リズムネタの作り方|拍に言葉を乗せるコツとオリジナルの例

手拍子をする女性と、ウッドブロックを打ちながら踊る男性

リズムネタは、手拍子などの一定の拍に短い言葉を乗せ、同じ形を3回くり返してから、4回目で外して笑わせる芸です。毎回同じ「決めのフレーズ」とポーズで区切ると、客席が覚えて一緒に楽しんでくれます。

この記事では、拍に言葉を乗せるコツ、くり返しと外しの組み立て、決めのフレーズの作り方を説明します。既存の曲を使わず、手拍子だけでできるオリジナルの例も紹介します。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. リズムネタは「拍・くり返し・外し・決め」でできている
  2. 拍に言葉を乗せるコツ
  3. くり返しと「外し」の組み立て
  4. 決めのフレーズの作り方
  5. オリジナルのリズムネタ「出かける前の指さし確認」
  6. 既存の曲を使わない理由と、音の作り方
  7. 練習のしかた
  8. よくある質問
  9. まとめ

リズムネタは「拍・くり返し・外し・決め」でできている

拍とは、手拍子や足ぶみで刻む、同じ間かくの合図のことです。リズムネタでは、手拍子4回分(4拍)を1つのまとまりとして組み立てます。

部品役目例
拍ネタ全体の速さと形を決める手拍子4回で1行
くり返し同じ形を重ねて、客席に次を予想させる「かぎ、よし」「さいふ、よし」
外し予想をずらして笑いを取る4行目「くつ……はいてない」
決めのフレーズ毎回同じ言葉とポーズで区切る「出かける前に、指さし確認」

リズムがあると、客席は自然に次の言葉を予想しながら聞いてくれます。予想しやすい形を作ってから、1か所だけ外すのが、リズムネタの笑いの仕組みです。

拍に言葉を乗せるコツ

音の数を数える

言葉を拍に乗せるときは、文字ではなく「音」の数で考えます。小さい「ゃ・ゅ・ょ」は前の字とまとめて1音、小さい「っ」と、のばす「ー」、「ん」はそれぞれ1音と数えます。

言葉音の数数え方
かぎ2か・ぎ
スマホ3ス・マ・ホ
ハンカチ4ハ・ン・カ・チ
きょう2きょ・う
ちょっと3ちょ・っ・と
ケーキ3ケ・ー・キ

4拍には、4〜8音を乗せるのが目安です。1拍に1音ならゆったり、2音なら軽快に聞こえます。

4拍への乗せ方の例

下の表は、1行を4拍に分けた例です。最後の4拍目で手拍子の代わりに指さしをすると、行の終わりがはっきりします。4行目は、2拍目をためにあてて、外す言葉の前に一瞬の間を作っています。

行1拍目2拍目3拍目4拍目
1行目かぎよし(指さす)
2行目さいふよし(指さす)
3行目スマホよし(指さす)
4行目くつ……(ため)はいてない

言葉が合わないときの直し方

  • 音が足りないときは、のばす(「かーぎ」)か、「ほら」など短い言葉を足す
  • 音が多すぎるときは、短い言い方に変える(「スマートフォン」を「スマホ」に)
  • いちばん聞かせたい言葉は、4拍目にくるように並べる
  • 早口にしないと入らない言葉は、思いきって別の言葉に替える

くり返しと「外し」の組み立て

基本は、同じ形を3回くり返して、4回目で外す形です。1回目で形を見せ、2回目で覚えてもらい、3回目で客席が次を予想し始めます。くり返しで笑いを大きくする考え方は、「天丼のやり方」でも紹介しています。

外し方には、言葉、リズム、動きの3つがあります。1本のネタの中で外し方を変えると、最後まで飽きられにくくなります。

外し方やり方例
言葉で外す同じ形のまま、言葉だけずらす「スマホ、よし」のあとに「くつ……はいてない」
リズムで外す4回目だけ手拍子を止める、急にゆっくりにする4行目の前で手拍子を止め、2拍だまる
動きで外す4回目だけポーズを変える前を指さすはずが、自分の顔を指さす

1分のネタの組み立て

1分のリズムネタなら、4行と決めのフレーズを1つのまとまり(1番)にして、3番まで作ると収まります。

部分長さすること
出だし8拍手拍子だけで、速さを客席に伝える
1番4行+決め3回くり返して、4回目で外す
2番4行+決めお題を変えて、別の外し方をする
3番4行+決め1番の言葉をもう一度使って外す
締め8拍ほど決めのフレーズを、少し変えてゆっくり言う

決めのフレーズの作り方

決めのフレーズは、ネタの区切りごとに毎回同じ言葉とポーズで言う、短い一言です。客席が一緒に言いたくなるほど、ネタの印象が残ります。

  • 8拍以内で言える長さにする
  • 指さしや手を広げるなど、ポーズとセットにする
  • 毎回同じ言葉で言い、最後の1回だけ少し変える
  • 声に出して言いやすい音を選ぶ(語尾をそろえる、同じ音をくり返す)
  • 既存の歌の一節や、芸人さんの決めぜりふを借りない
決めのフレーズの例合うテーマ
「出かける前に、指さし確認」忘れ物、出かける前のしたく
「それでも明日は、やってくる」小さな失敗のあるある
「ちょっと待って、まだ月曜」職場や学校の1週間
「わかる人だけ、手をたたいて」あるある全般(客席も参加できる)
「きょうも元気に、ねむいです」朝のしたく、寝不足

テーマは、誰もが知っている場面から選ぶと、言葉をすぐ分かってもらえます。場面の見つけ方は「あるあるネタの作り方」が参考になります。

動きは2つだけ決める

動きをたくさん入れると、言葉と拍がずれやすくなります。くり返す行で使う動きを1つ、決めのフレーズのポーズを1つ決めれば十分です。

  • くり返す動き:4拍目で指さす、手を1回たたくなど、小さく同じ動き
  • 決めのポーズ:両手を前に出す、片手を上げるなど、止まって見せる大きな動き
  • 外しの行だけは、決めた動きをわざとやらないか、別の動きに変える

オリジナルのリズムネタ「出かける前の指さし確認」

手拍子だけでできる、約1分のリズムネタです。1行を4拍で言い、「よし」の所で前を指さします。かっこの中は動きです。

時間
約1分
人数
1人
準備物
なし(手拍子と足ぶみ)
難しさ
★★
例文出かける前の指さし確認(約1分)

(手拍子だけを8拍。パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン)

かぎ、よし(指さす)
さいふ、よし(指さす)
スマホ、よし(指さす)
くつ……はいてない(足もとを見て固まる)
出かける前に、指さし確認(両手で前を指さすポーズ)

まど、よし(指さす)
ガス、よし(指さす)
でんき、よし(指さす)
(手拍子を止めて、2拍だまる)
きょうは……日曜日(カレンダーを見るしぐさのまま固まる)
出かける前に、指さし確認(ポーズ)

かさ、よし(指さす)
ハンカチ、よし(指さす)
えがお、よし(自分の顔を指さす)
かぎは……家の中(ドアを閉めたあと、ポケットを探って固まる)
(手拍子をゆっくりにして)
出かける前に……もう一回、指さし確認(ゆっくり指さし、そのまま止まる)

このネタの組み立て

1番は言葉で外し、2番は手拍子を止めてから「そもそも出かけなくてよい」と外して、外し方を変えています。3番では、1番の最初に出てきた「かぎ」に戻って外し、最後の決めのフレーズだけ「もう一回」を足しています。

既存の曲を使わない理由と、音の作り方

リズムネタというと、知っている曲に合わせたくなります。ただ、曲のメロディや歌詞には著作権があり、替え歌も含めて、使える場面がかぎられます。

とくに動画で公開すると、問題になりやすくなります。くわしくは「漫才のネタに著作権はある?」を見てください。

音は、次のように自分で作れば安心です。

  • 手拍子と足ぶみだけで刻む(いちばん手軽)
  • 机をたたく、ペットボトルを振るなど、身近な物の音を使う
  • カスタネットやタンバリンなど、簡単な打楽器を自分で鳴らす
  • 音源を使うなら、利用規約で使ってよいと書かれた素材を選び、会場や動画の場所のルールも確かめる

練習のしかた

リズムネタは、言葉より先に、拍を一定に保つ練習から始めます。

  1. 手拍子だけを、同じ速さで1分続ける(メトロノームの機能を使うと分かりやすい)
  2. 言葉だけを、手拍子に合わせて言う
  3. 指さしなどの動きを足す
  4. 外しの前のためと、決めのポーズで止まる長さを決める
  5. スマホで録画し、途中で速くなっていないかを見る

速さは、ゆっくり歩くくらいが目安です。本番は緊張で速くなりがちなので、練習のときより少しゆっくり始めると、ちょうどよい速さになります。

本番の前に確かめること

  • 既存の曲やメロディを使っていないか
  • 4回目の外しの前に、ためがあるか
  • 決めのフレーズとポーズが、毎回そろっているか
  • 客席に手拍子をお願いするなら、その合図を決めたか

よくある質問

リズム感に自信がありません。

手拍子を同じ速さで続けられれば、十分に作れます。最初はゆっくりの速さで作り、慣れてから少しずつ速くしましょう。外しの前に手拍子を止める「リズムで外す」形は、速さがずれても笑いになりやすい形です。

2人以上でもできますか?

できます。1人が「かぎ」と言い、もう1人が「よし」と返す掛け合いにすると、2人のネタになります。大人数なら、決めのフレーズだけを全員でそろえて言うと、まとまって見えます。

ショート動画にも向いていますか?

向いています。30秒の動画なら、出だしと1番、締めの決めのフレーズだけにまとめましょう。動画のネタの探し方は「ショート動画のネタ一覧」も参考になります。

まとめ

  • リズムネタは、拍に言葉を乗せ、3回くり返して4回目で外す芸
  • 言葉は音の数で考え、4拍に4〜8音を乗せる
  • 外し方は、言葉・リズム・動きの3つ。番ごとに変えると飽きられにくい
  • 決めのフレーズは8拍以内で、ポーズとセットにし、最後だけ少し変える
  • 既存の曲は使わず、手拍子や身近な物の音で拍を作る
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