余興の練習の進め方|笑いの間を合わせて仕上げる練習計画

ビデオ通話の画面ごしに、台本を持って読み合わせをする2人

余興の練習は、全員で集まる練習を2〜3回にしぼり、集まるたびに「笑いの間」を1つずつ合わせるのが基本です。セリフは各自で覚えます。集まる回は、笑い待ち(笑いが起きたときに次のセリフを待つこと)や、ツッコミに入る間を合わせる練習に使います。

集まれない人がいても、オンラインで間の長さを決めておき、録画を見て直せば仕上がります。この記事では、回ごとの練習の中身と、間の印をつけた台本の例、録画でウケない所を直す方法を紹介します。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 練習は「全員で2〜3回+各自」。集まる回は笑いの間に使う
  2. 全員で集まる回ごとにやること
  3. 間の印をつけた台本で練習する
  4. 集まれない人がいるときはオンラインで合わせる
  5. 録画で見直して、ウケない所を直す
  6. 欠席者が出たときの配役の変え方
  7. 練習の時間がどうしても取れないときは
  8. よくある質問
  9. まとめ

練習は「全員で2〜3回+各自」。集まる回は笑いの間に使う

台本がおもしろくても、間がずれると笑いは起きにくくなります。ボケの直後にツッコミがかぶったり、笑いが起きている最中に次のセリフを言ったりすると、せっかくの笑いが消えてしまうからです。

余興の練習で合わせたい間は、主に次の3つです。

  • ため:ボケの直前に、少しだけ黙る間
  • ツッコミの入り:ボケが客席に伝わってから、ツッコミを言うまでの間
  • 笑い待ち:笑いが起きたときに、次のセリフを待つ間

どれも相手がいないと練習できないので、全員でそろう回に使います。セリフを覚えるのは、各自の練習に任せましょう。

余興の種類全員でそろう練習集まる回で合わせる間各自の練習
漫才・コント(2〜3人)2〜3回ツッコミの入り、笑い待ち毎日5〜10分、声に出して読む
寸劇(4〜6人)3回セリフの受け渡し、全員で止まる間自分のセリフと、その前の人のセリフを覚える
ダンス・人文字3〜4回決めポーズで止まる長さお手本の動画を見て、1日10分ほど
クイズの司会1〜2回答えを発表する前のため台本を声に出して読み、時間を測る
手紙・スピーチ1人でできる笑いどころのあとの一呼吸立って声に出して、5回以上読む

集まる日は、中身が決まる前でも先に押さえておきます。本番から逆算した予定の立て方は、「余興の準備のスケジュール表」で紹介しています。

全員で集まる回ごとにやること

集まる練習は、回ごとにゴールを変えます。毎回「最初から通して、なんとなく終わる」をくり返すと、何回集まっても笑いの間はそろいません。

回時期の目安この回のゴール合わせる笑いの間
1回目2〜3週間前全員が流れを知っている笑いどころに印をつけ、どこで待つかを決める
2回目1〜2週間前台本を見ずに通せるためとツッコミの入り、笑い待ちを合わせる
3回目前日〜1週間前本番と同じ形で通せる笑いが起きたとき・起きないときの両方で進める

90分の練習の進め方の例

2回目の練習を例に、90分の使い方を紹介します。笑いどころの場面だけを先に取り出して練習するのがコツです。最初から順に練習すると、前半ばかりが上手になり、いちばん大事な後半の笑いが時間切れになりがちです。

  1. はじめの10分:その日のゴールと、合わせる間を1つ決める
  2. 次の20分:読み合わせ。笑いどころの前のセリフを、言いやすく直す
  3. 次の30分:笑いどころの場面だけを取り出し、間を合わせる
  4. 次の15分:通しを2回。1回はスマホで撮っておく
  5. 残りの15分:撮った動画を見て、次までに直すことを決める

笑い待ちは「笑い役」を決めて練習する

練習には観客がいないので、笑い待ちだけは練習しにくいものです。そこで、出番の少ない人か、余興に出ない友人に「笑い役」を頼みます。笑い役は客席の位置に座り、本番の観客の代わりをします。

  1. 笑い役は、台本の笑いどころで声を出して笑うか、手をたたく
  2. 演じる人は、笑い声が小さくなり始めたら次のセリフに入る
  3. ときどき、笑い役はわざと笑わない
  4. 笑いが起きなかったときは、演じる人は待たずに次のセリフへ進む

3と4がいちばん大事な練習です。本番では、笑ってほしい所で笑いが起きないこともあります。待たずに進む練習をしておけば、沈黙が目立たず、次の笑いどころで取り返せます。

間の印をつけた台本で練習する

間は、台本に書きこんでおくと全員でそろえやすくなります。ためる所と笑いを待つ所を、かっこ書きで入れておきましょう。

台本間の印をつけた台本の例(約40秒)

A新郎の〇〇くんは、メモを取るのが大好きです。

Bスマホのメモには、新婦の好きな食べ物が47個書いてあります。

(Aは1拍ためてから話す)

Aそのうち30個は、おにぎりの具です。

(笑い待ち:笑い声が下がり始めるまで待つ)

Bちなみに、1位は……

(Bは客席を見て、1拍ためる)

B鮭です。

Aそこは普通なんだ。

(笑い待ち:笑いが小さければ待たずに次へ)

Aこれからは、48個目、49個目を、2人で一緒に見つけてください。

A・Bおめでとうございます。

この台本の笑いどころは「おにぎりの具」と「そこは普通なんだ」の2か所です。どちらも直前にためを入れ、言ったあとに笑い待ちを入れています。「鮭です」のあとにツッコミが早く入ると、客席が答えを聞き取る前に笑いどころが過ぎてしまいます。

披露宴の会場には、年配の人や子どももいます。ふだんの会話より、ためも笑い待ちも少し長めにすると、話についてきてもらいやすくなります。間の長さの目安は「漫才の間とテンポの取り方」で詳しく紹介しています。

集まれない人がいるときはオンラインで合わせる

遠くに住んでいる人がいても、ビデオ通話を使えば、練習の一部は集まらずにできます。ただし、ビデオ通話では声が少し遅れて届くので、間を細かく合わせる練習には向きません。

練習の中身オンライン集まって
台本の読み合わせ、セリフの順番の確認〇〇
笑いどころの言い回しを直す〇〇
ためと笑い待ちの長さを、数で決める〇〇
ツッコミの入りを細かく合わせる△(音が少し遅れる)〇
立ち位置、動き、ダンスをそろえる×〇
マイクや小道具の受け渡し×〇

オンラインでは、間の長さを「数」で決めておくのがおすすめです。たとえば「ツッコミは、相手の語尾から心の中で1つ数えてから」「笑い待ちは、2つ数えてから」と決めます。全員が同じ数で各自練習しておけば、集まったときに短い時間でそろいます。

オンライン練習を進めやすくするコツ

  • 話す人以外は、マイクを切っておく
  • 台本に「第3版」のような番号をつけ、全員が同じ版を手元に置く
  • 1回の通話は30〜45分で区切る
  • 1人ずつ演じたら、ほかの人は「笑えた所1つ、直す所1つ」だけ伝える
  • 通話を録画するときは、全員に断ってから録る

録画で見直して、ウケない所を直す

自分たちの余興を客席から見る機会は、本番までありません。通し練習をスマホで撮り、新郎新婦の席に近い高さから全員の全身が入るようにしておきましょう。

見直すときは、笑いどころごとに「間が取れているか」を確かめ、時間とセリフと直すことを1行ずつメモします。

例文通し練習の見直しメモ(例)

〇月〇日 2回目の練習 通し3分40秒(目標は3分30秒)
0:25 「おにぎりの具」の前でAが早口。「そのうち」の前でひと呼吸おく
1:10 Bのツッコミが早く、ボケの語尾にかぶっている。1つ数えてから言う
2:05 笑い役が笑った所で、Cがすぐ次のセリフを言っている。2つ数えて待つ
2:50 会社の略語が出てくる所で、見ていた友人が首をかしげた。言いかえる
次の練習までに直すこと:0:25と1:10の2つ

直すことは、1回の練習で2つまでにしぼると、どの直しが効いたかが分かります。録画を見てウケない所が分かったら、次の表で直し方を選びましょう。

録画で見えたこと直し方
笑いどころの前で早口になるボケの前のセリフを1つ短くし、ボケの直前でひと呼吸おく
ツッコミがボケにかぶるツッコミ役は、相手の語尾を聞いてから1つ数える
笑い待ちのあと、次のセリフが聞こえない次のセリフの頭に「で、」のような短い言葉を置く
見ている人が首をかしげる内輪の言葉を、知らない人にも分かる言い方に直す
何度見ても笑えない場面がある場面ごと削り、残った笑いどころの間を長めに取る

撮った動画は、余興に出ない友人にも一度見てもらいましょう。どこで笑ったかを聞くと、自分たちでは気づけない笑いどころが見つかることもあります。ウケない原因の分け方は「ネタがウケない原因と直し方」も参考になります。

欠席者が出たときの配役の変え方

練習や本番に来られない人が出ても、配役の変え方を知っていれば慌てずに済みます。出られなくなった人の役の大きさで、変え方を選びましょう。

状況配役の変え方
セリフの少ない役の人が休むそのセリフを、ほかの人に1〜2行ずつ分けて足す
掛け合いの相手が休むその役を写真やフリップに置きかえ、ほかの人が声を担当する
進行役が休む進行のセリフをカードに書き、代わりの人がカードを見ながら進める
前もって本番に出られないと分かっている役ごと台本から外し、動画で一言だけ出てもらう

掛け合いの相手が休んだときの直し方を、3人用の台本の一部で見てみましょう。新婦役のCが休む場合です。

台本3人用の台本(直す前・一部)

Aお二人の出会いは、大学時代のアルバイト先、駅前のパン屋さんでした。

B(新郎になりきって)すみません、おすすめはどれですか?

C(新婦になりきって)全部です。

A答えになっていません。

Bでも新郎は、この一言で心をつかまれたそうです。

台本Cが休むときの2人用の台本(直した後・一部)

Aお二人の出会いは、大学時代のアルバイト先、駅前のパン屋さんでした。

B(新郎になりきって)すみません、おすすめはどれですか?

A(新婦の写真を顔の横に持ち上げて)全部です。

B……今のは、新婦の声のつもりですか?

A答えにはなっていませんが、新郎はこの一言で心をつかまれたそうです。

休んだ人の役を写真に置きかえると、その「代わり方」自体が小さな笑いになります。ツッコミの「新婦の声のつもりですか?」のあとは、笑い待ちを入れておきましょう。無理に1人2役を演じ分けるより、短い練習で形になります。

本番の日に来られない人には、会場とビデオ通話をつないで参加してもらう方法もあります。くわしくは「結婚式の余興にオンラインで参加するには」を見てください。

練習の時間がどうしても取れないときは

全員がそろう日が1回も作れないときは、生で演じる部分を短くし、ムービーを中心にする方法があります。各自が自分の場面をスマホで撮れば、集まらずに準備を進められます。ムービーなら、間は編集で合わせられるので、笑い待ちの練習もいりません。

よくある質問

練習する場所は、どこがいいですか?

本番と同じくらいの広さがあり、声を出せる場所が向いています。地域の公民館や集会所の部屋は、手ごろな料金で借りられることが多いです。カラオケの部屋はマイクを使えて便利ですが、撮影してよいかはお店に確かめましょう。

練習しすぎて、自分たちのネタが面白く感じなくなりました。

何度も聞いたネタが面白く感じなくなるのは、ふつうのことです。ネタが悪くなったわけではありません。面白いかどうかは、笑い役や、初めて見る友人の反応で判断しましょう。

セリフを覚えてこない人がいます。

責めるより、その人の役を覚えやすくするほうが早く仕上がります。セリフを短くするか、カードを持っていても不自然でない役に回ってもらいましょう。笑いどころのセリフだけは、全員で口に出して確かめておくと安心です。

まとめ

  • 全員で集まる練習は2〜3回にしぼり、集まる回は笑いの間を合わせるのに使う
  • 笑い待ちは「笑い役」を決め、笑いが起きないときに待たずに進む練習もする
  • オンラインでは、ためや笑い待ちの長さを数で決めておく
  • 録画は笑いどころごとに見て、直すのは1回に2つまでにする
  • 欠席に備えて代わり方を決めておくと、代わり方そのものが笑いになる
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