プレゼンで笑いを取るには?つかみの例と笑いを入れる場所

ノートを片手で押さえ、ペンで話す内容を書き出す手元

プレゼンで笑いを取るなら、ねらうのは大笑いではなく、聞き手の表情がふっとゆるむ小さな笑いです。笑いを入れる場所は、最初の30秒の「つかみ」と、難しい説明のあとの2か所が基本です。本題とつながる笑いにすると、仕事の場でも浮きません。

この記事では、プレゼンで使えるつかみの型と例文、笑いを入れる場所、仕事の場で気をつけたいことを紹介します。そのまま使える1分の冒頭の台本もあります。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. プレゼンの笑いは、本題を聞いてもらうために入れる
  2. 笑いを入れる場所は5つ
  3. つかみの5つの型と例文
  4. そのまま使える1分の冒頭の台本
  5. 難しい説明のあとに入れる「一息の笑い」
  6. 仕事の場で笑いを入れるときの注意
  7. よくある質問
  8. まとめ

プレゼンの笑いは、本題を聞いてもらうために入れる

プレゼンの目的は、内容を理解してもらい、動いてもらうことです。笑いはそのための道具で、笑いを取ること自体が目的ではありません。

笑いが1つ起きると、会場の空気が少しやわらぎます。聞き手の緊張がほぐれ、話し手も落ち着いて話せるようになります。説明が続いて集中が切れかけたときにも、小さな笑いが気持ちを本題に引き戻してくれます。

だからこそ、本題と関係のある笑いを選ぶことが大切です。本題と関係のない小話は、笑いが起きても「今の話は何だったのか」と思われてしまいます。

笑いを入れる場所は5つ

プレゼンの中で、笑いが効きやすい場所は決まっています。10分ほどのプレゼンなら、このうち2〜3か所で十分です。

場所ねらい入れ方の例
最初の30秒(つかみ)会場の緊張をほぐす手を挙げてもらう質問、その場の出来事
難しい説明のあと集中を戻す「いちばん難しいところは終わりました」
数字を見せるとき印象に残す身近なものに置きかえて言う
苦労や失敗の話親しみを持ってもらう自分の小さな失敗を一言だけ
質疑応答の前質問しやすくする「質問がなければ、私から皆さんに質問します」

つかみとは、話の最初に聞き手の心をつかむ一言のことです。反対に、締めには笑いを入れず、いちばん伝えたいことを言って終えましょう。最後が冗談だと、大事な結論の印象が薄れてしまいます。

結婚式や送別会のスピーチで笑いを入れるときの考え方は「スピーチで笑いを取るコツ」で紹介しています。

つかみの5つの型と例文

型1:手を挙げてもらう

誰もが「ある」と思える質問をして、手を挙げてもらう型です。聞き手が体を動かすと、会場の空気が動きます。笑いが起きなくてもそのまま本題に入れるので、いちばん失敗しにくい型です。

例文手を挙げてもらうつかみ

「始める前に、1つだけ質問させてください。今週、資料を探して、フォルダを3つ以上開いた方はいますか。……ありがとうございます。私も今朝、4つ開きました。今日は、その時間を減らすためのご提案です」

型2:期待を少し下げる

最初に話す量や、自分へのハードルを少し下げておくと、聞き手は気楽に聞き始められます。言い終えたら、すぐ本題に入りましょう。

例文期待を少し下げるつかみ

「今日お話しすることは、3つだけです。途中で4つ目を思いついても、言わないように気をつけます」

型3:前の発表やその場の出来事に触れる

その場でしか言えない話は、準備してきた冗談より自然に伝わります。前の発表者の話に触れるときは、相手を立てる言い方にしましょう。

例文前の発表に触れるつかみ

「さきほどの発表のスライド、とても見やすくて感心しました。私のスライドはあそこまできれいではないので、中身で勝負させてください」

型4:自分の小さな失敗から入る

本題につながる小さな失敗は、親しみやすさと話のきっかけを同時に作れます。失敗は一言で終え、長く話しすぎないのがコツです。

例文小さな失敗から入るつかみ

「先月、同じ内容の打ち合わせに、2回出てしまいました。1回目の議事録が、どこにあるか分からなかったんです。今日は、議事録の置き場所を1つにまとめるご提案です」

型5:1枚目のスライドに一言足す

タイトルの下に、かっこ書きで本音を一言添える型です。話し始める前から聞き手の目に入るので、緊張しやすい人にも向いています。

例文タイトルスライドに一言足す

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(この発表で、いちばん救われるのは私です)

場面別・つかみの一言

場面つかみの一言の例
社内の定例報告「今月の報告は、いい知らせが2つと、まあまあの知らせが1つです」
新しい企画の提案「この企画書は3回書き直しました。今日お見せするのは4代目です」
研修の講師「お昼のあとなので、眠くなったら遠慮なく立って聞いてください。私もずっと立っています」
新人の発表「入社して3か月、まだ社内で迷子になります。今日は迷子にならないよう、話す順番を決めてきました」
お客さまへの説明「今日は専門用語を使わないとお約束します。もし使ったら、手を挙げて止めてください」
オンラインの発表「画面の向こうでうなずいていただけると、とても助かります。見えていると信じて進めます」

そのまま使える1分の冒頭の台本

社内で「会議を短くする」提案をするときの冒頭の例です。〇〇の部分と、質問の中身を自分の本題に合わせて書きかえて使ってください。

台本社内提案の冒頭(約1分)

(スライド1枚目「会議を30分にする提案」を映す)

発表者皆さん、お疲れさまです。営業企画の〇〇です。

発表者始める前に、1つだけ質問させてください。

発表者先週、1時間の会議で「これ、メールでよかったな」と思ったことがある方。

(会場を見て、手が挙がるのを少し待つ)

発表者……ありがとうございます。思ったより多くて、少し安心しました。

発表者今日は、その「メールでよかった時間」を減らすご提案です。

発表者お話しすることは3つだけです。この発表も、30分を超えないように気をつけます。

(スライドを1枚進める)

発表者まず、今の会議の時間を数えてみました。

手を挙げてもらう質問は、誰でも「ある」と思えて、本題につながるものにしています。挙がった手に「少し安心しました」と一言返すと、会場とのやり取りが生まれます。「この発表も30分を超えないように」は、提案の中身と結びついた笑いです。つかみのあとは、すぐに本題に入っています。

難しい説明のあとに入れる「一息の笑い」

数字や仕組みの説明が続くと、聞き手は少しずつ疲れてきます。話の区切りで一言入れると、聞き手の気持ちが戻ってきます。

例文区切りで使える一言

「ここが、今日いちばん難しいところでした。ここから先は下り坂です」
「この表は、作った私も3回迷子になりました。見ていただきたいのは、この1行だけです」
「数字が続いたので、ここで一度、深呼吸をどうぞ。私もします」

数字を見せるときは、身近なものに置きかえると、印象に残りやすくなります。計算のもとにした条件は、スライドの隅に小さく書いておきましょう。

例文数字を身近なものに置きかえる

「毎日の会議を10分短くすると、1年で40時間ほどになります。映画なら、20本分です」
(1年の出勤日を240日、映画1本を2時間として計算)

仕事の場で笑いを入れるときの注意

入れないほうがいい笑い

仕事のプレゼンで避けたい笑い

  • お客さまや上司、ほかの部署をいじる冗談
  • 他社やほかの商品を笑いものにする話
  • 見た目・年齢・性別・出身にふれる冗談
  • 部署の中だけで通じる内輪の話

悪い知らせや謝罪、トラブルの報告では、笑いを入れません。聞き手が真剣に受け止めたい話で冗談を言うと、問題を軽く扱っているように見えてしまいます。

笑いが起きなくても止まらない

つかみで笑いが起きなくても、気にせず本題に進みましょう。笑いを待ってだまってしまうと、会場の空気が重くなります。どうしても間が気になるときは、「では、本題で取り返します」と一言だけ添えて進めます。ほかの立て直しの一言は「滑ったときの返し方」にもあります。

オンラインのプレゼンでは

オンラインでは、聞き手がマイクを切っていることが多く、笑いが起きても聞こえません。笑いを待たずに、ふだんより短い間で次へ進みましょう。「チャットに一言で答えてください」のように、文字で反応してもらう問いかけも使えます。

本番の前に確かめること

  • つかみは30秒以内に収まっているか
  • 笑いの部分が、本題とつながっているか
  • 誰かをいじる言葉や、内輪の話が入っていないか
  • 笑いが起きなかったときの一言を決めてあるか
  • 締めは、笑いではなく大事な結論で終わるか

よくある質問

人を笑わせるのが苦手です。笑いは入れなくてもいいですか?

入れなくても、プレゼンは成り立ちます。入れるなら、型1の「手を挙げてもらう」から試してみてください。笑いが起きなくても、聞き手が参加した時点で、会場の空気は動いています。

役員や大事なお客さまの前でも、笑いを入れていいですか?

入れるなら、冒頭のつかみ1つにしぼるのが安心です。自分のことを少し下げる型2や型4のように、誰も傷つかない笑いを選びましょう。大事な数字や結論の部分は、まじめに話します。

緊張して、つかみを言う余裕がありません。

つかみをスライドの1枚目に書いてしまう型5がおすすめです。言葉にしなくても、聞き手の目に入った時点で笑いのきっかけになります。緊張そのものを和らげたい人は「あがり症を克服したい人へ」も読んでみてください。

まとめ

  • プレゼンの笑いは、本題を聞いてもらうための道具として入れる
  • 笑いを入れる場所は、最初の30秒と、難しい説明のあとが基本
  • つかみは、手を挙げてもらう、期待を下げる、その場に触れる、などの型から選ぶ
  • 誰かをいじる笑いや内輪の話は避け、締めは大事な結論で終える
  • 笑いが起きなくても、待たずに本題へ進む
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