笑えるYouTube動画の企画書は、「どんな決まりで、どこで笑いが起き、どう終わるか」をA4用紙1枚にまとめたものです。ふつうの企画書の項目に「笑いどころ」と「オチ」の2つの欄を足すと、撮る前に面白さを確かめられます。オチは、最後に笑いを取って終わる部分のことです。
この記事では、笑える動画の企画書に入れる12の項目と、コピーして使えるテンプレートを紹介します。1人で撮る企画と、2人で撮るコント動画の記入例もあるので、自分の企画に置きかえて使ってください。
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笑える動画の企画書は何のために書く?
企画書は、会社だけのものではありません。1人で撮る人にとっても、頭の中の企画を外に出して、本当に面白いかを確かめる道具になります。書く場面によって、特に大事な項目が少しずつ違います。
| 書く場面 | 特に大事な項目 |
|---|---|
| 自分だけで撮る | 企画の1文、笑いどころ、オチ |
| 友だちや家族と撮る | 出る人と役割、撮影日と場所、準備物 |
| 編集や台本を人に頼む | 笑いどころ、長さ、構成、注意すること、締め切り |
| 会社や団体のチャンネル | ねらい、見てほしい人、予算、確認する人 |
笑いのある動画は、撮っているうちに「どこが面白いんだっけ」と迷いやすいものです。笑いどころとオチを先に書いておけば、撮影の日も編集の日も、その場面を目当てに進められます。どの場面でも、1枚に収めるのが基本です。長い企画書は相手に読まれにくく、自分でも見返さなくなります。
企画そのものの考え方は「YouTubeの企画の考え方」で紹介しています。この記事では、決まった企画を紙にまとめるところから始めます。
企画書に入れる12の項目
企画書には、次の12の項目を入れます。上から順に埋めていくと、自然に企画が固まっていきます。
| 項目 | 書くこと | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| タイトル案 | 動画のタイトルの候補 | 2〜3個出し、内容が一目で分かる言葉を前に置く |
| 企画の1文 | 何を、どんな決まりでやると、どうなるか | 30〜50字に収める |
| 見てほしい人 | どんな人に向けた動画か | 「片付けが苦手な人」のように、具体的に書く |
| 笑いどころ | 笑ってほしい場面 | 3つまでにしぼり、何と何がずれるのかを書く |
| オチ | 最後の笑いと終わり方 | 最後のひと言か、最後に映る絵を1行で書く |
| 見どころ | いちばん見せたい場面 | 1つにしぼり、動画の後半に置く |
| 構成 | 始まりから締めまでの流れ | 4〜6つの場面に分け、秒数を入れる |
| 長さ | 動画の長さの目安 | 「8分前後」のように幅を持たせる |
| 出る人と役割 | 誰が何をするか | 出る人、撮る人、編集する人を分けて書く |
| 準備物 | 小道具、衣装、材料 | 買う物と、家にある物を分ける |
| 撮影日と場所 | いつ、どこで撮るか | 予備日も1日決めておく |
| 注意すること | 映してはいけない物、確かめること | ほかの人の顔、郵便物、音楽の使い方など |
時間がないときは、上の6つ(タイトル案から見どころまで)だけでも先に埋めましょう。ここが決まれば、残りは撮影の段取りなので後からでも書けます。
笑いどころの欄は「ずれ」で書く
笑いどころの欄に「全部」「ノリで面白くなる」と書くと、撮影の日に何を撮ればいいのか分からなくなります。笑いは、たいてい「ふつうはこうなのに、こうなる」というずれから起きます。ずれの両側を書いておくと、ほかの人にも笑いどころが伝わります。
| 伝わりにくい書き方 | 伝わる書き方 |
|---|---|
| 面白いところ:全部 | レシートをまじめに審査するほど、買った理由を思い出せない |
| 自分のリアクション | 決勝の2枚が、どちらも「なぜ買ったか分からない物」 |
| 業者がボケる | 見積もりに来たのに、荷物の思い出話を聞きすぎて進まない |
ボケは、わざとずれたことを言ったりしたりすることです。「ボケる」と書くだけでは、何がずれるのかが伝わりません。ずれが笑いになる仕組みは「笑いが起きる仕組み」で詳しく紹介しています。笑いどころを3つ書いたら、あとのものほど大きなずれになっているかも見ておきましょう。
オチの欄は「最後の1行」で書く
オチが決まらないまま撮り始めると、終わり方に迷い、動画がだらだらと長くなりがちです。オチの欄には、最後に言うひと言か、最後に映る絵を1行で書きます。「みんなで笑って終わる」のような書き方では、まだオチが決まっていません。
オチは、それまでの笑いどころとつながっているほど締まります。最初に出した物や言葉が、最後にもう一度出てくる形にすると、短い動画でもきれいに終わります。オチの作り方は「漫才のオチの作り方」が、動画にもそのまま使えます。
コピーして使える企画書のテンプレート
下のテンプレートをメモ帳や文書のファイルにコピーして、カッコの中を埋めてください。構成の秒数は、あとで足し算して長さと合っているか確かめます。
企画名:
作成者:
【タイトル案】
1.
2.
3.
【企画の1文】(何を、どんな決まりでやると、どうなるか)
【見てほしい人】
【笑いどころ】(何と何がずれるか。3つまで)
1.
2.
3.
【オチ】(最後のひと言か、最後に映る絵を1行で)
【見どころ】(いちばん見せたい場面を1つ)
【構成】
1.つかみ( 秒):
2.説明( 秒):
3.本題( 分):
4.見どころ( 分):
5.オチ( 秒):
【長さ】 分前後
【出る人と役割】
【準備物】
【撮影日と場所】(予備日: )
【注意すること】
構成の「つかみ」は、動画の最初に見る人の興味を引く部分のことです。お笑いでいう最初の笑いと同じで、ここで「何の動画か」と「見たい理由」を伝えます。構成の最後の場面には、オチの欄に書いたことがそのまま入るようにしましょう。
記入例1:1人で撮る企画「ムダ遣い王決定戦」
1人で撮って、1人で編集する企画の記入例です。自分のための企画書なので、役割や撮影日は短く書いています。
企画名:ムダ遣い王決定戦
作成者:自分
【タイトル案】
1.1か月分のレシートで「いちばん要らなかった買い物」を決めます
2.ムダ遣い王決定戦|1か月のレシートを全部並べてみた
【企画の1文】1か月分のレシートを並べ、勝ち抜き戦で「いちばん要らなかった買い物」を決める。
【見てほしい人】つい買い物をしてしまい、月末に後悔する人
【笑いどころ】
1.レシート2枚の対戦を、スポーツ中継のように本気で実況する
2.どちらが要らなかったか、本人が真剣に悩むほど勝負がつかない
3.買った理由を説明しようとして、自分の言い訳に詰まる
【オチ】「来月こそムダ遣いしません」と宣言した直後、ポケットから今日のレシートが落ちる。
【見どころ】決勝戦。どちらも「なぜ買ったのか思い出せない物」どうしの戦い
【構成】
1.つかみ(15秒):レシートの山を見せ、「今月、何にお金を使ったのでしょうか」
2.説明(30秒):2枚ずつ比べ、要らなかったほうが勝ち上がるルール
3.本題(4分30秒):1回戦から準決勝。迷わない勝負はテンポよく進める
4.見どころ(2分):決勝。買った理由を思い出そうとして、思い出せない
5.オチ(30秒):来月の目標を宣言した直後、今日のレシートが落ちる
【長さ】8分前後
【出る人と役割】自分(出演・撮影・編集)
【準備物】1か月分のレシート、勝ち抜き表を書く紙、太いペン
【撮影日と場所】土曜の午前、自分の机(予備日:日曜の午前)
【注意すること】レシートの店名・住所・カード番号の一部が映らないように隠す。特定の店を悪く言わない。
構成の秒数を足すと、約7分45秒です。長さの目安「8分前後」に収まっているので、このまま撮影に進めます。オチの「今日のレシート」は、つかみで見せたレシートの山とつながっています。最初に出した物が最後にもう一度出てくるので、短い場面でも締まります。
記入例2:2人で撮るコント動画
相方と共有し、編集を別の人に頼むことも考えた記入例です。人に見せる企画書なので、役割と注意することを細かく書いています。
企画名:コント「思い出を聞きすぎる引っ越し業者」
作成者:A
【タイトル案】
1.【コント】思い出を聞きすぎる引っ越し業者
2.引っ越しの見積もりが、なぜか思い出話で終わらない
【企画の1文】見積もりに来た業者が、荷物の思い出を1つずつ聞いてしまい、見積もりが少しも進まない。
【見てほしい人】引っ越しや片付けで、捨てられない物がある人
【笑いどころ】
1.ペン1本にまで「これはいつから?」と、業者が真剣に聞き取りをする
2.荷物が大きくなるほど、思い出話も長くなる
3.客より先に、業者のほうが泣いてしまう
【オチ】業者が見積書ではなく感想文を渡して帰り、客が「で、いくらなんですか」とつぶやく。
【見どころ】最後の段ボールで、話を聞いていた業者のほうが泣いてしまう場面
【構成】
1.つかみ(10秒):業者が「では、こちらから」とペン1本を持ち上げ、思い出を聞く
2.展開(2分):荷物が大きくなるほど、思い出話が長くなる
3.見どころ(1分):客の話に業者が感動し、メモを取る手が止まる
4.オチ(20秒):見積書ではなく感想文を渡して帰る。客のつぶやき
【長さ】3分半前後
【出る人と役割】A:客の役、台本/B:業者の役、撮影の段取り/編集:外部に依頼する予定
【準備物】段ボール3箱、作業着風の上着、クリップボード、ペン
【撮影日と場所】日曜の午後、Aの部屋(予備日:翌週の日曜)
【注意すること】窓の外の景色と郵便物を映さない。音楽は、使ってよいと決められた音源から選ぶ。
笑いどころを3つ並べると、ボケが少しずつ大きくなる順になっているかが一目で分かります。最後に客がつぶやく一言は、「見積もり」という最初の目的を思い出させるオチです。コント動画の台本の書き方や撮り方は「コント動画の作り方」で、流れに沿って紹介しています。
企画書を書くときのコツ
いちばん先に「企画の1文」と「オチ」を書く
タイトル案より先に、企画の1文とオチを書いてみましょう。1文が書けないときは、企画がまだ固まっていない合図です。オチが書けないときは、題材の中のずれがまだ見つかっていません。題材と決まりを見直してから、ほかの項目に進みます。
構成には秒数を入れる
構成に秒数を入れると、どこが長すぎるかが書く段階で分かります。最初の笑いどころまでの前置きが長いと、見る人はその前に離れてしまいます。見どころまでの前置きが全体の半分を超えていたら、説明の部分を削りましょう。
人に渡すなら「笑いの雰囲気」を言葉で書く
編集や台本を人に頼むときは、「まじめな顔で淡々と」「最後だけにぎやかに」のように、笑いの雰囲気を言葉で書き足します。ほかの人の動画を見せて「これと同じに」と頼むのは避け、どこを参考にしたいのかを言葉にしましょう。
撮ったあとに「ウケたところ」を書き足す
撮影や投稿のあとに、笑いが起きたところと、思ったより伝わらなかったところを1行ずつ書き足しておきます。企画書がそのまま記録になり、次の企画で笑いどころを決めるときの手がかりになります。
企画書を人に見せる前のチェック
- 企画の1文を読んだだけで、内容が分かるか
- 笑いどころが3つ以内で、何と何がずれるかが書いてあるか
- オチが1行で書けているか
- 構成の秒数を足すと、長さの目安に収まるか
- 準備物と撮影日、予備日がはっきりしているか
- 人の見た目や年齢をからかう笑いになっていないか
- 映してはいけない物と、音楽の使い方を書いたか
よくある質問
笑いどころが1つも書けません。
笑いどころが書けないときは、企画の決まりがゆるすぎることが多いです。「3分で」「声を出さずに」「全部ほめながら」のように、決まりを1つ足してみましょう。うまくいかない場面が生まれ、そこが笑いどころになります。決まりを足したら、企画の1文から書き直しましょう。
企画書は手書きでもいいですか?
自分だけで使うなら、手書きで十分です。人と共有するときは、文書のファイルにするか、手書きのものを写真に撮って送りましょう。どちらの場合も、1枚に収めるのは同じです。
構成と台本は何が違いますか?
構成は、場面の順番と時間を決めた「流れ」です。台本は、その流れに沿って、セリフや映像、画面に出す文字まで書いたものです。企画書には構成までを書き、台本は別に作ります。台本の形は「お笑い動画の台本の書き方」で紹介しています。
会社のチャンネルの企画書にも使えますか?
使えます。そのうえで、チャンネルを作ったねらいとのつながり、予算、確認してもらう人の欄を足しましょう。社内の決まりで出し方が決まっている場合は、そちらに合わせてください。
まとめ
- 笑える動画の企画書は、A4用紙1枚に収める
- ふつうの項目に「笑いどころ」と「オチ」の欄を足す
- 笑いどころは「何と何がずれるか」で、3つまでにしぼって書く
- いちばん先に企画の1文とオチを書き、構成には秒数を入れる
- 人に渡すときは、笑いの雰囲気と注意することを言葉で書き足す





