ツッコミが上手くなる方法|日常会話で使える5つの型と練習

いすに座って向かい合い、笑顔で会話をする男女

ツッコミが上手くなるいちばんの近道は、相手の話を最後まで聞いてから、短く、やわらかく返すことです。会話のツッコミは、相手をやりこめる言葉ではありません。「今の、面白かったよ」と相手に知らせる合図です。

この記事では、日常会話で使いやすいツッコミの5つの型と、きつく聞こえない言い方、毎日の会話でできる練習の手順を紹介します。型を1つずつ試していけば、言葉は少しずつ自然に出るようになります。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 会話のツッコミは「面白さに気づいた合図」
  2. 日常会話で使えるツッコミの5つの型
  3. きつく聞こえないツッコミの言い方
  4. ツッコむタイミングと、拾わないほうがいい話
  5. 毎日の会話でできる練習の手順
  6. 練習用のお題10(相手のひと言と返しの例)
  7. よくある質問
  8. まとめ

会話のツッコミは「面白さに気づいた合図」

ツッコミとは、話の中のおかしなところを指摘して、笑いに変える一言のことです。漫才では、お客さんを笑わせるために、大きな声で強くツッコむことがあります。けれども、ふだんの会話で同じ強さを使うと、相手を責めているように聞こえてしまいます。

会話のツッコミの目的は、相手の話を面白くすることです。相手が少し大げさに言ったところや、とぼけたところを拾うと、話した人がうれしくなり、場が明るくなります。舞台のツッコミとのちがいを表にまとめました。

くらべること舞台のツッコミ会話のツッコミ
目的お客さんを笑わせる相手の話を面白くする
声の大きさ大きく、はっきりふだんより少し明るい程度
長さ短く言い切る短く、語尾をやわらかく
主役ボケとツッコミの2人話している相手
気をつけることテンポ(話の速さとリズム)相手の気持ちと、その場の空気

漫才やコントで使うツッコミの種類を知りたい人は、「ツッコミの種類一覧」を読んでみてください。この記事では、ふだんの会話での使い方にしぼって紹介します。

日常会話で使えるツッコミの5つの型

会話で使いやすい順に、5つの型を並べました。難しさは★の数で表しています(★1つがいちばん簡単です)。最初は★1つの型から試してみましょう。

型言い方のひな形難しさ
1. くり返す「えっ、〇〇?」★
2. 気持ちを言う「それは〇〇だね」「〇〇なの?」★
3. 言い直す「それは〇〇じゃなくて、〇〇だね」★★
4. 例える「〇〇みたいになってるよ」★★
5. 乗ってから戻る「いいね、〇〇しよう。……いや、〇〇だよ」★★★

1. くり返す

相手の言葉の中で、いちばんおかしなところを、そのままくり返します。言葉を考える必要がないので、いちばん手軽な型です。少し驚いた声で言うだけで、ツッコミになります。

例文くり返す型の例

「昨日、電車で寝過ごして、終点まで行っちゃった」
「終点まで?」
「しかも折り返しの電車で、また寝過ごした」
「また?」

くり返すのは、1つの話で2回くらいまでにしましょう。毎回くり返すと、ただのオウム返しに聞こえてしまいます。

2. 気持ちを言う

話を聞いて、自分が感じたことを短く口に出す型です。「恥ずかしい」「気になる」という気持ちを、そのまま言葉にします。相手を否定しないので、目上の人にも使いやすい型です。

例文気持ちを言う型の例

「駅で、こっちに手を振ってくる人がいてね。笑顔で振り返したの」
「うん」
「うしろにいた人に振ってた」
「うわ、それは恥ずかしい。振った手、どうしたの?」
「頭をかくふりをした」

気持ちを言ったあとに、「どうしたの?」と続きを聞くと、相手がもう一度笑いを取れます。ツッコミで話を終わらせずに、相手に返すのがコツです。

3. 言い直す

相手が大げさに言ったところや、言葉の選び方がずれたところを、正しい言葉に言い直します。「〇〇じゃなくて、〇〇だね」の形に当てはめると作りやすくなります。

例文言い直す型の例

「今朝、軽くジョギングしてきたよ」
「どこまで?」
「駅まで。電車に乗り遅れそうで」
「それはジョギングじゃなくて、ダッシュだね」

言い直しは、正しい言葉のほうが短いほど笑いになりやすい型です。長い説明になりそうなら、くり返す型に切りかえましょう。

4. 例える

様子を、別の身近なものに置きかえて言う型です。休日に12時間寝たと聞いたら、「それはもう冬眠だね」と返します。聞いた人の頭に絵が浮かぶと、笑いが起きやすくなります。

例えは慣れるまで少し時間がかかるので、思いつかないときは無理に使わなくて大丈夫です。作り方は「例えツッコミのコツ」で、手順と例をくわしく紹介しています。

5. 乗ってから戻る

相手の冗談に一度乗ってから、「……いや」と戻ってツッコむ型です。ノリツッコミとも呼ばれます。会話では、乗る部分を一言だけにすると短く決まります。

例文乗ってから戻る型の例

「今日の会議は全部やめて、みんなで公園に行きませんか」
「いいですね、お弁当作ってきます。……いや、資料の締め切り、今日ですよ」

乗る部分が長くなると、相手が「本気にした?」と戸惑います。乗るのは一言、戻るのはすぐ、と覚えておきましょう。

きつく聞こえないツッコミの言い方

同じ内容でも、言い方ひとつで「面白いツッコミ」にも「冷たい一言」にもなります。きつく聞こえやすい言い方と、やわらかい言い方をくらべてみましょう。

きつく聞こえる言い方やわらかい言い方
「は? 意味わかんない」「どういうこと?」(笑いながら)
「バカじゃないの」「なんでそうなるの」
「つまんない」言わずに、ほかの話に移る
「おかしいでしょ」「それは、さすがにおかしいね」
「ありえない」「そんなこと、ある?」

やわらかく聞こえる言い方には、共通点が3つあります。

  • 人ではなく、話や出来事にツッコむ(「あなたが変」ではなく「その話が変」)
  • 語尾に「〜ね」「〜の?」をつけて、問いかけの形にする
  • 声は大きくせず、口もとをゆるめて言う

体に触れるツッコミはしないことも大切です。肩や頭を叩くしぐさは、舞台の上の決まりごとです。ふだんの会話では、軽いつもりでも相手を驚かせたり、痛い思いをさせたりします。

目上の人にツッコむときは

上司や先輩には、敬語のまま「気持ちを言う」型を使うと安心です。「それは、さすがに盛っていませんか」「その続き、すごく気になります」のように、相手を立てる言い方にしましょう。

ツッコむタイミングと、拾わないほうがいい話

ツッコミは、相手が言い終わってから、ひと呼吸おいて入れます。話の途中でかぶせると、相手が用意していた笑いどころをつぶしてしまいます。語尾まで聞き、「言い終わった」と分かってから口を開きましょう。

ツッコむのが遅れても、気にしなくて大丈夫です。会話では、少しあとから「さっきの、終点まで行った話だけど」と拾い直すこともできます。話を覚えていてもらえると、話した人はかえってうれしいものです。

反対に、ツッコまないほうがいい話もあります。話している人が、笑ってほしいのか、聞いてほしいのかを見分けましょう。

ツッコむ前に一瞬確かめること

  • 相手は笑ってほしくて話しているか(悩みや本気の相談ではないか)
  • 相手の見た目や年齢、家族、出身の話になっていないか
  • 失敗して落ち込んでいる最中ではないか
  • まだ打ち解けていない相手ではないか
  • 同じことに、すでにほかの人がツッコんでいないか

迷ったときは、ツッコミより相づちを選ぶと、失敗が少なくなります。聞き役のときに場を明るくする返し方は「相づちで笑いを生むには?」で紹介しています。

毎日の会話でできる練習の手順

ツッコミは、頭の中で言葉を探す練習と、口に出す練習の両方で上手くなります。次の順番で、1つの段階を1週間くらい続けてみてください。

  1. 心の中でツッコむ:テレビや動画、街の看板などに、声に出さずに一言ツッコむ
  2. ひとりで声に出す:家で1日3回、心の中のツッコミを小さな声で言ってみる
  3. くり返す型を使う:家族や仲のよい友人との会話で、1日1回だけ使う
  4. 気持ちを言う型を足す:「それは気になる」など、感想を一言そえる
  5. 言い直す型と例える型を足す:思いついたときだけ使い、無理には入れない

会話のあとは、うまくいったツッコミを1行だけメモに残しましょう。うまくいった言い回しは、別の場面でもまた使えます。

2人でできる練習「大げさ報告ゲーム」

家族や友人と2人でできる練習です。1人が、身の回りの小さな出来事を、わざと大げさに報告します。もう1人は、5つの型のどれかでツッコみます。役を交代しながら続けましょう。

時間
5分
人数
2人
準備物
なし(報告するお題をメモしておくと楽)
難しさ
★
例文大げさ報告ゲームのやりとり

「大ニュースです。今朝、駅までの信号が全部青でした」
「全部? それはニュースだね」
「おかげで駅に3分早く着いて、ホームで3分待ちました」
「乗った電車は、いつもと同じだね」

練習用のお題10(相手のひと言と返しの例)

ひとりで練習するときは、相手のひと言を読んで、返しを考えてみましょう。真ん中の列は返しの一例です。先に自分で考えてから見ると、練習になります。

相手のひと言ツッコミの例型
「打ち合わせ、すぐ終わるから」(2時間後)「すぐって、2時間のことだったの?」気持ちを言う
「道には自信があるから、ついてきて」(同じ角を3回曲がる)「この角、3回目だよ」くり返す
「スタンプカード、10個たまったら期限が切れてた」「10個もためたのに?」くり返す
「部屋の片づけ、ほぼ終わった。あとは床だけ」「床がいちばん広いよ」言い直す
「家を出てから、鍵を確かめに3回戻った」「3回も? もう家にいたほうが早いよ」くり返す
「新しい傘、買った日に電車に置いてきた」「傘、デビューの日に引退?」例える
「ちょっとだけのつもりが、漫画を全巻読んでた」「ちょっとの単位が全巻なんだ」気持ちを言う
「節約のために、いちばん安いお茶を3本買った」「3本買ったら、節約にならないよ」言い直す
「明日から早起きする。目覚ましも新しく買った」「いいね、私も買う。……いや、まず今のを使おう」乗ってから戻る
「段ボール、開けないまま玄関に5個ある」「玄関が、倉庫の入り口になってるよ」例える

返しは1つの正解があるわけではありません。同じひと言に、型を変えて2つ3つ返しを作ってみると、言葉の引き出しが増えていきます。

よくある質問

ツッコミのつもりが、相手を怒らせてしまいました。

まずは短く謝りましょう。「さっきの言い方、きつかったね。ごめん」で十分です。次からは「気持ちを言う」型を中心にすると、相手を否定する言い方になりにくくなります。

ツッコミを考えているうちに、話が先に進んでしまいます。

最初は「くり返す」型だけを使いましょう。相手の言葉をそのまま言うので、考える時間がいりません。慣れてくると、くり返しながら次の言葉が浮かぶようになります。

まわりにボケる人がいないので、ツッコむ場面がありません。

会話のツッコミは、ちょっとした大げさな言い方や、言いまちがいにも使えます。自分から話を広げる返しも覚えたい人は、「返しが上手い人になるには?」も参考にしてください。

まとめ

  • 会話のツッコミは、相手の話を面白くするための合図
  • 最初は「くり返す」「気持ちを言う」の2つの型から使う
  • 人ではなく話にツッコみ、語尾をやわらかくする
  • 相手が言い終わってからひと呼吸おき、悩みや見た目の話には入れない
  • 心の中、ひとりで声に出す、会話で1日1回、の順に練習する
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