笑いのセンスを磨くには?毎日5分の練習メニューと考え方

机の上でノートを開き、ページをめくる手元とペン

笑いのセンスは、毎日の練習で磨けます。センスの正体は、小さなずれに「気づく力」と、それを人に伝わる言葉に「言い換える力」の2つだからです。どちらも、使えば使うほど育つ力です。

この記事では、笑いのセンスの正体を例で分解し、1日5分でできる練習メニューと、お笑いを見るときの見方を紹介します。「自分にはセンスがない」と感じている人にこそ、試してほしい方法です。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 笑いのセンスの正体は「気づく力」と「言い換える力」
  2. センスがないと感じる人がつまずく3つのところ
  3. 毎日5分の練習メニュー
  4. お笑いの見方を変えると、センスが育つ
  5. 日常の会話で使ってみる
  6. よくある質問
  7. まとめ

笑いのセンスの正体は「気づく力」と「言い換える力」

「センスがある」と言われる人は、特別な才能を持っているわけではありません。ほかの人が見過ごす小さなずれに気づき、それをみんなが分かる言葉に置きかえています。ずれとは、「ふつうはこうなのに、なぜか違う」と感じるところのことです。

同じ場面でも、2つの力を使うかどうかで、言葉はこう変わります。

段階言葉の例使っている力
そのまま言う「電車が混んでいました」なし
気づいて言う「満員電車で、つり革1本を3人で持っていました」気づく力
気づいて言い換える「満員電車で、自分の足がどこにあるのか分からなくなりました」気づく力と言い換える力

気づく力は「何を話すか」を、言い換える力は「どう言うか」を決めます。片方だけでも会話は少し面白くなりますが、両方そろうと、聞く人の頭に場面が浮かんで笑いが起きやすくなります。

もう1つ大切な「言わない」判断

センスがいいと言われる人は、思いついたことを全部は言いません。その場に合わないもの、誰かが傷つくものは、言わずに飲みこみます。「言わない」を選べることも、笑いのセンスのうちです。人の見た目や年齢、出身をからかう笑いは、思いついても口にしないと決めておきましょう。

センスがないと感じる人がつまずく3つのところ

「自分にはセンスがない」と感じる人の多くは、才能ではなく、次のどこかでつまずいています。

つまずくところよくある様子効く練習
気づいても流してしまう「あれ?」と思ったのに、すぐ忘れる練習1:違和感メモ
言葉が出てこない面白いと思うのに、うまく言えない練習2:3通りの言い換え
言うタイミングを逃す思いついたときには、話題が変わっている練習3:心の中のツッコミ

どれも、1日数分の練習で変わっていきます。自分がどこでつまずいているかが分かると、練習を選びやすくなります。

毎日5分の練習メニュー

次の4つを、1日5分で順番に行います。全部できない日は、1つだけでもかまいません。

練習時間やり方育つ力
1. 違和感メモ1分今日見た「あれ?」を1行で書く気づく力
2. 3通りの言い換え2分お題の言葉を3通りに言い換える言い換える力
3. 心の中のツッコミ1分張り紙や見出しに、心の中で一言返す言うタイミング
4. 今日のタイトル1分1日を見出しのように一言でまとめるまとめる力
時間
1日5分
人数
1人
準備物
ノートかスマホのメモ
難しさ
★

練習1:違和感メモ

1日1つ、「あれ?」と思ったことを1行で書きます。面白いかどうかは考えなくて大丈夫です。数がたまるほど、気づく目が育っていきます。

例文1週間の違和感メモの例

月:エレベーターの「閉」のボタンだけ、文字がうすくなっていた
火:コンビニのレジで、前の人と同じおにぎりを3個ずつ買っていた
水:雨の日だけ、会社の入口の傘立てが満員電車みたいになる
木:お店の「本日のおすすめ」の黒板が、3日続けて同じだった
金:自動ドアの前で、開くまでの1秒、みんな少しだけ止まる
土:公園のハトが、パンを持っている人だけを正確に見分けていた
日:洗濯物を干した30分後に、雨が降ってきた

週末にメモを読み返すと、ずれの形が見えてきます。「みんなが同じことをしている」「言っていることとやっていることが違う」などです。メモの続け方は「ネタ帳の作り方と使い方」も参考になります。

練習2:3通りの言い換え

ありふれた言葉をお題にして、「数字にする」「例える」「誰かのセリフにする」の3通りに言い換えます。

お題数字にする例える誰かのセリフにする
暑い駅までの5分で、シャツの色が1段濃くなったドライヤーの風を正面から浴びている感じ日陰が「こっちにおいで」と呼んでいる
忙しい今日のお昼ごはんは、3分で食べ終えた回転ずしのお皿のように、仕事が次々に流れてくるカレンダーが「もう空いている日はないよ」と言っている

お題は、「寒い」「眠い」「お腹がすいた」「雨がすごい」「待ち時間が長い」など、毎日使う言葉で十分です。例えの作り方をもっと知りたい人は「例えツッコミのコツ」を読んでみてください。

練習3:心の中のツッコミ

ツッコミとは、おかしなところを指摘して笑いに変える一言のことです。街の張り紙や天気予報などに、心の中で一言返します。声に出す必要はありません。

例文心の中のツッコミの例

大きな赤い文字で「静かにしてください」と書かれた張り紙 → 「文字が一番にぎやか」
天気予報「降水確率50%」 → 「空も迷っている」
「まもなく電車がまいります」が3回流れた → 「まもなくが長い」

ツッコむ相手は、張り紙や出来事だけにします。すれ違った人の服装や見た目にはツッコまないと決めておくと、会話で使うときにも安心です。

練習4:今日のタイトル

寝る前に、その日を新聞の見出しのように一言でまとめます。長い出来事を短く言う練習になり、話をまとめる力もつきます。

例文今日のタイトルの例

傘を持って出た日に限って、一日中晴れた → 「傘、今日も散歩だけ」
エレベーターで、同じ人と3回乗り合わせた → 「今日の相棒は、7階の人」

お笑いの見方を変えると、センスが育つ

お笑い番組や動画、ライブを見るのも練習になります。ただし、ただ見て笑うだけでは、センスはあまり育ちません。2回目の見方を変えるのがコツです。

  1. 1回目は、何も考えずに楽しむ
  2. 2回目は、笑ったところで止めて、なぜ笑ったのかを1行で書く
  3. ツッコミの直前で止めて、自分ならどう言うかを考えてから続きを見る
  4. 気づいたことを3つメモしたら、自分の話で1つ使ってみる

なぜ笑ったのかを書くときは、次の視点を使うと言葉にしやすくなります。

視点見るところメモの例
フリ笑いの前に何を聞かせていたか最初に「自分は几帳面」と言っていた
ずれ何がふつうと違ったか几帳面なのに、靴だけ左右逆にはいていた
言葉選びどの言葉で笑いが起きたか「左右逆」を「靴が向かい合っている」と言った
間笑いの前後で、どれくらいだまったかオチの前に1拍、ためていた

フリとは、あとで笑いにつながる前置きのことです。見たネタやセリフは、そのまま会話で使わないようにしましょう。まねするのは「型」だけにして、言葉は自分の出来事に合わせて作ります。

慣れてきたら、笑いの数を数える

1つのネタを見ながら、1分間に笑いが何回起きたかを数えてみましょう。笑いの間隔が短いところは、フリが短く、言葉にむだがないことが多いものです。自分の話が長くなりがちな人には、特によい練習になります。

日常の会話で使ってみる

練習で見つけた言葉は、少しずつ会話で使ってみます。最初は、家族や仲のよい友人との会話で、1日1回だけにしましょう。

反応が薄くても、失敗ではありません。どの言葉なら伝わったかを知るための材料です。反応をメモに書き足しておくと、自分に合う言い方が見えてきます。文字で試したい人は、「LINEの面白い返し方」のように、短いメッセージで練習するのもおすすめです。

使う前に確かめること

  • 誰かを下げる言葉になっていないか
  • その場の全員が分かる言葉か
  • 相手が真剣に話しているときではないか
  • 同じ言い回しを何度も使っていないか

よくある質問

笑いのセンスは、生まれつきではないのですか?

生まれつきの部分より、慣れの部分のほうがずっと大きいものです。気づく力も言い換える力も、使った回数だけ育ちます。1日5分の練習を1か月続けるだけで、違和感メモが30行、言い換えが90個たまります。

どれくらい続ければ、変化が分かりますか?

人によって違いますが、人と比べるより、1か月前の自分のメモと比べてみてください。言い換えを3つ出すまでの時間が短くなっていたり、メモの1行が具体的になっていたりするはずです。その変化が、センスが育っているしるしです。

お笑いをたくさん見れば、面白くなれますか?

見るだけでは、話す力はなかなか伸びません。2回目に「なぜ笑ったか」を書き出し、自分の話で1つ使ってみることで、見た分が身につきます。見る量より、書き出す量を大切にしましょう。

考えすぎて、会話中に何も言えなくなります。

練習は1人の時間にして、会話中は相手の話を楽しむことに集中しましょう。練習を続けていれば、言葉は自然に出てくるようになります。周りの面白い人から学ぶ方法は「話が面白い人の特徴」で紹介しています。

まとめ

  • 笑いのセンスの正体は、ずれに気づく力と、それを言い換える力
  • 「言わない」を選べることも、センスのうち
  • 練習は1日5分。違和感メモ、3通りの言い換え、心の中のツッコミ、今日のタイトル
  • お笑いは2回目に、なぜ笑ったかを1行で書きながら見る
  • 会話で使うのは1日1回、仲のよい人との会話から
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