YouTubeの企画は、「何を、どんな決まりでやると、どうなるか」を1文で言える形にすると、面白さが伝わります。中でも大事なのは、やってみるまで結果が分からない部分を入れることです。
この記事では、企画を1文にまとめる考え方と、企画を立てる5つの手順を紹介します。1人でもできる企画12個と、続けやすいシリーズの作り方もまとめました。
面白い企画は「1文」で言える
見ていて面白い企画は、たいてい内容を1文で言えます。1文で言えない企画は、撮っているうちに何を見せたいのかがぼやけてしまいます。
1文にするときは、次の3つを入れます。
- 題材:何を扱うか(料理、部屋、文房具など)
- 決まり:どんなルールでやるか(残り物だけで、3分で、声を出さずに など)
- 分からない結果:最後にどうなるか、やってみないと分からないこと
見る人は、この「分からない結果」を知りたくて最後まで見ます。題材が同じでも、決まりを1つ足すだけで、結果が読めない企画に変わります。
| ぼんやりした企画 | 1文にした企画 |
|---|---|
| 料理をする | 冷蔵庫の残り物だけで、3品のコースが作れるか試す |
| 部屋を紹介する | 不動産屋さんになりきり、自分の部屋を3分で売り込む |
| 文房具を紹介する | 家にある文房具10本を、書きやすさで順位づけする |
| 散歩をする | 行き先をくじで決めて、1時間でどこまで行けるか試す |
見る人の「見たい理由」を1つ決める
企画を考えるときは、見る人がその動画を見る理由も1つ決めておきます。理由がはっきりしていると、どこを長く見せ、どこを短く切るかを決めやすくなります。
| 見たい理由 | 企画で大事にすること | 合う企画の例 |
|---|---|---|
| 笑いたい | ずれや失敗を、隠さずに見せる | 自分の部屋を売り込む |
| 結果が気になる | 結果が出る場面を後半に置く | 1時間で技を覚える |
| 役に立つ | 手順や答えを分かりやすく見せる | 文房具ランキング |
| 気持ちが分かる | 自分の本音や迷いを言葉にする | 苦手なこと30日 |
1本の中で全部をねらうと、何を見せたいのかがぼやけます。主な理由を1つに決め、ほかはおまけと考えましょう。
企画を立てる5つの手順
企画は、思いつきを待つより、手順どおりに組み立てるほうが早くできます。次の順番で、ノートに書きながら進めましょう。
- 続けられる題材を10個書き出す(好きなこと、毎日やっていること、人より少し詳しいこと)
- 題材に、下の表の「型」を1つかけ合わせる
- 題材・決まり・分からない結果を入れて、1文にまとめる
- 見どころを決める。笑いや驚きが起きる場面を、動画の後半に置く
- タイトルとサムネイルを先に考える
サムネイルとは、動画の一覧に出る小さな画像のことです。タイトルとサムネイルが思い浮かばないときは、1文がまだぼんやりしています。3に戻って、決まりを足してみましょう。
| 型 | やること | 例 |
|---|---|---|
| 縛り型 | ルールを1つ足す | 100円の物だけで模様替えする |
| 比較型 | 2つを並べて違いを見せる | 早起きした日と寝坊した日を比べる |
| 検証型 | よく言われていることを試す | 「〇〇すると長持ちする」を家で確かめる |
| なりきり型 | 別の立場になりきる | 家の物を通販番組のように売り込む |
| 挑戦型 | 時間や回数を決めて挑む | 1時間でけん玉の技を1つ覚える |
| ランキング型 | 順位をつけて1位まで引っぱる | 家の文房具を書きやすさで順位づけする |
笑いを入れたいなら、まじめにやるほどおかしくなる型を選ぶのがコツです。なりきり型や縛り型は、本人が真剣なほど、場面とのずれが大きくなります。ずれが笑いになる仕組みは「笑いが起きる仕組み」で紹介しています。
1人でもできる企画12個
どれも1人で撮れて、撮影は1〜2時間ほどが目安です(何日も続ける企画を除きます)。難しさは★の数で表しています。
| 企画 | 内容 | 準備物 | 難しさ |
|---|---|---|---|
| 残り物フルコース | 冷蔵庫の残り物だけで前菜・主菜・デザートを作り、レストラン風に出す | 冷蔵庫の中身 | ★★ |
| 自分の部屋を売り込む | 不動産屋さんになりきり、部屋のよさを3分で熱く語る | なし | ★ |
| 声なし料理 | 声を出さず、字幕と身ぶりだけで料理の手順を伝える | 料理の材料 | ★★ |
| 文房具ランキング | 家の文房具を書きやすさで順位づけし、1位の発表まで引っぱる | 文房具10本ほど | ★ |
| 100円模様替え | 100円で買える物だけで、部屋の一角を模様替えする | 予算1,000円ほど | ★★ |
| 言い伝え検証 | 「〇〇すると長持ちする」など、よく聞く話を家で試す | 試す物 | ★★ |
| 1時間で技を覚える | けん玉やペン回しの技を、1時間で1つ覚えられるか挑む | けん玉など | ★★ |
| 家の物の通販番組 | ふつうの洗濯ばさみを、通販番組のように熱く売り込む | 家にある物 | ★ |
| ひとり運動会 | 家の中で種目を作り、開会式から表彰式まで1人で行う | 紙で作るメダル | ★★★ |
| 朝ごはん1週間日記 | 毎朝同じ角度で撮り、週末にまとめて振り返る | なし | ★ |
| 苦手なこと30日 | 苦手なことに毎日少しずつ挑み、1日目と30日目を比べる | 内容による | ★★★ |
| 1年前の自分への返事 | 1年前に書いたメモや日記に、今の自分が返事をしていく | 昔のメモ | ★★ |
顔を出したくない人は、手元だけで撮れる「声なし料理」「文房具ランキング」「家の物の通販番組」から始めると安心です。検証の企画は、火や刃物を使うものなど、まねすると危ないものは選ばないでください。
例:「自分の部屋を売り込む」の流れ
企画が決まったら、見どころが後半に来るように流れを組みます。いちばん手軽な「自分の部屋を売り込む」を例にすると、次のようになります。
- 時間
- 5〜8分
- 人数
- 1人
- 準備物
- スマホ、三脚(なければ棚に立てかける)
- 難しさ
- ★
- つかみ:「本日ご紹介するのは、日当たりだけは自信のある物件です」と始める(つかみは最初の笑いのこと)
- 玄関から順に案内し、ふつうの物を大げさにほめる
- 「こちら、たっぷり入る収納です」と開けると、もう物でいっぱい
- 見どころとして「この物件いちばんの眺め」とカーテンを開けると、干したままの洗濯物
- 「ご内見、お待ちしております」と、まじめな顔のまま締める
流れが決まったら、セリフと映像を台本にしておくと撮影で迷いません。台本の形は「動画の台本の書き方」で、テンプレートつきで紹介しています。
続けやすいシリーズの作り方
シリーズは、毎回同じ部分と、毎回変わる部分を決めておくと続けやすくなります。同じ部分があると見る人が安心でき、変わる部分があるから毎回新しく楽しめます。
| 項目 | 書くこと | 記入例(残り物フルコース) |
|---|---|---|
| シリーズ名 | 見てすぐ分かる名前 | 今週の残り物フルコース |
| 毎回同じ部分 | 始まりの一言、ルール、締め方 | 「本日のシェフは冷蔵庫です」で始まる |
| 毎回変わる部分 | お題や題材 | その週の冷蔵庫の中身 |
| 見どころ | 毎回の山場 | デザートまで作れるかどうか |
| 1本の長さ | だいたいの目安 | 8〜10分 |
| 投稿の間隔 | 続けられるペース | 週1本、土曜日 |
| 区切り | いつまで続けるか | 10回で一度区切り、続けるか決める |
毎回の「お決まり」を作る
始まりの一言や締めのポーズなど、毎回同じことをする部分を「お決まり」と呼びます。くり返すうちに、見る人が「待ってました」と感じる部分になります。お笑いでいう天丼(同じボケをくり返して笑いを取ること)と同じ考え方です。
10回分のお題を先に出しておく
シリーズを始める前に、10回分のお題を書き出してみてください。10個出なければ、題材が狭すぎるか、決まりがきつすぎます。そのときは、決まりを少しゆるめて考え直しましょう。
区切りを先に決めておく
「10回で一度区切る」と決めておくと、途中で苦しくなっても終わりが見えます。区切りで反応をふり返り、続けるか、新しいシリーズに変えるかを決めましょう。
企画を人に見せたり、手伝ってくれる人と共有したりするときは、「YouTubeの企画書の書き方」も参考にしてください。
企画を決める前に確かめること
撮り始めてから「やっぱり無理だった」とならないよう、次のことを確かめてから決めましょう。
企画を決める前のチェック
- 内容を1文で言えるか
- 最後にどうなるか、やってみないと分からない部分があるか
- タイトルとサムネイルが思い浮かぶか
- シリーズにするなら、10回分のお題が出せるか
- 続けられる予算と時間におさまるか
- ほかの人の顔や家、店の中を、勝手に映さずに撮れるか
- 危ないことや、人の迷惑になることをしていないか
よくある質問
企画がほかの人とかぶってもいいですか?
題材や型が似るのは、ある程度しかたがありません。自分の生活や得意なことを入れれば、同じ型でも別の動画になります。ただし、ほかの人の動画の構成やセリフを、そのまままねするのは避けましょう。
1本の長さはどれくらいにすればいいですか?
決まった正解はなく、企画の中身で決めるものです。最初は5〜10分ほどにまとめると、撮影も編集も負担が少なく済みます。見どころまでに時間がかかりすぎていないかを、見返して確かめましょう。
1人だと盛り上がりません。
1人の企画は、話し相手がいない分、字幕やナレーションで気持ちを補うと見やすくなります。「なりきり型」のように、自分が役を演じる企画なら、1人でも会話のような流れが作れます。
まとめ
- 企画は「題材・決まり・分からない結果」を入れて1文で言える形にする
- 縛り・比較・なりきりなどの型を使えば、1人でも企画は作れる
- 見どころは動画の後半に置き、タイトルとサムネイルを先に考える
- シリーズは「毎回同じ部分」と「毎回変わる部分」を先に決める
- 10回分のお題が出せるかで、続けられるかを確かめる






