小学生が演じるコントは、1本1〜2分、登場人物2〜5人、セリフは1回10〜20字ほどの短いものが向いています。この記事では、お楽しみ会や発表会でそのまま使える台本を3本紹介します。先生や保護者が練習を見るときのコツと、子どもと一緒にオリジナルを作る方法もまとめました。
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小学生のコント台本を選ぶポイント
3本の台本は、人数と長さがちがいます。出る人数と、練習に使える時間に合わせて選んでください。
| 台本 | 人数 | 時間 | 向いている学年 | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| そうじ名人 | 2人 | 約1分 | 低学年から | 大きな動きとポーズ |
| ちょっとだけまほうつかい | 3人 | 約1分半 | 中学年から | 同じ形のくり返しと、客席への呼びかけ |
| にんじゃ学校のテスト | 5人から | 約2分 | 中学年から | 全員で動く最後の場面 |
迷ったときは、子どもが「やってみたい」と言った台本を選ぶのがいちばんです。低学年に渡すときは、ひらがなに直したり、ふりがなをつけたりしてください。
3本に共通する決まり
出る人全員にセリフと見せ場があること、友だちの名前や見た目をネタにしないことの2つです。自分たちで書きかえるときも、この2つは守りましょう。
台本1「そうじ名人」(2人・約1分)
自分のことを「そうじ名人」だと言う子が、かっこいい技を見せるのに、ちっともそうじが進まないコントです。動きが大きいので、低学年でも楽しく演じられます。
- 時間
- 約1分
- 人数
- 2人
- 準備物
- ほうき、ちりとり
- 難しさ
- ★
台本そうじ名人(約1分)
(教室。Bがほうきで床をはいている。Aがほうきを持って、いきおいよく出てくる)
Aまかせなさい。そうじ名人、ただいま参上。
Bそうじ名人?
A(ほうきを大きくかまえる)この教室を、3秒でピカピカにしてみせよう。
Bほんとに? じゃあ、お願い。
Aそうじの技、その1。「つむじ風ばき」。
(Aがその場でくるっと1回まわり、床を1回だけはく)
B……1回しかはいてないよ。
Aその2。「ちりとり返し」。
(Aがちりとりを持って、かっこよくポーズをとる)
Bポーズだけじゃん。ごみ、入ってないよ。
Aその3。ひっさつ技。
Bひっさつ技?
A「みんなでやれば、すぐおわる」。
(Aが客席に向かって、「いっしょにやろう」と手まねきする)
Bそれ、ただのお願いだよ。
Aでも、ほんとうのことだよ。
B……たしかに。じゃあ、2人でやろう。
A・Bそうじ名人、2人になりました。
(2人で並んで、ほうきをはくまねをしてから一礼)
ほうきは、人に向けてふり回さないことを、練習の前に約束しておきましょう。ポーズは、体の正面ではなく、ななめ上に向けると安全で、客席からもよく見えます。
台本2「ちょっとだけまほうつかい」(3人・約1分半)
まほうつかいが出てきますが、まほうの力がほんの少しだけ、というコントです。同じ呪文を3回くり返すので、セリフを覚えやすいのも特長です。
- 時間
- 約1分半
- 人数
- 3人
- 準備物
- 画用紙で作ったぼうし、新聞紙を丸めたつえ、机とえんぴつ
- 難しさ
- ★★
台本ちょっとだけまほうつかい(約1分半)
(Aが机で宿題をしている。Bがとなりで見ている)
(まほうつかいが、ぼうしをかぶって出てくる)
まほうつかいこんにちは。まほうつかいです。
Aまほうつかい? じゃあ、この宿題をおわらせて。
まほうつかいまかせて。ちちんぷいぷい……えいっ。
(3人で、じっと机を見る)
B……何も変わってないよ。
まほうつかいよく見て。えんぴつが、1センチ右にうごきました。
Aちいさい。
まほうつかいわたしのまほうは、ちょっとだけなの。
Bじゃあ、明日のテストを100点にして。
まほうつかいちちんぷいぷい……えいっ。
Aどうなった?
まほうつかい名前を、ていねいに書けるようになりました。
Bちょっとだけだ。
Aでも、名前はだいじだよね。
Bじゃあ、明日の天気を晴れにして。
まほうつかいちちんぷいぷい……えいっ。
A晴れた?
まほうつかいかさを、わすれないようになりました。
B雨はふるんだ。
まほうつかいでは、さいごのまほう。ここにいる、みんなに。
(まほうつかいが、客席に向かってつえをふる)
まほうつかいちちんぷいぷい……みんな、にこにこになーれ。
(客席から笑い声が聞こえたら、3人で顔を見合わせる)
A・Bかかった。
まほうつかいこのまほうだけは、大きいんです。
(3人で一礼)
呪文のあとに、3人でじっと机や空を見る時間をとると、「何が起きるのかな」と客席も一緒に待ってくれます。同じ形をくり返して笑いを大きくする方法は「天丼(くり返しのボケ)のやり方」で紹介しています。
台本3「にんじゃ学校のテスト」(5人から・約2分)
にんじゃの生徒たちが、先生のテストを受けるコントです。人数に合わせて、にんじゃの数を増やせるので、クラスの発表会にも使えます。
- 時間
- 約2分
- 人数
- 5人から(にんじゃの数は増やせます)
- 準備物
- 小さなハンカチ、はちまき(あれば)
- 難しさ
- ★★
台本にんじゃ学校のテスト(約2分)
(先生と、にんじゃ1〜3が横に並んでいる。にんじゃ4は舞台のそでにかくれている)
先生これより、にんじゃ学校のテストをはじめる。
生徒全員はい。
先生まずは「しのび足」。音を立てずに歩くのだ。にんじゃ1。
にんじゃ1はい。(つま先で歩きながら、大きな声で)そろーり、そろーり。
先生声が出ておる。
にんじゃ1心の声が、もれました。
先生次は「かくれみの術」。にんじゃ2。
にんじゃ2はい。(小さなハンカチを、顔の前に広げる)……どうですか。
先生見えておる。ぜんぶ見えておる。
にんじゃ2先生、心の目で見てください。
先生心の目でも、見えておる。
先生次は「分身の術」。にんじゃ3。
にんじゃ3はい。分身の術。(両手を広げる)
(にんじゃ3の後ろから、にんじゃ4が同じポーズで出てくる)
先生おお、2人になった。
にんじゃ4となりのクラスから来ました。
先生それは分身ではない。お友だちだ。
先生では、さいごのテスト。先生に見つからないように、かくれるのだ。
(先生が客席のほうを向いて、目をつぶる)
先生いち、に、さん。
(その間に、生徒全員が先生の後ろに1列に並ぶ)
先生(ふり返る)おや、だれもいない。
(先生がふり返るたびに、生徒全員がさっと先生の背中側へ回りこむ)
先生(もう一度ふり返る)……やっぱり、いない。みんな、合格だ。
(生徒全員が、先生の後ろから顔を出す)
生徒全員やったー。
先生わっ。そこにいたのか。
全員にんにん。
(全員で、にんじゃのポーズをしてから一礼)
最後の場面では、客席から「うしろ」と声がかかることがあります。そのときは先生役が「どこ?」と聞き返すと、もっと盛り上がります。
先生・保護者が練習を見るときのコツ
子どものコントの練習は、1回10〜15分ほどを、何日かに分けて行うと集中が続きます。次の順番で進めましょう。
- 大人が台本を読んで聞かせ、話の流れと笑いどころを伝える
- 役を決めたら、座ったまま台本を読む
- 立って、動きをつけながら練習する
- 台本を見ずに通す。セリフを忘れたら、近くの人が小さな声で助ける
- 本番の場所で、いちばん後ろまで声が届くか確かめる
演じ方を伝えるときは、子どもがすぐに動ける言葉に言いかえると伝わります。
| 伝えたいこと | 子どもへの言い方 |
|---|---|
| 客席に体を向ける | 「おへそを、お客さんのほうに向けよう」 |
| 声を大きく、はっきり | 「いちばん後ろの人に、話しかけよう」 |
| 笑いを待つ | 「笑い声が聞こえたら、3つ数えてから次のセリフ」 |
| まちがえても続ける | 「まちがえても止まらないのが、名人だよ」 |
からかいにならないように
ボケ役が、からかわれ役にならないよう気をつけましょう。役のモデルを特定の子にしないこと、同じ子ばかりボケ役にしないことも大切です。
子どもと一緒にオリジナルのコントを作る方法
慣れてきたら、子どもと一緒にオリジナルのコントを作ってみましょう。「もしも」から考えると、小学生でも設定が思いつきやすくなります。
- 「もしも〇〇が〇〇だったら」で、設定を1つ決める
- ボケを3つ考え、「ちょっと変」「もっと変」「いちばん変」の順に並べる
- 最後は、全員で同じセリフを言うか、同じポーズで終わる
もしも、ランドセルがしゃべったら
もしも、給食のこんだてが、ぜんぶデザートだったら
もしも、黒板消しが空を飛んだら
もしも、雨の日だけ、教室が水族館になったら
もしも、くつばこの中に、小さな町があったら
設定の考え方は「コントの設定の作り方」で、型ごとに紹介しています。
よくある質問
恥ずかしがって、声が出ない子がいます。
無理にセリフの多い役にしなくて大丈夫です。効果音を出す係や、看板を持つ係も、コントには欠かせない役です。みんなで声をそろえるセリフから始めると、少しずつ慣れていきます。
学芸会のように、もっと長い劇をしたいときは?
昔話をもとにすると、話の筋をみんなが知っているので、長くても分かりやすい劇になります。作り方は「昔話をコメディにする台本の作り方」を見てください。
衣装はどうすればいいですか?
画用紙で作ったぼうしやお面、名札など、役が分かる物を1つ身につければ十分です。家にある物を使い、買いそろえなくてもかまいません。
まとめ
- 小学生のコントは、1〜2分、セリフは1回10〜20字ほどが演じやすい
- 出る人全員にセリフと見せ場を作り、友だちの名前や見た目はネタにしない
- 練習は、読み聞かせ、読み合わせ、動き、通しの順に、短い時間で何回か行う
- 「おへそをお客さんに」「3つ数えてから」など、子どもに分かる言葉で伝える






