オチのない話になるのは、話し始める前に「何を伝えたいか」が決まっていないからです。最初に一番言いたいことか一番の驚きを言い、そのあとに様子や理由を足すと、話は短くまとまります。オチ(話の最後に笑いや納得が生まれる一言)は、そのあとで考えれば十分です。
じつは、雑談ではオチがなくても困らない場面がたくさんあります。困るのは、話が長くて「結局、何の話?」と思われてしまうことです。この記事では、オチのない話になる原因と、結論から話す型を、言い換え前と後の例文で紹介します。
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オチのない話になる5つの原因
話が長くなる人には、いくつかの共通点があります。自分に当てはまるものを探してみてください。
| 原因 | よく出る言い方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 1. 話す目的が決まっていない | 「なんかね、この前さ」 | 話す前に「一言でいうと?」を考える |
| 2. 起きた順に全部話す | 「朝起きて、それから…」 | 一番の出来事から話し始める |
| 3. 前置きや言い訳が長い | 「関係ないかもだけど」 | 前置きは1文までにする |
| 4. 人や情報が多すぎる | 「そこに先輩の友だちの…」 | 登場人物は2人までにしぼる |
| 5. 終わり方を決めていない | 「…っていう感じで、うん」 | 締めの一言を先に用意する |
特に気をつけたいのは、2の「起きた順に全部話す」です。思い出しながら話すと、どうしても時間の順になります。でも、聞く人が知りたいのは、出来事の中の一番面白いところか、一番大事なところだけです。
結論から話す3つの型
話を短くまとめるには、1文目に何を言うかが大切です。場面に合わせて、次の3つの型を使い分けましょう。
| 型 | 1文目の例 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 型1:見出しから話す | 「植物がないのに、植木鉢を3つ買いました」 | 雑談、面白い話 |
| 型2:結論から話す | 「A社さんの件は、来週もう一度うかがいます」 | 仕事の報告、相談 |
| 型3:予告してから話す | 「2つだけ、いいですか」 | どうしても長くなる話 |
型1:見出しから話す
新聞の見出しのように、出来事を一言で先に言う型です。ただし、オチそのものを言うのではなく、聞く人が「どういうこと?」と思う一言にします。続きを聞きたくなるので、そのあとの話を短くしても伝わります。
型2:結論から話す
仕事の報告は、結論を最初に言うのが基本です。「〇〇になりました。理由は△△です。次は□□します」の3文にすると、聞く人が迷いません。仕事でよく使われる「PREP法(結論・理由・例・結論の順に話す方法)」を短くした形です。
型3:予告してから話す
どうしても長くなりそうなときは、最初に「2つあって」「30秒だけいいですか」と予告します。話の長さとゴールが先に分かるので、聞く人は安心して聞けます。
言い換え前と後の例文で比べる
同じ内容でも、型を使うとここまで短くなります。読み比べてみてください。
例1:週末の話(雑談)
土曜日なんですけど、朝ちょっと遅く起きて、天気もよかったから、どこか行こうかなと思って、でも結局近所のホームセンターに行ったんですよ。前から欲しかった棚を見てたら、店員さんが話しかけてきて、いろいろ説明してくれて、棚は買わなかったんですけど、植木鉢を3つ買って帰ってきて……あ、植物はまだ買ってないんですけどね。
土曜日に、植物を1つも持っていないのに、植木鉢を3つ買いました。
棚を見に行ったはずが、店員さんの説明が上手で、気づいたらレジにいたんです。
今、空っぽの植木鉢が、玄関に3つ並んでいます。
言い換え後は、一番おかしなところ(植物がないのに植木鉢)を1文目に置いています。起きた順ではなく、面白い順に並べ直すのがポイントです。
例2:仕事の報告
A社さんの件なんですけど、昨日うかがったら、担当の方が変わっていたんですね。それで最初から説明し直して、資料も前の担当の方向けのものだったので、いったん持ち帰ることになって……。
A社さんの件は、来週もう一度うかがうことになりました。
担当の方が変わっていて、資料を新しい担当の方向けに作り直す必要があるためです。
水曜日までに作り直して、木曜日に持っていきます。
報告では、オチの代わりに「結論」を1文目に置きます。聞く人が一番知りたいのは「どうなったか」だからです。
例3:「最近どう?」と聞かれたとき
最近? うーん、まあ普通かな。仕事も相変わらずだし、特に何もないかな。あ、でも、なんだろう、朝ちょっと歩いたりはしてるかも……。
最近、朝の散歩を始めました。
3日目で、近所の犬に顔を覚えられました。
今は散歩というより、その犬に会いに行っています。
話題が思いつかないときは、最近の出来事を1つだけ選んで、3文で話します。全部を話そうとしないことが、短くまとめる一番の近道です。
オチがなくても困らない締めの一言
雑談では、無理にオチを作る必要はありません。最後に「ここで終わり」と分かる一言があれば、話はすっきり終わります。
| 締めの型 | 例 |
|---|---|
| 今の様子で終える | 「今、空っぽの植木鉢が玄関に並んでいます」 |
| 「それ以来」で終える | 「それ以来、ホームセンターでは棚の前に立たないようにしています」 |
| 正直に言う | 「オチはありません。植木鉢だけあります」 |
| 相手に渡す | 「〇〇さんは、最近何か買いました?」 |
| まとめて終える | 「……という、平和な土曜日でした」 |
「オチはありません」と正直に言うのは、それ自体が小さな笑いになることがあります。言い訳のように長く言わず、短く明るく言うのがコツです。相手に話を渡す締め方は、会話を続けたいときに便利です。
話を長くする口ぐせを減らす
話が長い人は、中身より先に、つなぎの言葉で時間を使っていることがあります。スマホで自分の話を録音して聞き返すと、口ぐせがよく分かります。
| 口ぐせ | 起きやすいこと | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 「なんか」「えーと」 | 話の中心がぼやける | 何も言わずに、1拍だまる |
| 「〜なんですけど、」 | 文が切れずに長くなる | 「〜です。」で一度切る |
| 「関係ないかもだけど」 | 前置きだけで時間がたつ | 言わずに本題から入る |
| 「めっちゃ面白い話があって」 | 聞く人の期待が上がりすぎる | 面白いかどうかは言わずに話し始める |
| 「で、なんだっけ」 | 話の行き先を見失う | 話す前に見出しを決めておく |
特に「面白い話があって」は、オチに自信がないときほど言わないほうが安全です。最初に「面白い」と言うと、聞く人の期待(ハードル)が上がり、小さな笑いでは足りなくなるからです。何も言わずに話し始めれば、オチが弱くても「へえ」で自然に終われます。
話を短くする1日3分の練習
話をまとめる力は、毎日の短い練習で身につきます。1日1回、次の順番で試してみてください。
- 今日あった出来事を1つ選ぶ
- その出来事に、15字以内の見出しをつける
- 見出しを1文目にして、3文で話す
- スマホのタイマーで、30秒以内に収める
- 慣れてきたら、3文目を締めの一言に変える
- 時間
- 1日3分
- 人数
- 1人
- 準備物
- スマホのタイマー
- 難しさ
- ★
セルフレジに、財布を売られかけました。
かごの縁に財布を置いたまま会計をしたら、「商品をスキャンしてください」と3回止められたんです。
レジは、私の財布も商品だと思っていたみたいです。
話す前に心の中で確かめること
- 一番言いたいことは、1つにしぼれているか
- 1文目に、それが入っているか
- 登場人物は2人までか
- 終わりの一言が決まっているか
聞き手の様子を見て、話を切り上げる
話している途中でも、聞き手の様子を見れば、長すぎるかどうかが分かります。次のサインが出たら、話を早めに締めましょう。
- 相づちが「うん」「へえ」だけになってきた
- 視線が手元のスマホや時計に移った
- 相手が何か言いかけて、やめた
そんなときは、「つまり、〇〇だったんです」と一言でまとめて終えます。話を途中で切り上げるのは、失礼ではありません。相手に話す番を渡す、気配りのひとつです。
話を渡したあとは、今度は自分が聞き役です。聞き役になったときの返し方は「相づちで笑いを生むには?」で紹介しています。
よくある質問
「で、オチは?」と言われたら、どう返せばいいですか?
気にしすぎず、「今日はオチなしでお届けしました」と明るく返せば十分です。それ自体が小さな笑いになります。言われて気まずくなったときの立て直し方は「滑ったときの返し方」にまとめています。
結論から話すと、冷たく聞こえませんか?
仕事の報告なら、結論から話すほうが丁寧に伝わります。雑談でも、型1のように「どういうこと?」と思わせる一言から入れば、冷たくは聞こえません。むしろ、相手に興味を持ってもらいやすくなります。
短くまとめたあと、面白い話にもしたいです。
短く話せるようになったら、次は「状況→ずれ→オチ」の順に組み立ててみましょう。「エピソードトークの作り方」で、組み立て方と例を紹介しています。話し方全体のコツは「面白い話し方のコツ」にまとめています。
まとめ
- オチのない話になる一番の原因は、話す前に伝えたいことが決まっていないこと
- 起きた順ではなく、一番言いたいことから話す
- 雑談は見出しから、報告は結論から、長い話は予告してから
- オチがなくても、締めの一言があれば話はすっきり終わる
- 1日3分、見出しと3文で話す練習をする






