結婚式の披露宴は、余興なしでもまったく問題ありません。余興がなくても、テーブルラウンドの小ネタ、プロフィールムービーの笑いの字幕、新郎新婦クイズを入れれば、会場には十分に笑いが起きます。コツは、笑いを友人の出し物ではなく、新郎新婦とゲストの会話から生むことです。
この記事では、余興なしでも笑いが起きる演出を、時間と準備の目安つきで紹介します。2時間半の披露宴を余興なしで組んだ進行例と、ゲストや友人への伝え方もまとめました。
目次目次を閉じる目次を開く
余興なしでも、笑いは新郎新婦が作れる
余興を入れない理由は、新郎新婦によってさまざまです。どの理由でも、余興なしが失礼にあたることはありません。
| 余興なしにする理由 | 向いている会の形 |
|---|---|
| 友人に準備の負担をかけたくない | 遠方に住む友人や、子育て中の友人が多い会 |
| ゲスト一人ひとりとゆっくり話したい | ゲストの人数が少なめの会 |
| 内輪の笑いで、置いてきぼりの人を作りたくない | 上司や年配の親族が多く、年齢の幅が広い会 |
| 進行にゆとりを持たせたい | お色直しが2回あるなど、演出が多い会 |
ただ、余興をなくすと、披露宴の中に15〜20分ほどの空き時間ができます。歓談だけにすると、ゲストが手持ちぶさたになりがちです。余興なしは「笑いなし」ではなく、笑いの出どころを新郎新婦に移すことと考えると、演出が決めやすくなります。
新郎新婦が作る笑いは、自分たちのことをネタにするので、誰も傷つかず、会場が安心して笑えます。笑いの出どころは、次の3つです。
- テーブルラウンドでの小ネタ(ゲストと話しながら笑う)
- プロフィールムービーの字幕(映像で笑う)
- 新郎新婦クイズ(会場の全員で笑う)
家族や親族だけの小さな会なら、席に座ったままできる出し物を1つだけ入れる方法もあります。例は「家族婚・少人数の結婚式の余興アイデア」で紹介しています。
テーブルラウンドに小ネタを1つ仕込む
テーブルラウンドは、新郎新婦が各テーブルを回り、ゲストと話したり写真を撮ったりする演出です。余興なしの披露宴の中心になる時間なので、テーブルごとに小さな笑いを1つ用意しておくと、会話がはずみます。
- 時間
- 1テーブル3〜4分(10卓なら30〜40分)
- 人数
- 新郎新婦+撮影する人(会場のスタッフなど)
- 準備物
- テーブル名の札、ポーズを書いたくじ(使う場合)
- 難しさ
- ★
| 小ネタ | やり方 | 笑いが起きる所 |
|---|---|---|
| テーブル名に思い出をつける | テーブルの名前を、2人の小さな思い出にする。回ったときに由来を一言で話す | 思い出のくだらなさ |
| 写真のポーズくじ | ゲストがくじを引き、書いてあるポーズで全員で写真を撮る | 全員がそろって同じポーズをとる所 |
| テーブルからの質問カード | 2人で前もって用意した質問を、ゲストに読んでもらって答える | 2人の答えがずれる所 |
テーブル名の小ネタは、準備が少なく、どのテーブルでも同じように笑いが取れます。由来の話は15秒ほどにまとめておきましょう。
テーブル名「焦げたパンケーキ」
2人で初めて作った料理です。焦げた面を下にして、写真だけはきれいに撮りました。
テーブル名「満席のラーメン屋」
並んでいる間に話しすぎて、席に着いたときには、話すことがなくなっていました。
テーブル名「最初のメッセージ」
新郎の最初のメッセージは「お疲れさまです」。仕事の連絡だと思って、半日そのままにしていました。
ポーズくじは、「全員で雑誌の表紙風」「全員で新郎の決めポーズ」のように、誰でもできるものにします。上司や年配の親族のテーブルでは、くじを引くかどうかをゲストに選んでもらい、無理にさせないようにしましょう。
話がはずんでも、1つのテーブルに長くいすぎないようにします。次へ移る合図を、司会やスタッフに出してもらうと安心です。
プロフィールムービーに笑いの字幕を入れる
生い立ちを写真で紹介するプロフィールムービーは、字幕を少し変えるだけで笑いが起きる演出になります。お色直しで中座している間に流すと、新郎新婦がいない時間も、会場の空気がつながります。
- 時間
- 5〜8分
- 人数
- 新郎新婦2人で作る
- 準備物
- 写真、スライドを作るアプリ、会場のスクリーン
- 難しさ
- ★★
笑いを入れるのは、写真に年齢と出来事だけを書く字幕に、ひとことのツッコミを足す方法です。
直す前:1歳 初めての誕生日
直したあと:1歳 初めての誕生日。ケーキより先に、ろうそくを食べようとする
直す前:10歳 サッカーを始める
直したあと:10歳 サッカーを始める(ポジションは、ほぼベンチ)
直す前:2021年 2人が出会う
直したあと:2021年 2人が出会う(新郎いわく「ひと目ぼれ」、新婦いわく「覚えていない」)
3つ目のように、2人の言い分のずれを並べる字幕は、どの会場でも笑いが起きやすい形です。笑いの字幕は全体の3分の1ほどにして、後半はゲストや両親への感謝を、まじめな字幕で伝えましょう。
笑わせたい字幕は、読み終わってから笑いが起きるので、ほかの字幕より1〜2秒長く出します。ゲストの誰かをからかう字幕は入れず、笑いは自分たちのことだけで取るのが安心です。作り方の手順は「余興ムービーの作り方」が、そのまま使えます。
新郎新婦クイズで会場を巻きこむ
新郎新婦にまつわるクイズは、会場の全員が参加できる、余興の代わりの定番です。司会が進め、新郎新婦が出題や答え合わせをすれば、友人に頼まなくても盛り上がります。
- 時間
- 10〜15分
- 人数
- 司会1人+会場の全員
- 準備物
- 問題のスライドか紙、答えの札、景品
- 難しさ
- ★★
選択肢の中に、1つだけ笑える答えを入れておくと、問題を読み上げた時点で笑いが起きます。たとえば「新郎が新婦に初めて贈ったものは?」なら、「A 花束 B 手紙 C 近所のスーパーの割引券」のようにします。答えのあとに、新郎新婦が一言ずつ補足すると、さらに笑いが広がります。
台本ふたりクイズの始め方(約1分)
司会ここからは、新郎新婦のお二人から皆さまへ、クイズのプレゼントです。
新郎今日は余興の代わりに、僕たちから3問だけ出題させてください。
新婦テーブルにある札で、AかBを上げてくださいね。
司会それでは第1問。お二人が初めて一緒に出かけた場所はどちらでしょう。Aは水族館、Bは動物園です。
(会場の札が上がるのを待つ)
新郎正解は……Bの動物園です。
新婦ゾウの前で30分も動かなかったのは、新郎のほうでした。
新郎あのゾウ、ずっとこっちを見てたんです。
(笑いが落ち着くまで待つ)
司会正解したテーブルの皆さま、おめでとうございます。続いて第2問です。
問題の作り方は「結婚式の余興クイズの問題例50」にまとめています。
余興なしの披露宴の進行例(2時間半)
2時間半の披露宴を、余興なしで組んだ例です。歓談だけの時間が長く続かないよう、20〜30分ごとに、小さな笑いが起きる区切りを入れています。
| 時間の目安 | 進行 | 笑いが起きる工夫 |
|---|---|---|
| 0:00 | 新郎新婦の入場、ウェルカムスピーチ | スピーチの中で、余興の代わりに自分たちが笑いを取りにいくと宣言する |
| 0:10 | 主賓の挨拶、乾杯 | ― |
| 0:20 | 歓談と食事 | テーブルに、2人の答えがずれた「アンケート結果」の紙を置く |
| 0:40 | ケーキ入刀 | そのまま写真タイムにし、ポーズを1つ指定する |
| 0:50 | ふたりクイズ | 選択肢に笑える答えを1つ入れる |
| 1:00 | お色直しで中座 | 笑いの字幕を入れたプロフィールムービー |
| 1:30 | 再入場、テーブルラウンド | テーブル名の由来を一言で話す |
| 2:00 | デザートタイム | 新郎新婦もお菓子を配りながら話す |
| 2:15 | 花嫁の手紙、花束贈呈、謝辞 | ここはまじめに |
| 2:30 | お開き、お見送り | ゲスト一人ひとりに、改めてお礼を言う |
表は一例です。お色直しをしない場合は、中座の30分をテーブルラウンドに回すと、全部のテーブルをゆっくり回れます。
笑いの演出を詰め込みすぎない
クイズやムービーのように前に注目を集める演出は、2〜3つまでにします。増やしすぎると、ゲストどうしが話す時間がなくなるからです。笑いは小ネタで少しずつ起こし、残りは歓談に回しましょう。
余興なしにすることの伝え方
余興を入れないことは、司会やプランナーだけでなく、両親や親しい友人にも早めに伝えます。年配の親族の中には、余興があるものと思っている人もいるからです。
余興なしに決めたら伝えておくこと
- 司会とプランナーに、余興の枠がないことと、代わりの演出の内容
- 両家の両親に、余興を入れない理由
- 親しい友人に、余興の準備はいらないこと
- サプライズの申し出があったときに受けるかどうか(プランナーに)
友人から「余興をしたい」と言われたら、気持ちはありがたく受け取り、余興なしにした理由を一言で伝えます。当日に話すのを楽しみにしていると添えると、相手もがっかりしません。
声をかけてくれてありがとう。その気持ちが本当にうれしい。
今回は余興の時間を作らずに、来てくれた人とゆっくり話せる会にしようと決めたんだ。
当日は〇〇のテーブルにも行って、なれそめの裏話をこっそり話すね。
当日は、ウェルカムスピーチでゲストに過ごし方を伝えておくと、歓談の時間も落ち着いて楽しんでもらえます。会場で読む言葉なので、別れや終わりを思わせる言葉は入れません。
本日は余興の時間を設けず、その分、皆さまとゆっくりお話しできる時間を多くとりました。
のちほど、私たちが各テーブルにうかがいます。
余興がない分、少しだけ私たちが笑いを取りにいきますので、どうぞ温かい目で見守ってください。
スピーチ全体の組み立ては「ウェルカムスピーチの例文」で紹介しています。
よくある質問
余興なしだと、ゲストは退屈しませんか?
ゲストが話したり参加したりする時間があれば、退屈しにくくなります。テーブルラウンドで全員と言葉を交わし、クイズを1つ入れるだけでも、会場の空気は大きく変わります。
新郎新婦が自分で笑いを取りにいくのは、恥ずかしくないですか?
自分たちをネタにする笑いは、ゲストが安心して笑えるので、むしろ好まれやすい笑いです。話すのが苦手なら、無理にボケる必要はありません。ムービーの字幕やテーブル名の札に笑いを任せれば、読むだけで笑いが起きます。
二次会では余興をしてもいいですか?
もちろん大丈夫です。披露宴は落ち着いて話す時間にして、くだけた二次会でゲームを楽しむ形もあります。二次会の幹事には、披露宴に余興がないことを伝えておくと、内容が重なりません。
まとめ
- 余興なしの披露宴は失礼ではなく、笑いの出どころを新郎新婦に移せばよい
- テーブルラウンドには、テーブル名の由来やポーズくじなど小ネタを1つ仕込む
- プロフィールムービーは、字幕にひとことのツッコミを足すだけで笑いが起きる
- クイズは選択肢に笑える答えを1つ入れ、会場の全員を巻きこむ
- 前に注目を集める演出は2〜3つまでにして、ゲストが話す時間を残す






