文化祭のコントネタ|少ない小道具でできる台本2本と演出のコツ

段ボールのカウンターをはさみ、大きな切符を持って話す生徒たち

文化祭のコントは、小道具を3つまでにしぼり、最初の10秒で場面が伝わる設定にすると作りやすくなります。この記事では、教室で演じる2分の台本と、体育館の舞台で演じる3分の台本を1本ずつ紹介します。段ボールでできる小道具や、場面転換のやり方、体育館での見え方もまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 教室と体育館では、コントの見せ方が変わる
  2. 教室向けの台本「放課後行きの切符売り場」
  3. 体育館向けの台本「怖がりのお化け屋敷」
  4. 少ない小道具で見せるコツ
  5. 場面転換のやり方
  6. 体育館での見え方を確かめる
  7. よくある質問
  8. まとめ

教室と体育館では、コントの見せ方が変わる

同じコントでも、教室と体育館では、お客さんからの見え方がまったくちがいます。どちらで演じるかを先に確かめてから、台本を選びましょう。

くらべること教室体育館
お客さんとの距離近い。表情まで見える遠い。後ろの席からは顔が見えにくい
向いている笑い会話や、細かいしぐさ大きな動きと、分かりやすい設定
小道具小さい物でも見える大きく、色のはっきりした物にする
声地声で届くマイクを使うか、はっきり大きく話す
場面転換黒板に場所を書くだけでも伝わる看板や照明、音ではっきり見せる

教室で演じるなら、黒板を背景に使えるのが強みです。場所の名前を黒板に大きく書いておけば、看板を作らなくても場面が伝わります。

教室向けの台本「放課後行きの切符売り場」

行き先が少しおかしい切符売り場のコントです。段ボールのカウンターと大きな切符があれば、教室の前のスペースで演じられます。

時間
約2分
人数
3人(ほかにチャイムの音を流す係が1人)
準備物
段ボールのカウンター、大きな切符3枚、旅行かばん、「切符売り場」と「本日の営業は終了しました」の札
難しさ
★

台本放課後行きの切符売り場(約2分)

(教室の前に、段ボールのカウンター。「切符売り場」の札。駅員が立っている)

(客1が、旅行かばんを引いて入ってくる)

駅員いらっしゃいませ。どちらまで行かれますか。

客1夏休みまで、1枚ください。

駅員夏休み行きですね。(分厚い時刻表をめくる)次の便は、来年の7月です。

客1遠い。もっと早いのはないんですか。

駅員ございません。夏休み行きは、1年に1本だけです。

客1じゃあ、昨日の夜まで。

駅員昨日の夜行き。ご用件は?

客1宿題を、やり直したいんです。

駅員(首を横にふる)昨日の夜行きは、みなさん同じことをおっしゃるので、満席です。

客1みんな、やり直したいんだ。

(客2が、大きな切符を両手で持って入ってくる)

客2すみません。この切符、払い戻しできますか。

駅員拝見します。(切符を受け取って読み上げる)「月曜日の朝行き」。

客2毎週、勝手に届くんです。

駅員申し訳ございません。月曜日の朝行きは、全員に毎週お配りしております。

客2全員に?

客1(かばんから同じ大きな切符を出す)……私も持ってます。

駅員(カウンターの下から同じ切符を出す)……私もです。

客2駅員さんも行くんだ。

客1じゃあせめて、放課後行きを2枚ください。

駅員放課後行きは、チャイムが鳴ったら発車いたします。

客2チャイム?

(チャイムの音が鳴る)

駅員発車いたします。お急ぎください。

(3人で顔を見合わせ、そろって教室の外へ走っていく。カウンターに「本日の営業は終了しました」の札が残る)

笑いの山は、全員が「月曜日の朝行き」の切符を持っていると分かる場面です。切符の文字は、駅員が声に出して読み上げています。後ろの席から文字が読めなくても、笑いどころが伝わるようにするためです。

体育館向けの台本「怖がりのお化け屋敷」

文化祭でおなじみのお化け屋敷で、お化けのほうが怖がってしまうコントです。驚く、抱き合う、手をつないで歩くなど、遠くからでも分かる動きで笑わせます。

時間
約3分
人数
5人
準備物
白い布2枚、懐中電灯、表に「入口」、裏に「出口」と書いた看板
難しさ
★★

台本怖がりのお化け屋敷(約3分)

(舞台の右に「入口」の看板。受付が立っている)

(客1と客2が、手をつないで右から出てくる)

受付いらっしゃいませ。2年〇組のお化け屋敷へようこそ。

客1ここ、怖いって評判なんですよね。

受付はい。中のお化けは、とても怖いです。(懐中電灯を渡す)お気をつけて。

(客2人が舞台の中央へ進む。照明が少し暗くなる)

(中央の左寄りで、白い布をかぶったお化け1とお化け2が、しゃがんで隠れている)

お化け1(小声で)来た。来たよ。

お化け2(小声で)押さないで。先に行ってよ。

お化け1(小声で)せーので出よう。せーの。

(お化け2人が勢いよく立ち上がる)

お化け1・2うらめしや〜。

(客1が、懐中電灯でお化けの顔を照らす)

お化け1まぶしい。

お化け2照らさないでください。こっち見ないで。

客1お化けなのに?

客2(大きな声で)きゃあ。

(お化け2人が、もっと大きな声で叫び、抱き合って震える)

お化け1びっくりした。急に大きい声出さないでください。

客2ごめんなさい。こっちもびっくりして。

お化け2……あの、出口ってどっちですか。

客1知らないんですか?

お化け2暗くて、ずっと迷ってたんです。

お化け1朝の9時から、ここにいます。

客2朝から。

客1じゃあ、一緒に出ましょうか。

お化け1・2お願いします。

(4人で手をつなぎ、そろそろと左へ歩く。その間に受付が看板を裏返して「出口」にし、舞台の左へ移る。照明が明るくなる)

受付おつかれさまでした。怖かったですか?

客1はい。お化けが怖がりすぎて、ちょっと心配になりました。

受付え?(後ろのお化け2人に気づく)……なんで、お化けまで出てきてるの。

お化け1送ってもらいました。

お化け2楽しかったです。

受付楽しんでどうするの。早く持ち場に戻って。

お化け11人じゃ怖いので、受付さんも一緒に来てください。

受付ええっ。

(お化け2人が受付の手を引いて、中へ連れていく。客2人が手をふって見送る)

客1・客2いってらっしゃい。

(全員そろって一礼)

照明を変えられない会場では、懐中電灯を持って歩くだけでも「暗い場所」だと伝わります。お化けの白い布は、顔が出るようにかぶり、足元が見えるようにしてください。舞台の上で転ばないための大事な決まりです。

少ない小道具で見せるコツ

小道具は、多いほど準備と片付けがたいへんになり、舞台の上で置き場所にも困ります。役は「目印を1つ」、場所は「看板を1枚」で見せると決めておくと、数をしぼれます。

小道具作り方・代わりになるもの
カウンター机を2つ並べ、前に段ボールを貼る
看板・札段ボールや画用紙に、太いペンで大きく書く。表と裏に別の場所を書くと転換に使える
大きな切符や手紙本物の3〜4倍の大きさで作る
白い布古いシーツやカーテンを使う
帽子・エプロン役が一目で分かる物を、1人1つだけ身につける

段ボールや画用紙での作り方は「余興の小道具を手作りするには?」が参考になります。

場面転換のやり方

場面転換とは、コントの途中で場所や時間を変えることです。転換に時間がかかると、せっかくの笑いの流れが止まってしまいます。10秒以内で終わる方法を選びましょう。

方法やり方向いている会場
看板を裏返す表と裏に別の場所を書き、役の人が裏返す教室・体育館
立ち位置を変える舞台の右を入口、左を出口のように決め、歩いて移る教室・体育館
音を入れるチャイムや足音で、時間や場所が変わったと伝える教室・体育館
照明を変える暗くする、明るくする。照明係と合図のセリフを決める体育館
暗転照明を消して真っ暗にし、その間に物を動かす体育館

暗転を使うときは、暗い中で動く人が迷わないように、床に光るテープで目印を貼っておきます。体育館向けの台本は、看板を裏返す方法と、立ち位置を変える方法を組み合わせています。

体育館での見え方を確かめる

体育館の舞台は、客席のいちばん後ろから見ると、思った以上に小さく見えます。次の点を守ると、後ろの席の人にも笑いが届きます。

  • 体は客席に向けたまま、顔だけ相手に向ける。客席に背中を見せない
  • 舞台の奥ではなく、前のほうで演じる
  • 舞台の奥でしゃがんだり座ったりすると、前の席から見えないので、短い時間にする
  • 動きは教室で演じるときの2倍の大きさにする
  • 小さな物や表情で笑わせる所は、セリフでも説明する

声の届け方は「文化祭の漫才ネタ」の、体育館で声を届けるコツも参考にしてください。

体育館のリハーサルで確かめること

  • 客席のいちばん後ろから、動きで場面が分かるか
  • 看板や小道具の文字が、後ろの席から読めるか
  • 照明や音の係と、合図のセリフを決めたか
  • 場面転換が10秒以内に終わるか

よくある質問

コントと劇は、何がちがいますか?

コントは、笑いを目的にした短い劇です。数分で終わるので、設定がすぐに分かることと、ふつうとのずれで笑わせることが大切になります。台本の組み立て方は「コントの台本の書き方」で紹介しています。

クラスの全員が出たいときは、どうすればいいですか?

お化け屋敷の台本なら、客やお化けの人数を増やせます。照明・音・小道具の係も、舞台を支える大事な役です。短いコントを2〜3本続けて、出る人を入れかえる方法もあります。

セリフを覚えきれません。

1つのセリフを短くし、動きと一緒に覚えると忘れにくくなります。本番の1週間前からは、台本を持たずに通し練習をしましょう。

まとめ

  • 文化祭のコントは、小道具を3つまでにして、最初の10秒で場面を伝える
  • 教室は会話と細かいしぐさ、体育館は大きな動きと分かりやすい設定で見せる
  • 場面転換は、看板を裏返す・立ち位置・音・照明で、10秒以内に終える
  • 体育館では体を客席に向け、舞台の前のほうで、動きを大きく演じる
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