑いを入れるのは、3つ目の「職場の一言」だけです。
| パート | 話すこと | 笑いを入れるなら |
|---|---|---|
| 1. 歓迎の言葉 | 「ようこそ」と、来てくれたことへの喜び | 入れない |
| 2. 紹介 | 名前と、前の部署や経歴を一言(本人に確かめた範囲で) | 入れない(本人のことは笑いにしない) |
| 3. 職場の一言 | 職場の雰囲気や、ちょっとした自慢 | ここに1つ。職場あるあるか、自分の失敗 |
| 4. 安心させる言葉 | 「何でも聞いてください」「まずは慣れることから」 | 入れない(まじめに言う) |
笑いのすぐあとに安心させる言葉を置くと、ほぐれた気持ちのところに大切な一言が届きます。紹介の部分で新しく来た人をネタにすると、本人は笑っていいのか分からず、かえって緊張してしまいます。
挨拶の前に、本人や幹事に確かめること
- 名前の読み方と、職場で呼ばれたい呼び方
- 紹介してよい経歴(前の会社名や、前の部署での仕事など)
- 乾杯の発声を誰がするか
- 本人に、挨拶をしてもらう順番を伝えてあるか
幹事の開会・締めの挨拶例文
〇〇には自分や上司の名前を、△△には新しく来た人の名前を入れてください。例文のあとに、どこが笑いの一言かを書いています。
開会の挨拶(約30秒)
皆さん、お疲れさまです。本日の幹事の〇〇です。
ただいまより、△△さんの歓迎会を始めます。
△△さん、ようこそ営業二課へ。今日は、課の全員がそろいました。
全員がそろうのは、去年の忘年会以来です。△△さんのおかげです。
かしこまった会ではありませんので、どうぞ肩の力を抜いて楽しんでください。
はじめに、〇〇課長から歓迎のご挨拶をお願いします。
笑いは「全員がそろうのは、去年の忘年会以来です」です。職場のことを少し大げさに言い、「△△さんのおかげです」と主役に戻すと、新しく来た人を自然に持ち上げられます。
新しく来た人が何人かいるときは、「新しく仲間になった3名の皆さんの歓迎会を始めます」と言います。名前は、上司の挨拶の中で1人ずつ紹介してもらいましょう。
会の締めの挨拶(約30秒)
歓迎会の締めは、新しく来た人へのもう一言で結ぶと、会の目的がはっきりします。
皆さん、そろそろお時間となりました。
△△さん、今日は来てくれてありがとうございました。少しは課の顔ぶれを覚えてもらえたでしょうか。
全員の名前を覚えられなくても大丈夫です。私も入って半年は、〇〇さんと□□さんを呼びまちがえていました。
明日からは、同じ職場の仲間として、どうぞよろしくお願いします。
それでは、これで歓迎会をお開きにします。皆さん、お疲れさまでした。
笑いは、幹事自身の「呼びまちがえていました」という失敗です。名前を覚えられるか不安な新人に、「覚えられなくても大丈夫」と伝える一言にもなっています。
上司の歓迎の挨拶例文
新入社員を迎えるとき(約1分半)
営業二課の課長の〇〇です。
△△さん、□□さん、入社おめでとうございます。そして、ようこそ営業二課へ。
二人が来てくれるのを、課のみんなで楽しみに待っていました。
最初の1か月は、覚えることが多くて大変だと思います。
でも、最初から全部できる人はいません。私も新人のころは、メモ帳を3冊使いきりました。そのうち1冊は、どこに置いたか忘れました。
分からないことは、遠慮なく誰にでも聞いてください。うちの課は、聞かれるとうれしくなる人ばかりです。
今日は仕事の話は少なめにして、みんなの顔と名前を覚えてもらえたらうれしいです。
笑いは「そのうち1冊は、どこに置いたか忘れました」です。課長が自分の失敗を先に言うと、新入社員は「失敗しても大丈夫そうだ」と感じられます。
中途入社の人を迎えるとき(約1分)
企画部の部長の〇〇です。
△△さん、ようこそ企画部へ。
△△さんは、これまで食品の会社で、商品づくりに長く関わってこられました。
私たちにはない目線を持っている方なので、気づいたことがあれば、どんどん教えてください。
その一方で、社内の決まりや、どの書類を誰に出すかといったことは、最初は戸惑うと思います。
実は私も、経費の書類はいまだに2回に1回、差し戻されています。
そこは私たちが助けますので、一人で抱えこまずに聞いてください。
これから一緒に仕事ができることを、楽しみにしています。
笑いは、部長の「2回に1回、差し戻されています」という一言です。中途入社の人は、仕事ができて当たり前と見られることに緊張しがちです。上の立場の人が小さな苦手を明かすと、聞きやすい空気が生まれます。
中途入社の人には「即戦力」という言葉を使いがちですが、言われた側には重く聞こえることがあります。経験への敬意と、「慣れるまでは助けます」という言葉をセットにしましょう。
異動してきた人を迎えるとき(約1分)
総務課の課長の〇〇です。
△△さん、ようこそ総務課へ。
これまで会議で何度かご一緒してきましたが、同じ課で働けるのは本当にうれしいです。
前の部署で現場を見てきた△△さんの経験は、総務の仕事にもきっと生きると思います。
総務課の自慢は、お昼休みの雑談がとてもにぎやかなことです。話題の半分は、近くのお弁当屋さんの日替わりメニューです。
仕事の話も雑談も、どうぞ気軽に輪に入ってください。これから、よろしくお願いします。
笑いは「話題の半分は、日替わりメニューです」という職場あるあるです。異動してきた人には、仕事の説明より、職場の空気が伝わる一言のほうが安心につながります。
乾杯の発声までのつなぎ方
歓迎の挨拶をした上司が、そのまま乾杯の発声をすることもあれば、幹事が別の人を指名することもあります。どちらの場合も、乾杯の前の言葉は短くまとめます。
それでは皆さん、グラスをお持ちください。
飲み物は、お茶でもジュースでもかまいません。グラスの中身より、声の大きさで歓迎しましょう。
△△さんの入社を祝して、そして、これからの営業二課に、乾杯。
〇〇課長、ありがとうございました。
続きまして、乾杯のご発声を、〇〇係長にお願いします。
皆さん、お手元の飲み物をお持ちください。
「飲み物は何でもかまいません」と一言添えると、お酒が飲めない人も気兼ねなく乾杯できます。「声の大きさで歓迎しましょう」は、お酒が飲めない人も一緒に笑える一言です。新しく来た人にお酒をすすめたり、お酌を求めたりするのはやめましょう。もう少しくだけた乾杯の一言は、「乾杯の挨拶の面白い例文」で紹介しています。
新しく来た人を緊張させない言い方
迎える側は励ますつもりでも、言われた側には重荷になる言葉があります。同じ気持ちでも、言い方を変えるだけで安心感が違います。
| 緊張させてしまう言い方 | 安心させる言い方 |
|---|---|
| 即戦力として期待しています | まずは職場に慣れることから始めてください |
| 前の担当の人は優秀だったから、頑張ってね | 〇〇さんのやり方で大丈夫です |
| じゃあ、何か面白いことを一つお願いします | 好きな食べ物を一つ教えてください |
| 恋人はいるの? 結婚の予定は? | 休みの日は、どんなふうに過ごしていますか |
| 飲めるんでしょう? もう一杯どう? | 飲み物は、好きなものを頼んでくださいね |
話を振るときは、好きなものや休日の過ごし方など、誰でも答えやすい質問にします。恋人や結婚、家族、出身校、前の職場の給料などの話題は、本人から話さないかぎり聞きません。
歓迎会で新人に出し物をしてもらう習慣がある職場もあります。やるかどうかは本人に前もって聞き、やりたくない人には無理にさせないようにしましょう。考え方は「新入社員の出し物はパワハラ?」にまとめています。
新人の緊張をほぐす笑いの入れ方
迎える側が笑いを入れるなら、題材は「自分たちの職場」か「自分自身」にします。新しく来た人をいじる笑いは、本人が言い返せない立場なので避けましょう。
使いやすい3つの型
| 型 | 笑いの一言 | 使いやすい人 |
|---|---|---|
| 自分の新人時代の失敗 | 私も入社した日は、自分の席が分からなくて、15分ほど廊下を歩き回りました | 上司、先輩 |
| 自分の新人時代の失敗 | 新人のころ、電話で自分の会社の名前をかんで、3回言い直しました | 先輩 |
| 職場あるある | うちの課は会議が短いのが自慢です。そのぶん、雑談が長めです | 上司 |
| 職場あるある | 午後3時になると、なぜか誰かの机にお菓子が集まります | 幹事、先輩 |
| 職場の予告 | 1週間もすれば、誰が引き出しにお菓子を隠しているか分かるようになります | 幹事 |
| 職場の予告 | 先に言っておきます。課長の私のダジャレには、笑わなくても大丈夫です | 上司 |
「職場の予告」は、新しく来た人がこれから知ることを、先にこっそり教える型です。笑いながら「この職場の一員になった」と感じてもらえるので、歓迎会にいちばん向いています。
新人をいじる一言は、自分の話に置きかえる
緊張している新人を見ると、ついその様子をネタにしたくなります。でも、指摘された本人はますます固くなってしまいます。笑いの矢印を自分に向けかえましょう。
△△さん、緊張していますね。顔がこわばっていますよ。
今日は主役なんですから、もっと笑ってください。
△△さん、きっと緊張していると思います。大丈夫です。
今この部屋でいちばん緊張しているのは、挨拶をしている私です。
直したあとの例は、緊張を「指摘」せずに「分かち合う」言い方です。上司が自分の緊張を笑いにすると、新しく来た人は肩の力を抜いてよいのだと受け取れます。
笑いは挨拶の中で1か所だけにして、そのあとは「何でも聞いてください」とまじめな一言につなげます。笑いが起きたら、新しく来た人のほうを見てほほえみ、静まってから次を話しましょう。
よくある質問
迎える人が何人もいるときは、どう紹介すればいいですか?
1人ずつ名前を呼び、前の部署や経歴を一言ずつ紹介します。紹介の長さは、全員同じくらいにそろえましょう。人数が多いときは、挨拶全体が2分を超えないように、職場の紹介の部分を短くし、笑いも1つにしぼります。
新しく来た人が、緊張してあまり笑っていません。
無理に笑わせようとしなくて大丈夫です。周りの人が楽しそうに笑っていれば、新しく来た人は「にぎやかな職場だ」と感じてくれます。挨拶のあとは、隣の席の人が好きな食べ物を聞くなど、答えやすい質問で話しかけましょう。
新人の歓迎会で、迎える側が出し物をしてもいいですか?
もちろんです。迎える側が出し物をすると、新しく来た人が「この職場は楽しそうだ」と感じるきっかけになります。新人が見ているだけで楽しめるネタは、「歓迎会の出し物(迎える側)」で紹介しています。
まとめ
- 迎える側の挨拶は「歓迎→紹介→職場の一言→安心させる言葉」の順に話し、乾杯へつなげる
- 笑いは「職場の一言」に1つだけ。題材は自分自身か自分たちの職場にする
- 新人の緊張はいじらず、「いちばん緊張しているのは私です」と自分に向けかえる
- 乾杯では「飲み物は何でもかまいません」と添え、お酒をすすめない
- 私生活の質問や、出し物の無理じいなど、新しく来た人が困ることはしない





