容姿いじりの返し方|見た目・年齢・名前をいじられたとき、線を引く言い方

鏡の前に座り、驚いた表情の自分を見つめる人

見た目や年齢、名前、出身をいじられたときは、無理に笑いで返さなくて大丈夫です。こうした「本人が選べないこと」へのいじりは、言う側に悪気がなくても、人を傷つけやすいからです。短い一言でその話題を終わらせるか、嫌だとはっきり伝えるか、自分が楽なほうを選びましょう。

この記事では、その場を軽く終わらせる返し方と、線を引く言い方を紹介します。その場にいた人ができることや、いじる側が気をつけたいこともまとめました。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 見た目・年齢・名前・出身のいじりが、ほかのいじりと違う理由
  2. 無理に笑わず、その場を終わらせる返し方
  3. 嫌だとはっきり伝える言い方(線を引く)
  4. よくある場面別の伝え方
  5. その場にいた人ができること
  6. いじる側にならないために、言う前に確かめること
  7. よくある質問
  8. まとめ

見た目・年齢・名前・出身のいじりが、ほかのいじりと違う理由

失敗やくせへのいじりなら、「次は気をつけます」と笑って終われることもあります。けれども、見た目や年齢、名前、出身は、本人が選んだものでも、すぐに変えられるものでもありません。言われるたびに、どうにもできない気持ちが残ります。

くらべること行動や失敗へのいじり見た目・年齢・名前・出身へのいじり
本人が選んだか自分で選んだ行動が多い選んでいない、変えられない
終わり方「次は気をつける」で終われる終わりがなく、くり返されやすい
傷つく人言われた本人同じ特徴を持つ、その場のほかの人も
職場では内容しだいハラスメントにあたることがある

笑って返せないのは、ノリが悪いからではありません。 もともと笑いの材料にしてはいけない話題だからです。行動や失敗へのいじりの返し方は、「いじられたときの返し方」で紹介しています。この記事では、「選べないこと」へのいじりにしぼって話を進めます。

無理に笑わず、その場を終わらせる返し方

その場の空気を大きく変えたくないときは、短い一言で話題を終わらせる方法があります。ねらいは、笑いを取ることではなく、その話題を続けさせないことです。自分を下げて笑いを取る返しは、次のいじりを呼びやすいので避けましょう。

返し方は、大きく分けて3つあります。

  • 短く受けて、話題を変える(「そうですか。ところで〜」)
  • 落ち着いて質問で返し、相手に考えてもらう(「それ、今の話に関係あります?」)
  • 大事にしていることを伝える(名前の由来や、地元の好きなところを話す)

いじられた内容ごとに、返しの例をまとめました。どれも、笑わずに落ち着いた表情のまま言うのがコツです。

いじられた内容返しの例ねらい
体型や顔のこと「そうですか。それより、さっきの件ですが」反応せずに話題を変える
体型や顔のこと(くり返される)「それ、今の話に関係あります?」相手に、自分の言葉を考えてもらう
年齢が上であること「年齢の話は置いておいて、本題に戻りましょう」話を本題に戻す
年齢が若いこと「経験はこれから積みます。今日の分は、しっかり準備してきました」中身の話に移す
名前の読み方や珍しさ「〇〇と読みます。祖父がつけてくれた名前なんです」大切にしていると伝える
方言や話し方「方言、気になります? 地元のいいところなら3つ言えますよ」好きなことの話に変える
出身地への決めつけ「地元の人が、みんなそうというわけではないですよ」決めつけをやわらかく正す

黙って話題を変えるだけでも十分

どの返しが正解ということはありません。相手との関係や、その場の状況で選べば大丈夫です。言葉が出てこないときは、笑わずに少し間をおいて、別の話を始めるだけでも、その話題は終わりやすくなります。

とっさに言葉が出ない人は、鏡の前で練習しておくと安心です。落ち着いた表情のまま、「ところで〜」と話題を変える一言を言ってみましょう。表情と言葉を一度合わせておくと、いざというときに出しやすくなります。

嫌だとはっきり伝える言い方(線を引く)

くり返されるときや、話題を変えても続くときは、はっきり伝えてかまいません。いきなり強く言う必要はなく、次の段階で少しずつ線を引いていけます。

段階言い方の例使う場面
1. 表情で伝える笑わずに、少し間をおく1回目で、軽い言い方のとき
2. 短く止める「その話題は、やめておきましょう」その場で止めたいとき
3. 気持ちを言う「見た目のことを言われるのは、好きじゃないんです」くり返されるとき
4. はっきり断る「年齢のことを言うのは、やめてください」前に伝えても続くとき

言い返されたときに、そのまま使える一言も用意しておきましょう。

例文「冗談だよ」と言われたとき

冗談なのは分かっています。でも、私は嫌なんです。

例文「ノリが悪いな」と言われたとき

ノリの問題ではなくて、その話題が苦手なんです。
ほかの話なら、いくらでも乗りますよ。

その場で言いにくいときは、あとで二人きりのときや、メッセージで伝える方法もあります。

例文二人きりのときに、先輩に伝える例

少しお時間よろしいですか。
飲み会で、私の名前を使った冗談が何度か出ていましたよね。
名前は家族がつけてくれた大事なものなので、笑いのネタにされるのはつらいんです。
これからは控えていただけると、ありがたいです。

例文友人にメッセージで伝える例

この前、言いそびれたから書くね。
体型のこと、冗談でも言われると結構へこむんだ。
これからも仲よくしたいから、ちゃんと伝えておきたくて。

職場で続くときは、一人で抱えない

容姿や年齢についての発言がくり返されると、職場ではハラスメントにあたることがあります。社内の相談窓口や人事、信頼できる上司に相談しましょう。言われた日時と言葉、周りにいた人をメモしておくと、相談するときに役立ちます。社内で相談しにくいときは、都道府県の労働局などの公的な相談窓口もあります。

よくある場面別の伝え方

同じ「線を引く」でも、相手や場面によって、言いやすい言葉は変わります。よく困る3つの場面での伝え方を紹介します。

家族や親戚の集まりで言われたとき

親戚は、久しぶりに会うと、見た目や年齢のことを悪気なく口にしがちです。言い返して空気を悪くしたくないときは、相手の近況を聞いて、話題を相手に移しましょう。何度も続くなら、親しい家族に「その話はしないでほしい」と先に伝えておき、間に入ってもらう方法もあります。

例文親戚の集まりで話題を移す例

元気にやってるから、大丈夫だよ。
それより、おじさんの畑、今年はどうだった?

見た目にちなんだあだ名をやめてほしいとき

昔からのあだ名は、呼ぶ側にとっては親しみのしるしのつもりです。やめてほしいときは、「やめて」だけで終わらせず、代わりの呼び方を伝えると受け入れてもらいやすくなります。

例文あだ名を変えてもらう例

そのあだ名、そろそろ卒業させてください。
これからは、下の名前で呼んでもらえるとうれしいです。

大勢の前で言われたとき

大勢の前では、長く言い返すほど注目が集まり、つらくなりがちです。その場では「その話は、また今度で」と短く止めるだけにして、くわしいことはあとで本人に個別に伝えましょう。その場で目が合った人や、あとで声をかけてくれた人は、相談するときの味方にもなってくれます。

その場にいた人ができること

誰かが見た目や年齢をいじられているのを見たら、周りの人の反応で、その場の流れは変わります。大きく注意しなくても、できることはあります。

  1. 一緒に笑わない(笑い声が、いじりを続けさせる力になるため)
  2. 話題を変える:「そういえば、来週の予定ってどうなりました?」
  3. 軽く止める:「それ、言わなくてよくない?」「その話はやめとこう」
  4. あとで本人に声をかける:「さっきの、嫌だったよね。大丈夫?」

あとでかける一言は、いじられた人にとって大きな支えになります。「気づいてくれた人がいた」と分かるだけで、気持ちが少し軽くなるからです。

いじる側にならないために、言う前に確かめること

いじりは、言う側が「仲がいいから大丈夫」と思っていることが多いものです。けれども、相手の本当の気持ちは、顔を見ただけでは分かりません。人の見た目や年齢に何か言いたくなったら、口に出す前に次のことを確かめましょう。

言う前に確かめること

  • 相手が自分で選んだこと、変えられることか
  • その場に、同じ特徴を持つ人がいないか
  • 自分の立場が上で、相手が言い返しにくくないか
  • 相手の笑顔は、本当の笑顔か
  • 前にも同じことを言っていないか

ひとつでも気になったら、言わずにおきましょう。笑いを取りたいなら、身の回りの出来事や、自分の小さな失敗を材料にするほうが、その場の全員が安心して笑えます。人を材料にしないで話を面白くする方法は、「面白い話し方のコツ」で紹介しています。

もし言ってしまったと気づいたら、言い訳をせずに、短く謝ります。

例文言ってしまったあとに謝る例

さっきの言い方、よくなかった。ごめんね。もう言わないようにする。

よくある質問

笑って流したほうが、場の空気を壊さないのではないですか?

一度笑って流すと、「この話題は大丈夫」と受け取られ、くり返されることがあります。笑わずに話題を変えるだけなら、場の空気はそれほど変わりません。自分の気持ちを守ることを優先して大丈夫です。

自分から見た目をネタにするのはいいですか?

自分のことなので、話すかどうかは自分で決めてかまいません。ただ、周りが反応に困ったり、同じ特徴を持つ人が気まずく感じたりすることがあります。笑いを取るなら、出来事や失敗を材料にするほうが聞く人も笑いやすくなります。くわしくは「自虐ネタの例と使い方」で紹介しています。

相手が上司で、はっきり言えません。

最初は、段階1と2の「表情で伝える」「短く止める」からで大丈夫です。直接言いにくいときは、信頼できる別の上司や、社内の相談窓口に相談する方法もあります。

まとめ

  • 見た目・年齢・名前・出身のいじりは、無理に笑って返さなくてよい
  • 返すなら、話題を変える、質問で返す、大事にしていることを伝える
  • 嫌なときは、表情、短く止める、気持ちを言う、はっきり断る、の順で線を引く
  • その場にいた人は、一緒に笑わず、話題を変えて、あとで声をかける
  • 言う側は、相手が選べないことを笑いの材料にしない
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