朝礼スピーチで笑いを取るなら、自分の最近の小さな失敗を話すのがいちばん簡単です。失敗の場面を目に浮かぶ一言で笑ってもらい、そこからの気づきを「今日から私は〜します」で締めます。朝の仕事前なので、大笑いより、くすっと笑えるくらいの軽さで、1分ほどにまとめましょう。
この記事では、朝礼で笑いを取る型と、朝礼の場ならではのコツ、笑いが起きるネタの選び方を紹介します。そのまま使える面白い例文5本と、説教くさくならない締め方、1分で話す長さの目安もまとめました。
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朝礼で笑いを取る型は「小さな失敗→気づき」
朝礼スピーチの笑いは、次の4つの順番で作ります。笑いを置くのは2の1か所だけで、3と4はまじめに話します。
| 順番 | 話すこと | 例(例文1) |
|---|---|---|
| 1. 失敗の場面 | いつ・何をして・どうなったかを具体的に | 会議の資料100部の、2ページ目と3ページ目が逆だった |
| 2. 笑いの一言 | その場の様子を、目に浮かぶ一言で言う | はたから見ると、トランプの大会でした |
| 3. 気づき | 失敗から分かったこと | 確かめるのは1部でいい |
| 4. 今日からの行動 | 「私は〜します」で言う | 大量に刷る前に、1部だけ刷って確かめます |
自分の失敗を笑いにする形は、誰も傷つけないので、上司や新人が一緒に聞いている朝礼でも使えます。聞く人が「自分もやりそう」と思える失敗なら、笑ったあとの気づきも、自分のこととして受け取ってもらえます。
笑いの一言は、失敗した瞬間の様子を、物や数字を入れて言うのがコツです。「大変でした」と言うより、「5人で机を囲んで、トランプの大会のようでした」と言うほうが、聞く人の頭に場面が浮かびます。好かれる失敗談と嫌われる失敗談の違いは「自虐ネタの例と使い方」でも紹介しています。
朝礼ならではの笑いのコツ
同じ失敗談でも、朝礼はほかのスピーチと場の様子がちがいます。朝礼の特徴に合わせて、笑いの量と置き方を決めましょう。
| 朝礼の場の特徴 | 笑いへの影響 | どうするか |
|---|---|---|
| 仕事前で、まだ眠い人もいる | 大きな笑いは起きにくい | くすっと笑える一言を1つだけ入れる |
| 立ったまま聞いている | 長い話は、笑いより疲れが残る | 1分以内に収める |
| 上司・同僚・新人など立場が混ざる | 人をネタにすると、誰かが笑えない | 笑いのネタは自分の失敗にかぎる |
| 毎週のように順番が回ってくる | 毎回の笑いは負担になる | 笑いは話題がそろった回だけでよい |
| 話のあとすぐ仕事が始まる | 笑いで終わると切りかえにくい | 最後は今日からの行動で締める |
朝礼で大事なのは、話を聞いた人が、少し明るい気持ちで仕事に向かえることです。笑いはそのための入り口と考え、笑わせることそのものを目的にしないようにしましょう。
笑いの置き方は、ほかにも、大げさに予告してから小さな話をする型などがあります。朝礼以外の1分間スピーチでも使える型は「1分間スピーチを面白くするには?」で紹介しています。
笑いが起きるネタの選び方
朝礼の笑いのネタは、この1週間の自分の身の回りから探します。次の3つの場所を思い返すと、見つけやすくなります。
| 探す場所 | ネタの例 |
|---|---|
| 仕事中の小さな失敗 | 印刷のまちがい、電話の出方、メールの宛先 |
| 人に言われてドキッとした一言 | 後輩や家族に言われた、自分のくせ |
| 家や通勤での勘違い | 頼まれた買い物、曜日のまちがい、乗りまちがい |
ネタを選ぶ前に確かめること
- 朝から聞いて、前向きに笑える話か
- 部署の誰が聞いても分かる話か(内輪の話や専門用語ばかりになっていないか)
- 笑いのネタが自分か(ほかの人の失敗になっていないか)
- お客さまに迷惑をかけた失敗や、安全に関わる失敗ではないか
- 失敗のあとに、自分で決めた工夫があるか
お客さまに迷惑をかけた失敗や、けがや事故につながりかねない失敗は、朝礼で笑いにすると不誠実に聞こえます。そうした話は、笑いを入れずに報告として話しましょう。季節の行事から笑いを作るなら「朝礼スピーチの月別ネタ」、テーマから探すなら「1分間スピーチのネタ一覧」も使えます。
笑いのある朝礼スピーチの例文5本
どれも1分前後で話せる長さです。「(笑いを待つ)」のところで2秒ほど間をあけ、〇〇や数字は自分の職場に合わせて書きかえてください。
例文1 仕事の失敗「ページが逆の100部」
おはようございます。今日は、先週の私の失敗についてお話しします。
会議の資料を100部印刷したところ、2ページ目と3ページ目が、すべて逆になっていました。気づいたのは、会議の30分前です。
同じ課の皆さんに手伝ってもらい、5人で机を囲んで、ひたすらページを入れかえました。
はたから見ると、トランプの大会でした。(笑いを待つ)
なんとか間に合いましたが、皆さんの時間を使わせてしまいました。改めて、ありがとうございました。
この失敗から、たくさん印刷する前には、まず1部だけ刷って確かめることにしました。1部なら、まちがえても紙1枚で済みます。トランプの大会も開かれずに済みます。以上です。
失敗談では、手伝ってくれた人へのお礼を入れると、聞く人も気持ちよく笑えます。最後の一言は、途中の笑いをもう一度使った締めです。
例文2 言われた一言「画面に話しかけている気分」
おはようございます。先日、入社2年目の後輩に、「質問しやすい先輩って、どんな人?」と聞いてみました。
答えは、「手を止めて、顔を上げてくれる人」でした。
そのあと、少し言いにくそうに、こう続けました。
「先輩に質問するときは、いつも画面に話しかけている気分です」。(笑いを待つ)
振り返ると、私は質問されたとき、パソコンの画面を見たまま答えていました。それでは、相手は次から聞きにくくなってしまいます。
今日から、声をかけられたら、まず手を止めて、顔を上げることから始めます。画面ではなく、私に話しかけてください。よろしくお願いします。
人に言われた一言は、自分のくせを笑いにできる、朝礼向きのネタです。言った人が分かる話なので、相手がからかわれたと感じない言い方にしましょう。
例文3 電話の失敗「家の電話の出方」
おはようございます。先週、会社の電話に出たときのことです。
「はい、△△です」と、うっかり家の電話の出方をしてしまいました。(間)
相手の方は少し考えてから、「……△△さんのお宅ですか」と聞いてくださいました。(笑いを待つ)
すぐに会社名を名乗り直して、用件は無事に伺えました。ただ、相手の方は一瞬、どこにかけたのか分からなくなったはずです。
電話の第一声は、相手にとって、かけた先を確かめる大事な一言です。私は今週、受話器を取る前に、会社名を心の中で一度言ってから出るようにします。以上です。
△△には自分の名字を入れます。相手の方の言葉は、責めるのではなく、あたたかく受け止めてくれた形で話すと、笑いがやさしくなります。
例文4 家での勘違い「3つの買い物」
おはようございます。週末、家族に買い物を頼まれました。
牛乳と卵と食パンの3つです。「メモはいらない、覚えた」と言って出かけました。
買ってきたのは、牛乳とヨーグルトと、なぜか洗剤でした。(笑いを待つ)
3つのうち、合っていたのは1つだけです。覚えたつもりでも、聞いたその場で口に出していないと、こうなるのだと分かりました。
仕事の頼まれごとも同じです。私は今日から、頼まれたことは、その場で「〇〇を、〇時までですね」と復唱します。家でも復唱します。以上です。
家での失敗は、職場の誰にも迷惑がかかっていないので、いちばん気軽に笑ってもらえます。仕事の行動につなげるところだけは、まじめに言いましょう。
例文5 書いたものの失敗「いつものように」の引き継ぎメモ
おはようございます。先週、休みの先輩の仕事を、引き継ぎメモを見ながら代わりに担当しました。
そのメモには、手順だけでなく、「なぜそうするのか」が一言ずつ書いてありました。理由が分かっていたので、メモにない場面でも、自分で判断できました。
気になって、私が去年書いた引き継ぎメモを開いてみました。
書いてあったのは、1行だけ。「いつものように処理する」。(笑いを待つ)
「いつも」を知らない人には、何も伝わらないメモでした。
私も、自分の仕事のメモに「なぜ」を書き足していきます。まずは、去年の自分のメモから直します。今日も1日、よろしくお願いします。
人のよいところをほめたあとに、自分の失敗を並べる形です。比べる相手をほめているので、笑いが自慢や皮肉に聞こえません。
説教くさくならない締め方
笑いで空気がなごんだあとに「だから皆さんも気をつけてください」と続けると、失敗談が説教の前置きになってしまいます。失敗談の締めは、自分のこととして言うのが基本です。
| 説教くさく聞こえる締め | 自分のこととして締める |
|---|---|
| 皆さんも、印刷の前には確認しましょう | 私は、刷る前に1部だけ確かめます |
| 最近、復唱しない人がいます | 私は、頼まれたことをその場で復唱します |
| 確認を怠ってはいけません | 私は、送る前にもう一度読み直すことにしました |
| 〜するべきです | 〜してみようと思います |
「私は〜します」と締めると、聞いた人が「自分もやってみようか」と考えてくれます。安全に関わる注意のように、全員に伝えたいことだけは、「〜すると安心です」とやわらかく呼びかけましょう。
1分にまとめる長さと話し方
朝礼スピーチの長さは、職場によって決まっていることが多いです。決まりがなければ、1分前後を目安にします。話す速さは、1分あたり250〜300字ほどです。
| 場面 | 長さの目安 | 原稿の字数 |
|---|---|---|
| 当番で回ってくる朝礼スピーチ | 1分前後のことが多い | 250〜300字 |
| 時間が押していて、一言だけ求められたとき | 30秒 | 130〜150字 |
| 全体朝礼で、部署を代表して話すとき | 2〜3分 | 500〜900字 |
笑いを1つ入れるなら、笑いを待つ時間のぶん、原稿は目安より少し短めにします。書いた原稿は、スピーチ時間の計算ツールに貼ると、読み上げにかかる時間の目安が分かります。
話すときは、次の4つを意識すると、朝の眠い空気の中でも笑いが届きやすくなります。
- 最初の「おはようございます」を、ふだんより少し大きな声で言う
- 失敗の場面は、少しゆっくり話す(聞く人が場面を思い浮かべる時間になる)
- 笑いの一言のあとは、2秒ほど待ってから次へ進む
- 締めの一文は顔を上げて言い、「以上です」で終わりをはっきりさせる
よくある質問
上司がいる朝礼で、失敗談を話して大丈夫ですか?
小さな失敗と、そのあとに自分で決めた工夫を一緒に話せば、むしろ前向きに受け取られることが多いです。言いわけをせず、手伝ってくれた人へのお礼を入れましょう。お客さまに迷惑をかけた失敗や安全に関わる失敗は、笑いにせずに報告として話します。
朝礼スピーチの順番が、毎週のように回ってきます。
毎回笑いを入れなくても大丈夫です。小さな失敗は、その日のうちにスマホのメモに1行残しておくと、順番が回ってきたときのネタになります。どうしてもネタがない週は、ネタ探しそのものを話題にする手もあります。「当番表に自分の名前を見つけてから、ずっとネタを探していました」と始めるだけで、小さな笑いになります。
笑いが起きず、静かなまま終わりました。
朝は、心の中で笑っていても声に出にくい時間です。気づきと行動がきちんと話せていれば、朝礼スピーチとしては十分です。次の回は、笑いの一言を短くするか、失敗の場面をもう少し具体的にしてみましょう。
まとめ
- 朝礼の笑いは「小さな失敗→笑いの一言→気づき→今日からの行動」の順で作る
- 朝の仕事前なので、くすっと笑える軽さにとどめ、笑いは1つにする
- ネタは自分の小さな失敗だけにし、お客さまへの迷惑や安全に関わる失敗は笑いにしない
- 締めは「皆さん〜しましょう」より「私は〜します」と自分のこととして言う
- 1分なら原稿は250〜300字が目安で、笑いを入れるなら少し短めにする






