ツッコミのワード一覧|場面別に使える言い回し100とセンスの磨き方

丸いすに座って向かい合い、話す男性と聞く女性

ツッコミのワードは、ボケが「どうずれているか」に合わせて選ぶと迷いません。大げさなボケには「盛りすぎ」、勘違いには「そっちじゃない」のように、ずれ方ごとに合う言い回しがあります。

この記事では、10の場面に分けたオリジナルの言い回しを100個紹介します。台本の中での置き方と、自分だけのワードを作れるようになる練習もまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. ツッコミのワードは「ボケのずれ方」で選ぶ
  2. ボケの中身にツッコむワード(1〜50)
  3. 流れや場面に合わせるワード(51〜100)
  4. 台本の中でワードを効かせる置き方
  5. ワードセンスを磨く毎日の練習
  6. 使わないほうがいいツッコミのワード
  7. よくある質問
  8. まとめ

ツッコミのワードは「ボケのずれ方」で選ぶ

ツッコミのワードとは、ボケのおかしな所を、客席に分かる言葉で指さす一言です。同じ「おかしい」でも、話を盛ったのか、聞き間違えたのかで、合う言葉が変わります。下の早見表で場面を選び、その番号のワードから探してください。

場面ツッコミがすること番号
大げさに言った本当の大きさに戻す1〜10
勘違い・聞き間違い正しいほうを示す11〜20
言い間違いずれた所を指さす21〜30
常識外れの行動普通はどうするかを思い出させる31〜40
調子に乗ったふくらんだ気持ちをしぼませる41〜50
同じボケのくり返し回数を数える51〜60
脱線・長い話本題へ連れ戻す61〜70
スベった・変な間その場の空気を言葉にする71〜80
上司役・お店の人の役敬語のままツッコむ81〜90
ネタの締めネタ全体を終わらせる91〜100

場面がちがっても、使いやすいワードには共通点が3つあります。

  • 10字前後で言い切れる
  • ボケの中の言葉を1つ拾っている
  • 客席が心の中で思ったことを、代わりに言っている

いちばん大事なのは3つ目です。客席の「え?」を代わりに言葉にすると、笑ってもいいという合図になります。否定や例えなど、ツッコミの型そのものは「ツッコミの種類一覧」、ボケの型は「ボケの種類一覧」で紹介しています。

ボケの中身にツッコむワード(1〜50)

右の列は、そのワードが合うボケの例です。〇〇の所や語尾は、自分の話し方に合わせて変えてください。

大げさに言ったとき(1〜10)

番号ツッコミのワードこんなボケに
1「盛りすぎ」「駅まで走ったら、風になった」
2「話、大きくなってない?」「少し待った」が、2回目に話すと「半日待った」になる
3「さっきより増えてる」釣った魚が、話すたびに大きくなる
4「桁がひとつ多いよ」「うちの近くの坂、階段が1000段ある」
5「宇宙まで話を広げない」「今のくしゃみ、たぶん月まで届いた」
6「もう伝説になってる」「子どものころ、給食を3秒で食べ終えた」
7「見てた人、いないでしょ」「夜中にひとりで、腹筋を1万回した」
8「どうやって数えたの」「今日、ため息を283回ついた」
9「一回、本当のサイズで言って」「庭に、湖くらいの池がある」
10「大きく言えばいいってもんじゃない」「うちの猫、ほぼライオン」

勘違い・聞き間違いをしたとき(11〜20)

番号ツッコミのワードこんなボケに
11「そっちじゃない」「駅前に集合」と聞いて、隣の駅の前で待っている
12「どこで聞き間違えたの」「パン買ってきて」で、フライパンを買ってくる
13「一文字も合ってない」「カレー」が「くつした」に聞こえたと言う
14「最初から聞いてた?」説明を全部聞いたあとで「で、何の話?」
15「誰もそんなこと言ってない」「明日は休みにするって言ったよね」と言い張る
16「いいほうに取りすぎ」「『また今度』と言われた。次の約束が決まった」
17「思いこみが強い」「さっき目が合った鳩、たぶん友だち」
18「聞こえ方が独特」「はい、チーズ」と言われて、地図を広げる
19「勘違いのまま、ここまで来たの?」3日間、同僚を別の名前で呼んでいた
20「その話、どこから来たの」「来週から、社員食堂は全部カレーらしい」

言い間違い・言葉がずれたとき(21〜30)

番号ツッコミのワードこんなボケに
21「言い方」「ごちそうさま」を「満腹です、以上です」と言う
22「一個ずれてる」食べ終わってから「いただきます」と言う
23「混ざってる」「ありがとう」と「ごめん」が混ざって「ありがとめん」
24「そんな言葉ない」「今日は、すごくほがらかましい日だね」
25「似てるけど違う」「ハンバーガー」を「ハンガーバー」と言う
26「急に時代劇」「かたじけない」と言って、お茶を受け取る
27「たとえが遠い」「この忙しさは、南極のペンギンの子育てくらい」
28「主語が大きい」「人類はみんな、月曜日の朝が苦手」
29「ていねいに言えば許されると思ってる?」「大変恐縮ですが、ケーキを全部いただきました」
30「言い直してそれ?」「たこ焼き」を「いか焼き」と言い、言い直して「かに焼き」

常識外れのことをしたとき(31〜40)

番号ツッコミのワードこんなボケに
31「なんで今それやるの」大事な話の途中で、靴ひもを結び直し始める
32「順番が逆」靴をはいてから、靴下をはこうとする
33「使い方、合ってる?」ストローでラーメンを食べようとする
34「誰に断ってやってるの」人の家に来て、勝手に模様がえを始める
35「ここ、どこだと思ってるの」会議室で、寝袋を広げ始める
36「準備の方向が違う」面接の前の日に、握手の練習だけをしている
37「自由すぎる」遠足に、こたつを持ってくる
38「一回、普通にやってみて」ドアを開けるたびに、一回転してから入ってくる
39「気づいて」メガネを頭にのせたまま、メガネを探している
40「どうしてそうなった」カレーを作っていたはずが、お好み焼きができている

調子に乗ったとき・得意げなとき(41〜50)

番号ツッコミのワードこんなボケに
41「なんで得意げなの」間違えたのに、胸を張っている
42「誰もほめてない」「いやいや、そんなにほめないで」と勝手に照れる
43「拍手を待たない」普通のことを言って、客席のほうを見る
44「決めポーズはいらない」答えるたびに、ポーズを決める
45「自分で言う?」「僕って、気が利くでしょ」
46「まだ何も始まってない」試合の前から、優勝インタビューの練習をしている
47「急に偉そう」1回ほめられただけで、指示を出し始める
48「1回できただけでしょ」1回うまくいっただけで、教える側に回る
49「自分でハードル上げたね」「次のボケ、すごいから見てて」
50「いいね、それでいこう。……いや、いかないよ」無茶な提案に一度乗ってから止める(ノリツッコミ)

流れや場面に合わせるワード(51〜100)

後半は、ボケの中身より、ネタの流れや役の立場に合わせて使うワードです。

同じボケをくり返したとき(51〜60)

天丼(同じボケをくり返す笑い)には、回数を数えるようなワードが合います。客席も一緒に数えてくれるので、3回目の笑いが大きくなります。組み立て方は「天丼のやり方」で紹介しています。

番号ツッコミのワードこんなボケに
51「また?」2回目に同じボケが来たとき
52「それ、さっきも聞いた」同じ自慢話を、頭からもう一度始める
53「3回目は読めてた」3回目も同じボケが来たとき
54「今度は来ないんだ」来ると思った同じボケが、来なかったとき
55「もうそれしか言えないの?」何を聞いても、答えが「まあまあ」
56「回数、数えてるからね」「ちょっとだけ」を何度も言う
57「流行らせようとしてる?」同じ決めぜりふを何度も言う
58「そこまで同じなんだ」細かい動きまで、1回目とそっくりくり返す
59「気に入ってるでしょ、それ」くり返すたびに、うれしそうになる
60「次で最後ね」4回目に入りそうな所で、先に止める

話がそれたとき・長いとき(61〜70)

番号ツッコミのワードこんなボケに
61「本題どこ行った」旅行の話が、いつのまにか近所の犬の話になっている
62「戻ってきて」脱線が、3つ目の話題に入ったとき
63「前置きが長い」「結論から言うと……その前に、去年の春の話なんだけど」
64「それ、今いる?」道を聞かれて、駅の歴史から話し始める
65「要点を一言で」5分話しても、言いたいことが見えない
66「どこで息つぐの」早口で、ずっと一気にしゃべり続ける
67「今、話のどこにいるの」話があちこちに飛んで、聞く人が迷う
68「オチはあるんだよね?」長い話を、まだ続けようとしている
69「それ、さっきの話とつながる?」急に関係のない話を始める
70「一回、深呼吸しよう」興奮して、話がどんどん速くなる

スベったとき・変な間ができたとき(71〜80)

笑いが起きなかったときは、その空気ごと言葉にすると、そこで笑いが起きることがあります。相方を責めず、2人で失敗を引き受ける言い方にしましょう。

番号ツッコミのワードこんなボケに
71「練習では、ウケてたのにね」ボケのあと、客席が静かになったとき
72「静かすぎて、時計の音が聞こえる」会場がしんとしてしまったとき
73「自分で笑わない」ボケた本人だけが笑っている
74「説明しなくていい」スベったボケの意味を、自分で解説し始める
75「家で練習したよね?」練習したはずの動きが、まったくできていない
76「急に真顔」ボケた直後に、真剣な顔になる
77「間が長い」ボケる前に、長く黙りこむ
78「それ、分かる人少ないよ」一部の人しか知らない話をした
79「お客さんを置いていかない」2人にしか分からない内輪の話を続ける
80「切りかえていこう」スベったあと、次の話に進むとき

ていねい語で使えるツッコミ(81〜90)

番号ツッコミのワードこんなボケに
81「さすがに多すぎませんか」上司役が、資料を100部コピーしてくる
82「少々お待ちください。話が見えません」客役が、注文と関係ない話を始める
83「ご冗談ですよね」部長役が「明日の会議は、朝4時からね」
84「念のため、もう一度お願いします」客役が「ラーメン、麺抜きで」と注文する
85「そちらは売り物ではございません」客役が、店員のエプロンを買おうとする
86「お気持ちだけ、いただきます」抱えきれないほど大きなお土産を渡される
87「順番にうかがいますね」客役が、一度に10個の質問をしてくる
88「確認ですが、本気でおっしゃっていますか」部長役が「会議は全部、歌で進めよう」
89「勉強になります。何の勉強かは分かりませんが」上司役が、よく分からない豆知識を語り出す
90「前向きに、お断りします」取引先の役から、とんでもない提案をされる

ネタの締めに使うツッコミ(91〜100)

番号ツッコミのワードこんなボケに
91「もういいよ」どんなネタにも使える、いちばん短い締め
92「いい加減にしなさい」ボケが最後まで止まらなかったとき
93「もう付き合いきれないよ」相方に最後まで振り回されたネタ
94「最初からやり直し」話が、ネタの冒頭の場面に戻ったとき
95「結局それなの?」最後に、最初のボケに戻ってきたとき
96「最後まで〇〇だったね」ネタ全体のずれをまとめる(例:最後まで聞き間違えてたね)
97「それ、最初に言って」最後に、大事なことが明かされたとき
98「次は、ちゃんと準備してきて」失敗続きの役のまま終えるとき
99「今日いちばんのボケ、それ?」最後の一言が、いちばん大きなずれだったとき
100「もう帰らせてもらうよ」2人でおじぎをして、舞台を下りるとき

台本の中でワードを効かせる置き方

同じワードでも、ネタのどこで使うかで効き目が変わります。一覧のワードを使って書いた短い台本で、置き方を見てみましょう。

台本ギターを始めた(約40秒)

A最近、ギターを始めたんだよ。

Bへえ、いいね。

Aもう、ほぼプロ。

B盛りすぎ。まだ1週間でしょ。

A先生にも「すごいですね」って言われた。

B何がすごいって?

A「ケースの開け方が、きれいですね」って。

Bほめられたの、そこなんだ。

A練習も、毎日3時間はやってる。

Bそれはすごい。

A上手な人の動画を、ずっと見てる。

Bそっちじゃない。弾くのは、自分。

A(胸を張って)おかげで、拍手のタイミングはばっちり。

Bなんで得意げなの。

A来月からは、ピアノも始めようと思って。

Bお、弾くんだ。

A上手な人の動画を、ずっと見る。

B結局それなの?

この台本では、一覧の1・11・41・95番のワードを使っています。「ほめられたの、そこなんだ」は一覧にありませんが、ボケの「ほめられた」を拾って作ったワードです。置き方のコツは次の4つです。

  • 前半は「盛りすぎ」のような短いワードで、テンポを作る
  • 山場のボケには、「弾くのは、自分」のように一言足して重みを出す
  • 同じワードは続けて使わない(天丼のときだけは、わざとそろえる)
  • ツッコんだあとに、理由の説明を足さない

ワードは、言うタイミングで生きも死にもします。ボケを言い終わってから半拍おいて言うのが基本です。笑いを待つ長さの練習は「漫才の間とテンポの取り方」を参考にしてください。

ワードセンスを磨く毎日の練習

ワードセンスとは、その場面にぴったりの短い言葉を選ぶ力です。生まれつきの才能に見えますが、候補をたくさん出して、選んで、削る練習で育てられます。

1つのボケに5つのツッコミを書く

ボケを1つ決めて、方向のちがうツッコミを5つ書きます。否定する、質問する、言い直す、例える、気持ちを言うの5つです。

例文ボケ「新しい靴、もったいないから飾ってる」へのツッコミ

否定する:「はいて」
質問する:「何のために買ったの」
言い直す:「それはもう、靴じゃなくて置物」
例える:「美術館の展示みたいになってる」
気持ちを言う:「靴がかわいそう」

5つ並べたら、いちばん短くて、客席の気持ちに近いものを選びます。この例なら「はいて」か「靴がかわいそう」が使いやすいでしょう。選ばなかったワードも、同じボケをくり返す2回目、3回目に回せます。例えのワードの作り方は「例えツッコミのコツ」でくわしく紹介しています。

選んだワードを10字以内に削る

長いツッコミは、言っているうちに笑いのタイミングを過ぎてしまいます。「いやいや」「っていうのは」のような、つなぎの言葉から消していきましょう。

例文削る前と削った後

削る前:「いやいや、靴っていうのは、はくために買うものでしょ。飾ってどうするの」
削った後:「靴は、はくもの」

毎日10分の練習の手順

時間
1日10分
人数
1人
準備物
ノートかスマホのメモ
難しさ
★
  1. その日に聞いた、少しおかしな一言を1つメモする(自分の言い間違いでもよい)
  2. その一言をボケと見立てて、5つの方向でツッコミを書く
  3. いちばんよいものを、10字以内に削る
  4. 語尾を「はいて」「はいてよ」「はきなさい」のように3通りにして、声に出す
  5. いちばん言いやすいものを、場面ごとに分けたワード帳に書き写す

ワード帳は、この記事の一覧と同じように場面ごとに分けておくと、台本を書くときに探しやすくなります。テレビで聞いた言い回しを書き写すのではなく、自分で作ったワードだけをためていきましょう。

使わないほうがいいツッコミのワード

強い言葉ほど笑いが取れそうに思えますが、客席がひやっとすると、笑いはかえって止まります。次のワードは避けて、代わりの言い方を使いましょう。

避けたいワード理由代わりの言い方
見た目や体型にふれる言葉容姿いじりになり、客席も笑いにくい「その動き、何?」と行動にツッコむ
年齢・性別・出身にふれる言葉決めつけになり、傷つく人が出る「その発想はなかった」
命や暴力にかかわる強い言葉冗談でも、聞いてつらくなる人がいる「びっくりさせないで」
「つまらない」「寒い」相方を下げると、客席も笑いにくい71番「練習では、ウケてたのにね」
強くたたくなど、言葉の代わりの手見ている人がひやっとする言葉だけでツッコむ

ワードを選んだら確かめること

  • 10字前後で言い切れるか
  • ボケの中の言葉を1つ拾っているか
  • 人ではなく、ボケの言葉や行動にツッコんでいるか
  • 同じワードが、続けて出てきていないか
  • 声に出したとき、言いにくくないか

よくある質問

関西の言葉でないと、ツッコミは弱く聞こえませんか?

そんなことはありません。大切なのは、ふだん自分が使っている言葉で、短く言い切ることです。言い慣れない言葉を無理に使うと、語尾がぎこちなくなり、かえって笑いにつながりにくくなります。

この一覧のワードを、そのまま台本に使ってもいいですか?

使ってかまいません。特定の誰かのネタではなく、誰でも使える形で作った言い回しです。ただ、ボケの中の言葉を1つ入れて直すと、そのネタだけのワードになり、もっと効きます。テレビで聞いた芸人さんの決めぜりふは、まねしないようにしましょう。

いつも同じワードになってしまいます。

ボケのずれ方が、早見表のどの場面に当たるかを考えてみてください。同じ「おかしい」でも、大げさなら1〜10番、勘違いなら11〜20番と、選べるワードが変わります。語尾や長さを変えるだけでも、印象は新しくなります。

まとめ

  • ツッコミのワードは、ボケの「ずれ方」に合わせて選ぶ
  • 10字前後で言い切り、ボケの言葉を1つ拾うと、そのネタだけのワードになる
  • 前半は短いワードでテンポを作り、山場で一言足して重みを出す
  • 1つのボケに5つのツッコミを書き、10字以内に削る練習でセンスを磨く
  • 見た目や年齢など、人そのものにはツッコまない
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