文化祭の漫才は、全校の誰もが知っている「学校あるある」を題材にすると、生徒にも先生にも保護者にも伝わります。この記事では、そのまま使える3分のオリジナル台本「理想の時間割」を紹介します。自分たちで台本を作る手順と、体育館で声を届けるコツもまとめました。
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文化祭の漫才で最初に決めること
台本を書く前に、出る場所と条件を確かめておきましょう。体育館の舞台と教室では、ネタの選び方も声の出し方も変わります。分からないことは、文化祭の実行委員か担当の先生に聞いておきます。
実行委員や先生に確かめること
- 持ち時間は何分か(登場と退場の時間も入るか)
- 会場は体育館か教室か
- マイクはあるか(スタンドマイクか、手に持つマイクか、何本か)
- お客さんは生徒だけか、保護者や地域の人も来るか
- 台本を先生に見せる決まりがあるか
持ち時間が分かったら、台本の長さを決めます。人前で話す速さは1分250〜300字ほどなので、3分ならセリフは750〜900字くらいが目安です。
そのまま使える3分の台本「理想の時間割」
Aがボケ(わざとずれたことを言う役)、Bがツッコミ(ずれを指摘する役)です。名前とクラス(〇〇)や「俺」などの言い方を、自分たちに合わせて書きかえて使ってください。
- 時間
- 約3分
- 人数
- 2人
- 準備物
- マイク(スタンドマイクなら1本)
- 難しさ
- ★★
台本理想の時間割(約3分)
(2人で舞台の中央のマイクの前に出る)
Aどうもー、2年〇組の〇〇です。
B〇〇です。2人合わせて「〇〇〇〇」です。よろしくお願いします。
Aいやあ、文化祭、盛り上がってますね。
B盛り上がってますね。
A俺ね、前から思ってることがあるんですよ。
B何?
A時間割って、もっと楽しくできると思うんです。
B時間割?
A月曜の1時間目から数学って、きつくない?
Bまあ、週の始まりからはきついね。
Aだから、理想の時間割を作ってきました。
B作ってきたんだ。じゃあ聞かせてよ。
A月曜日の1時間目。「朝ごはん」。
B家で食べてこいよ。
A食べる時間がないから、学校で食べるの。
Bそこは早く起きようよ。
A2時間目。「昼寝」。
B朝ごはんの次で、もう寝るの?
Aお腹いっぱいになったら、眠くなるでしょ。
B食べて寝てるだけじゃん。
A3時間目。「購買のパンを、先に選べる時間」。
Bもう授業じゃなくなってる。
A4時間目のあとに走っても、人気のパンはもうないんだよ。
Bそれは分かる。
A火曜日の1時間目は、「席替え」。
B毎週やるの?
A毎時間やる。
B落ち着かないわ。自分の席が分からなくなる。
A2時間目は、「席替えの感想を言い合う時間」。
B1時間もいらないよ。
Aみんなで「えー」って言う時間が要るんですよ。
B……それはちょっと分かる。
A水曜日は、1日中体育。
B体力もつ?
Aただし、ずっと準備運動。
B準備しかしてないじゃん。いつ始まるの。
A木曜日は、テスト。
Bお、そこはちゃんとしてるんだ。
Aただし、問題は前の日に配る。
Bそれ、答えを書いてくるだけじゃん。
A答えも配る。
Bじゃあ当日は何するの。
A写す。
Bただの書き写しの時間!
A金曜日は、1時間目から6時間目まで、全部「帰りの会」。
B長いわ。6時間も何を話すの。
A「今週、誰がいちばんがんばったか」を、1人ずつ発表する。
B……え、ちょっといいじゃん。
Aでしょ。
B急にいい話にするなよ。
Aで、土曜日。
B土曜日もあるの?
A「文化祭」。
B今日じゃん。
A1時間目、「漫才」。
B今やってるよ。
Aということは、今日だけは理想の時間割どおりってことです。
B月曜から金曜まで、全部ちがうから。もういいよ。
A・Bどうも、ありがとうございました。
(2人で一礼して下がる)
この台本は、月曜から木曜までボケを少しずつ大きくし、金曜日で一度いい話にしています。最後の土曜日で「今日」と「今の舞台」につなげるのがオチです。その場にいる人だけが分かる笑いは、文化祭のような行事でとくに強くなります。
自分たちの学校用に直すコツ
曜日ごとのボケは、自分たちの学校で本当にある行事や名物に入れかえてかまいません。そのとき、特定の先生や生徒の名前を出して、からかう形にはしないでください。
学校あるあるで台本を作る手順
自分たちで1から作りたいときは、次の順番で進めると、3分の台本が書き上がります。
- 全校の誰もが知っている「学校あるある」を10個書き出す
- その中から、話を広げやすいものを1つ選んで本題にする
- 「理想の〇〇を発表する」「〇〇のやり方を教える」のような形を決める
- ボケを、小さいずれから大きいずれへ並べる
- 最後は、文化祭の当日や会場につながる一言で締める
- 声に出して読み、持ち時間に収まるように削る
チャイムが鳴る前に、教科書を片づけはじめる
配られたプリントが、なぜか1枚足りない
テスト前だけ、休み時間がやけに静か
体育館の床が、上履きで「キュッ」と鳴る
席替えのくじを引く前に、なぜか手を合わせる
日直が、黒板の日付を前の日のままにしている
あるあるの見つけ方は「あるあるネタの作り方」で紹介しています。ボケの並べ方は「漫才の台本の書き方」が参考になります。
題材にしないほうがよいこと
特定の先生や生徒の名前、見た目、成績、恋愛の話は、身内でどんなに盛り上がっても使いません。会場には本人も家族もいます。「その人が客席で笑って聞けるか」を基準にしましょう。
テレビや動画のネタをそのまま使わない理由
人気のネタをそのまま演じれば楽に思えますが、文化祭ではおすすめしません。理由は次の4つです。
- 元のネタを知っている人には、オチが先に分かってしまう
- プロのネタは、その芸人さんの声や間に合わせて作られていて、別の人が演じると面白さが伝わりにくい
- ネタは作った人の作品なので、演じた様子が動画で広まると、問題になることがある
- 自分たちの学校の話のほうが、会場の全員に伝わる
参考にしてよいのは、「理想の〇〇を発表する」のような型までです。型は借りても、中身は自分たちの言葉で書くと覚えておきましょう。ネタと著作権の関係は「漫才のネタに著作権はある?」で説明しています。
体育館で声を届けるコツ
体育館は天井が高く、声が響いて言葉がにじみやすい場所です。教室で練習したときより、ゆっくり、語尾まではっきり話すことを意識しましょう。
- マイクは口からこぶし1つ分ほど離し、正面から話す
- スタンドマイク1本なら、2人とも近くに立ち、話すほうが少し前に出る
- 客席のいちばん後ろの壁に話しかけるつもりで、顔を上げる
- 笑いが起きたら、少し静かになるまで次のセリフを待つ
- 大声を張り上げるより、言葉の区切りをはっきりさせるほうが聞き取りやすい
マイクの高さや2人の立ち方は「漫才の立ち位置とマイクの使い方」が参考になります。
本番前のリハーサルで確かめること
- マイクの高さと、2人の立ち位置
- 友達に客席のいちばん後ろに立ってもらい、声が届くか
- どちらの袖から出て、どちらへ下がるか
- 出番の前に待つ場所と、合図を出す人
本番までの練習の進め方
文化祭の準備期間は、クラスの出し物や部活と重なって忙しくなります。3週間前から始めれば、1回20〜30分の練習でも間に合います。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3週間前 | 台本を決め、名前や行事を自分たち用に書きかえる。先生に見せる |
| 2週間前 | 座って台本を読み合わせる。毎回、時間を測る |
| 1週間前 | 台本を見ずに通す。立ち位置と、登場・退場のしかたを決める |
| 前日まで | 本番の会場でリハーサルをし、後ろの席まで声が届くか確かめる |
| 当日 | 出番の前に、最初の3行だけ小さな声で合わせる |
登場は小走りで出てマイクの前で止まると、それが始まりの合図になります。最後の「ありがとうございました」は2人の声をそろえ、一礼してから下がりましょう。衣装は、制服やクラスTシャツのままで十分です。
よくある質問
2人とも人前で話すのが苦手です。
最初のセリフを、本番と同じ声の大きさで何度も練習しておくと、出だしでつまずきにくくなります。早口になりやすい人は、「ゆっくり話す」だけを目標にしてください。笑いは、聞き取れて初めて起きます。
台本は先生に見せたほうがいいですか?
学校の決まりがあれば、それに従います。決まりがなくても、題材に問題がないかを見てもらえるので、見せておくと安心です。
持ち時間が5分あるときは、どうすればいいですか?
この台本なら、土曜日の前に、行事が多い月の「特別な時間割」をはさむ方法があります。本題を1つ足して、ボケを4〜5個増やすと、5分ほどになります。
まとめ
- 文化祭の漫才は、全校が分かる学校あるあるで作る
- 台本は「本題を決める→ボケを並べる→今日につながるオチ」の順で作る
- テレビや動画のネタはそのまま使わず、型だけ借りて自分たちの言葉で書く
- 体育館では、ゆっくり・語尾まではっきり話し、笑いが静まるまで待つ






