相づちで笑いを生むコツは、相手の言葉を「くり返す」「少しだけ大きく言い換える」「続きを促す」の3つです。自分が面白いことを言う必要はありません。相手の話が一番面白くなるように、ちょうどいい場所で背中を押すのが、聞き上手の相づちです。
相づちとは、相手の話を聞きながら返す、短い言葉や反応のことです。この記事では、相づちの種類と、笑いが生まれる相づちの例を、会話の例と一緒に紹介します。
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相づちの6つの種類
相づちには、役目の違う6つの種類があります。同じ相づちばかりにならないよう、まずは全体を知っておきましょう。
| 種類 | 例 | 役目 |
|---|---|---|
| 受け止める | 「はい」「ええ」「うんうん」 | 聞いていることを伝える |
| 共感する | 「わかります」「それはうれしいですね」 | 相手の気持ちに寄りそう |
| 驚く | 「えっ」「本当ですか」 | 話の意外なところを目立たせる |
| くり返す | 「3回も」「夜中の2時に」 | 大事なところを相手に返す |
| 促す | 「それで?」「どうなったんですか」 | 続きを話してもらう |
| まとめる | 「つまり、〇〇だったんですね」 | 話を整理して、ひと区切りつける |
「はい」「なるほど」だけをくり返すと、聞き流しているように見えることがあります。6つを混ぜて使うと、相手は「ちゃんと聞いてもらえている」と感じて、話す量が増えていきます。
口ぐせになっている相づちを言いかえる
つい同じ相づちばかり使ってしまう人は、言いかえを2つずつ用意しておくと便利です。
| いつもの相づち | 言いかえの例 |
|---|---|
| 「すごい」 | 「どうやったんですか」「よく続けられましたね」 |
| 「なるほど」 | 「そういうことだったんですね」「それで〇〇なんですね」 |
| 「やばい」 | 「それは声が出ますね」「想像しただけでドキドキします」 |
| 「へえ」 | 「初めて聞きました」「そこ、もう少しくわしく聞きたいです」 |
| 「たしかに」 | 「言われてみると、そうですね」「その考え方、いいですね」 |
言いかえの多くは、相手の話の中身にふれていたり、質問になっていたりします。中身にふれた相づちは、聞いている証拠になり、相手は続きを話しやすくなります。
笑いが生まれる相づち5つ
6つの種類の中でも、次の5つの使い方は、会話に笑いを生みやすいものです。どれも、相手の話を主役にしたまま、少しだけ面白くする返し方です。
| 相づちの使い方 | 相手の話 | 相づちの例 |
|---|---|---|
| 1. 数字や言葉をくり返して驚く | 「カレーを作りすぎて、5日間カレーでした」 | 「5日間!」 |
| 2. 少し大げさに言い換える | 同じ話 | 「それはもう、カレー週間ですね」 |
| 3. 相手の気持ちを先に言う | 「3日目に、家族が無言になりまして」 | 「その無言、たぶん全部伝わってますね」 |
| 4. 実況する | 「で、4日目にですね……」 | 「おっと、ここから展開がありそうですね」 |
| 5. あとから前の話を出す | 話がひと区切りついたあと | 「ところで、5日目のカレーはどうなったんですか」 |
1と2:くり返して、少し大きくする
くり返しは、一番簡単で、一番笑いにつながりやすい相づちです。相手の話の中の数字や変わった言葉を、そのまま返すだけで、その部分のおかしさが目立ちます。慣れてきたら、くり返したあとに少し大げさな言い換えを足しましょう。
3と4:気持ちを先に言い、実況する
相手が言いたそうな気持ちを先回りして言葉にすると、相手は「そう、それ」と乗ってきます。実況は、話の盛り上がりを一緒に楽しむ返し方です。どちらも、相手が笑いながら話しているときだけ使い、真剣な話のときには使いません。
5:あとから前の話を出す
話がひと区切りついたあと、最初のほうに出た言葉をもう一度出すと、場がもう一度笑いに包まれます。前の話を覚えていることも伝わります。お笑いで「天丼」と呼ばれる、同じことをくり返して笑いを大きくする方法と同じ仕組みです。くわしくは「天丼(くり返しのボケ)のやり方」で紹介しています。
会話例:相づちで話が面白くなる
相づちの力がよく分かる会話の例です。話しているのはAさんですが、笑いを引き出しているのはBさんの相づちです。
台本相づちで話が広がる会話の例(約1分)
Aこの前、ジムに入会したんです。
Bお、いいですね。
Aそれで初日に、ロッカーの番号を忘れちゃって。
Bえっ。ロッカーって、何番まであるんですか。
A200番まで。
B200! まさか、全部開けて回ったんですか。
Aさすがに、受付で聞きました。
B受付の人、覚えてました?
A「お客さま、それは靴箱の番号です」って。
B靴箱! じゃあ、靴だけはすぐ出せたんですね。
A靴だけは、すぐ出せました。
B運動する前に、もう1試合終わってますね。
Bさんの相づちを、種類ごとに見てみましょう。
| Bさんの相づち | 種類 | 会話の中での役目 |
|---|---|---|
| 「何番まであるんですか」 | 驚く・促す | 「200番」という数字を引き出す |
| 「200!」「靴箱!」 | くり返す | おかしなところを目立たせる |
| 「全部開けて回ったんですか」 | 大げさに言い換える | ありえない場面を想像させて笑いにする |
| 「受付の人、覚えてました?」 | 促す | 話の一番の山場を引き出す |
| 「もう1試合終わってますね」 | まとめる | 話全体を一言で締める |
もしBさんが「へえ」「そうなんですね」だけで返していたら、Aさんは「受付で聞きました」で話を終えていたかもしれません。一番面白い「靴箱」の話を引き出したのは、Bさんの促す相づちです。
相づちのタイミングと声
相づちは、言葉選びと同じくらい、入れるタイミングが大切です。次の4つを意識してみてください。
- 相手の文の切れ目で入れる:「〜でね」「〜なんですよ」のあとが入れどころです
- かぶせない:相手が言い終わってから、ひと呼吸おいて返します
- 声の高さを相手に合わせる:楽しい話には少し高く、困った話には低くゆっくり返します
- 多すぎない:1文に1回くらいにして、あとはうなずきで伝えます
特に気をつけたいのは、かぶせないことです。相手の話の途中で相づちを重ねると、急かしているように聞こえます。オンライン会議では声が重なりやすいので、声の相づちを減らして、うなずきを大きくしましょう。表情や声の出し方は「リアクションが上手くなる方法」でも紹介しています。
場面別・相づちの使い分け
同じ相づちでも、相手や場面によって合う・合わないがあります。
| 場面 | 合う相づち | 避けたい相づち |
|---|---|---|
| 上司や目上の人 | 「そうだったんですね」「勉強になります」 | 「なるほど」「確かに」を何度も続ける |
| 友人や同僚 | くり返し、少し大げさな言い換え | 何にでも同じ「やばい」 |
| 初対面の人 | 受け止める、共感する、促す | 実況や、からかうような言い換え |
| 相手が悩みを話しているとき | 受け止める、共感する | 笑いをねらう相づち |
初対面の人には、まず受け止める相づちと促す相づちで、話しやすい空気を作りましょう。笑いをねらう相づちは、何度か話して関係ができてからで十分です。
笑いを生む相づちで気をつけること
笑いを生む相づちは、使い方を間違えると、相手を嫌な気持ちにさせることがあります。次のことを確かめてから使いましょう。
笑いを生む相づちを使う前に
- 相手が笑いながら話しているか(真剣な話や悩みではないか)
- 「私なんてもっと〜」と、相手の話を取っていないか
- 「いや」「でも」と、否定から入っていないか
- その場にいない誰かを下げる話に、乗っていないか
誰かが別の人をからかう話を始めたときは、笑いで乗らないようにしましょう。「そうなんですね」と短く受けて、「そういえば」と別の話題に移るのが、聞き上手の気配りです。話題の変え方は「雑談の面白いネタ」で紹介しています。
相づちの練習法
相づちは、毎日の会話の中で練習できます。次の順番で、少しずつ種類を増やしていきましょう。
- ラジオやトーク番組を聞きながら、声に出して相づちを打ってみる
- 1日1回、会話の中で「くり返す相づち」を使う
- 慣れたら、くり返したあとに「少し大げさな言い換え」を足す
- 家族や友人との会話で、「促す相づち」で話の続きを引き出す
- 1週間たったら、どの相づちで相手が笑ったかを振り返る
- 時間
- 1日5分(会話の中で1回ずつ)
- 人数
- 1人(慣れたら家族や友人と)
- 準備物
- なし
- 難しさ
- ★
よくある質問
「さしすせそ」の相づちだけ覚えればいいですか?
「さすが」「知らなかった」「すごい」などの相づちは便利ですが、それだけをくり返すと、聞き流しているように聞こえます。くり返す相づちや促す相づちを混ぜると、ちゃんと聞いていることが伝わります。
相づちが多すぎると言われました。
声の相づちを減らして、うなずきに置きかえてみましょう。相手の文の切れ目だけで返すようにすると、自然な回数になります。
面白い相づちが思いつかないときは、どうすればいいですか?
無理に面白いことを言わなくて大丈夫です。相手の言葉をくり返すだけで、十分に笑いは生まれます。話し手の側に回ったときのコツは「面白い話し方のコツ」で紹介しています。
まとめ
- 相づちで笑いを生むコツは、くり返す、少し大きく言い換える、続きを促す、の3つ
- 相づちは、受け止める・共感・驚く・くり返す・促す・まとめる、の6種類を混ぜて使う
- 一番面白い話を引き出すのは、促す相づち
- 相手の語尾まで聞いてから、ひと呼吸おいて返す
- 真剣な話や悩みには、笑いをねらわず受け止める






