予餞会(よせんかい)の出し物は、思い出を笑いに変える寸劇から始め、最後に感謝を伝える形にすると、笑えて泣ける時間になります。予餞会とは、卒業する人を在校生が送り出す会のことです。この記事では、出し物のアイデア6つと、そのまま使える4分の寸劇の台本、先生へのサプライズの進め方を紹介します。
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予餞会の出し物は「笑い→感謝」の順で組む
予餞会の出し物は、前半で笑ってもらい、後半で感謝を伝える流れにすると、気持ちが伝わりやすくなります。持ち時間が5分なら、次のような配分が目安です。
| 部分 | 時間(5分の場合) | やること |
|---|---|---|
| はじめ | 0:00〜0:30 | 在校生が登場し、何の出し物かを伝える |
| 笑いの場面 | 0:30〜3:30 | 卒業生との思い出や、先輩がいなくなって困る在校生を演じる |
| 感謝の場面 | 3:30〜5:00 | 客席の卒業生に向き直り、お礼とお祝いを伝える |
笑いのあとに、まじめな一言が来ると、言葉がまっすぐ届きます。笑いから感動へ切りかえる組み立て方は「泣ける・感動する余興のアイデア」も参考になります。
笑いは「在校生が困る」側に置く
卒業生の失敗や見た目を笑うのではなく、「先輩がいないと困ってしまう在校生」を笑いにしましょう。卒業生は自分が大切にされていると感じながら、安心して笑えます。
予餞会の出し物アイデア6つ
どれも、特別な道具がなくても準備できるものです。難しさは★の数で表しています(★1つがいちばん簡単です)。
1. 寸劇「先輩を卒業させない会」
在校生が、先輩に卒業してもらわないための作戦会議を開く寸劇です。台本は下で紹介しています。
- 時間
- 約4分
- 人数
- 5人
- 準備物
- 長い机、いす5脚、会の名前を書いた紙
- 難しさ
- ★★
2. 3年間のニュース番組
卒業生の学年の3年間を、ニュース番組の形で報告します。入学式、体育祭、文化祭などを「〇年前の今日のニュース」として読み上げると、笑いと懐かしさが同時に生まれます。
- 時間
- 約5分
- 人数
- 3〜5人(アナウンサー、記者役など)
- 準備物
- 机、原稿、手書きの番組タイトル
- 難しさ
- ★★
3. 卒業生クイズ大会
卒業生チームと在校生チームに分かれて、学校や3年間の思い出のクイズで対戦します。問題は、個人の失敗や恋愛ではなく、行事や学校の出来事から作りましょう。
- 時間
- 5〜10分
- 人数
- 司会2人(客席の全員が参加)
- 準備物
- 問題を書いたフリップか、スライド
- 難しさ
- ★
4. 部活の名場面リレー
部活ごとに、卒業生の名場面を10〜20秒ずつ再現し、リレーのようにつなぎます。最後に全部の部活が舞台に並んで、声をそろえてお礼を言うと締まります。
- 時間
- 約5分
- 人数
- 部活ごとに2〜5人
- 準備物
- それぞれの部活の道具
- 難しさ
- ★★
5. 先生と在校生のビデオメッセージ
先生や在校生からのメッセージを、1人10秒ほどずつ撮ってつなげます。最後は舞台の上で、在校生の代表が一言お祝いを言います。
- 時間
- 動画3分+一言1分
- 人数
- 撮影と編集の係2〜3人
- 準備物
- スマホ、会場のプロジェクターとスクリーン
- 難しさ
- ★★(動画の編集に慣れていれば★)
6. 在校生からの表彰式
卒業生の学年や部活に、「〇〇で賞」という表彰状を贈ります。賞の名前で笑いを取り、表彰の文で感謝を伝えられるので、短い時間でも気持ちがまとまります。
- 時間
- 約5分
- 人数
- 司会1人と読み上げ役
- 準備物
- 画用紙で作った表彰状
- 難しさ
- ★
そのまま使える寸劇の台本「先輩を卒業させない会」
アイデア1の台本です。前半は作戦会議の笑い、後半は先輩への感謝に切りかわります。先生の役は、生徒が演じても、本物の先生にお願いしてもかまいません。
台本先輩を卒業させない会(約4分)
(舞台の中央に長い机。議長と在校生A・B・Cが座っている。机の前に「先輩を卒業させない会」の紙)
議長それでは、第1回「先輩を卒業させない会」を始めます。
全員お願いします。
議長みなさんも知ってのとおり、今年も3年生が卒業してしまいます。
A困ります。
B困ります。
Cまだ、部室のカギの開け方を教わってません。
議長それは今日中に教わってきてください。
議長では、先輩に卒業してもらわないための作戦を出してください。
Aはい。卒業式の日に、校門を閉めます。
議長先輩たちは、もう学校の中にいます。
A……じゃあ、出られないように。
議長私たちも帰れなくなります。
Bはい。体育館の時計を止めます。
議長時計を止めても、時間は進みます。
B気持ちの問題です。
議長却下です。
Cはい。卒業証書を渡すとき、1人ずつ、すごくゆっくり読んでもらいます。
議長どのくらい?
C1人、1時間。
議長(指を折って数える)……卒業式が、春休みまで続きます。
(全員、顔を見合わせる)
全員……いいかも。
議長よくないです。
Aじゃあ、卒業したくなくなるくらい、楽しい学校にするのはどうですか。
議長たとえば?
A3年生だけ、昼休みが2時間。
B3年生だけ、宿題なし。
C3年生だけ、毎日が誕生日。
議長それ、ただの楽しい学校です。……ちょっと通いたい。
(先生が入ってくる)
先生みんな、何してるの?
議長あ、先生。先輩を卒業させない会です。
先生……そう。(机の紙を見て、少し考える)先生も入っていい?
全員え?
先生先生も、さみしいからね。
(先生がいすに座る)
議長では先生、作戦をお願いします。
先生卒業式の日に雨が降ったら、延期にする。
全員おお。
議長……天気予報、晴れです。
先生……そうか。
(少し静かになる)
Cあの。ひとつ、思ったんですけど。
議長はい。
C先輩たちが安心して卒業できないと、いちばん困るのは、先輩たちですよね。
(全員、ゆっくりうなずく)
B試合で負けたとき、先輩は「次があるよ」って言ってくれました。
A入学したばかりで迷っていたとき、教室まで連れていってくれたのも先輩でした。
先生先生も、3年間、たくさん助けてもらいました。
議長じゃあ、作戦を変えます。
議長今日から、この会の名前は「先輩を安心して卒業させる会」です。
全員賛成。
(全員で立ち上がり、客席の卒業生のほうを向く)
議長3年生のみなさん。
全員ご卒業、おめでとうございます。
C……部室のカギの開け方は、このあと教わりに行きます。
議長3年間、本当にありがとうございました。
全員ありがとうございました。
(全員で深く一礼)
最初に出てくる「部室のカギ」を、最後にもう一度使っているのが笑いのしかけです。前に出した話を最後に回収すると、まじめな場面の直前でも、会場の空気がやわらかくなります。
寸劇を自分たちの学校用に書きかえるコツ
台本は、自分たちの学校の話に入れかえるほど、卒業生の心に届きます。次の順番で直してみましょう。
- 「部室のカギ」を、在校生が先輩に頼っていることに入れかえる(道具のしまい方、行事の段取りなど)
- 後半のA・Bのセリフを、在校生から集めた本当の思い出に入れかえる
- 在校生の人数が多いときは、役を増やして1人1つずつ作戦を言う
- 卒業生の名前を出すときは、良い思い出の場面だけにする
思い出は、クラスや部活ごとに「先輩にしてもらってうれしかったこと」を紙に1つずつ書いてもらうと、短い時間で集まります。舞台での見せ方や小道具の工夫は「文化祭のコントネタ」も参考にしてください。
先生へのサプライズの進め方
予餞会では、卒業生を3年間支えてきた担任や学年の先生にも、感謝を伝える場面を作ると、会場があたたかくなります。先生に気づかれずに準備するには、次の順番で進めましょう。
- 生徒会の担当など、サプライズを受けない先生に相談し、時間と内容の許可をもらう
- 何をするかを決める(感謝状、メッセージ動画、寸劇への出演のお願いなど)
- 知っている人を少なくし、連絡は担当の数人だけで回す
- 当日の呼び出し方を決める(司会が「最後に、もう1つだけ」と言って先生を呼ぶ、など)
- 終わったら、感謝状や寄せ書きを先生に手渡す
感謝状
〇〇先生
あなたは3年間、毎朝昇降口に立ち、私たち一人ひとりに「おはよう」と声をかけてくれました。
その一言のおかげで、眠い朝も、少しだけ元気に始めることができました。
よって、ここに「おはよう皆勤賞」を贈ります。
〇年〇月〇日 在校生一同
賞の名前は、その先生がいつもしてくれていたことから付けると、卒業生にもすぐ伝わります。名前の付け方は「面白い社内表彰の賞の名前一覧」も参考になります。
準備のスケジュール
予餞会は、卒業式の前の忙しい時期に開かれることが多いです。1か月前から動き始めると、無理なく間に合います。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1か月前 | 生徒会や担当の先生と、持ち時間と出し物を決める |
| 3週間前 | 台本を書き、思い出を集める。先生へのサプライズを相談する |
| 2週間前 | 読み合わせと小道具づくり。動画を使うなら撮影する |
| 1週間前 | 会場で通し練習をし、マイクと立ち位置を確かめる |
| 前日 | 本番と同じ流れでリハーサル。感謝状や動画を確かめる |
卒業生も同じ学校にいるので、練習の様子を見られると、当日の楽しみが減ってしまいます。練習する場所と時間は、担当の先生と相談して決めましょう。
よくある質問
予餞会と卒業生を送る会は、同じものですか?
同じ意味で使われることが多く、学校や地域によって呼び方がちがいます。「三送会(3年生を送る会)」と呼ぶ学校もあります。どの呼び方でも、出し物の考え方は変わりません。
泣かせる場面を作るのが苦手です。
無理に泣かせようとしなくて大丈夫です。最後に全員で客席を向き、声をそろえて「ありがとうございました」と言うだけでも、気持ちは十分に伝わります。
卒業生の名前を出してもいいですか?
良い思い出の場面で、本人がいやがらない話なら大丈夫です。迷ったときは、名前を出さずに「〇〇部の先輩」のように言いかえるか、担当の先生に相談しましょう。
まとめ
- 予餞会の出し物は「笑い→感謝」の順に組み、最後はお祝いとお礼で締める
- 笑いは「先輩がいなくて困る在校生」の側に置き、卒業生をからかわない
- 寸劇の思い出の場面は、在校生から集めた本当のエピソードに入れかえる
- 先生へのサプライズは、別の先生に相談し、知る人を少なくして準備する






