例えツッコミのコツ|上手な例えを作る3つの手順と例30

大きなノートの形の衣装を着て、舞台の上で身ぶりをする女性

例えツッコミのコツは、相手の様子から「いちばん目立つ特徴」を1つ選び、同じ特徴を持つ身近なものに置きかえることです。「特徴を決める、似たものを探す、短く言う」の3つの手順で考えると、センスに頼らなくても例えが作れます。

この記事では、上手な例えを作る手順と、伝わる例え・伝わらない例えの違いを紹介します。後半には、場面別のオリジナルの例を30個まとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 例えツッコミとは? ふつうのツッコミとの違い
  2. 上手な例えを作る3つの手順
  3. 伝わる例えと、伝わらない例えの違い
  4. 場面別・オリジナルの例えツッコミ30
  5. 例えが浮かぶようになる練習
  6. よくある質問
  7. まとめ

例えツッコミとは? ふつうのツッコミとの違い

例えツッコミとは、おかしなところを、別のものに例えて指摘するツッコミです。ふつうのツッコミが「おかしい」と言うのに対して、例えツッコミは「何に似ているか」を言います。

場面ふつうのツッコミ例えツッコミ
会議が予定より1時間のびた「長すぎない?」「もう映画1本分だよ」
玄関に家族の靴がずらりと並んでいる「靴、多すぎない?」「玄関が、靴屋さんの棚みたい」
友人の前置きが長く、本題に入らない「早く本題に入って」「予告編が長いね。本編はいつ?」

例えツッコミで笑いが起きるのは、聞いた人の頭に2つの絵が同時に浮かぶからです。「長い会議」と「映画」が重なったとき、「確かに似てる」という発見が生まれます。正しく指摘するより、「確かに」と思わせることが、例えツッコミの目的です。

ほかのツッコミの型もあわせて知りたい人は、「ツッコミが上手くなる方法」から読むと、全体がつかめます。

上手な例えを作る3つの手順

例えは、ひらめきで出てくるものに見えます。けれども、手順に分けて考えれば、誰でも作れるようになります。

手順1:特徴を1つにしぼる

最初に、目の前の様子の「どこがふつうと違うのか」を見つけます。特徴をいくつも詰めこむと、例えがぼやけてしまいます。次の6つの視点から、いちばん目立つものを1つ選びましょう。

視点自分に聞くこと特徴の例
量多すぎる? 少なすぎる?書類が山のように積んである
時間長すぎる? 短すぎる?会議が予定よりのびた
速さ速すぎる? 遅すぎる?パソコンの起動が遅い
くり返し何度も起きている?同じ議題が何度も出てくる
形・色何かの形や色に見える?お弁当のおかずが茶色い
動き行ったり来たりしている?コーヒーを何度も温め直す

手順2:同じ特徴を持つものを探す

特徴を言葉にしたら、「ほかに〇〇なものは?」と自分に聞きます。乗り物、食べ物、季節の行事、お店、家電、自然など、身近なものの中から3つ以上挙げてみましょう。候補を並べてから、いちばん伝わりそうなものを選びます。

例文例えを作るメモ(友人の前置きが長いとき)

特徴:本題の前の話が、長く続く
似たもの:映画の予告編、長いトンネル、遠回りのバス
選んだもの:映画の予告編(誰でも知っていて、「本編の前」がそのまま伝わる)
言い方:「予告編が長いね。本編はいつ?」

手順3:短く言い切る

最後に、例えを短い一言にします。よく使う言い方の形は、次の4つです。

言い方の形例向いている場面
「〜みたい」「靴屋さんの棚みたい」どんな相手にも使いやすい
「もう〜だよ」「もう映画1本分だよ」大げさにして笑いたいとき
「〜の〇〇」「トッピングの福袋だね」ものに名前をつけて短く決めたいとき
「〜か」「各駅停車か」仲のよい相手と、テンポよく話すとき

例えを言ったあとに、「だって〜だから」と理由を足すのはやめましょう。説明すると、相手が自分で気づく楽しさがなくなってしまいます。

伝わる例えと、伝わらない例えの違い

伝わる例えには、「誰でも知っている」「すぐ絵が浮かぶ」「一言で言える」「誰も傷つけない」という4つの条件があります。どれかが欠けると、上手な例えでも笑いにつながりません。よくある失敗と、直し方を表にまとめました。

伝わらない理由伝わりにくい例え直した例え
一部の地域の人しか知らない「この渋滞、地元の〇〇橋みたい」「この渋滞、初もうでの行列みたい」
一部の世代しか知らない子どものころに流行った遊びや番組季節の行事や食べ物など、世代を問わないもの
長くて、絵が浮かぶ前に終わる「この机、引っ越し前日の押し入れの奥の段ボールみたい」「この机、押し入れみたい」
専門的すぎる趣味や仕事の専門用語を使った例え家の中や街で見かけるものの例え

人の見た目に例えない

人の見た目や体型、年齢を何かに例えるのは、ツッコミではなく、からかいになりやすい言い方です。実在の人に例えるのも、その人を笑いものにしかねません。例えるのは、出来事や物、その場の状況にしましょう。

場面別・オリジナルの例えツッコミ30

ここからは、場面別の例を30個紹介します。「使った特徴」の列を見ると、手順1で何を選んだのかが分かります。自分で例えを作るときの手本にしてください。

家・生活の例え10

場面例えツッコミ使った特徴
洗濯物を何日もソファに積んだまま「ソファが、ワゴンセールの売り場になってるよ」山積みから選んで取る
冷蔵庫に調味料しか入っていない「冷蔵庫が、調味料の博物館になってる」並んでいるのに食べられない
スマホの充電が、いつも残りわずか「その充電、給料日前のお財布みたいだね」いつもぎりぎり
目覚まし時計を5個かけている「目覚まし5個は、もう朝の合唱団だよ」たくさん鳴る
リモコンが毎回ソファのすき間から出てくる「ソファのすき間が、リモコンの実家になってる」いつも同じ場所に帰る
お風呂に1時間半入っていた「1時間半は、もう日帰り温泉だよ」長い滞在
毎朝、家の鍵が見つからない「その鍵、毎朝かくれんぼしてるね」隠れて見つからない
引き出しに割りばしが何十本もある「その引き出し、割りばしの貯金箱だね」少しずつたまる
コーヒーを何度も温め直している「そのコーヒー、レンジと机を通勤してるね」行ったり来たり
家じゅうの電気がついている「家が、夜の遊園地みたいに光ってるよ」全部が明るい

職場・学校の例え10

場面例えツッコミ使った特徴
会議で同じ議題が何度も出る「この議題、回転ずしみたいに回ってくるね」同じものが何度も来る
メールの返事が何日も来ない「そのメール、宇宙に送った?」遠くて返事が来ない
机の上に書類が積み重なっている「机の上、地層みたいになってるよ」古いものが下に重なる
資料に付せんがびっしり貼ってある「付せんだらけで、資料がクジャクになってる」色とりどりに広がる
パソコンの起動がとても遅い「このパソコン、朝に弱い人みたいだね」なかなか動き出さない
やることを片づけても、次々に増える「その仕事、わんこそばみたいに次が来るね」終わるとすぐ足される
エレベーターが全部の階に止まる「このエレベーター、各駅停車だね」全部に止まる
全員の予定が合う日が見つからない「日程調整が、パズルの最後の1ピースだね」あと少しで決まらない
会議室の冷房が効きすぎている「この会議室、冷蔵庫の中みたいだね」とても寒い
ホワイトボードが書き込みで埋まっている「ホワイトボードが、テスト前日のノートみたい」すき間なく書いてある

食事・おでかけ・会話の例え10

場面例えツッコミ使った特徴
ラーメンのトッピングを全部のせた「それ、トッピングの福袋だね」全部入り
2泊の旅行に大きなスーツケース「2泊でその荷物? もう引っ越しだよ」量が多い
財布がポイントカードでふくらんでいる「財布が、カードの図書館になってるね」たくさん並んで入っている
旅行の計画表が分きざみで書いてある「その計画表、新幹線の時刻表みたいだね」分単位で細かい
料理の写真を撮るのに5分かけている「その撮影、雑誌の表紙を撮ってるみたい」こだわって何枚も撮る
お弁当のおかずが全部茶色「お弁当、秋の山みたいな色だね」茶色が多い
「ちょっと寄り道」が2時間になった「その寄り道、もう遠足だよ」長くて楽しい外出
「あと5分」と言ってから30分たった「その5分、時差があるね」時間がずれている
話がどんどん別の話題に移っていく「話が、乗りかえを3回してるよ」次々に移る
メニュー選びがなかなか終わらない「メニュー選び、延長戦に入ったね」決着がつかず長引く

例えを使うのは1回の会話で1〜2回まで

上手な例えも、続けて言うと「狙っている」感じが出てしまいます。ここぞという場面で1回使うほうが、印象に残ります。

例えが浮かぶようになる練習

例えを作る力は、「特徴を見つける」と「似たものを思い出す」の練習で育ちます。身の回りの物を1つ選んで、連想を書き出す「連想メモ」がおすすめです。連想とは、1つのことから別のことを思い浮かべることです。

時間
10分
人数
1人
準備物
紙とペン(スマホのメモでも可)
難しさ
★
  1. 身の回りの物を1つ選ぶ(洗濯ばさみ、傘、電子レンジなど)
  2. その物の特徴を3つ書く(形、動き、使われ方など)
  3. 特徴ごとに、同じ特徴を持つものを3つずつ書く
  4. いちばん伝わりそうなものに丸をつけ、「〜みたい」の形で言ってみる
例文連想メモの例(お題:洗濯ばさみ)

特徴1:口を開けたり閉じたりする → ワニ、カスタネット、トング
特徴2:はさんだら、なかなか離さない → カニのはさみ、クリップ、だだをこねる子ども
特徴3:ずらりと並んでぶら下がる → 干し柿、風鈴の売り場、つり革
丸をつけたもの:ワニ(形も動きも、すぐ絵が浮かぶ)

1日1つ、「〇〇みたい」と思ったことをメモに残すだけでも、例えの引き出しは増えていきます。毎日続けられる練習メニューは、「笑いのセンスを磨くには?」でも紹介しています。

よくある質問

例えが長くなってしまいます。

特徴を2つ以上入れていないか見直しましょう。「古くて、多くて、散らかっている」のように特徴が重なると、例えも長くなります。いちばん目立つ特徴を1つだけ残すと、短く言えるようになります。

思いつくまでに時間がかかって、会話に間に合いません。

会話の中で、その場で作る必要はありません。「長い」「多い」「何度も」など、よく出会う特徴に合わせた例えを、ふだんから2〜3個ずつ用意しておきましょう。用意した例えでも、場面に合っていれば十分に笑いになります。

例えがすべったときは、どうすればいいですか?

説明はしないで、「今のは、ちょっと遠かったね」と自分で軽く認めましょう。気まずさを引きずらずに、次の話へ進めます。立て直しの一言は「滑ったときの返し方」にまとめています。

まとめ

  • 例えツッコミは、いちばん目立つ特徴を1つ選び、同じ特徴を持つ身近なものに置きかえる
  • 手順は「特徴を決める、似たものを探す、短く言う」の3つ
  • 誰でも知っていて、すぐ絵が浮かぶものに例え、理由の説明は足さない
  • 人の見た目や年齢には例えず、出来事や物に例える
  • 連想メモを続けると、例えの引き出しが増える
「話し方」の記事一覧へトップページへ戻る