いじられたときの返し方|笑いに変える一言と、嫌なときの伝え方

マイクスタンドの前で、台本を手渡し合う男女

いじられたときは、まず相手の言葉を一度受け止めてから、少しずらして返すのが基本です。「認めて上乗せする」「開き直る」など、返しの型をいくつか持っておくと、とっさでも言葉が出やすくなります。

ただし、嫌だと感じたら、笑って流す必要はありません。この記事では、いじりを笑いに変える返しの型と例文に加えて、嫌なときに関係を壊さずに伝える言い方も紹介します。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 最初に見分けたい「笑えるいじり」と「嫌ないじり」
  2. いじりを笑いに変える返しの5つの型
  3. 場面別・いじられたときの返し例
  4. 返すときの表情と間の取り方
  5. 返しが思いつかないときの「つなぎの一言」
  6. 嫌なときは、はっきり伝えていい
  7. よくある質問
  8. まとめ

最初に見分けたい「笑えるいじり」と「嫌ないじり」

いじりとは、相手の失敗やくせを話題にして、からかうように笑いを取ることです。同じ言葉でも、内容や言われ方によって、笑える場合と傷つく場合があります。返し方を考える前に、そのいじりがどちらなのかを見分けましょう。

くらべること笑えるいじり嫌ないじり
内容自分で選んだ行動や、小さな失敗見た目、年齢、家族、出身、隠したいこと
回数その場の1回で終わる会うたびに、何度もくり返される
立場言い返しても大丈夫な関係立場の差があって言い返せない
言われたあと一緒に笑って終われるあとまで、もやもやが残る

嫌かどうかを決めるのは、言われた自分です。 周りが笑っていても、相手に悪気がなくても、嫌なら嫌でかまいません。見た目や年齢、名前などをいじられたときの対応は、「見た目や年齢をいじられたときの返し方」でくわしく紹介しています。

いじりを笑いに変える返しの5つの型

笑えるいじりなら、返し方しだいで、その場の笑いを大きくできます。いじりは、相手から投げられた「話のボール」のようなものです。上手に受けて返すと、いじった人も、いじられた自分も、一緒に笑って終われます。

型やること言い方のひな形
1. 認めて上乗せいじりを認めて、さらに話を足す「そうなんです。しかも〜」
2. 開き直る堂々と言い切って、胸を張る「任せてください。〜」
3. 大げさを直す言いすぎたところだけ訂正する「〜じゃないです。〜くらいです」
4. 助けを求める相手を味方に引きこむ「じゃあ、〜してもらえませんか」
5. 軽くお返し相手にもやわらかく返す「〇〇さんこそ、〜ですよね」

1. 認めて上乗せ

いじりを否定せずに「そうなんです」と認め、さらに一言足す型です。否定しないので、いじった側も気まずくなりません。足す一言は、相手の予想より少しだけ大げさにすると笑いになります。

台本待ち合わせに、いつも最後に着くとき

先輩また最後に登場だね。主役は遅れて来るってやつ?

自分そうなんです。しかも今日は、登場の音楽まで考えてきました。

2. 開き直る

苦手なことを言われたときに、あえて自信満々に言い切る型です。言っている内容と、堂々とした態度のずれが笑いを生みます。

台本方向音痴をいじられたとき

友人〇〇に道案内させたら、今日中に着かないよ。

自分任せて。どこかには、ちゃんと着くから。

3. 大げさを直す

いじりの中の大げさな部分だけを直し、残りは少し認める型です。全部を否定しないのがコツです。

台本字のくせをいじられたとき

同僚この字、暗号?

自分暗号じゃないです。読める人が、まだ3人しかいないだけです。

4. 助けを求める

いじってきた相手に、そのまま助けを頼む型です。いじりが「手伝ってもらうきっかけ」に変わるので、職場で特に使いやすい返しです。

台本機械の操作が苦手なとき

先輩またコピー機と戦ってるの? 嫌われてるね。

自分はい、片思いなんです。仲を取り持ってもらえませんか。

先輩しょうがないなあ。ここを押すんだよ。

5. 軽くお返し

相手にも、同じくらいの軽さで返す型です。お返しの内容は、相手の行動や好みにしましょう。仲のよい相手が、笑って受けてくれる関係のときだけ使います。

台本毎日同じお昼ごはんをいじられたとき

同僚またおにぎり2個?

自分はい、具で毎日勝負してます。〇〇さんこそ、毎日カレーパンですよね。

同僚……それは言わないで。

お返しは「同じ重さ」まで

いじられた仕返しに、相手の見た目や失敗を強く言い返すと、言い合いになってしまいます。お返しは、言われたことと同じくらいの軽い話題にとどめましょう。

場面別・いじられたときの返し例

よくある場面で、いじりと返しの例をまとめました。どれも、自分で選んだ行動や小さなくせへのいじりです。自分の場面に近いものを、言いやすい言葉に直して使ってください。

場面言われたこと返しの例型
職場「〇〇さんの机、何がどこにあるか分かるの?」「分かります。ただ、分かるのは私だけです」認めて上乗せ
職場「早口すぎて、半分しか聞き取れなかったよ」「すみません、倍速でした。もう一度、等速でお話しします」認めて上乗せ
職場「その質問、もう会議の名物だね」「はい、毎回新鮮な気持ちで聞いています」開き直る
友人「〇〇が来ると、だいたい雨だよね」「今日も傘は3本持ってきた。配るね」開き直る
友人「カラオケ、またその曲?」「うん。あと3年は歌う予定」開き直る
友人「集合時間、また1時間早く来てたの?」「1時間じゃないよ、50分。場所取りしといた」大げさを直す
家族「今日の煮物、また新しい味だね」「毎回、一期一会でお届けしています」開き直る
食事の席「また最後までメニューで迷ってるね」「全部のメニューに失礼のないよう、読んでるところです」開き直る

返しのあとは、自分から話題を次に進めると、いじりが長引きません。「それより、〇〇さんの週末はどうでした?」のように、相手に話を渡すと自然です。とっさの返しをもっと増やしたい人は、「返しが上手い人になるには?」も参考にしてください。

返すときの表情と間の取り方

同じ返しでも、言い方しだいで伝わり方が変わります。言葉の上手さより、落ち着いて見えることのほうが大切です。型ごとに、合う表情と声の出し方をまとめました。

型表情声と間
認めて上乗せにこやかに「そうなんです」のあとに1拍おき、上乗せを言う
開き直る真顔で、胸を張る少しゆっくり、低めの声で言い切る
大げさを直す少し困ったような笑顔訂正は短く、最後の一言をはっきり言う
助けを求める相手を頼る表情語尾を上げて、問いかけにする
軽くお返しいたずらっぽい笑顔軽く言って、すぐ自分も笑う

いじられた直後に、すぐ返そうとしなくて大丈夫です。1拍おいてから返すと、焦っていない印象になります。大勢の前でいじられたときも、返す相手は、いじってきた1人だけで十分です。

返しが思いつかないときの「つなぎの一言」

型を覚えていても、言葉が出てこないときはあります。そんなときは、どんないじりにも使える「つなぎの一言」で受けて、話を進めましょう。

  • 「そこ、拾います?」
  • 「今それ言います?」(笑顔で)
  • 「ちょっと持ち帰って、検討させてください」
  • 「よく見てますね。……では、本題に戻りましょう」

つなぎの一言は、笑いを取るためというより、その場を軽く終わらせるための言葉です。言えなかった返しは、あとでメモに残しておくと、次に似たいじりが来たときに使えます。

嫌なときは、はっきり伝えていい

いじりが嫌だと感じたら、笑いで返す必要はありません。愛想笑いをすると、相手は「このいじりは大丈夫」と受け取り、同じことをくり返しがちです。最初は笑えたいじりでも、何度も続くと嫌になることがあります。

伝えるときは、次の順番で考えると、関係を壊しにくくなります。

  1. 愛想笑いをやめて、表情で「笑っていない」ことを見せる
  2. その場で短く止める(「その話は、ここまでにしましょう」)
  3. 続くなら、二人きりのときに、何が嫌なのかを具体的に伝える
  4. それでも続くなら、信頼できる人や相談窓口に相談する
段階言い方の例
軽く止める「その話は、ここまでにしておきましょう」
気持ちを伝える「それを言われるのは、正直ちょっと苦手なんです」
はっきり断る「前にもお伝えしましたが、その話はやめてください」
例文二人きりのときに、先輩に伝える例

〇〇さん、少しよろしいですか。
会議のときに、私の字のことを言われるのが、みんなの前だと正直つらいんです。
冗談なのは分かっているのですが、これからは控えていただけるとうれしいです。

「冗談だよ」と言われたら、「冗談なのは分かっています。それでも、私は嫌なんです」と、もう一度伝えて大丈夫です。気持ちを伝えるのは、わがままではありません。

職場でいじりが続くとき

内容や回数によっては、職場のいじりがハラスメントにあたることもあります。一人で抱えこまず、社内の相談窓口や信頼できる上司に相談しましょう。言われた日時と言葉をメモしておくと、相談するときに役立ちます。

よくある質問

いじられキャラから抜け出したいです。

「開き直る」返しばかりだと、いじってもよい人だと思われやすくなります。「大げさを直す」型を増やし、嫌ないじりには段階を追って伝えましょう。自分から話題を出す側に回ることも、印象を変える助けになります。

自分がいじる側になるとき、気をつけることは?

相手が変えられないことや、隠したいことは話題にしないことです。言うのは1回だけにして、相手の表情が本当に笑っているかを確かめましょう。人をいじるより、自分の小さな失敗を話すほうが安心です。そのコツは「自虐ネタの例と使い方」で紹介しています。

上司からのいじりにも、返していいですか?

笑えるいじりなら、敬語のまま「認めて上乗せ」や「助けを求める」型で返すと、失礼になりにくくなります。「軽くお返し」の型は、目上の人には使わないほうが安心です。

まとめ

  • いじりは、まず受け止めてから、少しずらして返す
  • 「認めて上乗せ」「開き直る」「大げさを直す」「助けを求める」「軽くお返し」の5つの型を持っておく
  • 返しが思いつかないときは、つなぎの一言で次の話へ進める
  • 嫌なときは愛想笑いをせず、短く、はっきり伝えてよい
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