コントアニメの作り方|絵が苦手でも作れる手順と40秒の台本例

ペンタブレットでコントアニメのキャラクターを描く人

コントアニメは、台本、絵コンテ、声、動きの順に作ると、絵が苦手でも最後まで仕上げられます。先に声を録ってから絵を合わせれば、描く絵は、口の形3つと表情いくつかで足ります。

コントアニメの笑いは、絵のうまさより、セリフと間で決まります。この記事では、4つの手順と、絵が苦手な人のための工夫を紹介します。丸と線だけで描ける40秒の台本と、その絵コンテもあります。

目次目次を閉じる目次を開く
  1. 絵が苦手でもコントアニメは作れる
  2. 手順1 台本|絵にしやすい話を選ぶ
  3. 手順2 絵コンテ|カットごとに小さく描く
  4. 手順3 声|先に声を録って、絵を合わせる
  5. 手順4 動き|口パク・まばたき・ゆれで動かす
  6. 絵が苦手な人のための工夫
  7. よくある質問
  8. まとめ

絵が苦手でもコントアニメは作れる

テレビで見るようなアニメは、1秒に何枚もの絵を描いて動かしています。コントアニメはそこまでしなくても大丈夫です。止まった絵を長く見せて、口と目だけを動かす作り方なら、描く枚数はぐっと減ります。

ゆるい絵で、まじめなセリフを言うだけでも、絵と言葉の差がおかしみになります。1人ぶんの絵は、次の表くらいそろえれば作れます。

用意する絵枚数の目安中身
体1人につき1枚正面向きの体(口と目は描かずにおく)
口の形1人につき3枚閉じた口、少し開いた口、大きく開いた口
目1人につき2枚開いた目、閉じた目(まばたき用)
表情1人につき3〜4枚ふつう、驚き、困り顔、真顔など
背景場面ごとに1枚部屋や道など、話の場所

口や目を体とは別の絵にしておくと、組み合わせを変えるだけで、いろいろな顔が作れます。この部品に分ける考え方が、少ない枚数で作るいちばんのコツです。

手順1 台本|絵にしやすい話を選ぶ

はじめての1本は、30〜60秒、登場人物は2〜3人、場所は1つにしぼりましょう。走る、投げる、料理をするなど、手足をたくさん動かす場面は、描く枚数が一気に増えます。動きで笑わせるより、会話で笑わせる話を選ぶのが近道です。

描きやすい話描きにくい話
正面を向いて話す2〜3人横を向いて歩く、走る
丸や四角でできた物が話す手先の細かい動き(料理、楽器)
1つの場所での会話何度も場所が変わる話
表情の変化で笑わせる大勢が一度に出てくる場面

台本は、画面に映すものとセリフ、音を分けて書いておくと、あとの絵コンテが楽になります。書き方の形は「動画の台本の書き方」で、テンプレートつきで紹介しています。

40秒の台本「信号機の3人」

丸と四角だけで描ける、信号機の3色が話すコントです。いま話している色が光る、という決まりにすると、口を描かなくても誰が話しているかが分かります。

時間
約40秒
人数
声は3人(1人で演じ分けてもよい)
準備物
紙とペン、またはお絵描きアプリ、録音できるスマホ、動画編集アプリ
難しさ
★★

台本信号機の3人(約40秒)

(夜の交差点。信号機が1つ。光っている色が、いま話している人)

赤はい、止まってくださーい。

青赤さん、今日も厳しいねえ。

赤青くんがゆるすぎるの。

黄あの……。

赤どうしたの、黄色。

黄赤さんと青さんは、いつも長く光ってますよね。

青まあ、そうだね。

黄ぼくは、いつもほんの少しだけなんです。

赤短いのが、あなたの大事な仕事なの。

黄今日だけ、長く光ってもいいですか。

赤・青だめ。

(黄色がほんの一瞬だけ光って、すぐ赤に変わる)

(赤が光ったまま。黄色は消えたまま、小さな声で)

黄……出番、終わりました。

赤はい、止まってくださーい。

最後に1行目と同じセリフをくり返すと、また同じ毎日が始まったことが伝わり、話がきれいに閉じます。人物の性格の付け方は「コントのキャラクターの作り方」も参考になります。

手順2 絵コンテ|カットごとに小さく描く

絵コンテとは、動画の設計図です。画面に何を描くかを、カット(場面の区切り)ごとに小さな絵とメモで並べます。人に見せるものではないので、絵は丸や棒人間で十分です。

カット画面セリフ・音秒数
1夜の交差点を遠くから。赤が光っている赤「はい、止まってくださーい」3秒
2信号機のアップ。話す色が光る青と赤の言い合い6秒
32と同じ絵。話す色が光る。黄色の光だけ弱め黄「あの……」から「長く光ってもいいですか」まで14秒
4信号機をさらにアップ。2色が同時に光る赤・青「だめ」2秒
52と同じ絵。黄色が一瞬光り、すぐ赤に変わる切りかわる「カチッ」という音4秒
62と同じ絵。赤が光ったまま、黄色は消えている黄「……出番、終わりました」(光らずに話す)4秒
71と同じ絵赤「はい、止まってくださーい」3秒

絵コンテを書くときは、同じ絵を使い回せるカットを探しましょう。この例では、カット1と7、カット2・3・5・6が同じ絵です。描く絵は、遠くからの絵とアップの絵、さらに寄った絵の3枚と、光り方を変えた信号機の部品だけで済みます。

手順3 声|先に声を録って、絵を合わせる

声は、絵を動かす前に録ります。先に声を録り、その声に合わせて絵を動かす方法をプレスコといいます。あとから絵に声を合わせるアフレコより、セリフの間が決まっているので、はじめての人でも作りやすくなります。

録るときは、1つのセリフごとに少し間をあけておくと、あとで間を詰めたり広げたりしやすくなります。1人で何役も演じるときは、声の高さより、話す速さや言葉づかいを変えるほうが自然に聞こえます。

録った声だけを通して聞いて、笑えるかを確かめてから絵に進みましょう。声だけで面白ければ、絵が付いても面白くなります。声だけで聞かせる台本の作り方と録音のコツは、「音声コントの作り方」で紹介しています。

手順4 動き|口パク・まばたき・ゆれで動かす

動きは、動画編集アプリで、絵を声に合わせて並べて付けます。全部を動かす必要はありません。次の表の動きを組み合わせるだけで、止まった絵が生きて見えます。

動き作り方使う場面
口パク口の絵3枚を、声に合わせて切りかえる話しているあいだ
まばたき閉じた目の絵を、数秒に1回、一瞬だけ出す黙って聞いているとき
体のゆれ体の絵を、上下にほんの少し動かす止まって見えるのを防ぐ
表情の切りかえ表情の絵を差しかえるボケを聞いた瞬間
画面の寄り画面全体を少しずつ大きくするオチの直前
画面のゆれ画面を一瞬、小刻みに揺らす驚いた瞬間
記号汗のしずくや、顔のまわりの線を足すあせり、驚き

口パクは、声が大きいところは大きく開いた口、小さいところは少し開いた口、黙ったら閉じた口にします。1文字ずつ合わせなくても、口が声に合わせて開いたり閉じたりしていれば、見る人は自然に感じます。

体のゆれや画面の寄りは、多くの編集アプリにある「キーフレーム」の機能で作れます。動きの始まりと終わりの位置を決めると、そのあいだを自動で動かしてくれる機能です。

動きを付け終えたら、効果音と字幕を足して仕上げます。信号機の台本なら、色が切りかわる「カチッ」という音が、オチの合図になります。効果音を入れる場所と音量は、「動画の効果音の使い方」にまとめています。

絵が苦手な人のための工夫

絵に自信がない人は、次の工夫を組み合わせてみてください。うまく描くことより、同じ絵を何度でも使える形にしておくことが大事です。

  • 頭は丸、目は点、口は線で描く。体は正面向きだけにする
  • 人物ごとに色を決める。色の見え方は人によって違うので、形や大きさも変える
  • 手を描かずに済むよう、腕のない物や、手が画面の外に出る構図にする
  • 背景は1枚にして、話の最後まで使い回す
  • 紙に描いて切り抜き、目や口を置きかえるたびに撮る「コマ撮り」で作る
  • 自分で撮った写真をなぞって背景にする

人が描いた絵やキャラクターをなぞったり、そっくりにまねたりするのはやめましょう。フリー素材のイラストを使うときは、効果音と同じように、利用規約で動画への使用や加工が認められているかを確かめます。

表情は6つ描いておけば足りる

ふつう、笑う、驚く、困る、怒る、真顔の6つがあれば、たいていの場面に使えます。とくに真顔は、ボケのあとに一瞬見せるだけで笑いになる、コントアニメの便利な表情です。

よくある質問

どんなアプリを使えばいいですか?

絵を描くアプリは、絵を透明なシートのように重ねて描ける「レイヤー」の機能があるものが便利です。口や目を別のレイヤーに描けば、部品に分けやすくなります。動画編集アプリは、画像を並べて、位置や大きさを動かせるものなら作れます。

声は自分で演じないといけませんか?

家族や友だちに頼んでもかまいません。文字を読み上げる機能を使う方法もありますが、動画に使ってよいか、収益化してよいかは、その機能の利用規約で確かめましょう。コントは間が大事なので、読み上げを使うときは、セリフのあいだの時間を編集で整えます。

はじめての1本は、どれくらいの長さがいいですか?

30秒ほどの短い話がおすすめです。はじめは、思ったより時間がかかるものです。まずは短い話で、台本から仕上げまでの手順を1回通すと、次の1本からぐっと楽になります。

まとめ

  • 台本、絵コンテ、声、動きの順に作る
  • 先に声を録り、その声に合わせて口パクとまばたきを付ける
  • 絵は丸と線で描き、正面向きと使い回しで枚数を減らす
  • 動きは口パク、まばたき、体のゆれ、画面の寄りだけでも十分
  • 人の絵はまねせず、素材を使うときは利用規約を確かめる
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