上司として結婚式でスピーチをするときは、「お祝い → 自己紹介 → 仕事ぶり → はなむけ → 結び」の順に話すのが基本です。時間は3〜4分が目安です。仕事ぶりは具体的な場面で褒め、ユーモアは自分のことや職場のあるあるで1〜2か所にとどめると、品よく笑いが生まれます。
この記事では、構成と時間の目安、褒め方とユーモアのコツ、新郎の上司・新婦の上司の例文を順に説明します。
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上司のスピーチは「会社を代表するお祝い」
新郎新婦の上司は、主賓として披露宴のはじめにスピーチを頼まれることが多い立場です。主賓の挨拶は、会社を代表してお祝いを伝え、職場での2人の姿を、親族や友人に知ってもらう役目があります。
そのため、同僚や友人のスピーチより、言葉づかいは改まったものになります。そのうえで、「この人の下で働けて、部下は幸せだな」と会場に感じてもらえるのが、上司のスピーチの理想です。
上司ではなく、恩師や取引先として主賓を頼まれた人向けの例文は「主賓挨拶でユーモアはどこまで?」にまとめています。
構成と時間の目安
主賓の挨拶は3〜5分、主賓のあとに話す上司なら2〜3分が目安です。読み上げる速さは1分に300字前後なので、4分なら1,200字ほどの原稿になります。
| 順番 | 話すこと | 時間の目安(4分の場合) |
|---|---|---|
| 1 | 新郎新婦への着席のすすめと、お祝いの言葉 | 15秒 |
| 2 | ご両家へのお祝いと自己紹介(会社名・役職・関係) | 30秒 |
| 3 | 仕事ぶりのエピソード(1〜2つ) | 90秒 |
| 4 | 職場での人柄、パートナーへのひと言 | 45秒 |
| 5 | はなむけの言葉 | 30秒 |
| 6 | ご両家へのお祝いと結び | 30秒 |
主賓の挨拶では、新郎新婦が立って聞いていることがよくあります。最初に「どうぞおかけください」とひと言かけると、2人も会場も落ち着いて話を聞けます。
締めの言い方に迷ったら、「結婚式スピーチの締めの言葉例文集」の上司向けの例文も使えます。
仕事ぶりの褒め方|評価より「場面」で語る
「まじめで責任感があります」と評価を並べても、会場の人には様子が浮かびません。上司だからこそ知っている、仕事中のひと場面を切り取って話すと、褒め言葉が具体的に伝わります。
| ありがちな褒め言葉 | 場面で伝える言い方の例 |
|---|---|
| まじめな人です | 大事な商談の前には、お客様に聞かれそうな質問を、ノート1冊分書き出してきます |
| 気配りができます | 新しく来た人の机に、いつの間にか社内の案内図が置いてあります。置いたのは〇〇くんです |
| お客様に信頼されています | お客様から、名前で指名の電話をいただくようになりました |
| 後輩思いです | 後輩の初めての商談の前の日には、必ず練習相手になってくれます |
褒めるときは、次のような話は避けます。
- 売上や成績などの数字の自慢(社外の人には伝わりにくく、社内の情報にも当たる)
- ほかの社員と比べる言い方(「〇〇くんより優秀で」など)
- 「辞められたら困る」など、結婚後の働き方に触れる冗談
ユーモアの入れ方|笑いは「自分」と「職場あるある」から
上司が部下の失敗をネタにすると、冗談のつもりでも、会場にはからかっているように聞こえることがあります。笑いは、自分のことを少し下げる話か、会社員なら誰でも分かる職場あるあるから作りましょう。
| 入れる場所 | ユーモアの例 |
|---|---|
| 冒頭のつかみ | 部下の結婚式でのスピーチは、社内の会議の発表よりずっと緊張いたします |
| 自分を少し下げる | 私の話が長いことは社内でも有名ですので、今日は時計を見ながらお話しします |
| 職場あるある | 月末になると、部署の空気が少しだけ静かになります。そんなときでも〇〇くんは… |
| はなむけの前 | 夫婦円満の秘けつを聞かれることがありますが、私にもまだ分かりません |
ユーモアは1〜2か所で十分です。笑いが起きたら、笑い声が落ち着くのを待ってから次に進みます。
反対に、部下の失敗談、お酒の席での話、見た目のこと、「子どもはまだか」といった家庭への口出しは、笑いになりません。お祝いの席で避けたい話題と言葉は「結婚式スピーチのマナーと忌み言葉」にまとめています。
上司の結婚式スピーチ例文2本
〇〇を名前や会社名に、エピソードを自分の職場のものに書きかえて使ってください。( )の中は動きの説明なので、読みません。
例文1:新郎の上司として(主賓・約4分)
(新郎新婦のほうを向いて)
〇〇くん、〇〇さん、どうぞおかけください。
(会場へ向けて)
〇〇くん、〇〇さん、ご結婚誠におめでとうございます。
ご両家ならびにご親族の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。
ただいまご紹介にあずかりました、〇〇株式会社 営業部の部長をしております、△△でございます。
僭越ではございますが、ひと言お祝いを申し上げます。
部下の結婚式でのスピーチは、社内の会議の発表より、ずっと緊張いたします。
どうぞ温かい目でお聞きいただければ幸いです。
〇〇くんは入社以来6年間、営業部で活躍してくれています。
〇〇くんの仕事ぶりをひと言で表すなら、「準備の人」です。
大事な商談の前には、お客様に聞かれそうな質問を、ノート1冊分書き出してきます。
一度、そのノートを見せてもらったことがあります。
質問が50個ほど並んでいて、その一つずつに答えが書いてありました。
そして51個目には、「部長に聞かれたら困ること」と書いてありました。
(笑いが落ち着くのを待つ)
何が書いてあったのかは、今日はあえて聞かないでおきます。
その準備のおかげで、〇〇くんは、お客様から名前で指名の電話をいただくようになりました。
後輩の初めての商談の前の日には、必ず練習相手になってくれます。
〇〇くんは、営業部にとって頼りになる存在であり、みんなのお手本です。
そんな〇〇くんから結婚の報告を受けたのは、昨年の秋でした。
いつもは穏やかに話す〇〇くんが、そのときだけは少し早口で、うれしそうに〇〇さんのことを話してくれました。
きっと〇〇さんに出会ったときも、たくさん準備をしてから話しかけたのだろうと思います。
〇〇くん、〇〇さん。
仕事の準備と同じように、家庭でも、二人で話し合う時間を大事にしてください。
夫婦円満の秘けつを聞かれることがありますが、私にもまだ分かりません。
分かりましたら、真っ先に〇〇くんにお伝えします。
結びになりますが、お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄を心よりお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、誠におめでとうございます。
例文2:新婦の上司として(約3分)
〇〇さん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。
新婦の〇〇さんが勤める、〇〇株式会社 人事部で課長をしております、△△と申します。
本日はお招きいただき、ありがとうございます。
〇〇さんは人事部で、新しく入社する方の研修を担当しています。
毎年春になると、〇〇さんの机の前には、新入社員の皆さんの顔写真と名前の一覧が貼られます。
研修の初日までに、全員の顔と名前を覚えるためです。
初日の朝、〇〇さんに名前で「おはようございます」と声をかけられた新入社員は、みんな驚いた顔をします。
そして、ほっとした顔になります。
〇〇さんの仕事は、その「ほっとした顔」を作ることなのだと、私は思っています。
そんな〇〇さんには、職場で少し有名な一面があります。
ランチのお店で、いつも店員さんに「おすすめは何ですか」と聞いて、おすすめとは違うものを頼むのです。
(少し間をとる)
でも、人の意見をよく聞いて、そのうえで自分で決める。
それは、〇〇さんの仕事のやり方そのものです。
結婚の報告をしてくれたとき、〇〇さんは「相手は、私の話をいつも急かさずに聞いてくれる人です」と話してくれました。
新郎の〇〇さん、これからも〇〇さんは、たくさん質問をすると思います。
どうぞ、急かさずに聞いてあげてください。
お二人とも、これからは二人で話して、二人で決めていってください。
職場の仲間一同、いつでもお二人を応援しています。
お二人の末永いお幸せと、ご両家のご繁栄をお祈りして、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、誠におめでとうございます。
例文を自分用に直すときは
エピソードの最後に、「それは〇〇さんの仕事のやり方そのものです」のように、仕事ぶりと人柄をつなぐ一文を入れます。笑いの話が、そのまま褒め言葉に変わります。
長くならないためのコツ
主賓の挨拶は、乾杯の前に行われることが多く、ゲストはグラスを前に待っています。話したいことが多くても、長くて5分以内に収めましょう。原稿の段階で、次のように削る話と残す話を分けておくと楽です。
| 削ってよい話 | 必ず残す話 |
|---|---|
| 会社の歴史や事業の説明 | 会社名と、自分と新郎新婦の関係 |
| 自分の結婚生活や結婚観 | 仕事ぶりのエピソード1〜2つ |
| 仕事の細かい説明 | はなむけの言葉1つ |
| 同じ意味の褒め言葉のくり返し | ご両家へのお祝いと結び |
原稿ができたら、スピーチ時間の計算ツールに貼って、読み上げにかかる時間を確かめてください。本番は笑いを待つ時間もあるので、練習で4分なら、本番は4分半ほどになると考えておきます。
業務が立てこんでいると、原稿を練る時間を取るのも難しいものです。そんなときは、原稿づくりを人に任せる方法もあります。
よくある質問
原稿を見ながら話してもいいですか?
大丈夫です。改まった場だからこそ、言い間違えないように清書した原稿を見ながら話しても、失礼には当たりません。白い封筒に入れておき、話す前に取り出すと、所作もきれいに見えます。
新郎新婦の片方しか知りません。
自分の部下のことを中心に話し、パートナーには、部下から聞いた話や今日の印象でひと言添えましょう。「〇〇くんから『いつも笑顔の人』と聞いていましたが、今日お会いして、そのとおりだと思いました」のように言えます。
2人とも自分の部下(社内結婚)の場合は?
2人の仕事ぶりを、それぞれ短く1つずつ話します。どちらかに話がかたよらないよう、時間を同じくらいに分けるのがコツです。
まとめ
- 上司のスピーチは、会社を代表して2人の職場での姿を伝える
- 主賓なら3〜5分、主賓のあとに話す上司なら2〜3分が目安
- 仕事ぶりは「評価」より「場面」で褒める
- ユーモアは自分を少し下げる話や、職場あるあるで1〜2か所
- 部下の失敗談、結婚後の働き方や家庭への口出しは話さない




