大喜利のコツは、いきなり面白い答えを探さず、3段階で考えることです。「連想で材料を集める」「ふつうの答えからずらす」「具体的な言葉にする」の順に進めます。この順番を知っておくと、何も浮かばずに固まる時間がぐっと減ります。
この記事では、3つの型をオリジナルのお題と答えの例で説明します。答えを言うときのコツと、毎日5分から続けられる練習のしかたもまとめました。
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大喜利とは?答えを考える前に知っておくこと
大喜利は、出されたお題に対して、面白い答えを返す遊びです。宴会やテレビの企画、友人どうしの遊びなど、いろいろな場で楽しまれています。
答えが面白く感じられるのは、聞いた人の予想と少しずれていて、しかも「なるほど」と分かるときです。ずれが小さすぎると当たり前に聞こえ、大きすぎると意味が伝わりません。笑いが生まれる仕組みは「笑いが起きる仕組み」で詳しく説明しています。
お題には、よく使われる形がいくつかあります。形ごとに考える入口がちがうので、先に知っておくと楽になります。
| お題の形 | 例 | 考える入口 |
|---|---|---|
| こんな〇〇はいやだ | こんな図書館はいやだ | 〇〇の「ふつう」を挙げて、困る形に変える |
| 〇〇の一言 | 1年ぶりに目を覚ましたクマの一言 | 誰が、どんな気持ちで言うかを考える |
| どんな〇〇? | やる気のない自動販売機。どんな自動販売機? | 見た目や動き、セリフで特徴を言う |
| 〇〇していること | おばけが、こっそり練習していること | ふつうの答えを1つ決めて、ずらす |
型1 連想で材料を集める
答えが浮かばないときは、いきなり答えを考えるのをやめて、お題の中の言葉から連想した言葉を書き出します。物、人、音、決まり文句など、何でもかまいません。10個書き出すまで、面白いかどうかは考えないのがコツです。
材料がそろったら、1つずつ「これがお題に合うように変わったら?」と考えます。材料が10個あれば、答えの入口も10個あることになります。
連想した言葉:本棚、「お静かに」の張り紙、返却日、司書さん、しおり、閉館の音楽、貸し出しカード、自習机、新聞、本の帯
「お静かに」の張り紙 → 張り紙の文字を、館長が大声で読み上げている
返却日 → 返すのが1日遅れると、司書さんが家の前で待っている
本棚 → 並び順が、あいうえお順ではなく「館長の好きな順」
閉館の音楽 → 閉館が近づくにつれて、音楽がどんどん速くなる
しおり → しおりをはさんだページの続きを、司書さんが先に教えてくる
連想する言葉は、目に浮かぶものほど答えにしやすくなります。「知識」「静けさ」のような目に見えない言葉より、「張り紙」「しおり」のような形のある物を多めに挙げましょう。
型2 ふつうの答えから「ずらす」
もう1つの入口は、まじめな答えを先に1つ決めてから、それを少しずらす方法です。ふつうの答えがあると、どこをずらせばよいかが見えてきます。
ずらし方には、次のような種類があります。お題「おばけが、こっそり練習していること」で、ふつうの答えを「人をおどかす練習」として、ずらしてみます。
| ずらし方 | やり方 | 答えの例 |
|---|---|---|
| 大きさを変える | 数や量を、極端に大きくするか小さくする | 一度に100人をおどかすための発声練習 |
| 立場を逆にする | する側とされる側を入れかえる | 人間におどかされても、驚かない練習 |
| 場面を変える | ふつうはいない時間や場所に置く | 朝の通勤ラッシュの電車に出る練習 |
| 今の時代に合わせる | 昔からあるものを、今の暮らしに置く | スマホのカメラに、うまく写る練習 |
| 気持ちを入れる | 人らしい気づかいや本音を持たせる | おどかしたあとに「驚かせてすみません」と謝る練習 |
どのずらし方も、元は「人をおどかす練習」という1つの答えです。ふつうの答えを先に決めておくと、ずらす方向をいくつも試せます。ずらし方の種類は、「ボケの種類一覧」の12の型も参考になります。
型3 具体的な言葉にする
考えた答えがぼんやりしていると、聞いた人の頭に場面が浮かびません。数字、時間、セリフ、物の名前を入れて、具体的な言葉にしましょう。
お題「やる気のない自動販売機。どんな自動販売機?」で、ぼんやりした答えを具体的に直してみます。
| ぼんやりした答え | 具体的にした答え | 使った具体化 |
|---|---|---|
| なかなか出てこない | ボタンを押すと「本当にそれでいいですか」と聞いてくる | セリフにする |
| お釣りがおかしい | お釣りが、全部1円玉で出てくる | 数字を入れる |
| 夜は働かない | 夜9時になると明かりを消して「本日の営業は終了しました」 | 時間とセリフを入れる |
| 品ぞろえが悪い | 12個のボタンが、全部同じ水 | 数字を入れる |
左の列は「そうかもね」で終わりますが、右の列は場面が目に浮かびます。具体化は、ほかの2つの型で出した答えの仕上げにも使えます。連想やずらしで答えが出たら、最後に数字やセリフを入れられないか見直しましょう。
3つの型を1つのお題で組み合わせる
慣れてきたら、1つのお題に3つの型を順番に使ってみましょう。ここでは「〇〇の一言」の形のお題で、メモの取り方を紹介します。
連想した言葉:冬眠、ほら穴、はちみつ、鮭、春、雪
ふつうの答え:「よく寝た。おなかすいた」
ずらし(気持ちを入れる):「春の歓迎会、もう終わっちゃった?」
ずらし(今の時代に合わせる):「寝ているあいだに、通知が999件」
連想の「雪」から:「外が雪だ。1年たったなら、また冬か」
具体化で仕上げ:「よく寝た。……さて、そろそろ冬眠するか」
最後の答えは、ふつうの答えの「よく寝た」と、連想で出した「雪」を組み合わせ、本人のセリフの形に整えています。1年寝ていたなら、起きたときはまた冬だ、という気づきが笑いの元です。
「〇〇の一言」のお題は、答えが最初からセリフなので、具体化がしやすい形です。誰が、どんな気持ちで言うのかを決めてから、口に出したときに自然な言い方に直しましょう。
答えを言うときのコツ
同じ答えでも、言い方で伝わり方が変わります。発表するときは、次のことに気をつけましょう。
- 答えは短く言い切る。あとから説明を足さない
- お題の形に合わせて終える(「〜していること」なら「〜の練習」で終える)
- 言う前に、ひと呼吸おいてから話し始める
- フリップに書くなら、大きな字で1〜2行に収める
- 言ったあとに、自分で笑ったり言い訳をしたりしない
答えのあとに「つまり、〜ということで」と説明を足すと、笑いが起きる前に答えがしぼんでしまいます。伝わらなかったと感じても、次の答えで取り返せば大丈夫です。
人を傷つける答えは出さない
その場にいる人の見た目や年齢、出身などを答えに使うと、言われた人も周りの人も笑えません。宴会などで大喜利をするときは、実在の人ではなく、物や動物、架空の人物を主役にした答えにしましょう。
大喜利が上手くなる練習法
大喜利の力は、数をこなすほど伸びていきます。特別な道具はいりません。お題1つと、メモ帳かスマホのメモがあれば始められます。
- お題を1つ決め、5分で答えを10個書く(質より数)
- 書いた10個の中から、いちばん良いものに1つだけ丸をつける
- 丸をつけた答えを、具体化の型で言い直す
- 1週間後に読み返し、まだ面白いと思えるものを残す
慣れてきたら、曜日ごとに使う型を決めると、苦手な型が分かります。
| 曜日 | やること | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 月曜 | 連想だけで答えを10個 | 5分 |
| 火曜 | ずらしだけで答えを10個 | 5分 |
| 水曜 | 月曜と火曜の答えを、具体化で直す | 5分 |
| 木曜 | 新しいお題で、3つの型を全部使う | 10分 |
| 金曜 | その週の答えから、いちばん良い3つを選ぶ | 5分 |
| 土日 | 家族や友人とお題を出し合う | 15分 |
練習に使うお題は「大喜利のお題一覧」から選べます。写真を使う大喜利なら、「写真で一言のコツ」の手順が使えます。
みんなでやるときの進め方
友人や家族と練習するときは、答えを紙に書いてから一斉に見せる形にすると、話すのが苦手な人も参加しやすくなります。
- 時間
- 10〜15分(お題3つ)
- 人数
- 3〜8人
- 準備物
- 答えを書く紙かホワイトボード、太いペン
- 難しさ
- ★★
1つのお題に2〜3分の時間をとり、全員の答えを見せ合ったら、いちばん笑った答えに拍手で投票します。勝ち負けより、ほかの人の答えから「その考え方があったか」と学べるのが、みんなでやるよさです。
よくある質問
答えが1つも浮かばないときは、どうすればいいですか?
お題の中の言葉から、連想する言葉を10個書き出すところから始めましょう。それでも出ないときは、まじめな答えを1つ書き、それを大げさにするだけでもかまいません。白紙のまま待つより、何か書いてから直すほうが早く答えにたどりつきます。
その場ですぐに答えないといけないときは?
考える型を1つに決めておくと、速く答えられます。迷ったら、「立場を逆にする」か「気持ちを入れる」から試すと、どんなお題にも当てはめやすいです。最初の1つは完ぺきを目指さず、早めに出して場をあたためましょう。
面白い答えと、伝わらない答えのちがいは何ですか?
聞いた人が、すぐに場面を思い浮かべられるかどうかです。説明を足さないと分からない答えは、ずれが大きすぎるか、言葉がぼんやりしています。具体化の型で直すと、伝わりやすくなります。
毎日やらないと、上手くなりませんか?
毎日でなくても大丈夫です。週に2〜3回でも、決まった時間にお題を1つ解く習慣があれば、少しずつ答えが出る速さが上がります。考え方の練習をもっと広げたいときは、「笑いのセンスを磨くには?」の練習メニューも合わせて使えます。
まとめ
- 大喜利の答えは、連想・ずらし・具体化の3つの型で考えると浮かびやすい
- 連想は、形のある言葉を10個書き出してから答えにする
- ずらしは、ふつうの答えを先に1つ決めてから方向を変える
- 仕上げに、数字やセリフを入れて具体的な言葉にする
- 練習は、1つのお題で5分に10個から始め、型ごとに曜日を分ける





