YouTubeの台本をAIで作るときは、完成品を求めず、「下書き係」として使うのがコツです。動画の長さ、見てほしい人、企画、話し方を具体的に伝えて頼み、出てきた下書きを自分の言葉に直して仕上げます。
この記事では、そのまま使える頼み方の例文4つと、下書きの直し方を紹介します。AIの文章には間違いが混ざることがあるので、事実確認と著作権で気をつけることもまとめました。
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AIは台本の「下書き係」として使う
ここでいうAIは、質問や頼みごとを文章で送ると、文章で答えてくれるチャット形式のAIのことです。台本づくりでは、得意なことと苦手なことがはっきりしています。
| AIが得意なこと | AIが苦手なこと |
|---|---|
| 構成の案をいくつも出す | あなたの体験や本音を書く |
| 言い回しの候補を出す | 書いた内容の正しさを保証する |
| 長い文を短くまとめる | その場の空気に合う笑いを選ぶ |
| テロップ(画面に出す文字)の案を出す | 新しい情報を正確に知っている |
企画を決めること、自分の体験を入れること、どこで笑わせるかを選ぶことは、人の仕事です。AIには案出しと言い回しを任せ、決めるのは自分と考えると、自分らしい台本になります。
頼む前に決めておく6つのこと
AIに渡す情報が少ないと、どこかで見たような下書きが返ってきます。頼む前に、次の6つを決めておきましょう。
- 動画の長さ(8分ほど、60秒以内など)
- 見てほしい人(工作が苦手な人、仕事帰りに見る人など)
- 企画の1文(何を、どんな決まりでやると、どうなるか)
- 場面の数(5つ前後など)
- 話し手の口調(ていねい、くだけた、少し抜けている など)
- 入れたい自分の体験と、オチの案(オチは最後の笑いのこと)
企画書を作っていれば、ほとんどの項目はそこから写せます。企画書の形は「YouTubeの企画書の書き方」で紹介しています。
そのまま使える頼み方の例文4つ
ここでは「家にある段ボールだけで、1日で本棚を作れるか挑戦する」という企画を例にします。カッコの中や企画の部分を、自分の動画に合わせて書きかえて使ってください。
頼み方1:構成の案を出してもらう
YouTubeに投稿する、8分ほどの動画の構成を3案考えてください。
企画:家にある段ボールだけで、1日で本棚を作れるか挑戦する
見てほしい人:工作は苦手だけれど、人が作るのを見るのは好きな人
話し手:1人。ていねいだけれど、少し抜けている話し方
入れたい場面:途中で棚が傾き、のせた本が全部落ちる(本当にあったこと)
場面は5つ前後に分け、それぞれのおおよその秒数も書いてください。
頼み方2:台本の下書きを書いてもらう
次の構成で、台本の下書きを書いてください。
・表の形にして、「時間」「映像」「セリフ」「テロップ」の4つの列に分ける
・セリフは話し言葉で、1文を短くする
・テロップはセリフのくり返しにせず、要点や話し手へのツッコミを入れる
・本当にあった出来事は【 】の中だけを使い、ほかの出来事を作り足さない
【本当にあったこと:棚板を3回貼り直した。2回目で本が全部落ちた】
(ここに、頼み方1で選んだ構成を貼る)
「出来事を作り足さない」と書いておくのが大事です。書かないと、起きていない失敗談をもっともらしく足してくることがあります。テロップにツッコミ(おかしなところを指摘する一言)を入れてもらうと、1人の動画でも掛け合いのような笑いが生まれます。
頼み方3:笑いどころの案を出してもらう
この台本の3つ目の場面に入れる、小さなボケの案を10個出してください。
・話し手が自分の失敗を笑う形にする
・人をからかう内容や、見た目・年齢をネタにする案は入れない
・1つ20字以内
ボケとは、笑わせるためのおかしな言動のことです。10個の中から、自分が言って自然なものを1〜2個だけ選びましょう。
頼み方4:ショート動画用に短くしてもらう
次の台本を、60秒で話せる長さに縮めてください。
・セリフは全部で300字以内
・最後のオチのセリフは変えない
・説明のセリフのうち、テロップに回せるものは【テロップ】と書いて分ける
(ここに台本を貼る)
60秒の台本に入る文字数の目安は「ショート動画の台本は何文字?」で紹介しています。
うまくいかない頼み方と直し方
どの頼み方も、1回で完璧な答えを求めないのがコツです。「2案目をもう少し短く」「3つ目の場面だけ書き直して」のように、部分ごとに頼み直すと、ねらいに近づきます。思うような下書きが出ないときは、頼み方を次のように見直してください。
| うまくいかない頼み方 | 起きやすいこと | 直した頼み方 |
|---|---|---|
| 「面白い台本を書いて」とだけ頼む | ありきたりな話になり、長さもばらばら | 長さ、見てほしい人、企画、口調を書き足す |
| 「もっと面白くして」と頼む | 大げさな言い回しが増えるだけ | 「3つ目の場面に、失敗を笑うボケを3案」と、場所と形を決める |
| 構成もセリフも一度に頼む | どの場面も浅い内容になる | 構成、下書き、短くする、の順に分けて頼む |
出てきた下書きの直し方
AIの下書きは、そのまま読むと、ていねいすぎたり、どこかで聞いた言い回しが多かったりします。次の順番で、自分の台本に直していきましょう。
- 声に出して読み、言いにくいところを自分の言い方に変える
- どこかで聞いたような決まり文句を削る
- 自分の体験と本音を足す
- 数字や名前に印を付け、あとで確かめる
- 笑いどころを1〜2か所にしぼって強める
下の表は、段ボールの本棚の下書きを直した例です。決まり文句を削り、自分のことを足すだけで、話し手の顔が見える台本になります。
| AIの下書き | 直したもの |
|---|---|
| 皆さん、こんにちは。今日は段ボールで本棚を作るという、とてもワクワクする挑戦をしていきたいと思います。 | 段ボールで本棚を作ります。工作の成績は、ずっと「がんばりましょう」でした。 |
| さあ、果たして本棚は完成するのでしょうか。 | セリフは削る。テロップ「この45分後、本が全部落ちます」 |
| 段ボールは軽くて丈夫な素材なので、工作にぴったりです。 | 段ボールは軽いです。丈夫かどうかは、このあと分かります。 |
2行目のように、先に結果をテロップで見せてしまうのも、動画ならではの笑いの取り方です。見る人は「どう落ちるのか」を楽しみに見続けます。
事実確認で気をつけること
AIの文章には、もっともらしい間違いが混ざることがあります。特に、数字、人や会社の名前、出来事の年、ルールや法律の説明は、自信のある言い方のまま間違えていることがあります。
確かめるときは、AIにもう一度聞くのではなく、公式のページや元の資料に当たりましょう。確かめられなかったことは、台本から外すのが安全です。
事実確認のチェックリスト
- 数字(金額、日付、割合)の出どころを確かめたか
- 人や会社、商品の名前の書き方は正しいか
- 「〜と言われています」の部分に、根拠があるか
- 健康やお金、法律に関わることを言い切っていないか
- 実在の人や会社を、悪く言う内容になっていないか
著作権と使い方の注意
AIを使っても、ほかの人の作品をまねしてよいことにはなりません。次のような頼み方や使い方は避けましょう。
- 実在の芸人さんのネタや番組のセリフ、歌詞をまねさせる
- ほかの人の動画の書き起こしや台本を貼って、言いかえさせる
- 出てきた文を、有名な作品やフレーズに似ていないか見ないまま使う
- 家族の名前や住所など、個人の情報を入力する
ネタのまねがどこから問題になるかは「漫才のネタに著作権はある?」で紹介しています。
利用規約も確かめる
AIで作った文章を、収益化した動画に使ってよいかや、入力した内容がどう扱われるかは、サービスごとに決まりが違い、変わることもあります。使う前に、そのサービスの利用規約を確かめましょう。投稿先によっては、AIで作った映像や音声に表示のルールを設けていることもあります。
よくある質問
AIが書いた台本をそのまま使ってもいいですか?
使ってよいかどうかは、使うサービスの利用規約によります。ただ、そのままでは言い回しがありきたりになりやすく、事実の間違いが残っていることもあります。声に出して読み、自分の言葉に直してから使いましょう。
どのAIを使えばいいですか?
どのサービスでも、この記事の頼み方はそのまま使えます。選ぶときは、商用で使えるかと、入力した内容がどう扱われるかを、利用規約で確かめておくと安心です。
漫才やコントの台本にも使えますか?
使えます。ただ、ボケとツッコミの言葉選びや間の取り方は、人が声に出して直す部分が多くなります。漫才の場合のコツは「AIで漫才の台本を作るときのコツ」で紹介しています。
まとめ
- AIは完成品ではなく、台本の下書き係として使う
- 頼むときは、長さ・見てほしい人・企画・口調・入れたい体験を具体的に伝える
- 下書きは声に出して読み、決まり文句を削って自分の体験を足す
- 数字や名前は公式のページなどで確かめ、確かめられないことは外す
- 実在の芸人さんのネタや歌詞をまねさせず、利用規約も確かめる






