お笑い動画の台本は、「時間・映像・セリフ・テロップ・音」の5つを横に並べた表で書きます。笑いどころの行に印を付け、そこで出すテロップと効果音まで書いておくと、撮影でも編集でも笑いを外しません。順番は、場面の流れ(構成)を決めてからセリフを書き、そのあとで映像とテロップ・音を埋めていきます。
この記事では、コピーして使えるお笑い動画の台本テンプレートと、台本を書く5つの手順を紹介します。笑いどころでのテロップと効果音の書き方、2分の検証コント動画の記入例、話し言葉で書くコツもまとめました。
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お笑い動画の台本は「映像・セリフ・テロップ」を並べて書く
話すだけの原稿と違い、動画の台本には「何を映すか」と「画面に何を出すか」も書きます。この3つを横に並べると、同じ時間に何が起きているかが一目で分かります。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 時間 | その場面が始まる時間と終わる時間。笑いどころには★ |
| 映像 | 何を、どのくらいの大きさで映すか |
| セリフ | 話す言葉。ナレーションも含む |
| テロップ | 画面に出す文字 |
| 音 | 音楽や効果音を入れる場所 |
テロップとは、画面に重ねて出す文字のことです。セリフとテロップを別の欄に分けておくと、同じことを二重に書くのを防げます。
お笑い動画では、テロップと音の欄が特に大事です。動画には、客席の笑い声がありません。その代わりに「ここが笑いどころ」と伝えるのが、テロップと効果音です。
笑いどころの中心になるのは、ボケとツッコミです。ボケはわざとずれたことを言ったりしたりすること、ツッコミはそのずれを指摘することです。笑ってほしい行の時間の欄に★を付けておくと、編集する人にもその場面が伝わります。
コピーして使えるお笑い動画の台本テンプレート
パソコンで書くなら表の形、スマホで書くなら縦に並べる形が書きやすいです。どちらも中身は同じなので、使いやすいほうを選んでください。
表の形(パソコンで書く人向け)
表計算や文書のファイルに、次の5つの列を作ります。下の表の中身は、それぞれの場面で何を書くかの目安です。
| 時間 | 映像 | セリフ | テロップ | 音 |
|---|---|---|---|---|
| 0:00〜0:05 | いちばんおかしな絵を先に見せる | 設定が分かる一言 | 動画のテーマ | 効果音を1つ |
| 0:05〜0:20 | 話す人の顔、または題材のアップ | 今日やることの説明 | やることの要点 | 音楽を小さく |
| ★0:20〜 | 本題の映像(場面ごとに1行) | ボケと、それを受ける言葉 | ツッコミや心の声 | 笑いどころだけに効果音 |
| ★最後の15秒 | 結果と、話す人の顔 | オチの一言と締め | オチの前は出さない | オチのあとに音楽を戻す |
オチは、最後に笑いを取って終わる部分のことです。最初の5秒には、説明より先に「いちばんおかしな絵」を見せると、見る人が続きを見たくなります。
縦に並べる形(スマホのメモで書く人向け)
【場面1 0:00〜0:05】
映像:
セリフ:
テロップ:
音:
【場面2 ★0:05〜0:20】
映像:
セリフ:
テロップ:(種類も書く。例:【ツッコミ】)
音:(鳴らす瞬間も書く。例:ボケの直後)
場面が増えたら、【場面3】【場面4】と同じ形でくり返します。2人以上の会話が中心のコントは、セリフを縦に並べる台本の形のほうが書きやすいこともあります。その形は「コント動画の作り方」で例を紹介しています。
台本を書く5つの手順
いきなりセリフから書き始めると、途中で話がそれていきます。次の順番で、外側から内側へ埋めていきましょう。
- 構成を決める:場面を4〜6つに分け、それぞれの秒数を決める
- セリフを書く:場面ごとに、話す言葉を話すとおりに書く
- 映像を書く:セリフに合わせて、何を映すかを書く
- 笑いどころに★を付け、テロップと音を書く:★の行を中心に、必要な場所だけに入れる
- 声に出して読み、時間を測る:長ければ、セリフから削る
構成は、企画書を作っていればそこから写せます。企画書に笑いどころとオチの欄を作る書き方は「YouTubeの企画書の書き方」で紹介しています。
お笑い動画の種類ごとの構成の型
構成に迷ったら、動画の種類に合った型を借りましょう。矢印の順に場面を並べ、それぞれに秒数を割り振ります。
| 動画の種類 | 構成の型 | 例 |
|---|---|---|
| 検証・挑戦 | つかみ → やることの説明 → 試す(2〜3回、失敗がだんだん大きくなる) → 結果 → オチ | 洗濯物のたたみ方を比べる |
| なりきり | 役を見せる → まじめに演じる → ずれを重ねる → 役のまま締める | 冷蔵庫の中身を、美術館の案内係のように紹介する |
| コント | 設定を見せる → ボケを重ねる → オチ | おやつをかけたジャンケンが終わらない |
| トーク | 話題を出す → 出来事を話す → オチ → 次回の予告 | 今週あった小さな事件を話す |
どの型でも、見どころとオチは後半に置きます。最初の5秒で「何の動画か」が分かるようにするのも同じです。
読み上げにかかる時間は、スピーチ時間の計算ツールにセリフを貼ると目安が分かります。動きだけの場面や、オチの前のひと呼吸は文字がないので、その秒数は別に足してください。
笑いどころのテロップと効果音の書き方
笑いどころのテロップと効果音は、「何を出すか」だけでなく、「どの種類で、どの瞬間に」まで台本に書いておきます。ここがあいまいだと、編集の段階で笑いどころがずれてしまいます。
テロップは種類を【 】で書く
テロップの欄には、文字の前に種類を【 】で書いておくと、編集で色や大きさを決めやすくなります。お笑い動画でよく使うのは、次の6種類です。
| 種類 | 台本での書き方の例 | 出す場面 |
|---|---|---|
| 見出し | 【見出し】洗濯物たたみ方対決 | 動画の最初に、テーマを伝えるとき |
| 字幕 | 【字幕】(小声のセリフをそのまま) | 早口や小声で、聞き取りにくいセリフ |
| ツッコミ | 【ツッコミ】それは、たたんでいない | ボケに誰もつっこまないとき |
| 心の声 | 【心の声】(板、作るんじゃなかった) | 言葉と本音がずれる場面 |
| 時間 | 【時間】〜板づくりから30分後〜 | 時間を飛ばして笑わせるとき |
| 注意書き | 【注意書き】※板づくりに30分 | 話し手が言わないことを、そっと足すとき |
ツッコミのテロップは、ボケを言い終わってから少し待って出すように書きます。オチの一言は、言う前に字幕で見せないよう「(言い終わってから)」と書き添えましょう。テロップの文字数や色の決め方は「動画編集で字幕を入れるコツ」で詳しく紹介しています。
効果音は「鳴らす瞬間」まで書く
効果音は、音の名前のあとに、鳴らす瞬間を( )で書きます。同じ音でも、ボケより先に鳴ると笑いを予告してしまい、遅すぎると笑いどころがぼやけるからです。
| 台本での書き方の例 | 意味 |
|---|---|
| ポン(固まった直後) | ボケの動きが止まった瞬間に鳴らす |
| パシッ(ツッコミと同時) | ツッコミの最初の一言に重ねる |
| シュッ(場面が変わる瞬間) | 時間や場所が変わったと伝える |
| なし(オチの前は無音) | 編集で音を足さないでほしい場所 |
効果音の入れすぎを防ぐには、★の行だけに書くと決めておくのが簡単です。音量の決め方や素材の探し方は「効果音の使い方」にまとめています。
オチの前は「何も足さない」と書く
オチの直前のひと呼吸は、テロップも効果音もない静かな時間にすると、オチのひと言が際立ちます。台本に書いていないと、編集のときに音楽や文字で埋めてしまいがちです。「(間・テロップなし・音なし)」と書いておきましょう。
直す前
テロップ:記録なし
音:効果音
直した後
テロップ:【ツッコミ】記録:測れず(腕に巻きついてから1秒後)
音:ポン(テロップと同時)
直す前の書き方では、編集する人は、どの文字をどの瞬間に出せばいいのか迷います。直した後のように書けば、台本を見ただけで笑いどころの作り方が伝わります。
記入例:2分の検証コント動画「洗濯物のたたみ方を3つ比べてみた」
1人で撮れる、2分の検証コント動画の台本です。検証とは、本当にそうなるかを試して確かめることです。まじめに測るほど、うまくいかない場面が笑いになります。笑いどころの行は、時間の欄に★を付けています。
- 時間
- 2分
- 人数
- 1人
- 準備物
- 洗濯物、段ボールで作った板、箱、時間を測るためのスマホ
- 難しさ
- ★★
| 時間 | 映像 | セリフ | テロップ | 音 |
|---|---|---|---|---|
| 0:00〜0:05 | 床に山盛りの洗濯物と、その前で正座する話し手 | 「今日こそ、この山を片付けます」 | 【見出し】洗濯物たたみ方対決 | ドン(テロップと同時) |
| 0:05〜0:20 | 話し手の顔 | 「たたむのが遅い私が、3つのたたみ方を比べます。1枚あたりの時間を測ります」 | 【字幕】1枚あたりの時間で勝負 | 音楽を小さく |
| 0:20〜0:45 | 1つ目。手元を大きく | 「まずは、つまんで持ち上げる早いやり方。……あれ、腕が」 | 【字幕】1つ目:つまんで一瞬でたたむ | なし |
| ★0:45〜0:50 | 腕に洗濯物が巻きついた全身 | (無言) | 【ツッコミ】記録:測れず(巻きついてから1秒後) | ポン(テロップと同時) |
| 0:50〜1:15 | 2つ目。段ボールの板でたたむ手元 | 「板を使う方法です。速い。これは速いです」 | 【字幕】2つ目:板を使う 1枚8秒 | 音楽を少し上げる |
| ★1:15〜1:20 | 板を作っているところの早送り | (無言) | 【注意書き】※板づくりに30分 | 早送りの音(映像と同時) |
| ★1:20〜1:40 | 3つ目。丸めて箱に入れる | 「3つ目は、丸めて入れるだけ。……これは、たたむではないですね」 | 【字幕】3つ目:丸めるだけ 1枚2秒 | なし |
| ★1:40〜2:00 | 3つの結果を並べた画面と、話し手の顔 | 「私に合っていたのは板でした。(間)板づくりの30分は、数えないものとします」 | 【ツッコミ】結論:板(ただし準備30分)。言い終わってから | 間は無音。オチのあとに音楽を戻す |
この台本で笑いが起きる仕組み
0:05〜0:20で「1枚あたりの時間を測ります」と言っておくのが、フリです。フリとは、あとの笑いのために先に置いておく前置きのことです。まじめに測ると宣言したからこそ、「記録:測れず」のテロップで笑いが起きます。
1:15の「※板づくりに30分」のように、話し手が言わないことをテロップでそっと足すのも、動画ならではの笑いの取り方です。最後のオチは、この「30分」をもう一度使っています。前に出したことを最後に回収すると、短い動画でもきれいに締まります。
台本を書くときのコツ
話すとおりに書く
台本は読むものではなく、声に出すものです。書き言葉のまま話すと、かたく聞こえます。
| 書き言葉 | 話し言葉 |
|---|---|
| 〜である | 〜です |
| すなわち | つまり |
| 〜を行います | 〜をやります |
| 非常に | すごく、とても |
1文は短く、笑いの言葉は文の最後に置く
1文が長いと、話す人がかみやすく、見る人も聞き取りにくくなります。1文で伝えることは1つにしぼり、長くなったら2つに分けましょう。ボケのセリフは、笑ってほしい言葉を文の最後に置くと、言い終わった瞬間に笑いが起きます。
撮る順番は、台本の順番と別でいい
台本は見る人が見る順番で書きますが、撮影は同じ場所の場面をまとめて撮るほうが早く終わります。台本の映像の欄に撮る場所を書いておくと、撮影の日に順番を組みかえやすくなります。
長くなったら説明のセリフから削る
声に出して読んで長すぎたときは、削る順番を決めておくと迷いません。まず説明のセリフ、次に同じことを言い直している部分、最後に★の付いていない場面を削ります。★の場面とオチは、最後まで残しましょう。
台本ができたら確かめること
- 最初の5秒で、何の動画か分かるか
- 笑いどころの行に★があり、見どころとオチが後半にあるか
- テロップに種類が、効果音に鳴らす瞬間が書いてあるか
- オチの前に「テロップなし・音なし」と書いてあるか
- 声に出して読み、かみやすいところがないか
- ほかの人の顔や、住んでいる場所が分かる物が映らないか
よくある質問
台本はどのくらい細かく書けばいいですか?
話すのに慣れていない人は、セリフを全部書いておくと安心です。慣れてきたら、セリフの欄を要点だけの箇条書きにしても大丈夫です。ただし、★の行のボケとオチのセリフだけは、言い回しまで書いておきましょう。
台本を見ながら撮ってもいいですか?
大丈夫です。台本の要点を大きな字で書いた紙を、スマホのすぐ横に貼っておくと、目線がずれにくくなります。全部を読み上げるより、要点を見て自分の言葉で話すほうが自然に聞こえます。
ショート動画でも同じ形で書けますか?
同じ形で書けます。ただし60秒以内の動画は、最初の2秒の作り方と文字数の目安が大事になります。くわしくは「ショート動画の台本は何文字?」を読んでみてください。
まとめ
- お笑い動画の台本は、時間・映像・セリフ・テロップ・音を横に並べて書く
- 笑いどころの行に★を付け、テロップは種類、効果音は鳴らす瞬間まで書く
- オチの前のひと呼吸は「テロップなし・音なし」と書いておく
- 構成、セリフ、映像、テロップと音の順で埋め、最後に声に出して時間を測る
- セリフは話すとおりに短く書き、撮る順番は台本の順番と別にしてよい






