笑いを入れた結婚式スピーチほど、締めではまじめに切り替えると、お祝いの気持ちがまっすぐ伝わります。切り替えには「つなぎの一言」を使い、締めの言葉は「結びになりますが」から始めます。笑いを少し残したいときは、はなむけの中に軽い一言を1つだけ入れ、最後の1文はまじめに結びます。
この記事では、笑いから締めへのつなぎの一言と、友人・上司・親族の立場別の締めの言葉24個を紹介します。締めの言葉は、笑いを少し残すもの・まじめなものに分けました。締めでやりがちな失敗の直し方もあります。
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笑いのあとこそ、締めはまじめに切り替える
笑いでゆるんだ会場は、次の言葉を聞く準備ができています。そこにまじめな言葉が来ると、その落差で、お祝いの気持ちがいちばんよく届きます。反対に、締めまで冗談が続くと、会場の印象には冗談だけが残ってしまいます。
締めの言葉は、次の3つのパーツでできています。笑いを入れてよいのは、2の「願い・はなむけ」の中だけです。
| パーツ | 役割 | 言い方の例 | 笑い |
|---|---|---|---|
| 1. 合図 | 締めに入ることを会場に知らせる | 結びになりますが/お二人の門出にあたり | 入れない |
| 2. 願い・はなむけ | 2人へのメッセージを伝える | 末永いお幸せを/笑顔あふれる家庭を | 入れるなら軽く1つ |
| 3. 結びの定型 | スピーチをまとめる | お祝いの言葉とさせていただきます | 入れない |
「最後になりましたが」もよく聞く言い方ですが、「最後」は終わりを連想させるため、気にする人もいます。合図は「結びになりますが」にしておくと安心です。笑いのセリフで使いがちなほかの言葉は、「結婚式のスピーチで笑いはマナー違反?」の言い換えの表で確かめられます。
笑いから締めへの「つなぎの一言」
エピソードで笑いが起きたあと、いきなり「結びになりますが」と言うと、会場の気持ちが追いつきません。間に「つなぎの一言」をはさむと、会場も「ここからはまじめな話だ」と分かります。
| つなぎの一言 | 使いやすい場面 |
|---|---|
| 「……と、笑い話ばかりになってしまいましたが」 | 失敗談やくせの話で、笑いが続いたあと |
| 「でも、本当に伝えたいのは、ここからです」 | 笑いのあとに、まじめなはなむけを言いたいとき |
| 「そんな〇〇だからこそ、今日は一つだけ伝えさせてください」 | 本人の意外な一面の話のあと |
| 「たくさん笑わせてくれた〇〇に、今日は私から一言贈ります」 | 本人のおかしな話を紹介したあと |
| 「ここからは、上司としてではなく、一人の先輩としてお話しします」 | 上司のスピーチで、仕事の笑い話のあと |
| 「親戚の昔話は、このくらいにしておきます」 | 親族のスピーチで、子どもの頃の話のあと |
つなぎの一言は、笑いが起きなかった(スベった)ときにも、そのまま使えます。言ったあとに間をとれば、場の空気が自然に締めへ向かいます。
台本笑いから締めまでの30秒(例)
(エピソードの終わりの一文)
話し手〇〇は、サークルの新歓で、自己紹介より先に、みんなの飲み物の注文を取っていました。
(会場の笑いが落ち着くまで待つ)
話し手……と、笑い話ばかりになってしまいましたが。
(ひと呼吸おいて顔を上げ、新郎新婦のほうを見る)
話し手〇〇、〇〇さん。
(1、2と数えるくらい、間をとる)
話し手誰かのためにすぐ動ける〇〇なら、きっと〇〇さんを毎日笑顔にしてくれると思います。
話し手結びになりますが、お二人の末永いお幸せを心からお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
(会場のほうへ向き直る)
話し手本日は、本当におめでとうございます。
(言い終えてから、一礼)
笑いが起きたときは、笑い声が落ち着くまで待ってから、つなぎの一言を言います。笑いの最中に締めに入ると、大事な言葉が笑い声にかき消されてしまいます。
立場別の締めの言葉24個
友人・上司・親族の立場別に、8つずつ紹介します。1〜4は笑いを少し残すもの、5〜8はまじめなものです。笑いを少し残すものも、最後の1文はまじめな言葉で結んでいます。
友人の締めの言葉8つ
友人の締めは、名前で呼びかけたり、ふだんの言葉を少しまぜたりしてかまいません。笑いを残すなら、本人が笑って聞ける小さなくせを材料にします。
1.【笑いを少し残す・自分を下げる】〇〇、結婚おめでとう。このスピーチの練習で、私のほうが先に泣きそうになりました。これからも、〇〇のいちばんの味方でいさせてください。本日は本当におめでとうございます。
2.【笑いを少し残す・本人のくせ】〇〇さん、〇〇は写真を撮るとき、なぜか必ず目をつぶります。これからの家族写真は、3枚ずつ撮ってあげてください。お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
3.【笑いを少し残す・新婦に託す】〇〇さん、〇〇のことで困ったら、いつでも私に相談してください。ただし、〇〇にじゃんけんで勝つ方法だけは、10年かけても見つかりませんでした。お二人とも、本当におめでとうございます。
4.【笑いを少し残す・二人の家に】お二人の家が、友だちの集まりたくなる、にぎやかな場所になりますように。手みやげは、〇〇の好きな肉まんにしておきます。本日は本当におめでとうございます。
5.【まじめ・定番】〇〇くん、〇〇さん、本日は本当におめでとうございます。お二人の末永いお幸せを心からお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
6.【まじめ・感謝を伝える】〇〇、いつも話を聞いてくれてありがとう。今度は私が、二人の話をたくさん聞かせてもらう番です。お二人とも、本当におめでとう。
7.【まじめ・名前で呼びかける】〇〇、結婚おめでとう。これからは〇〇さんと二人で、〇〇らしい笑顔の家庭を作ってください。本日は本当におめでとうございます。
8.【まじめ・短め】〇〇くん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。どうぞ、お幸せに。
友人代表スピーチで、エピソードに笑いを入れる方法は「面白い友人代表スピーチの作り方」で紹介しています。
上司の締めの言葉8つ
上司の締めは、改まった言葉で、ご両家へのお祝いも添えるのが基本です。笑いを残すなら、部下をからかうのではなく、上司自身を少し下げる形にします。
1.【笑いを少し残す・休み明けに】〇〇くん、新婚旅行の土産話は、休み明けに職場でゆっくり聞かせてください。お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄をお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
2.【笑いを少し残す・仕事にかけて】〇〇くん、会議では決断の早い〇〇くんですが、家庭では〇〇さんの意見をよく聞いてから決めてください。それが円満の秘けつだと聞いております。本日は誠におめでとうございます。
3.【笑いを少し残す・家庭の先輩として】家庭では、私はいまだに見習い中です。〇〇くん、うまくいく方法が見つかったら、こっそり私にも教えてください。本日は誠におめでとうございます。
4.【笑いを少し残す・新婦の上司として】〇〇さんの段取りの良さは、職場でも有名です。これからは、その力をお二人の暮らしのために存分に使ってください。職場のほうは、私たちが何とか頑張ります。本日は誠におめでとうございます。
5.【まじめ・定番】〇〇くん、〇〇さん、本日は誠におめでとうございます。お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄を心よりお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。
6.【まじめ・仕事ぶりにつなげる】職場でいつも周りを助けてくれる〇〇くんなら、きっと温かい家庭を築いてくれると信じております。本日は誠におめでとうございます。
7.【まじめ・職場として応援する】私ども〇〇部一同、これからもお二人を応援してまいります。お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの挨拶といたします。
8.【まじめ・はなむけを添えて】お二人で話し合って決めたことが、お二人にとっての正解です。新しい門出を心から祝福し、お祝いの言葉といたします。
上司としてのスピーチ全体の組み立てと、ユーモアの入れ方は「上司の結婚式スピーチ例文」で説明しています。
親族の締めの言葉8つ
叔父・叔母や兄弟、祖父母などの親族は、2人を迎える側の立場です。お祝いに加えて、会場の皆さんに「これからもよろしくお願いします」と頼む言葉を入れると、親族らしい締めになります。
1.【笑いを少し残す・叔父として】〇〇は子どものころ、お正月に会うと「大きくなったら、おじさんみたいになる」と言ってくれました。幸い、そうはならずに、こんなにすてきな大人になりました。お二人とも、本当におめでとう。
2.【笑いを少し残す・兄や姉として】〇〇さん、〇〇は小さいころ、私のおやつをこっそり食べる名人でした。これからは、おやつを少し多めに買っておいてください。〇〇をどうぞよろしくお願いします。
3.【笑いを少し残す・祖父母として】〇〇、立派になりましたね。おばあちゃんは今日のために、美容院の予約を半年前から入れていました。二人の幸せを、いつまでも願っています。
4.【笑いを少し残す・新しい家族を迎える】〇〇さん、今日から〇〇さんも、私たちの大事な家族です。お正月の親戚の集まりは、にぎやかすぎて驚くと思いますが、どうぞ気軽に来てくださいね。本日は本当におめでとう。
5.【まじめ・叔父や叔母として】〇〇、〇〇さん、本日は本当におめでとう。これから新しい家庭を築く二人を、皆さま、どうぞ温かく見守ってくださいますよう、お願い申し上げます。
6.【まじめ・会場へのお礼を添えて】本日は、お二人のためにお集まりいただき、親族の一人として心よりお礼申し上げます。お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
7.【まじめ・親族一同を代表して】親族一同、お二人の新しい門出を心よりお祝い申し上げます。皆さま、今後ともお二人をどうぞよろしくお願いいたします。本日は誠におめでとうございます。
8.【まじめ・短め】〇〇、〇〇さん、おめでとう。二人で、たくさん笑ってね。
はなむけの言葉は、話した笑いに合わせて選ぶ
はなむけの言葉は、締めの「願い」の部分に入れる、2人へのメッセージです。それまでに話したエピソードに合うものを選ぶと、笑いの話と締めが自然につながります。
| はなむけの言葉 | 合うエピソード |
|---|---|
| 「ありがとう」と「ごめんね」は、思った日のうちに言葉にしてください | 素直な人柄の話のあと |
| 二人で決めたことが、二人にとっての正解です | 進路や仕事で悩んだ話のあと |
| うれしいことは、二人で話して2倍にしてください | 楽しい思い出の話のあと |
| 意見がちがう日は、おいしいものを食べてから話し合ってください | 食べ物や料理の笑い話のあと |
| 〇〇の長い話も、たまにはうなずいて聞いてあげてください | 話し好きな人柄の笑い話のあと |
| 家の中に、笑い声の多い毎日を | 笑いの多いスピーチのあと |
はなむけは、いくつも並べるとどれも印象に残りません。いちばん合うものを1つだけ選び、次のように締めの中に入れます。
結びになりますが、〇〇、〇〇さん。
意見がちがう日は、おいしいものを食べてから話し合ってください。
お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、本当におめでとうございます。
締めでやりがちな失敗と直し方
笑いを入れたスピーチでいちばん多い失敗は、締めのあとにもう一度ボケてしまうことです。ボケは、わざとずれたことを言って笑いを取る一言です。最後に冗談を足すと、せっかくのお祝いの言葉が冗談に上書きされ、締まらなくなります。
結びになりますが、お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
……あ、〇〇、今日の二次会の幹事は、やっぱりお前な。
〇〇には、大学のころから、幹事ばかり押しつけてきました。
今日だけは、〇〇さんの隣で、ゆっくり座っていてください。
結びになりますが、お二人の末永いお幸せをお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、本当におめでとうございます。
ほかにも、締めでよくある失敗を表にまとめました。自分の原稿や話し方を確かめてみてください。
| やりがちな失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 笑いの最中に締めに入る | 締めの言葉が笑い声で聞こえない | 笑いが落ち着くまで待ち、つなぎの一言を入れる |
| 締めで新しい思い出話を始める | 長くなり、どこで締まるのか分からなくなる | 締めは30秒以内にして、新しい話は入れない |
| 「最後に」と言ってしまう | 忌み言葉を気にする人がいる | 「結びになりますが」に言い換える |
| 照れて早口になる | 気持ちが伝わらない | ひと呼吸おき、語尾までゆっくり言う |
| 「以上です」だけで終える | 話がぶつ切りに聞こえる | 「お祝いの言葉とさせていただきます」で結ぶ |
原稿を見ながら話す場合も、締めの2文だけは覚えておきましょう。顔を上げて言えると、笑いのあとのまじめな言葉が、まっすぐ届きます。
本番でスベりたくないときは
締めの形は決まっても、そこまでの笑いの話がうまくまとまらないこともあります。笑いを入れた原稿を自分で書いて、本番でスベるのが心配な人もいるでしょう。
よくある質問
締めの言葉そのもので、笑いを取ってもいいですか?
はなむけの中に軽い一言を1つ入れるくらいなら大丈夫です。ただし、結びの定型は必ずまじめに言いましょう。「お祝いの言葉とさせていただきます」「本日は本当におめでとうございます」の部分です。
「お幸せに」だけで締めてもいいですか?
短いスピーチや、くだけた雰囲気の会なら大丈夫です。上司や親族の立場なら、「お祝いの言葉とさせていただきます」まで言うと、改まった印象で締まります。
余興の締めの言葉も同じでいいですか?
基本の形は同じですが、余興では全員で声をそろえて言うなど、言い方に工夫ができます。「余興の締めの言葉の例文」に例をまとめています。
まとめ
- 笑いを入れたスピーチほど、締めはまじめに切り替える
- 笑いのあとは「つなぎの一言」をはさみ、ひと呼吸おいてから締めに入る
- 笑いを残すなら、はなむけの中に軽く1つだけ。結びの定型はまじめに言う
- 合図は「最後に」ではなく「結びになりますが」を使う
- 結びのあとにもう一度ボケない。笑いは結びの前に入れて温かい言葉に変える




