雑学で笑いを取るなら、「問い→意外な答え→自分の話」の順に組み立てます。答えの意外さで「へえ」と思わせ、その雑学を自分の小さな失敗や身近な出来事に当てはめたところで、笑いが起きます。雑学は辞典などで確かめられるものだけを選び、最後は仕事や暮らしの気づきで締めましょう。
この記事では、雑学で笑いが起きる組み立て方と、雑学から笑いにつなぐ3つの型、そのまま使える例文3本を紹介します。向いている雑学の選び方と、話す前に確かめておきたいこともまとめました。
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雑学で笑いを取るなら「問い→意外な答え→自分の話」
雑学の答えで起きるのは、まず「へえ」という驚きです。笑いが起きるのは、その雑学を自分の話に当てはめて、少しずらしたときです。「へえ」で身を乗り出した聞き手に、自分の小さな失敗をつなげると、驚きが笑いに変わります。
| パート | 話すこと | 字数の目安 |
|---|---|---|
| 1. 問い | 「皆さんは〜をご存じですか」と聞く | 30〜40字 |
| 2. 意外な答え | 雑学の中身を、短く分かりやすく | 60〜80字 |
| 3. 自分の話(笑い) | 雑学を自分に当てはめた、笑いの一言 | 60〜80字 |
| 4. 気づき | 仕事や暮らしにつなげ、「私は〜します」で締める | 60〜80字 |
合わせて250〜300字ほどにすると、1分に収まります。雑学だけを話して終わると、「物知りなことを言いたかった人」に聞こえてしまいます。3の自分の話があるから笑いが起き、4の気づきがあるから1分間スピーチらしくまとまります。
予想していた答えと、本当の答えの「ずれ」が笑いを生む仕組みは、「笑いが起きる仕組み」でくわしく説明しています。
雑学から笑いにつなぐ3つの型
雑学を自分の話につなげるときは、次の3つの型のどれかを使うと、笑いが起きやすくなります。
| 型 | やり方 | 例 |
|---|---|---|
| 自分のまちがいを先に言う | 正しい答えの前に、自分が思いこんでいた答えを言う | 「私は昨日まで、鉛筆のHは『ひかえめ』のHだと思っていました」 |
| 自分に当てはめる | 雑学の中身を、自分の暮らしにそのまま当てはめる | 「一生懸命」はもとは「一所懸命」で、1つの場所を命がけで守ること →「私も、会議室のいつもの席だけは守っています」 |
| 逆の自分を出す | 雑学の意味と、反対のことをしている自分を出す | 「ご馳走」の「馳走」は走り回ること →「私の昨日の夕飯は、電子レンジの前から一歩も動かずに完成しました」 |
どの型も、笑いのネタは自分にします。雑学を人に当てはめて「〇〇さんは、まさに馳走ですね」のように言うと、からかいに聞こえることがあります。
迷ったら「自分のまちがいを先に言う」
いちばん使いやすいのは、自分のまちがいを先に言う型です。問いのあとに、自分が思いこんでいた答えを言うだけなので、新しく笑いの言葉を考えなくて済みます。聞く人も、自分の答えと比べながら聞けるので、本当の答えへの「へえ」が大きくなります。
思いこみは、本当にそう思っていたものを選ぶのがコツです。わざと的外れな答えを作ると、笑いより「ふざけている」という印象が残ります。
笑いにつなげやすい雑学の選び方
向いているのは、辞書や事典ですぐに確かめられて、身近な物や言葉にまつわる雑学です。聞いた人が、その日のうちに誰かに話したくなるくらいの軽さがちょうどいいでしょう。
| 雑学のジャンル | 例 | 笑いにつなげやすい自分の話 |
|---|---|---|
| 言葉の由来 | 「ありがとう」「ご馳走」のもとの意味 | 言葉どおりにできていない自分 |
| 身近な物 | 鉛筆の記号、文房具や台所の道具 | 自分の思いこみや、持ち物の使い方 |
| 季節の行事 | 節分、七夕、お月見の意味 | 行事に張り切って、少しつまずいた話 |
| 自然や天気 | 虹の色、雲の名前 | 受け取り方のちがいで起きた勘違い |
| 時間やこよみ | 昔のこよみ、1日を分で数えると | 時間の使い方の、正直すぎる数字 |
季節の行事の話題は、月ごとの笑いの切り口と一緒に「朝礼スピーチの月別ネタ」で紹介しています。ほかのテーマも探したいときは、「1分間スピーチのネタ一覧」の40のテーマから選べます。
雑学スピーチで避けたい話題
- 健康や食べ物の効果を言い切る雑学(「〇〇を食べると治る」など)
- どこで読んだか分からない、細かい数字の雑学
- 特定の地域や人の集まりをからかう雑学
- 事件や事故、災害にまつわる雑学
話す前に確かめておきたいこと
雑学は、聞いている人の中に詳しい人がいると、まちがいがすぐに分かってしまいます。まちがいを指摘されると、笑いどころか、話全体が信用されなくなります。確かめられなかった雑学は、どんなに面白くても使わないと決めておきましょう。
雑学を話す前に確かめること
- 国語辞典や百科事典など、2つ以上の資料で同じことが書かれているか
- 説が分かれている話を、1つに言い切っていないか
- 数字を、細かい値で言い切っていないか
- 誰かを笑いものにする中身になっていないか
説が分かれている話や、数字が出てくる話は、言い方を少しやわらげます。次のような言い回しを使うと、うそをつかずに話せます。
| 言い切った言い方 | やわらげた言い方 |
|---|---|
| Hは「硬い」という意味です | Hは「硬い」という意味の頭文字だと言われています |
| 外国では、虹を7色とは数えません | 国や地域によっては、もっと少ない数で数えることもあるそうです |
| この行事は〇〇年前に始まりました | この行事は、ずいぶん昔から続いていると言われています |
下の例文3本も、言い切れない部分はこの言い回しにしています。
そのまま使える面白い雑学スピーチの例文3本
どれも1分前後で話せる長さです。「(笑いを待つ)」のところで2秒ほど間をあけ、気づきの部分は自分の仕事や暮らしに合わせて書きかえてください。
例文1 言葉の由来から「ありがとう」
自分に当てはめる型です。「めったにない」という意味を、自分の朝に当てはめて笑いにしています。
おはようございます。皆さんは、「ありがとう」という言葉のもとの意味をご存じでしょうか。
「ありがとう」は、「有り難い」という言葉から来ていると言われています。有ることが難しい、つまり、めったにないという意味です。
私にとって、めったにないことといえば、出かける前に家の鍵が1回で見つかる朝です。(間)この1年で、まだ3回です。(笑いを待つ)
職場にも、当たり前に見えて、本当は誰かのおかげで成り立っていることがたくさんあります。朝、会議室のホワイトボードがきれいに消されていること。共有の棚に、ファイルがそろっていること。
当たり前に見えることほど、本当は「有り難い」ことなのだと思います。今日は1つ、言いそびれていた「ありがとう」を伝えてみます。以上です。
例文2 身近な物から「鉛筆のHとB」
自分のまちがいを先に言う型です。鉛筆を1本持っていって見せると、聞く人の目が集まります。
おはようございます。皆さんは、鉛筆に書いてある「H」と「B」が、何の頭文字かご存じでしょうか。
私は昨日まで、Hは「ひかえめ」、Bは「ばっちり」のことだと思っていました。(笑いを待つ)
一般には、Hは「硬い」、Bは「黒い」という意味の英語の頭文字だと言われています。Bの数字が大きいほど、やわらかくて濃くなります。
これを聞いて、資料作りも同じだと思いました。細かい数字まで知りたい人には濃い資料が、全体だけ知りたい人にはうすい資料が合います。私は誰にでも同じ濃さの資料を作って、「結局どういうこと?」と聞き返されたことがあります。
これからは、資料を作る前に、読む人に合った「濃さ」を考えるようにします。以上です。
例文3 自然から「虹は何色?」
受け取り方のちがいという雑学を、自分の勘違いに当てはめています。笑いのあとは、確かめる大切さにつなげます。
おはようございます。皆さんは、虹は何色だと思いますか。
日本では、7色と答える人が多いと思います。ところが、国や地域によっては、もっと少ない数で数えることもあるそうです。同じ虹でも、色の境目のとらえ方がちがうのだと言われています。
これを聞いて、先週の自分を思い出しました。「明日は少し早めに来てね」と言われて、私は5分早く着きました。相手の「少し」は、30分でした。(笑いを待つ)
同じ言葉を聞いても、受け取り方は人によってちがいます。私はこれから、頼まれごとのあとには「どのくらいですか」と一言たしかめます。以上です。
雑学で笑いを取る話し方のこつ
雑学スピーチは、間の取り方で「へえ」と笑いの大きさが変わります。次の順番を意識して話しましょう。
- 問いかけは、聞く人の顔を見ながら、ゆっくり言う
- 問いのあとは2秒待つ(聞く人が答えを考える時間が、笑いの前置きになる)
- 答えは短く言い切り、「へえ」という反応を待つ
- 自分の話の笑いの一言の前で、半拍止まる
- 気づきの部分は、少しゆっくり、声を落ち着かせて話す
鉛筆のように実物を見せられる雑学なら、答えのところで見せると、目でも楽しんでもらえます。書いた原稿は、スピーチ時間の計算ツールで読み上げの時間を確かめておくと安心です。雑学を使わずに笑いを入れる型は、「1分間スピーチを面白くするには?」で紹介しています。
よくある質問
雑学は、どこで探せばいいですか?
国語辞典で身近な言葉を引いてみると、由来や昔の意味が載っていることがあります。季節の行事の本や、子ども向けの図鑑も、分かりやすく書かれていて確かめやすい資料です。インターネットで見つけた雑学は、辞典などでもう一度確かめてから使いましょう。
話したあと、「それは違うよ」と言われたら?
「教えていただいて、ありがとうございます。明日話せる雑学が1つ増えました」と、素直に受け止めれば大丈夫です。説が分かれている話だった場合は、次に話すとき「〜という説もあります」と言い方を変えましょう。
クイズにして、手を挙げてもらってもいいですか?
10人ほどまでの朝礼なら、「知っていた人は手を挙げてください」と聞くのも盛り上がります。答えを当てさせて、まちがえた人が気まずくならないよう、当てるのではなく「知っていたか」を聞く形にしましょう。誰も手を挙げなかったら、「私も昨日まで知りませんでした」と言うと、それだけで小さな笑いになります。
まとめ
- 雑学の笑いは「問い→意外な答え→自分の話」で作り、最後は気づきで締める
- つなぎ方は「自分のまちがいを先に言う」「自分に当てはめる」「逆の自分を出す」の3つ
- 笑いのネタは自分にし、雑学を人に当てはめてからかわない
- 確かめられない雑学は使わず、説が分かれる話は「〜と言われています」とやわらげる
- 問いのあとは2秒待ち、答えは短く言い切り、笑いの一言の前で半拍止まる





