返しが上手い人になるには?会話の切り返し3つの型と例文

帽子を手に、隣の人と即興のやり取りを楽しむ2人

返しが上手い人は、言われた言葉を否定せずに受けて、「乗る」「ずらす」「褒め返す」のどれかで返しています。とっさのセンスに見えますが、この3つの型を知っていれば、言われた一言から返しを組み立てられます。

この記事では、3つの型を例文で紹介します。場面別の切り返しの例と、毎日の会話でできる練習法もまとめました。

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  1. 返しが上手い人がやっていること
  2. 型1:乗る(相手の言葉に乗って広げる)
  3. 型2:ずらす(意味や見方を少しずらす)
  4. 型3:褒め返す(相手を立てて返す)
  5. 3つの型を使った会話例
  6. 場面別・切り返しの例文
  7. 切り返しが上手くなる練習
  8. よくある質問
  9. まとめ

返しが上手い人がやっていること

切り返しとは、相手に言われた言葉を受けて、会話を一歩先に進める返事のことです。返しが上手い人の会話には、共通する習慣があります。

  • 最後まで聞いてから返す(話の途中で返事を考えない)
  • 「いや」「でも」と、否定から入らない
  • 返したあとに、相手が話しやすいすき間を残す

そのうえで、返しの中身は次の3つの型に分けられます。

型やること言い方のひな形向いている場面
乗る相手の言葉を受け入れて、話を足す「はい。しかも〜」冗談を言われたとき
ずらす言葉の意味や見方を少しずらす「〇〇なら、〜です」あいさつや、決まった質問
褒め返す相手のよいところを見つけて返す「〇〇さんのおかげです」褒められたとき、お礼を言われたとき

ツッコミとの違いも押さえておきましょう。ツッコミは、話の中のおかしなところを指摘して笑いに変える一言です。切り返しは、言われたことを受けて会話を先に進める返事なので、指摘する必要がありません。ツッコミの入れ方は「ツッコミが上手くなる方法」で紹介しています。

こんな返しは避ける

説教で返す、相手を下げて返す、自分を下げすぎて返す、の3つは会話を止めてしまいます。返しは短く、相手も自分も気持ちよく終われるものにしましょう。

型1:乗る(相手の言葉に乗って広げる)

乗る型は、相手の言葉を「はい」と受け入れて、さらに一言足す返し方です。即興劇でよく使われる「受け入れて、足す」という考え方と同じです。相手の話を否定しないので、会話がどんどん広がります。

例文乗る型の例

「その荷物、旅行にでも行くの?」
「はい。会議室まで、1泊2日で」

「今日、なんだか気合い入ってるね」
「分かります? 朝ごはんを2回食べてきました」

「〇〇さんって、いつも準備がいいよね」
「はい。遠足の前の日は、眠れないタイプです」

乗るときは、相手が使った言葉をそのまま使うのがコツです。「旅行」と言われたら旅行の話で、「気合い」と言われたら気合いの話で返します。足す一言は、相手の予想より少しだけ大げさにすると笑いになります。

型2:ずらす(意味や見方を少しずらす)

ずらす型は、言葉の意味や、ものを見る立場を少しだけ変えて返す方法です。決まりきったあいさつや質問ほど、ずらしたときの意外さが大きくなります。ずらし方は、主に3つあります。

ずらし方言われたこと返しの例
言葉どおりに受け取る「手が空いてたら、手伝ってくれない?」「右手が空いてます。左手はコーヒーです。すぐ置きますね」
大きさを変える「何か変わったことあった?」「靴ひもの結び方を変えました。今年いちばんの大改革です」
立場を変える「パソコン、動きが重いね」「パソコンも、月曜日はつらいみたいです」

ずらしたあとは、本来の返事もきちんと添えましょう。「すぐ置きますね」のように最後は相手の言葉に応えると、ふざけているだけに聞こえません。

また、相手が真剣に聞いているときは、ずらさずに答えます。たとえば上司に「進み具合はどう?」と聞かれたときにずらすと、はぐらかしたように受け取られます。ずらす型は、雑談やあいさつのときに使いましょう。

型3:褒め返す(相手を立てて返す)

褒め返す型は、褒められたときやお礼を言われたときに、相手のよいところを見つけて返す方法です。「いえいえ、全然です」と打ち消すと、会話がそこで止まってしまいます。いったん受け取ってから、相手を立てるのがコツです。

言われたこと打ち消してしまう返し褒め返し
「その資料、見やすいね」「いえ、全然です」「ありがとうございます。〇〇さんの資料をお手本にしました」
「助かったよ、ありがとう」「大したことしてないです」「〇〇さんの説明が分かりやすかったからです」
「仕事、早いね」「そんなことないです」「〇〇さんの指示が分かりやすいからです。……と言っておくと、次も分かりやすくしてもらえるので」
「その色、似合うね」「安物ですよ」「ありがとうございます。今日いちばん言われたかった言葉です」

3つ目の例のように、褒め返したあとに本音を少しだけ足すと、笑いも生まれます。ただし、お世辞が続くと気持ちが伝わりにくくなります。褒めるところは、本当にそう思ったところにしましょう。

3つの型を使った会話例

休憩時間の会話で、3つの型がどう使われているかを見てみましょう。

台本休憩時間の会話(約1分)

先輩お、今日はお弁当? 自分で作ったの?

自分はい。と言っても、昨日のおかずの再放送です。

先輩再放送って。でも、彩りがきれいじゃない。

自分ありがとうございます。先輩に褒められたので、明日は新作にします。

先輩じゃあ明日、ひと口ちょうだい。

自分いいですね。では、審査員席を用意しておきます。

先輩そこまでしなくていいよ。

自分先輩のお弁当も、いつもおいしそうですよね。何かコツがあるんですか?

「再放送」は残り物を言いかえた、ずらす型です。「明日は新作」は褒め言葉を受けて広げる乗る型、「審査員席」はさらに乗った返しです。最後は先輩のお弁当を褒めて質問し、相手が話す番を作っています。

場面別・切り返しの例文

よくある一言への返しをまとめました。自分の言いやすい言葉に直して使ってください。

言われたこと返しの例型
「今日、来るの早いね」「はい。昨日の自分との約束を、珍しく守りました」乗る
「今日も暑いね」「はい。駅まで歩いただけで、ひと仕事終えた気分です」ずらす
「〇〇さんって、何でも知ってるね」「知っているのは、近所のパン屋さんの焼き上がり時間くらいです」ずらす
「無理しないでね」「ありがとうございます。無理しない練習、がんばります」ずらす
「緊張してる?」「はい。今、心臓が早口になってます」ずらす
「また会議?」「はい。会議と会議のすき間に、少しだけ仕事があります」ずらす
「週末、晴れるといいね」「はい。てるてる坊主を、3体つるしておきます」乗る
「手伝おうか?」「ありがとうございます。〇〇さんがいると、百人力です」褒め返す
「お疲れさま。今日は大変だったね」「はい。でも、〇〇さんの差し入れで半分回復しました」褒め返す
「その企画、いいね」「ありがとうございます。〇〇さんに言われると、自信がわきます」褒め返す

「好きなタイプは?」「休日は何してるの?」のような、よく聞かれる質問への答え方は「「好きなタイプは?」への上手い返し」にまとめています。

切り返しが上手くなる練習

返しは、あらかじめ考えておいた分だけ、とっさに出やすくなります。ひとりでできる練習と、2人でできる練習を紹介します。

ひとりでできる練習「3つの型で返す」

  1. ふだんよく言われる一言を、5つ書き出す
  2. それぞれに、乗る・ずらす・褒め返すの3つの型で返しを書く
  3. いちばん言いやすい返しに丸をつけ、声に出して言ってみる
例文練習シートの例(お題:「最近どう?」)

乗る:「よくぞ聞いてくれました。……特に何もないです」
ずらす:「おかげさまで、毎朝ちゃんと朝が来ています」
褒め返す:「〇〇さんに聞かれると、何か話したくなりますね。実は……」

2人でできる練習「乗るだけ会話」

1人が「週末の計画」などのテーマを言い、2人で交互に「いいね、しかも〜」と話を足していきます。否定したり、話を止めたりしたら交代です。乗る型が、自然に口から出るようになります。

時間
3分
人数
2人
準備物
なし
難しさ
★
例文乗るだけ会話の例

「週末、2人で山に登ろう」
「いいね。しかも、お弁当を持っていこう」
「いいね。しかも、おにぎりは10個にしよう」
「いいね。しかも、1個は山頂でお供えしよう」

よくある質問

とっさに返せず、あとから思いつきます。

最初はそれで大丈夫です。あとから思いついた返しをメモしておくと、似た場面でそのまま使えます。会話がまだ続いていれば、「さっきの話ですけど」と少しあとから返しても、十分に喜ばれます。

返しが寒いと言われるのが怖いです。

切り返しの目的は、笑いを取ることより、会話を先に進めることです。笑いが起きなくても、相手が話しやすくなっていれば成功です。ウケなかったときの立て直し方は「滑ったときの返し方」で紹介しています。

仕事の場でも使えますか?

褒め返す型は、仕事の場でも使いやすい返し方です。乗る型とずらす型は、相手が冗談を言ったときや、休憩中の雑談で使いましょう。取引先との打ち合わせなど、改まった場では控えめにするのが安心です。

まとめ

  • 返しが上手い人は、否定せずに受けて、乗る・ずらす・褒め返すのどれかで返している
  • 乗るときは、相手の言葉をそのまま使って少し大げさに足す
  • ずらしたあとは、本来の返事も添える
  • 褒められたら打ち消さずに受け取り、相手を立てて返す
  • 3つの型で返しを書く練習と、乗るだけ会話で、とっさの一言が出やすくなる
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