家族婚や少人数の結婚式では、ステージで見せる余興より、全員が席に座ったまま参加できる出し物が向いています。10〜30人なら一人ひとりの顔が見えるので、ゲストに一言ずつ話してもらうだけでも、十分な余興になります。
この記事では、テーブルを回る出し物、座ったまま参加できる出し物、年配の親族も笑える出し物を紹介します。家族で演じる3分の寸劇の台本もつけました。
目次目次を閉じる目次を開く
家族婚の余興で大切にしたい3つのこと
全員が「参加する人」になれる形にする
大きな披露宴では、余興は「見るもの」です。少人数の式では、見ているだけの人が出ないように、ゲスト全員が一言ずつ話したり、答えたりできる形にしましょう。
年配の親族にも伝わる題材を選ぶ
祖父母やおじ・おばが多い式では、流行の言葉やネットの話題は伝わりにくいものです。家族の思い出や昔の写真なら、どの世代も同じように楽しめます。
両家が打ち解けるきっかけを作る
家族婚では、両家の親族がほぼ初対面ということもよくあります。相手の家族のことを知るクイズや、思い出を話すリレーは、会話のきっかけにもなります。
テーブルを回る出し物
ゲストが10〜30人なら、進行役がテーブルを回っても時間がかかりすぎません。一人ひとりと話せるのは、少人数の式ならではの楽しみです。
1. テーブルインタビュー
進行役が各テーブルを回り、ゲストに一言ずつ質問します。両家の親族がお互いの人柄を知るきっかけになり、新郎新婦も普段は聞けない話を聞けます。
- 時間
- 10分前後(20人の場合)
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 質問を書いたカード、マイク(あれば)
- 難しさ
- ★
・〇〇くん(〇〇さん)の、子どものころの呼び名は?
・2人が並んでいるのを見て、最初にどう思いましたか?
・2人に伝えたい、夫婦円満のコツを一つ教えてください。
・今日のお料理で、いちばん気に入ったものは?
年配の人には「はい・いいえ」で答えられる質問も混ぜておくと、話すのが苦手な人も参加しやすくなります。
2. 写真を持って回る「この写真、いつ?」
新郎新婦の子どものころの写真を5〜6枚持ってテーブルを回り、何歳のころか、どこで撮ったかを当ててもらいます。答えを知っている親がすぐ近くにいるので、自然と思い出話が始まります。
- 時間
- 10分前後
- 人数
- 1人
- 準備物
- 写真5〜6枚(大きめに印刷する)
- 難しさ
- ★
使う写真は、本人と家族に見せてよいかを先に確かめておきましょう。
席に座ったまま参加できる出し物
立ち歩きが少ないので、和室の会食や、年配の人が多い式にも向いています。
3. 両家対抗の家族クイズ
新郎側と新婦側の2チームに分かれ、相手の家族にまつわる3択クイズに答えます。「新婦のお父さんの得意料理は?」のように、相手の家のことを知る問題にすると、答え合わせのたびに会話が生まれます。
- 時間
- 10分
- 人数
- 1人(進行役)
- 準備物
- 問題を書いたスケッチブック
- 難しさ
- ★★
問題の材料は、両家の家族に前もって聞いておきます。問題の作り方は「結婚式の余興クイズの問題例」も参考にしてください。
4. 「いちばん古い思い出」リレー
ゲストが1人ずつ、新郎か新婦との、いちばん古い思い出を一言で話していきます。祖父母の「生まれた日に病院で抱っこした」から、友人の「入学式で隣の席だった」まで、2人の歴史が少しずつつながっていきます。
- 時間
- 10〜15分(20人で1人30秒ずつ)
- 人数
- 1人(進行役)
- 準備物
- なし
- 難しさ
- ★
話すのが苦手な人もいるので、最初に「パスしても大丈夫です」と伝えておきましょう。
5. スタンプで作る寄せ書きの木
幹と枝だけを描いた木の絵を回し、ゲストに指でスタンプを押して葉っぱにしてもらい、横に名前を書いてもらいます。できあがった絵は、そのまま2人の記念になります。
- 時間
- 10分(食事の合間に回す)
- 人数
- 1人
- 準備物
- 木の絵を描いた画用紙、スタンプ台、細いペン
- 難しさ
- ★
年配の親族も笑える出し物
年配の人が笑いやすいのは、流行のネタより「家族あるある」です。何度も着がえる父、お菓子を買いこみすぎる家族など、どの家にもありそうな場面が笑いを生みます。
6. アルバム紙芝居
新郎(新婦)の兄弟が、赤ちゃんのころから今日までの写真を貼った紙をめくりながら紹介します。1枚ごとに、親や祖父母に「このころはどんな子でしたか」と一言ずつ聞くと、年配の親族も主役になれます。
- 時間
- 5分
- 人数
- 1〜2人
- 準備物
- 写真を貼った画用紙8枚
- 難しさ
- ★
紙芝居の作り方や読み方のコツは、「なれそめ紙芝居の作り方」で詳しく紹介しています。
7. 家族の寸劇「はじめてのご挨拶」
新郎の家族が、新婦が初めて家に挨拶に来た日を再現する寸劇です。笑いの的になるのは、緊張しすぎた家族のほう。新婦を笑うのではなく、家族が新婦を迎える温かい話になります。
- 時間
- 3分
- 人数
- 3人(父、母、きょうだい)
- 準備物
- テーブルと椅子2脚(会場のものを借りる)、湯のみ
- 難しさ
- ★★
家族で演じる寸劇「はじめてのご挨拶」(約3分)
7の寸劇の台本です。〇〇には名前を入れ、シャツや飲み物、おまんじゅうのところは、本当にあったことに入れかえてください。実話に近いほど、親族の笑いが大きくなります。
妹の役は、弟や姉が演じてもかまいません。そのときは、台本の中の呼び方だけ合わせて変えてください。
台本はじめてのご挨拶(約3分)
(テーブルを前に出し、父と母が並んで座る。妹は横に立つ)
妹今から、〇〇家にとって忘れられない一日を再現します。題して「はじめてのご挨拶」。
妹〇年前の春。兄が「会ってほしい人がいる」と言った日から、わが家は大さわぎでした。
母お父さん、そのシャツ、もう3回着がえてますよ。
父1枚目は派手すぎた。2枚目は地味すぎた。
母3枚目は?
父……やっぱり1枚目にした。
妹結局、いちばん派手なシャツでした。
母お茶は何がいいかしら。紅茶、緑茶、コーヒー。
父全部出しておけばいい。
妹その日、テーブルには飲み物が6種類並びました。
母お父さん、駅前のおまんじゅう、買ってきてくれた?
父3箱買ってきた。
母3箱? 4人で?
父足りないよりいい。
妹ピンポーン。
(父と母、同時に立ち上がり、同時に座り直す)
父(小声で)なんて呼べばいいんだ。
母(小声で)〇〇さんよ。あれだけ練習したでしょう。
父(大きな声で)いらっしゃいませ。
母お店じゃないんだから。
妹その日、〇〇さんは、父の派手なシャツをほめてくれました。6種類の中から、迷わず緑茶を選んでくれました。おまんじゅうも、2つ食べてくれました。
母あの日の夜、お父さん、なんて言ったか覚えてる?
父……「いい人が来てくれたな」。
妹父がそんなことを言うのを、初めて聞きました。
(3人で新郎新婦のほうを向く)
母〇〇さん、あの日から、わが家はずっとあなたのファンです。
父息子を、よろしくお願いします。これからは、遠慮なく遊びに来てください。
妹おまんじゅうは、3箱用意しておきます。
3人〇〇さん、これからは家族として、どうぞよろしく。本当におめでとう。
(3人で一礼する)
寸劇を自分の家族用に直すコツ
笑いを取るのは「家族の失敗」だけにして、新郎新婦の失敗は入れないようにします。新婦側の家族が演じるなら、新郎が初めて来た日の話にすれば、同じ形で使えます。最後の3行だけは、まじめに気持ちを伝えましょう。
親族で出る余興のほかの台本は「親族で余興をするなら」にもあります。
会場と流れに合わせた入れ方
少人数の式は、会場の形がさまざまです。会場に合わせて、出し物を選びましょう。
| 会場の形 | 向いている出し物 | 気をつけること |
|---|---|---|
| レストランの貸し切り | テーブルインタビュー、家族クイズ | マイクがない場合は、全員の顔が見える位置で話す |
| 料亭や和室での会食 | 思い出リレー、寄せ書きの木 | 座敷では立ち歩きを少なくする |
| 式場の小さな宴会場 | 寸劇、アルバム紙芝居 | スクリーンや音響が使えるか確かめる |
家族婚の主役は、食事と会話です。余興は多くても2つまでにしましょう。乾杯のあと料理が2〜3品出たころに1つ目、デザートの前に2つ目を入れると、会話の時間をじゃましません。
よくある質問
家族婚でも、余興はやったほうがいいですか?
無理に入れなくても大丈夫です。ただ、両家が初対面に近い場合は、参加型の出し物を1つ入れると、会話のきっかけになります。余興を入れない場合の過ごし方は「結婚式を余興なしにするなら」で紹介しています。
小さな子どもが何人か来ます。
寸劇の「ピンポーン」の役や、寄せ書きの木のスタンプなど、短くて分かりやすい役をお願いすると喜ばれます。子どもが出る余興は「子どもが出る余興」にまとめています。
マイクがない会場では、どうすればいいですか?
10〜20人なら、マイクがなくても声は届きます。全員の顔が見える位置に立ち、大きな声を出すより、ゆっくり話すことを心がけましょう。
まとめ
- 家族婚の余興は、見せるより「全員が参加できる」形にする
- テーブルを回るインタビューや写真当ては、両家が打ち解けるきっかけになる
- 年配の親族が笑いやすいのは、流行のネタより家族あるある
- 寸劇で笑いを取るのは家族の失敗だけにして、最後はまじめに締める
- 余興は多くても2つまでにして、食事と会話の時間を大切にする






