宴会芸の定番一覧|昔ながらの芸を今どきに直すコツと例

びょうぶの前の座布団に座り、扇子を広げて演じる着物姿の男性

宴会芸の定番は、「かくし芸」「なりきり芸」「体を使う芸」「ゲーム・お座敷遊び」の4つに分かれます。皿回しや手品のようなかくし芸は、今でもそのまま楽しめます。脱ぐ・飲ませる・誰かをいじる要素がある芸も、その部分を抜いて形を変えれば、今の職場で使えるものが多くあります。

この記事では、定番の宴会芸20種類を、今の職場で「そのまま使える」「直せば使える」「やめたほうがいい」に分けて紹介します。昔ながらの芸を今どきに直すコツと、直し方の例も3つまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 宴会芸の定番一覧
  2. 今の職場で避けたい5つの要素
  3. 昔ながらの芸を今どきに直す4つのコツ
  4. 直し方の例3つ
  5. 定番の芸をするときの確認
  6. よくある質問
  7. まとめ

宴会芸の定番一覧

昔から宴会で親しまれてきた芸を、4つの種類に分けました。「今の職場では」の列は、一般的な目安です。会社の雰囲気や参加する人に合わせて判断してください。

かくし芸(練習して見せる芸)

かくし芸とは、ふだんは見せない特技を、宴会の場で披露する芸のことです。人をいじる要素がないので、ほとんどがそのまま使えます。

芸どんな芸か今の職場では今どきに見せるなら
皿回し棒の先で皿を回し続けるそのまま使える割れない練習用の皿と棒を使う
南京玉すだれ竹のすだれを伸ばして、橋や釣りざおの形を作るそのまま使える形を作るたびに、職場の物に見立てる一言を足す
手品トランプや輪ゴムで不思議を見せるそのまま使える刃物や火を使うものは避ける
けん玉・こま回し技を決めて見せるそのまま使える技の前に「成功したら拍手を」と会場を巻きこむ
腹話術人形と会話をして見せるそのまま使える人形に、人の悪口を言わせない
詩吟・民謡声を張って吟じたり歌ったりするそのまま使える短めにして、意味を一言そえる

なりきり芸(まねて笑わせる芸)

なりきり芸は、まねる相手や題材しだいで、人を傷つける笑いになりがちです。誰をまねるか、何を笑いにするかを直せば、今でも十分に盛り上がります。

芸どんな芸か今の職場では今どきに直すなら
ものまね有名人や身近な人のまねをする直せば使える同僚や上司ではなく、動物・物・職業のまねにする
寸劇(時代劇・昔話)決まった筋の話を、役に分かれて演じるそのまま使える職場のあるあるを話に混ぜる
女装・男装別の性別の格好をして、そのおかしさで笑いを取るやめたほうがいい性別を笑いの種にせず、職業や季節の仮装に変える
替え歌知っている歌の歌詞を、職場の話に変える直せば使える人をからかう歌詞にしない。動画で公開しない

職業や季節の仮装は「忘年会の仮装のアイデア」に、歌を使わずにリズムで笑わせる方法は「リズムネタの作り方」にまとめています。

体を使う芸

体を使う芸は、脱ぐ芸や危ない芸と、今でも楽しめる踊りに、はっきり分かれます。

芸どんな芸か今の職場では今どきに直すなら
腹芸・腹踊りお腹に顔を描き、お腹を動かして表情を見せる直せば使える服の上から、顔を描いた画用紙を当てる(下で紹介)
裸踊り服を脱いで踊るやめたほうがいい衣装を着た踊りに変える
どじょうすくい民謡に合わせ、ざるでどじょうをすくうしぐさで踊るそのまま使える衣装は手ぬぐいとざるで十分。ふざけすぎず、楽しんで踊る
人間ピラミッド・組体操何人かで体を組んで、形を作るやめたほうがいい立ったまま並んで、体で文字を作る形にする

ゲーム・お座敷遊び

宴会のゲームやお座敷遊びは、罰としてお酒を飲ませたり、服を脱がせたりする決まりがついていることがあります。罰の部分を外すと、遊びそのものは楽しく続けられます。

芸どんな遊びか今の職場では今どきに直すなら
野球拳じゃんけんで負けた人が、服を脱いでいく直せば使える脱ぐのではなく、小物を「着ていく」(下で紹介)
王様ゲームくじで王様になった人が、ほかの人に命令する直せば使える命令ではなく質問を引く形にし、答えたくなければパスできる
二人羽織1枚の羽織に2人で入り、後ろの人の手で食べさせる直せば使える食べ物を使わず、名刺交換などにする(下で紹介)
一気飲み・飲み比べお酒を一度に飲み干したり、量を競ったりするやめたほうがいいお酒を使わない遊びに変える
負けたら飲むお座敷遊び勝負に負けた人が、お酒を飲む直せば使える勝負はそのままに、「飲む」罰をなくす
早食い・大食い食べる速さや量を競うやめたほうがいいのどに詰まらせる危険があるので、行わない

今の職場で避けたい5つの要素

一覧で「やめたほうがいい」「直せば使える」とした芸には、次の5つの要素のどれかが入っています。新しく芸を考えるときも、この5つが入っていないかを確かめましょう。

  1. 脱ぐ:見たくない人がいるうえ、セクハラになることがある。写真や動画に残る心配もある
  2. 飲ませる:命にかかわる危険があり、断りにくい人に無理をさせてしまう
  3. いじる:見た目・年齢・性別・出身・失敗をからかうと、言われた人も周りも笑えない
  4. 断れない:「新人だから」「若手の仕事だから」と押しつける。命令や罰に、いやでも従わせる
  5. 危ない:火・刃物・割れ物を使う、体を組む、熱い物や食べ物を急いで口に入れる

「昔はみんなやっていた」は理由にならない

昔は当たり前だった芸でも、今は見ている人の受け取り方が変わっています。とくに脱ぐ・飲ませる芸は、頼んだ側の責任を問われることもあります。強く求められて困っているときは、「新入社員の出し物はパワハラ?」の考え方と相談先を参考にしてください。

昔ながらの芸を今どきに直す4つのコツ

昔ながらの芸は、骨組みを残して、困る部分だけを入れかえると、今どきの芸に生まれ変わります。

「脱ぐ」を「着る」「描く」に変える

脱ぐ芸の笑いは、「だんだん姿が変わっていく」おかしさにあります。この骨組みは、脱ぐかわりに「着ていく」「紙に描いて当てる」でも作れます。服を着たままなので、見ている人も安心して笑えます。

「飲ませる」を「当てる」「選ぶ」に変える

飲ませる遊びの楽しさは、勝ち負けのどきどき感です。罰でお酒を飲むかわりに、勝った人が景品を選べる、負けた人が次のお題を決める、といった決まりにすると、盛り上がりはそのまま残ります。

「人をまねる」を「物・職業・動物をまねる」に変える

ものまねの面白さは、特徴をつかんで大げさに見せるところにあります。題材を、その場にいる人から、自動ドアやペンギン、寿司職人などに変えれば、誰も傷つけずに同じ笑いが取れます。

「1人にやらせる」を「やりたい人と全員で」に変える

誰かに押しつけた芸は、どんなに面白くても、見ている人が心から笑えません。出る人は手を挙げた人だけにして、会場の全員が手拍子や掛け声で参加できる形にすると、場が温かくなります。

直し方の例3つ

ここからは、一覧で「直せば使える」とした芸の中から、3つを今どきの形に直した例を紹介します。

例1:腹芸を「画用紙の腹芸」に

昔の腹芸は、お腹に顔を描いて見せる芸です。今どきの形では、画用紙に顔を描き、服の上からお腹に当てます。画用紙を半分に折って口にすると、腹話術のように「お腹の顔」と会話ができます。

台本画用紙の腹芸(約30秒)

(顔を描いた画用紙をお腹に当てて、前に出る)

自分今年1年、よく働きました。

お腹の顔(画用紙の口をぱくぱく動かし、低い声で)うむ。よくがんばった。

自分……お腹にほめられました。

お腹の顔ただし、お昼ごはんを抜いた日が多かった。

自分……すみません。来年は、お腹の声をちゃんと聞きます。

(画用紙の顔と一緒に、深くおじぎをする)

時間
30秒
人数
1人
準備物
画用紙1枚、太いペン
難しさ
★

例2:野球拳を「着ていくじゃんけん」に

宴会で知られる野球拳は、じゃんけんで負けた人が服を脱いでいく遊びです。今どきの形では、負けた人が、用意した小物を1つずつ「着ていき」ます。出る人は全員で司会とじゃんけんをし、負けた人が小物を1つ着て、誰か1人が4つすべてを着たら終わりです。帽子、マフラー、手袋、はんてん、と重ねるうちに、だんだん着ぶくれていく姿に笑いが起きます。

最後に、いちばん着こんだ人に「あったかいで賞」として景品を渡すと、負けた人がいちばん得をする、楽しい終わり方になります。出る人は希望者だけにし、着る物は、帽子やマフラーのように、着ても恥ずかしくない物を選びましょう。

時間
5分
人数
希望者2〜4人と司会1人
準備物
帽子・マフラー・手袋・はんてんなどの小物を、出る人の数×4つ
難しさ
★

例3:二人羽織を「二人羽織の名刺交換」に

昔の二人羽織は、後ろの人の手で、前の人にうどんなどを食べさせる芸です。熱い物や汁物は、やけどや服の汚れが心配です。今どきの形では食べ物を使わず、名刺交換をします。

前の人がていねいに挨拶し、後ろの人の手が名刺を出します。名刺を逆さに出す、相手の名刺を受け取りそこねる、受け取った名刺で自分の顔をあおぐ、とずれていくところが笑いどころです。最後は前の人が「……今後とも、よろしくお願いいたします」と深く頭を下げ、後ろの人の手がなぜか拍手をして終わります。

時間
1〜2分
人数
3人(二人羽織の2人と、名刺を受け取る相手)
準備物
大きめの上着1枚、名刺数枚
難しさ
★★

二人羽織で、フリップをめくりながら来年の目標を発表する形は、「忘年会の出し物を2人でやるなら」で紹介しています。

定番の芸をするときの確認

昔ながらの芸を今どきに直したら、本番の前に、幹事と一緒に次のことを確かめておきましょう。

前もって確かめること

  • 出る人が、自分からやりたいと言っているか
  • 中身に、脱ぐ・飲ませる・いじる要素が入っていないか
  • 会場で使ってよい物か(火、水、紙吹雪、大きな音など)
  • 写真や動画の決まり(出る人の了解を取る、SNSに上げない)を共有しているか
  • 衣装や道具の費用を、出る人だけに払わせていないか

よくある質問

上司に「昔は裸踊りくらいやったものだ」と言われたら?

笑顔で「今日は、こちらでいきます」と答え、服を着たままできる芸を出してしまうのがいちばんです。腹芸を画用紙の腹芸に直すように、昔の芸の「今どき版」を見せると、上司も一緒に楽しんでくれることが多いものです。それでも脱ぐ芸を求められたら、はっきり断ってかまいません。

どじょうすくいのような伝統の踊りは、今やっても大丈夫ですか?

大丈夫です。地域で大切に受けつがれてきた踊りなので、ふざけすぎず、楽しんで踊るのがいちばんの礼儀です。踊りの手順を覚えるのが大変なら、最初の1分だけを覚えて、残りは会場の手拍子にまかせる形でも十分に盛り上がります。

宴会芸そのものが、時代に合わない気がします。

そう感じる人も増えています。芸をやめて、全員で遊ぶゲームや表彰に切りかえる職場もあります。余興の代わりになる企画と、変更を提案するときの文例は、「忘年会の余興は時代遅れ?」にまとめています。

まとめ

  • 宴会芸の定番は、かくし芸・なりきり芸・体を使う芸・ゲームとお座敷遊びの4つ
  • 皿回しや手品などのかくし芸は、今でもそのまま使える
  • 脱ぐ・飲ませる・いじる・押しつける・危ない、の5つの要素は抜く
  • 骨組みを残して「脱ぐ→着る」「飲ませる→選ぶ」と入れかえると、今どきの芸になる
  • 出る人は希望者だけにし、幹事と中身を前もって確かめる
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