効果音は、ボケのあと、ツッコミと同時、場面の切りかわりの3か所にしぼって入れると、笑いが強まります。音量は声より大きくせず、セリフの言葉にかぶせないのが基本です。効果音とは、動画に足す短い音のことで、SE ともいいます。
フリー素材の効果音を使うときは、ダウンロードする前に利用規約を確かめましょう。この記事では、入れる場所とタイミング、音量の決め方、効果音の探し方と家での作り方、利用規約で見るところを順に紹介します。
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効果音を入れる場所は3つにしぼる
効果音を入れすぎると、音がうるさく感じられ、どこが笑いどころなのかが分かりにくくなります。まずは次の3か所にしぼり、足りないと感じたら足していきましょう。
| 入れる場所 | 役目 | 音の例 |
|---|---|---|
| ボケのあと | 「今のはおかしい」と知らせる | 間の抜けた笛の音、ベルが1回鳴る音 |
| ツッコミと同時 | ツッコミに勢いを足す | 紙の扇で軽くはたくような「パシッ」という音 |
| 場面の切りかわり | 時間や場所が変わったと伝える | 風を切る「シュッ」という音、短い音楽 |
ボケは、わざとずれたことを言ったりしたりすること、ツッコミはそのずれを指摘することです。この3か所のほかに、気まずい沈黙を目立たせたいときや、驚いた瞬間の表情を強めたいときにも効果音が使えます。ただ、どれも「ここぞ」という場面だけにすると、1つずつの音がよく効きます。
タイミング|ボケより先に鳴らさない
効果音は、鳴らす場所が同じでも、タイミングが少しずれるだけで効き方が変わります。次の3つを守ると、笑いどころがはっきりします。
- ボケのあとの音は、言い終わってから、ほんの一瞬あけて鳴らす
- ツッコミの音は、ツッコミの最初の一言と同時に鳴らす
- セリフの言葉の上には重ねない(聞こえなくなる)
ボケより先に音を鳴らすと、見る人に「これから何か起きる」と知らせてしまいます。音が笑いを予告しないよう、必ずボケのあとか同時にしましょう。
10秒ほどの短いコントで、効果音を入れる時間の例を見てみましょう。
| 時間 | 映像・セリフ | 効果音 |
|---|---|---|
| 0.0〜2.5秒 | A「見てて。これ、すごく飛ぶから」 | なし |
| 2.5〜3.0秒 | Aが紙飛行機を投げる | 風を切る「ヒュッ」という音 |
| 3.0〜3.5秒 | 紙飛行機が、Aの足元に落ちる | 小さな「ポト」という音 |
| 3.5〜5.5秒 | 2人とも黙って紙飛行機を見る | 遠くで鳴く鳥の声を小さく |
| 5.5〜7.5秒 | B「……飛んだね。足元まで」 | なし |
| 7.5〜9.5秒 | A「今のは、練習」 | ベルが1回鳴る音 |
投げる瞬間の勢いのある音で期待を高め、落ちる音を小さくすると、その差が笑いになります。黙っている時間に小さな音を足すと、気まずさが伝わります。セリフとセリフのあいだの時間の取り方は、「漫才の間とテンポの取り方」も参考になります。
効果音を入れる手順
効果音は、編集の最後のほうで、次の順番で入れると迷いません。先に音を探し始めると、使いたい音に合わせて場面を探すことになり、入れすぎてしまいます。
- 効果音なしで通して見て、笑ってほしい場面に印を付ける
- 印ごとに、「知らせる」「勢いを足す」「切りかえる」のどの役目かを決める
- 役目に合う音を探すか、自分で録る
- ボケのあと、ツッコミと同時など、決めたタイミングに置く
- 声と聞き比べて、音量をそろえる
- 少し時間をあけて通して見直し、なくても笑える場面の音は消す
最後の見直しで音を減らすと、残った音がよく効きます。作った本人は音に慣れてしまうので、できればほかの人にも見てもらいましょう。
音量|声がいちばん大きく聞こえるように
動画の音は、声、効果音、BGM の順に大きくするのが基本です。効果音は声と同じくらいか少し小さく、BGM は声のうしろでかすかに聞こえるくらいにします。
効果音の素材は、1つずつ音の大きさがばらばらです。並べたら、編集アプリの音量の表示を見ながら、大きさをそろえましょう。長く続く音は、終わりを少しずつ小さくすると、次のセリフにかぶりません。
スマホの小さなスピーカーでは、「ドーン」のような低い音が聞こえにくくなります。逆に、イヤホンでは高い音や大きな音が耳に刺さることがあります。仕上げのときは、両方で聞いて確かめてください。
音量を決めたら確かめること
- セリフに効果音が重なって、言葉が聞こえなくなっていないか
- 急に大きな音が鳴って、耳が痛くならないか
- イヤホンとスマホのスピーカーの両方で聞いたか
- 効果音ごとの大きさがそろっているか
- BGM が声のじゃまをしていないか
効果音は、テロップと同じ瞬間に合わせると、さらに笑いどころが伝わります。テロップを出すタイミングは「動画編集で字幕を入れるコツ」で紹介しています。
効果音の探し方と、家にある物での作り方
効果音を手に入れる方法は、大きく分けて4つあります。
| 方法 | よいところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 編集アプリに入っている効果音 | 探す手間が少ない | アプリの規約で使い方が決まっている |
| フリー素材のサイト | 種類が多く、無料で使えるものが多い | サイトごとに利用規約が違う |
| 有料の素材 | 音がきれいで、使い方の条件がはっきりしている | お金がかかる |
| 自分で録る | 規約の心配がなく、手作りの味が出る | 録る手間がかかる |
素材を探すときは、「ドアを閉める音」のように、音そのものを表す言葉で探します。見つからないときは、「場面転換」のように、使う場面の言葉でも探してみましょう。
音の選び方|コントの雰囲気に合わせる
同じ場面でも、どんな音を選ぶかで笑いの色が変わります。日常のあるあるを描くコントなら、本物に近い生活の音が合います。大げさな設定のコントなら、マンガのような分かりやすい音が合います。1本の中では、どちらかの雰囲気にそろえましょう。
同じボケをくり返すときは、毎回同じ音を当てると、音そのものが「お決まり」になります。2回目、3回目と音が鳴るたびに、見る人は次を待つようになります。
家にある物で効果音を作る
身近な物を鳴らして録るだけでも、それらしい効果音が作れます。自分で録った音なら、利用規約を気にせず使えます。
| 作りたい音 | 使う物 | 鳴らし方 |
|---|---|---|
| 雪の上を歩く音 | 片栗粉を入れた厚手のポリ袋 | 袋の上から指でぎゅっ、ぎゅっと押す |
| 波の音 | 小豆とざる | ざるに小豆を入れて、ゆっくり傾ける |
| 焚き火の音 | 食品用のラップ | マイクの近くで、ゆっくり丸める |
| 鳥が羽ばたく音 | 布の手袋 | 両手に1つずつ持って、パタパタと振る |
| 馬の足音 | お椀2つ | 伏せたお椀で、机を交互に打つ |
| 扉をノックする音 | 机の裏側 | 指の関節で2回たたく |
録るときは、静かな部屋でマイクを近づけ、同じ音を3〜4回録っておくと、あとで選べます。録り方の基本は、「音声コントの作り方」でも紹介しています。あえて口で「ドーン」と言う効果音も、手作りらしさが出て笑いになることがあります。
フリー素材を使う前に、利用規約で確かめること
フリー素材の「フリー」は、「何をしてもよい」という意味ではありません。無料で使えても、使える場所や書き方の決まりは素材ごとに違います。ダウンロードする前に、利用規約のページを読みましょう。
ダウンロードする前に利用規約で確かめること
- 動画に使い、動画投稿サイトに載せてよいか
- 収益化した動画や、仕事で作る動画(商用)にも使えるか
- クレジット表記(作った人やサイトの名前を書くこと)が要るか、どこにどう書くか
- 音を切る、速さや高さを変えるなどの加工をしてよいか
- 1本の動画に使える数に上限があるか
- 禁止されている使い方に当たらないか
- 素材そのものを人に配ったり、売ったりすることになっていないか
利用規約は変わることがあります。使った素材は、入手したサイトの名前とページ、素材の名前をメモしておき、使う前に規約を読み直しましょう。動画投稿サイトには、著作権のある音を自動で見つける仕組みがあることが多いです。正しく使っていても通知が来ることがあるので、記録があると説明しやすくなります。
テレビ番組やアニメ、ゲーム、ほかの人の動画から音を抜き出して使うのはやめましょう。結婚式の会場で流す動画は、効果音とは別に、曲の扱いにも決まりがあります。くわしくは「余興ムービーの曲の選び方と著作権」を見てください。
効果音で人をからかわない
人が歩くたびに「ドスン」と鳴らす、顔が映った瞬間にブザーを鳴らす、といった使い方は、体型や見た目をからかうことになります。効果音を向ける相手は、人ではなく「出来事のおかしさ」にしましょう。
よくある質問
効果音は、1本にいくつくらい入れればいいですか?
決まった数はありません。まずは、いちばん笑ってほしい場面だけに入れ、通して見て物足りなければ足すほうが失敗しません。すべてのセリフに音を付けると、どの音も目立たなくなります。
笑い声の効果音は使ってもいいですか?
使ってもかまいませんが、多く入れると「ここで笑って」と押しつけられているように感じる人もいます。使うなら、小さく、短くしましょう。笑い声の素材にも利用規約があるので、ほかの効果音と同じように確かめてください。
素材が見つからない音は、どうすればいいですか?
近い音を2つ重ねたり、速さや高さを変えたりすると、イメージに近づけられることがあります。その場合は、利用規約で加工が認められているかを確かめましょう。家にある物で録るのも1つの方法です。
まとめ
- 効果音は、ボケのあと、ツッコミと同時、場面の切りかわりの3か所にしぼる
- ボケより先に鳴らさず、セリフの言葉の上には重ねない
- 音量は声がいちばん大きく、効果音はそれと同じか少し小さく、BGMはもっと小さく
- フリー素材は、商用・クレジット・加工・数の上限を規約で確かめ、入手先を記録する
- 家にある物で録った効果音なら、規約を気にせず使える






